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表題作色街に恋の花

自然と人目をひく男前な男娼館の主人
色気のない男娼館の帳場で働く子犬の様な少年

あらすじ

色街にある男娼館の帳場で働く朱は、3年前、若く男前の主の牙月に拾われたときから彼のことを慕っている。子供っぽくて色気のない自分の想いは牙月に届くはずもないが、ずっとそばにいることが朱の願い。だが、朱の将来を案じた牙月に店をやめて都で役人になれと言われてしまう。彼のそばにいたい一心の朱は、男娼になって店で働くと言い出すが…。書き下ろし短編も同時収録。
(「BOOK」データベースより)

作品情報

作品名
色街に恋の花
著者
加納邑 
イラスト
七唄あむ 
媒体
小説
出版社
リーフ出版
レーベル
リーフノベルズ
発売日
ISBN
9784434068393
2.5

(2)

(0)

萌々

(0)

(1)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
4
評価数
2
平均
2.5 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

ブサイク受けが報われるまで

攻めからブサイクと言われる地味でブサイクな受けが出てきます。
俺が拾わなければ誰も拾わない雑種の子犬とまで、牙月には思われています。
性格のいい健気な受けが好きな方に、お勧めです。

娼館の主人・牙月 大人攻め×男娼見習い・朱 地味ブサイク健気受け
兄と友人2人と一緒に国を出て行き倒れて死にかけていた所を、牙月に助けられる。
それ以来、朱は牙月一筋で、恩を返すように牙月の元で働いている。
花街出身のものが差別される苦労を知っている牙月は、朱を解き放ってやりたくて別の仕事を世話する。
牙月の傍にいたい朱は、男娼になると言いだして。

朱がオーナーの娼館で働いているので綺麗な男娼達を見ているので、自分の器量がよくないことを知っているので、綺麗じゃない自分なんかには振り向いてもらえないからと、じっとただ見つめているだけの健気な受けです。
挿絵が可愛いので地味でブサイクな感じがあまりしないのですが、描写では眉が太くて色黒の小さい子で、化粧しても綺麗にはならず似合いません。
心根が真面目で素直で一途で、心美人というのがいたら、それが朱です。
攻めが雑種の仔犬と称していますが正にそんな感じで、振り向いてもらっただけで一生懸命に必死に尻尾を振っているイメージが浮かびます。
でも、自分は可愛くないので、拾ってはもらえないんだろうなって、諦めが漂った悲しい目をしている。そんな朱が、とにかく健気でしょうがない。
朱が好きだからこそ、自分のいる世界には染まって欲しくなくて、あえて冷たい態度を取る牙月の立場もまた切なかったです。

3日間は両思い同士として過ごしたのに、それは男娼としての仕込みだと冷淡に伝えてどん底まで落とされます。
それでも牙月に抱いてもらえてよかったと、男娼として頑張るから傍にいさせて欲しいと、笑っているのにいまにも泣き出しそうな顔で訴える朱に、涙をそそられずにはいられませんでした。
途中とても切なくなって、最後はハッピーエンドになるのが好きなので、ツボな展開でした。

エロ:★3 普通
総合:★5 展開の作り方が上手くて、見事に落ちました。

1

思い合ってるのに…

 男娼館の帳場で働く朱は、三年前に空腹から病弱な兄とその友人と一緒に行き倒れそうになってたところを男前な店の主人・牙月に拾われる。以来、朱は、ぶっきらぼうに見えて、本当は優しい彼の事が大好き。
 でも朱は、「自分は、他の男娼たちに男のうえに綺麗じゃないし、そばにいられるだけで幸せ」だと思い、自分の仕事に真剣に取り組んでいた。そして、病弱な兄を支えながらも、物覚えもよく、丁寧に朱は自分の仕事をしていた。
 ところがある日、このまま社会の底辺のように扱われる娼館においておくわけにはいかない、と朱の将来を案じた牙月に、朱は「店を辞めてもっときちんとした職に就いたらどうだ」と言われ、店の馴染み客の元で働く「役人」の仕事を勧められる。
 しかし、将来安定した生活を送れる役人になるよりも、どうしても牙月のそばを離れたくない朱は、牙月から「お前の一番やりたいことをやる手助けをしてやる」と言われた言葉を逆手にとって、「この店の男娼になりたい」と告げる。
 朱からの思ってもみない返答に、牙月は自分の言葉を後悔するが、言った手前後には引けず、朱に男娼になる教育を受けさせ始める。

 しかし、閨での教育をするという朱の教育を任された男娼の言葉を聞いた牙月は朱を、都まで連れ出してしまう。一通り集金を終え、宿へと連れてこられた朱は、そこで初めて牙月から「好きだ」と言われる。
 そしてそのまま、夢の様な三泊を過ごしたが、娼館へ帰って来た途端、「あれは嘘だった」とすげなく牙月に告げられてしまう。
 ショックを受ける朱だったが……

 せっかくくっついた! と、思ったのにそこを更に突き落としてしまう牙月。
 それは朱じゃなくても思いっきりへこむぞ……。鬼だ、鬼。
 でも、結局、朱はそれでも引かなくて、どうしても牙月の傍にいたいから、「男娼として」働くって言いきったんだ。本当に強くて真っ直ぐなのは、朱の方で。
 結局折れたのは、牙月の方でした。
 そっから後ろはもうちょこっとしかないんですが、朱のために家まで買ってしまった牙月はラブラブで、もう、目も当てられない感じ。これは……朱がもうちょっと大きくなって、誰かと仲良く話し出したら、牙月の嫉妬の方がすごそうな気がする……

 どっちかが勝手に、どっちかのことを考えて、暴走しちゃいけないよね。やっぱり、思い合ってるんだったら、一緒に確認しながら進まないと。
 ハッピーエンドで、本当によかったと思います!

2

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