渋茶さんのレビュー一覧

テミスの天秤 とある弁護士の憂い 小説

井上ハルヲ(オハル)  みずかねりょう 

人物描写の分かり易い弁護士もの

新米の白石と、新宿の片隅で地道に仕事している欲のない藤牧、藤牧の天敵のような存在で白石とは不倫関係にあった先輩・三上が繰り広げる弁護士同士の三角関係もの。

彼らの商業柄、当然弁護士としての仕事ぶりにも触れているが堅苦しさはなく、仕事描写と恋愛面・攻め受けの両想いまでの過程がバランスよく書かれているので読み易かった。
人の良い藤牧は弱い立場の人達を助けたい人情派弁護士として、いいとこ取りで利…

3

鑑賞倶楽部 小説

マキ  山田シロ 

過去をこじらせた同志の恋愛出発点

まず目を引くのは主役の一之瀬がオナニークラブなる店に通っているという設定で、そこから過去の苦い思い出に触れていく内容になっている。

見た目はいい男で仕事もそつなくこなしている一之瀬は、週一で会員制オナニークラブに通い、過去に植え付けられた苦い思い出をさらけ出す事が習慣となっていた。
大人になっても抱えている過去を心の中で掘り起こすばかりで進歩せずに踏みとどまっていたところに、行きつけのクラ…

3

オトコの花道 コミック

笠井あゆみ 

我が道を行く、シュールの極み

笠井さんの絵は一枚で見ると耽美な雰囲気や精密さに素晴らしいと感じるが、小説の挿絵に関しては個人的には手放しで誉め讃えるのは内心微妙なんだよなぁ。
以前なら物語の相乗効果で絵の綺麗さにもうっとりできたのだけど、どうも最近は物語本来の味わいよりもこの人の絵の自己主張のほうが強く感じて小説が読み辛くなってしまい、本屋で頻繁にこの人の絵を見かけてもそのBL小説を読みたいとは思えなくなってきた。

そ…

2

恋愛恐怖症 小説

いおかいつき  DUO BRAND. 

恋愛描写外の別の面でなるほどと感じた不思議

何かにつけて消極的な小説家の受け・静紀は、雑誌の対談がきっかけで<霊能力者>としてTVで有名になった攻めの一心を紹介されることとなる。
静紀は一心の事を胡散臭いと疑っていながらも簡単に会話のリードを取られて、成り行き上で彼が新たに監修するホラーハウスの原案を依頼される。

大雑把に言うと、俺様攻め×ヘタレ受けのカップルになるのかな…。
ホラーハウスのプロデュースも出来て結構マル…

1

華狩り~捕食者と夜の蝶 小説

本庄咲貴  國沢智 

エロエロで攻める内容かと思いきや…

ラヴァース文庫GREEDで出版された他小説のイメージからエロエロで攻める内容かと思いきや、サスペンスを主軸としたシリアスな中身だった。

人気ホストの志遠は偶然に暴力団の裏取引を目撃した為に殺されそうになったところに、彼らと癒着している刑事の石神に出会う。
その場で陵辱されてしまうのだが、石神が弱みを握ったと既成事実を作った事で逆に志遠の身を守る形になっていると気が付いた時に、かつて尊敬して…

4

アイソポスのひそかごと 小説

崎谷はるひ  穂波ゆきね 

ある意味壮大になっちゃうセレブの告白劇場

短期間に家族を亡くした大学生の真次(まつぐ)が身辺整理でバタバタしていた時に、イタリアの名門家系の美少女が真次の亡兄と恋仲になり赤ん坊を授かったと知らせに彼女の兄と共に乗り込んできた。
そのドタバタの際に腕を骨折したものの、事実がはっきりした事で真次も身内を亡くした心細さが薄らいでいく。
そこで、美少女の兄・グイードからある女性につきまとわれて困っているので解決の策として愛人契約を依頼される。…

1

シグナルレッドベイビー コミック

北上れん 

不器用さがいじらしい

歌舞伎の世界を舞台にした従兄弟同士のカップルで、和装姿のキャラクター満載のコミック。
北上さんの描く今回の攻め・和美は天然系ではなく、受け・笙吾に対する想いが真っ直ぐで包容力がある。

幼い頃から父親・行臣との絆を求めて歌舞伎の世界に没頭してきた笙吾と、そんな笙吾の事をそばで見ている和美。
この親子の歯痒い関係を見ていた和美は、いっその事笙吾と歌舞伎の世界から切り離してでも守ってやりたいと…

1

みちづれポリシー コミック

北上れん 

西岡の天然の可愛さに溢れた一冊

絵のほうは綺麗だなと見とれがちだったが、実は西岡×篠原カップルも『ひとり占めセオリー』同様に愛着が湧くまでに時間がかかった。

好きという気持ちがバレたら、今まで親友のふりをして築いた心地よい関係が呆気なく崩れるのを恐れて一人で悶々と悩んでいた篠原。
ふとしたきっかけでその想いが西岡にバレたのに、いともあっさりと両想いに。
過去の付き合いみたいに、相手(西岡)のほうが気持ちが覚める事を恐れ…

2

女郎蜘蛛の牙 小説

水原とほる  高緒拾 

まさに曖昧で奇妙な関係

この小説の『女郎蜘蛛の牙』は攻め・蓮見視点で、『オナガグモの爪』では受け・奥泉視点となっている。
ヤクザ間の血生臭い抗争の場面もあるが、二作とも動より静な印象だった。

刑事としては異端な内面を持つ蓮見が興味を示した美貌の組長代行・奥泉。
岩田組組長襲撃の容疑が掛かった奥泉を匿う中で、〈オナガグモ〉なる謎の男の正体も注目点となっているが…。

蓮見が奥泉に対してSっぽい一面を垣間見せる…

4

座敷童に恋をした。 小説

いおかいつき  佐々木久美子 

家族的な妖怪たち

いおかさん初の人外ものは、吸血鬼とかモフモフ系ではなくオヤジ化した日本古来の座敷童が主役。
関係ないとは知りつつ今流行りの妖○ウォ○○を思い浮かべるが、あいにく私はこのブームに縁のない環境だ…。

亡くなった祖父の住んでいた家を相続した祈(いのり)は、そこで幼い頃の初恋だった座敷童の再会を期待していた。
なのに、その座敷童・咲楽(さくら)は当時の可愛い女の子の成りを潜めてオヤジみたいな容姿…

4
PAGE TOP