Sakura0904![]()
波真田先生の振り幅に改めて脱帽しました。ちょっとドライで大人な雰囲気満載の作品なのですが、時折激しい情が飛び交って、その落差にドキドキさせられてしまいます。キャラ作りも秀逸でした。攻めの久慈は常に飄々としていて何事にも一定の距離を置き、冷たそうにも見えるのだけど、最初に迫ったのは彼の方で、再会後も吾妻と関係を持とうとする意外な熱量にギャップ萌え。MRに疲れきって無職となった吾妻も、鬱になりかけた…
同じ高校での日々が始まり、特別クラスの子たちはαの生徒と別棟ではあるものの、恵がとにかく終始浮ついているのが年相応で可愛かったです(笑)。つぐみはどこで誰といてもブレない自分軸がある分、カップルにおける面倒事や心配事の処理をするのは基本的に恵。彼の今までとこれからの苦労を思えば、ちょっとくらい恋人と学校で羽目を外したっていいじゃない、と甘やかしたい気持ちになります。つぐみの担任の永野は状況によっ…
3年ぶりに風呂前先生の作品を読んだのでほぼ初めて読む心持ちでしたが、とにかく色白そばかすハーフの太郎が可愛かったです。目の色素も薄く外国人寄りの見た目なのに、英語を話せないコンプレックスがあり、女子にバカにされていてベースに劣等感があるところは完全に日本の自信がない男の子という感じ。お互い出会った時からびびっと来たという璢威にとにかく猫可愛がりされ続けて、必然的に好きになっていく過程に萌え転がり…
数年前に読んでいましたが、未レビューだったので再読。最初に読んだ時よりも、いろんな作品に触れたおかげか、理解できる部分が増えたように感じます。愛を死によって贈る。冒頭から読者にもユーリにも凄まじい衝撃を与えたトーマ。身勝手で一方的な押し付けのように思えるそれがそうではないと気付くのは、私もトーマも物語の終盤になってからでした。キリスト教信仰がどういうものなのか、多少知識が増えたことも、この作品の…
真に孤独な人生が始まる前に、また、新たに孤独な生命を生み出す前に、圭が春の手を取る勇気を出してくれて本当に良かったと安堵しました。もちろん、彼がその選択をすることができたのは、春が諦めずに何度も圭の前に現れて行動し続けたおかげ。春もずっとすべてを曝け出せていたわけではない。彼にも臆病な部分はあって、圭との接し方を間違えたと後悔していた気持ちもある。
圭から見たら周りは皆自分より強い人、恵…
まず、ソライモネ先生が描かれる田舎の風景がとっても素敵です。木々にも農作物にも瑞々しい生命を感じます。そんな田舎に越してきた訳ありそうな楓。今時のごく普通の男の子という印象でしたが、少しだけ挟まれていた回想から想像するに、人の裏切りに遭い結構傷は深そうですね。
楓が新しく出会う九十九は変わっていると聞いたので気難しいタイプかと思いきや、むしろ人好きのする、人との距離感が無意識に近いタイプ…
生活リズムの違う者同士で同棲を始めた時のすれ違いっぷりがリアルでした。お互い仕事と就活に追われる中、なんとか合わせられた休みのために仕事を詰め込んだり試験合格に向けて励んだりして、相手と一緒の時間を過ごそうと奮闘する様子が愛おしかったです。言葉数が少なくて表情もけっして豊かではない金江だけど、灰賀の前だと結構甘さが滲み出ていますよね。灰賀も彼の好意をしっかり感じ取っていて、傍から見ると不思議な組…
またこの2人に会えて嬉しいです。1巻の終わりに敵に通じていることが明らかとなったダンテ。でも、ジーノへの愛に偽りがないことも仄めかされていたので、シリアスな展開でも2人の関係性については何の心配もなく読めました。読者は知っているとはいえ、ジーノとの攻防を楽しむためにもう少しダンテが敵側に堕ちていないことが分かるまで引っ張っても良かったかなとも思いましたが、2人の性格的にも猪突猛進で軽快なテンポで…
1巻の中に10章以上収録されているにも関わらず、どの章も余韻を残してくれて、1つひとつが愛おしくどこか哀しかったり切なかったりする物語で、世界の雰囲気も異なっていて、ARUKU先生の無尽蔵の頭の中を覗いてみたいなぁと思わずにはいられません。絵本のようであり、大人向けの映画のようであり、どこまでも愛の物語であり。
今回はピアニストとバイオリニスト、女工、秋の女王の話がお気に入りです。護堂の…
いきいき描かれたであろうARUKU先生の熱量は1巻から変わらず感じることができました。ずっと先の読めない展開で、章が変われば羽繕たちが訪れる世界も変わり、毎回雰囲気も変わる。頭で理解しようとするより、羽繕たちと共にひたすら心で感じるままに読み進めていくべき物語なんだと思います。この旅の行き着く先がどこなのかはさっぱりですが、1つ試練を乗り越えるたびに宝物のように羽繕の心に蓄積されていく新たな考え…
