M+Mさんのレビュー一覧

その花の馨しき色… 小説

火崎勇  雪舟薫 

自分だけの「華」

この作者様は基本的に、一人の目線で書かれるようで、今回は富海の目線で進んでいきます。表題作と続編の、中編2本が収録されています。

「その花の馨しき色…」
ぱっとしないモデルの富海(18歳)は、新しいマネージャーの敷島に引き合わされる。敷島は小汚く不遜な男で、心中は反発ばかりしていたが、表面は言われるがままに従っていた。だが、ある日の撮影で、敷島に色気のある顔をするためにマスターベーションを…

2

そばにおいてね。(新装版) コミック

桜城やや 

カッコイイ&カワイイ高校生カップル

連作4話の表題作と、関連のない連作2話の、2カップルの話が収録されています。

「そばにおいてね。」
幼馴染で、子供の頃から、両思いという話が甘くて良かったです。
一誠は譲より身長は低いけれど、確かに王子様のようにカッコイイです。
譲が一誠のお姫様やお嫁さんになろうとするのを周囲が温かく見守っているのも面白かったです。ユズ、いっちゃん、という互いの呼び方も可愛らしい。標準語×なんちゃって…

2

黒いサカナ 小説

火崎勇  海老原由里 

艶のある作品

表題作と続編の中編2本が収録されています。竹垣の目線で進みます。

「黒いサカナ」
日常に退屈している竹垣は、ある日、隣の風呂が沸かしっぱなしになっているのに気がついて、隣人・今隅の部屋に入ります。それからイラストレーターだという彼にモデルになって欲しいと頼まれ…。

今隅が罠をかけて、竹垣をモノにする話です。
火事になったら困るので無視できないという心理を利用した風呂の音、ギャップで…

2

妄想と日常 劣情と代償番外編 特典

二人の甘い生活と変態

8ページ。表紙の高嶺の手にキスする入江のイラストは、文庫の表紙・挿し絵と異なるので、描き下ろしか雑誌掲載時のイラストか…なんにしろ、嬉しい限りです!

本編のラストは同居生活を始めて一週間。先に寝ている入江のベッドへ、高嶺がもぐりこむとセックスに雪崩れ込むという状態だったのですが、小冊子では「会える日はキスと甘い言葉をください」という入江の要望どおり、帰宅したらまずキスをする(高嶺の方から!)…

1

ドクターの恋文 小説

安曇ひかる  山本小鉄子 

医師×ペンドクターの切なくコミカルな恋

丸ごと1冊表題作です。智秋の目線で進みます。

医師×ペンドクターという珍しい組み合わせです。檜野(攻め)は万年筆の購入・修理に智秋(受け)の文具店を訪れますし、それ以外にも万年筆が小道具として様々に登場します。自分も万年筆が欲しくなりました。

単に珍しい仕事だから使ったというのではなく、智秋がペンドクターであることの必要性もありますし、指先の汚れへの対応で、檜野と元彼・芳朝との違いも示…

2

ブルーデザート 小説

火崎勇  佐々木久美子 

日本が舞台のアラブ話

作者様のあとがきでは、「ブルーダリア」のスピンオフ…じゃなくて系列編とのことでした。主人公の違う、前作の続編という感じです。
表題作と、前作の主人公・唯南の目線で語られる「ダリアの憂鬱」が収録されています。

「ブルーデザート」
白鳥卓也(29歳)は、従兄弟・唯南の仕事に同行し、仕事の依頼主であるマージドと出逢う。話し相手として連れまわされるうちに、マージドが唯南の隣人・東城に「愛している…

5

ブルーダリア 小説

火崎勇  佐々木久美子 

謎のある便利屋がカッコイイ

表題作と後日談的SSが収録されています。謎のある便利屋×若きサラリーマンの話です。白鳥の目線で話は進みます。

「ブルーダリア」
白鳥唯南(25歳・受け)は、接待先のホテルで、ひそかに恋心を抱いていた隣人・東城塊(30代・攻め)が不倫している現場を見てしまう。それを本人の口から確認した当日、自分の部屋に泥棒が入り、東城と同居することになる。上司が殺害され、色々な可能性と疑問が渦巻く中、東城の…

4

酔っぱらったらものにしろ 小説

樹生かなめ  ジキル 

酔っぱらったフリ・・・が・・・

続編「酔っぱらってもお前だけ」を先に読みました。その時、こんなに酒乱な野々村と伍代が両思いになるまではどんなんだろう?と思ったものですが…。

この作品は、酔っぱらったフリをしているだけが結構長く、本性を発揮するのは終盤で遠藤を殺しかけたくらでした。そうか、伍代はこれから徐々に野々村の酒乱に慣れていったのか…と納得でした。

終盤、伍代に抱かれて涙をこぼす野々村のイラストがあるのですが、そ…

3

エメラルド 2015年夏の号 コミック

葉芝真己先生の巻頭カラー!

3大先生の作品、
 中村春菊「純情ロマンチカ」「世界一初恋」
 あべ美幸「SUPER LOVER」「八犬伝」
 相場キョーコ「神様☆ダーリン」「年下彼氏に迫られてます。」
で、全体の半分以上を占めるという雑誌エメラルドですが、今号は葉芝真己先生の巻頭カラー「トラブルメーカー!」に欣喜雀躍でした!

葉芝先生の、最近の作品の傾向からいえば、BLというより、友情やうすーいBL臭のついたレベ…

3

臆病なサボテン 小説

安曇ひかる  金ひかる 

疑問の余地がない完成作品

丸ごと1冊表題作です。貴逵の目線でストーリーは進んでいきます。

銀行の審査部に勤める貴逵(攻め)にとって、柏邑(受け)は苦手で頭にくる上司。ところが、休日に犬と戯れる柏邑を見かけ、興味を抱きます。犬が死んで弱って甘えてくる姿に惹かれていき…。

冷酷な上司の意外な面を発見して、惹かれていくのはよくあるパターンなのですが、そこに、柏邑の同期・堺と、融資先の関係者・水島が強引な追加融資を柏邑…

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