Sakura0904
上司である佐倉が少し天然なようにも感じたのですが、彼の立場に立って考えてみると、相手が女性だったり歳上や同世代だったりならまだしも、歳は一回り下で世代も2つ3つ違う同性となったら、さすがに相手から恋愛的な好意を持たれているとは夢にも思わないよなぁと。勘違いだったら恥ずかしいし申し訳ないから、藍井のいろんな言動をZ世代ならではのものと納得するシーンがおかしくもあり、どちらの目線になってもちょっと切…
前巻でもっとこうだったらいいなぁと感じていたことが、この続巻では解消されていたので萌え度が上がりました。アオハは何が起きてもずっと変わらず、シノに優しさと惜しみない愛を注いでいて安定感抜群のDomですね。前巻ではいつも腰が引けていたシノも、おどおどした態度は変わりませんが、芸能人であるアオハに引け目を感じたり彼の愛を疑ったりすることはなく、彼の恋人であることにもう不安は感じていないようなのが嬉し…
デビュー作がとても良かったので、吾瀬先生の次の作品を心待ちにしていました。やはり今回も良かった……! 美麗な絵、色気と水気たっぷりな濡れ場、体の関係を持つのが早いのでエロ重視かと思いきやストーリーでもしっかり魅せてくれるところ、一見サディスティックに見える攻めが実は人間として出来ていて多様な魅力を秘めているところ。
ヤクザ×駆け出しの医者ということで、普段から背負うものが重めの2人。天授…
まさか渚が、売春していること以外にもこんなに大きな秘密を抱えていたとは……。幼い頃から今まで誰にも言わずによく生き抜いてこれたなと。五体満足とはいえど心の方はもうぼろぼろでしょうけれど。それでも柳田の言葉でまた希望を取り戻して、無邪気できらきらした瞳を見せる余地がまだある。そんな渚の強さ、というわけではないんだろうな、きっと。かろうじて壊れずに残っていたほんのわずかな子供らしい部分というべきか。…
BLを読んでいると好いた相手以外の男に無体を働かれるシーンというのは多々目にすることになるわけですが、大概はその後本命の彼に救われたり、慰められたり、ハピエンへの布石になることが決まっているから私たちはさほどしんどい思いをせずに済むし、なんならメイン2人の絆の強さを感じたいがため、そういうシーンがあって欲しいと望んでしまうことすらありますね。
しかし、そういうハピエンが用意されていない行…
素晴らしい結末でした。瀬乃の幼少期がどんなものだったかが明かされ、彼がなぜこうまで執事として生きることに頑ななのか、伊勢崎も読者も納得させられることになります。やはり一番の要因は父親。親の与えるものが世界のすべて、というくらいの小さい頃からあれだけ徹底的に厳格に仕込まれていたら、心が凝り固まってしまうのも仕方ないとしか言いようがありません。今まで常に他人の欲求を叶えるために動いてきた人間には、自…
2巻は伊勢崎の可愛らしさがちょくちょく顔を覗かせるのが魅力かなと思います。1巻ではΩの遊び相手と夜な夜な戯れ、怪しげなクラブにも出入りし、真面目さとは程遠い顔を見せていた伊勢崎。でも、彼の瀬乃に対する感情は実はとても素朴な愛。濡れ場では玩具も使うし、瀬乃を好き勝手に開発してきたわけですが、本人に特別SM趣味があるわけでもなく、性癖は一般的なもの。彼はたとえセックスしなくても、瀬乃とお祭りに行った…
煌びやかな上流階級の世界と広大な屋敷が舞台でかなり非日常的な雰囲気が漂いますが、メイン2人の関係性にとてもそそられ、オメガバースの中でも個人的にかなり上位に食い込んできた作品でした。α×βということで、もちろんΩ化もせずβはあくまでβらしく、Ωを羨みながら普段はまったく綻びのないお堅い執事を貫く瀬乃が、β受けとして素晴らしかったです。
そしてそんな彼の、最近性的興奮に陥りやすく後ろが疼い…
2巻を読んで、改めていろいろな面で貴重な作品だなと思いました。まずは菊池。体格も瀬戸と変わらず、口調も仕草もザ・男の子。性格も大らかで中性的な所がまったくない彼が受けというのが、イマドキのBLではかなり珍しいと思うんです。そんな彼を、こちらも菊池と比べればクールに映りますが、素朴な雰囲気もある瀬戸が時折愛おしそうな目で見つめるのがたまらない。そして、高校生ものにしては勢いやキラキラ感、好意の暴走…
こふで先生の美麗な絵で、また新しい江戸の物語を読めてとても嬉しいです。一度儚い蜜月を過ごした後、7年も離れていて再会した2人。忘れられない、と探し続けた寅次の根気強さをまずは称えたいですね。八重辰の方からはどうしたって距離が縮まらなかったでしょうから。
いざ再会してみれば八重辰の素性は、高級料理茶屋の若旦那で、娘もいてと1人でいろいろ背負っている人。今までの人生、大事なものと向き合うのが…