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和風な感じのものが読みたい気分なところに、blニュースで紹介されていましたので早速購入、何となく好みがくっきり別れるような印象がありますが、私にはしっくりきました。好きです、この感じ。
碗島子(わんしまこ)先生、私は存じ上げなかったのですが、ストーリーと画風に独特の雰囲気のある作家さんなのですね。
この新刊「雨雫」は現代を舞台に、とある田舎の「伝承」を絡めた物語です。
雨があまり降らずに水不足に悩まされてきた村、そこにはサダオが泣けば雨が降る、と言い伝えられてきた。
祖父のサダオが亡くなって当代のサダオとなった、池田サダオ(自称、性格悪し)と、サダオを泣かせる雨守番の灯。
サダオが受け、灯が攻めで、とってもエロかったです。
少々SMちっくだったり、尿道プレイがあったり。そんな淫靡な感じも漂う中で、サダオの顔がブサになるのがどことなくリアルな感じがして、私は好みでした。ですが
敢えてのブサ顔と、ストーリーがふっと終わったような感覚が、ちょっと違うと思われる方もいるかとは思います。
サダオと灯の話はいいところで収まり、伝承の始まり「初雨」前後編と、サダオの東京編?「いっしょに遊ぼ」で締めくくりです。
日本的湿度を背景に、サダオと灯の今風な感じとエロさのバランスが絶妙でした。
どういった話になるのだろうかと思っていたのですがエロく、エロだけでなく話もきちんとしていたのですんなりと読めました。碗先生作品にあるクスッと笑えるシーンもあり好きです。
都会から田舎へ転向してきてツンツンしていたサダオが灯の優しさに触れサダオが灯を好きになるテンポが早いと感じてしまいました。
変態ドSな灯がサダオを攻めたてて泣かせるシーンは興奮しますww嫌がることは無理やりせず灯の優しさがえっちにもあります。
言い伝えになるきっかけとなった過去話もあるのでそちらの二人も楽しめます。
こちらは攻めの執着心が強く、素直に言葉で伝えられなく愛故の行為になりますが…初代さだおも攻めへの気持ちがあるのでひどいことをされても見捨てられないんですね。切なくも最後の4コマでほっこりしました。
作家買いしています。今作も碗さんらしい、えもいわれぬシュールな笑いとエロさと変態らしさと確かな愛が詰まっていました。
現実世界で現代が舞台ですが、少しファンタジーも入っていて、私の好みにぴったりでした。
碗さんの作品にはちょっと阿呆な子(大抵受け)が出てくる頻度が高い気がするのですが、そうやって少し抜けている子がいるおかげで、攻めの変態らしさがある程度和らいだ印象になっていると思います。変態らしさと言うか、黒さと言うか、ヤンデレ気質と言うか……。
描かれ方によっては引いてしまうようなことでも、そこに少し「くすっ」と笑える要素が入ることで受け入れて読み続けることができます。
今作の「雨雫」では、おもらしの辺りでしょうか。サダオのおもらしから灯の中出し(NOT射精)にかけての流れは、自分でも何故受け入れて読めたのか不思議です。これも碗さんマジックの成せる業?(笑)
受けに対する愛故に暴走して変態化していく攻めが好きな方は是非一度お読みください。
変態らしさについてばかり書いてしまいましたが、ストーリーもしっかりとしていて読み応えがあります。
代々受け継がれてきた役目。その役目と向き合ったときに不意に影を落とす葛藤と不安。
途中で胸が締め付けられて痛くなることもありました。
でも、そんなことも本来の自分のまま乗り越えていく。
そんなシリアスモードの中、絶妙なタイミングで投下される明るさや笑いに癒されます。
サダオと灯、雨守と雨守番が生まれたそもそものきっかけもしっかりと描かれていたのが良かったです。本当にありがとうございます!
同時収録の「初雨」がその始まりの話です。
あれですね、私が好きな碗さんの攻めはどこか不器用なのでしょうね。特に愛情表現に関して。
受けのことが大好きなのに、真っ直ぐ伝えられない。
最後にはみんな幸せになってくれたので本当に良かったです。
碗先生の閉鎖的な田舎を舞台に、その土地ならではの風習をモチーフにした不思議なストーリーが大好きです。
●「雨雫」
祖父が死んで田舎に引っ越してきたサダオは、村人からは遠巻きに見られ、クラスメートも近寄ってこない。
でも灯だけは「サダオだけは特別なんだ」と近づいてくる。
その村になにが隠されているのか、これからサダオに何が起こるのか、なんだかワクワクするはじまり!
雨が少ないその土地で、サダオは泣くと雨を降らすことができる雨守。
そして、灯はサダオを泣かせるための雨守番。
灯はサダオを泣かせようと、色々試したけど全然泣かない。
でもサダオは構われてるうちに、灯を好きになって、エッチなことをすると気持ち良くてサダオは泣くから、灯はエッチなことをし続ける。
灯のそれはお役目からくる義務感?サダオのことはどう思ってるの?
サダオは灯の気持ちがわからなくて不安になったりするのかな?
この風習と二人の関係はどんな着地点がくるんだろう?と、ちょっとダークさを期待しながら読んでました。
でも、お役目はお役目として、二人の関係は甘く、跡継ぎ問題も簡単にクリアして、私が期待したような重さはなく、円満ほのぼの系でストーリーは終わってしまって…
肩透かしといえば肩透かしなんだけど、でも土地の風習系=ダークと思いこんでた私には新鮮な終わり方で、逆に碗先生のテンポっておもしろい!と思った作品です。
●「初雨」
雨守と雨守番の起源にあたる昔々のお話。
智之介は、その村の郷士の次男なのに奔放で、村人からは煙たがれていた。
でも幼馴染の定だけは、昔のままの親しさではないものの、智之介と普通に接していた。
そして定が女といるのを勘違いした智之介は、定を監禁して、抱いて責めて泣かせると雨が降ってきて…
その智之介が、小さな甥に自分の罪を告白した作り話が、サダオの伝承。
乱暴な智之介に優しい一面があったり、定が智之介の寂しさを知っていて縋る手を握り返したり、この短編は恋愛も、土地風習らしいダークさがあるのも、私の好みの話でした♪
●「いっしょにあそぼ?」
サダオが田舎に引っ越す前、嫌な奴だったころの話。
サダオは悪役当て馬、妹のサダコちゃんがキューピットになって、二人の男子高生をくっつけてしまう短編。
サダオはほんとクソむかつく奴で、田舎にいって、たくさん泣かされちゃえばいいんだ!と思いましたw
私は民間伝承やダークな話が好きなので、碗先生には「初雨」のような土地風習がからむ淫靡さ漂うお話をもっともっと描いていただきたいです!
現代ファンタジーになるのかな?
先祖代々受け継がれている不思議な現象はありますが、時代設定自体は現代の山に囲まれた田舎に暮らす高校生のお話なので、ファンタジーが苦手な方でも大丈夫だとおもいます。
日本昔話をBLにしたらこんな感じかのかしら+゚。*(*´∀`*)*。゚+ というお話でした。
ーーー以下ネタバレありますのでご注意くださいーーー
母の田舎に引っ越したサダオは灯と知り合います。
学校では誰も近寄らず遠巻きにされる中、灯だけは普通に親しく話しかけてくれ優しさに絆され恋に落ちるのですが、そこで初めてサダオの家と灯の家で先祖代々続く「雨乞い」を知ります。
サダオが泣けば雨が降る、灯は雨守番としてサダオを泣かす役目だと。
何をしても泣かないサダオでしたが、エッチな攻めで気持ち良くなると泣いちゃうので、雨を降らす時はエッチなことをするように。
灯のことを好きになってしまっていたサダオはされるがまま身を委ね、
灯はというと「雨を降らせるため」と行為は段々エスカレートしてーーー。
やーもーエッチばかりしてましたね!
人畜無害な純朴な顔した灯なのですが、やってるとこが鬼畜なんです。
喜々としてドSを発揮してギャップがっ(///Д///)
サダオは無愛想で性格がひねくれてるのに、灯の前だけでは素直で可愛くて・・・そんでドM。エスカレートする行為にビビりながらも泣いてヨガるとこが可愛い。
ってエロエロなお話なのですが、トーンはずっとシットリと切ないのです。
灯はサダオが好きだけど、雨を降らすためには泣かせなきゃいけない。
「これからいっぱい泣かすけど」「ごめん」
この言葉を高校生の男の子が背負ってるのですよ。・゜・(ノД`)・゜・。
でもサダオは灯が好きで灯のことは何でも受け止める強さもあり、シットリはしてるけど悲壮感が漂うことはないので、読後感は良かったです。
同時収録には、雨守・池田家と雨森番・沼之端家が始まったキッカケである初代のお話も入ってます。こちらの方が拗らせ度も病み度も上。昔話特有のジメッとした感じです。
髷のある武士×お百姓さんの時代物BL。時代物って初めて読んだのですが
着物でエッチとか蔵らしき場所で縛られてるとかエロ度が増しますね!
ジメジメな後ろ暗い感じは好みじゃないですが、日本昔話BLすげー!(゜∀ ゜)=3=3 って思いました。
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修正の話になっちゃいますが、まさかのライトセーバーorz
え?これリ◯レだった!?と何度も背表紙確認して、
ライトセーバーが気になって話が入ってこなくて一度本を閉じました。
エロシーンもお話のキーマンの一部だっただけに、ライトセーバーに破壊された感_(:3」 ∠)_残念。