M+Mさんのレビュー一覧

駆け引きのインサイド・ベット 小説

  高崎ぼすこ 

意外と真面目な事件モノ

表題作はケイン(受)の視点です。
表紙イラストですとコミカルな印象だったのですが、ケインも竜崎(愛称「リュウ」)も真面目な思考のキャラでして、意外と真面目にストーリーは進みます。

竜崎が賭けに負けたケインを騙すように抱くのかなって思っていたので、ケインが竜崎の尾行がバレた理由を問われて好きだと告白する場面はビックリしました。こういう予想を外す展開って大好きです!

強盗事件の前段に、窃…

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囚われの狼と初恋の鎖 小説

榊花月  鈴倉温 

ワンコでなく狼というのがポイント

瑠加(受)視点の表題作と、相楽(攻)視点のショート「狼は迷わない」の2つが収録されています。

瑠加が御曹司で、相楽を引き取って仕えさせているとなりますと、堪忍袋の緒が切れた相楽が瑠加を突き放したり、瑠加が相楽から離れてしまうという誤解やすれ違いがどこかであるかとドキドキして読んでいたのですが、そういうのはなかったです。なので、年上の使用人攻めが、受けに豹変して逆らったり襲ったりするのを期待さ…

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温室育ちの恋 小説

鷺沼やすな  蓮川愛 

「温室育ち」だったのは

表題作「温室育ちの恋」と続編「ダイヤモンド・フィッシュ」の中編2つが収録されています。

どちらも広夢(受)の視点で、軽く書かれているので読みやすいですが、ひっかかる人にはひっかかる展開が結構入っています。それが王道展開に飽いているときは新鮮で面白いですが、王道パターンに安心を感じたいときには消化不良になったりします。

「温室育ちの恋」では、広夢の作家の相棒である大住(33歳・妻子持ち)…

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緑の楽園の奥で 小説

  宗真仁子 

雇われ庭師×依頼人ですが

雇われガーデナー(庭師)×依頼人の孫の話ですが、使用人×主人という力関係はないです。

森河(攻)の視点でストーリーは進みます。
軽い恋愛だけをしてきた森河が、造園を頼まれた家の孫息子である羽城(受)が気に入る庭を造ることになるというストーリーです。

人との別れに怯えて壁を作っている羽城の心を開こうと、森河が「ガーデナーの哲学」「ガ-デナーのカン」などと思いつきを言うのが面白いなと思い…

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あまやかなくちびる 小説

高峰あいす  竹美家らら 

くちびるに触れるものは

語れるほど高峰あいす先生の作品を読んでいないのですが、ちるちるの検索結果からはお嫁さんネタが多いのかなという印象で。この作品も、不憫な過去をもつ健気な受けが、優しく包容力のある大人な攻めのところに嫁にいくような話です。

望(受)が健気な良い子なので好感が持てる分、虐待を受けていた過去は辛いのですし、義父には腹が立ちますが、松倉(攻)や大河屋の方々が強く優しくて素敵です。大旦那格好良いな!

1

不可解な男~多岐川燎の受難~ 小説

雨月夜道  中井アオ 

とにかく振り回される

表紙イラストが、ストーリーでの二人の関係そのものです!
舌をちらりと出して誘惑する燎(受)。
その姿に、冷静っぽい表情だけど手元はコーヒーまいて動揺している柊(攻)。
背景のピンク色の花は、二人の思いが、周囲にだだもれだという意味にとれました。

表題作は、燎が「柊は自分を好きじゃないのか?手出ししないのは何故なんだ!」とキレて柊にあれこれする話です。燎は柊に振り回されているつもりだった…

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MUNDANE HURT 小説

木原音瀬  井戸ぎほう 

グズなんだけど憎み切れない

人の弱さとか、愚かさとか、そういうのをシリアスに一気に読ませます。
暴力シーンが沢山あるので夜に読むもんじゃないです…。ドキドキして眠れません。

実は「吸血鬼と愉快な仲間たち」目当てで購入した同人誌に、この作品のその後がちょっとだけ載っていたので続きを知っていますけれど、それなしだとこのラストで読み終わっている状態はかなりキツいって思いました。あとがきの救済まで読んで!としか言いようがあり…

5

オーナー指定の予約席 小説

  須賀邦彦 

苦労性な受けが可愛い

表題作と続編の中編2作品が収録されています。

どちらも久哉(受)の視点で進みます。
久哉は過去の経験から「連絡なしに捨てられる」ことに慣れており、成瀬(攻)の言動を信じきれないし、頼るという考えがありません。

成瀬がそう言ったわけでもないのに、結婚している青木の身代わりだと「知っている」と断言したり、名前で読んで欲しいという成瀬の要望に「青木が名前で呼んでいたから」と思う心情が切なか…

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虎之介の恋人 ~梨園の貴公子番外編~ 小説

ふゆの仁子  円陣闇丸 

煽るのが上手い受け

シリーズの番外編というのに、シリーズ未読という無謀な挑戦です。

シリーズでのカップル達が登場しますし、他作品とリンクしている部分があるようなので、読んでいた方がより楽しめるとは思いますが、単独で読んでも大丈夫でした。

ただ、シリーズ未読で口調に慣れていないからか、単に私が鈍いからか、内山が「虎之介の兄さん」と芹に話す場面が「虎之介」の愛称だと最初気が付かず、「虎之介の兄」のことだと、稽…

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「妖精ハンター×DT~四十歳童貞男の逆襲~」出版社共通SSペーパー 特典

ワンコのしつけ?

文庫は帯がかかっていたので、こちらのペーパーで阿久津が蜘蛛の巣の上に座っているんだな、と初めて気が付きました。うっすらと阿久津が地面に写っているのも細やかで良いなと思います。(表紙で気が付けよという話ですが、A5サイズだと見やすくていいですね!)

ペーパーの内容は、本編のその後。翅が生えるようになって十回以上というので、結構時間が経っているようです。

それなのに、恋人同士だというのに、…

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