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社内恋愛コンプレックス(1) 黄金週間に引越を

golden week ni hikkoshi wo

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表題作社内恋愛コンプレックス(1) 黄金週間に引越を

築島朋也/新人SE/21歳
吉家邦夫/築島の教育係/28歳

あらすじ

六年間の片思いに破れ、吉家邦夫は社内恋愛の痛手を紛らわすため一人暮しを始めるが、それが悪夢の始まりだった。隣りに越してきた人なつっこい疫病神・築島朋也は、なんと邦夫の会社の新入社員だった。

作品情報

作品名
社内恋愛コンプレックス(1) 黄金週間に引越を
著者
柏枝真郷 
イラスト
赤坂RAM 
媒体
小説
出版社
角川書店
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
ISBN
9784044357078
3.3

(3)

(0)

萌々

(1)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
10
評価数
3
平均
3.3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

幼い昔に戻って楽しみました

柏枝さんの『ホーリー・アップル』シリーズが好きだったので購入。
『誰かが誰かを愛してる』のスピンオフで、そちらは未読なのですが問題はありませんでした。

この巻では築島と吉家は『恋愛未満』。
会社の同僚が取引先の顧客名簿をコピーしたまま失踪するという事件の謎解きをするライトミステリです。
このお話、紙の本の出版が1998年なんですね。
主人公の2人はSEです。ここ20年間でデジタル界隈はとんでもなく進化しているものですから、お若い方には向いていないかも。
若い人に「ソフトがね」って言っても通じなくて、何度「アプリのことです」と言い直したことか。
このお話の謎解きに重要な役割を果たすものって『フロッピーディスク』なんです。多分ね、解らないと思うんですよ。既に見た事がない人も沢山いるのではなかろうか……なので、このお話は大きいお姉さん向けです。

吉家が引っ越した先の隣人が会社の後輩の築島で、あろうことか会社では教育係になってしまうのです。美青年だけれどちょっとずれている築島は、吉家に非常に懐いてくるのですが、吉家としては彼が苦手。
おまけに吉家はずっと想いをよせていた同僚に失恋したばかりなのです。
それも、クローゼットゲイである吉家が「ただ想っているだけにしよう」としたばかりに、会社の先輩に横取りされるという、かなりつらい失恋を引きずっています。
この描写がね、すごく切なかったんです。

新しい恋が始まるわけではない(『予感』のみ)ですし、謎解きも唸るほどではないのですが、このお話「好きだ」と思うのは、なんと言ってもその『読みやすさ』にあります。
この感じ、何かに似ているんですよ。
考えた結果、口をついたのは「コバルト文庫だっ!」。
思春期に戻ったような気持ちで、楽しく読めました。

2

お仕事も恋愛もしているサラリーマン

全3巻のお話ですが、3巻全部読み終えてからレビューを書いています。
興味がある方がおられたら、3冊全部手元にある状態で読むことをおすすめします。1冊だけだと本当にさわりしか読んでいない気分になって、非常に物足りないと思います^^;
3冊読んでやっと1冊分のラブストーリーかな、というくらい。

地味ながらもこういうの読みたかった!て思える設定でした。一人称なので文体が少し子供ぽく感じますが。
お話は何の変哲もない普通のサラリーマン、社会人7年目の吉家と、新入社員築島のお話です。
そのほかの余計な設定は一切ありません。
地味でありふれた設定、でも読みたいな~と探してもなかなかどんぴしゃなのがないんですよね。

吉家は同作者さんの「誰かが誰かを愛してる」に登場したキャラクターですが、おそらくこちらだけでも読めると思います。でも逆は無理かもしれません。こちらを読むと「誰かが~」のあらすじが全て書かれてますので・・・。

社会人1年目からずっと同期の岡崎に恋していた吉家は、7年目にして実は向こうもこっちを想っていたと知ったのも束の間、別の男性に岡崎を奪われてしまします。
会社をやめたいけど不景気だしと悩んだ末、引っ越しをすることで踏ん切りをつけます。ですが偶然隣に引っ越してきた築島は同じ会社の新入社員。
同じ部署に配属され、吉家が教育係として築島につくことになります。

築島が典型的な年下のわんこ系で、1人になりたい吉家を花見に引っ張り出したり夕飯のおすそ分けに来たり、吉家は彼が煩わしくってしょうがないのですが…。

築島はわんこ系でも男前です。吉家はクールを気取ってますが、実際は抜けてるところもかなりあって見ていて可愛い。この組み合わせがつぼりました。
従順な、ひたすら言いなりになるわんこ系はニガテだったりするのですが、築島は吉家のタバコも不摂生もたしなめる世話焼きだけどただ従順、というだけでなく、仕事もできるし男前です。おまけに外見も犬っぽくて可愛い。

吉家は人から見られていると気を張る見栄っ張りタイプで、失恋で悔しくて辛くて段ボール箱を蹴飛ばすシーンなど痛々しいですが、多分、失恋した同期の岡崎よりも世話焼きの築島タイプの方が合ってると思うんです。

築島を煩わしく想いながら、一緒にいるうちに何故か失恋の痛手が消えていく気がする吉家。
けれど前の失恋から、社内恋愛はもう絶対にしないと決めています。
始まりそうで始まらない恋というか、そもそも肝心の築島の気持ちは一切わからないまま1巻は終わります。

1巻でくっつかないのかーとちょと予想ハズレ(期待はずれ?)でした。
ですがこのゆるいリーマンもののノリは好きです。
どっちかというとお仕事しているお話のほうが長く、それもガッツリ仕事が占める幅が長いです。
それ+たまに恋愛思考にもどるというか・・・。
甘いシーンというのは、1巻にはほぼありません。というか最後まで甘いというテイストの作品ではありませんのでガッツリ恋愛を読みたい方には向かないかもしれません。

イラストは表紙よりも中のモノクロのほうが素敵でした。昔の少女マンガっぽいんですが、線が繊細でホントに綺麗です!

2

社内恋愛☆

 引越し好きな柏枝先生が送る社内恋愛シリーズです。
 曽我部グループ傘下のソフトウェア関連の子会社で働く吉家は、同じ課で働く岡崎に6年間片思いしており、断られるのが怖くて告白をすることもできないでいた。しかし、上司の恒之が横から割り込んできて、岡崎を奪ったのだ。実は岡崎も吉家のことが好きで、そのことを知りながら恒之は平然と岡崎をかっさらっていった。これで完璧に失恋した形となった吉家はしばらく会社に行くのも憂鬱で、転職したいと思いつつもこの不況下でそれも叶わない。気分だけでも変えようと実家を出、一人暮らしを始めようと引越しをするのだが―
 引っ越したその日に隣に越してきた隣人は、同じ会社の新人だった。築島朋也、これから吉家を悩ませることになる疫病神。
 や、疫病神といってもそんな重たい意味じゃなくて、理解不能な行動が多く、自分とはまったく違う価値観を持った人種に対する困惑を表しているんだと思います。
 かくして、築島が入社してきたわけですが、その教育係に任命されてしまった吉家は大変です。でも築島さん、まつげバサバサのモデル並みのスタイルを誇る、技術力も抜きん出た期待の新人君という設定です。
 築島、かっこいいー。まだ大学生気分が抜けてないとことかあるけど、将来さらにいい男になる!!
 

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