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表題作甘い罠

灰原駒・友人の付き合いからと口説く服飾デザイナー
美山和巳・大手通販会社の商品開発部服飾二課勤務

その他の収録作品

  • 甘すぎる罠

あらすじ

大手通販会社の開発部に勤める美山和巳は、二つの悩みを抱えていた。
一つは突然人事部へ異動になり、リストラのための内偵調査の指令を受けたこと。
そしてもう一つは、外注デザイナーの灰原駒に“恋人”を前提としたお付き合いを申し込まれたこと。
生真面目な美山としては、明るく人懐こい灰原を憎からず思ってはいたが、だからといってそう簡単に恋人として受け入れられるはずもなく、結局は微妙な友人関係を続けていた。
だが、リストラ内偵の件で起こったある事件をきっかけに変化が起こり―。

作品情報

作品名
甘い罠
著者
火崎勇 
イラスト
あじみね朔生 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラノベルス
発売日
ISBN
9784778100285
3

(1)

(0)

萌々

(0)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
3
評価数
1
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

そんなに甘いという印象はなく

表題作と続編の中編2作品が収録されています。
どちらも美山(受け)の視点でストーリーは進みます。

「甘い罠」
美山は仕事で知り合った服飾デザイナーの灰原(攻め)に告白され、まずは友人として付き合うことになります。その後、リストラ対象者を選出する命令を受けた心苦しさから、週末を灰原と食事をして過ごすうちに、段々惹かれて…という話です。

「甘すぎる罠」
表題作より長めの続編です。
美山は会社を退職した後、灰原の店で働くことになります。そこで、灰原の恋人らしき相手から敵意を向けられて…という話です。

美山は頼りなく恋人に甘えるタイプでなく、灰原もそんな美山の意思を尊重することから、私がタイトルから想像した「甘い」という印象はあまりありませんでした。

美山の考え方はシンプルで真っ当なものなのですが、それが灰原にとっては魅力的だったのだろうなと読んでいてじんわり感じるので、理由が分からず何故か熱烈に愛されるという不可解さは私はありませんでした。

表題作ではリストラ対象者に、続編では灰原を好きな男にと、美山は襲われてばかりですが、ストーリー的に不自然ではなく、すんなり受け入れられました。

美山が灰原がもう傷つかないようにと自分で対処しようとするのも、好感が持てました。続編では犯人探しもするのですが、推理小説に慣れていれば犯人はすぐ分かりますので怖いことはなかったです。

あとがきで、「灰原は天然好青年でありながら、天然でイヤなヤツ」と書かれていたのですが、美山目線のためか余りイヤなヤツが表れていなかったように思えました。もっと美山以外には実はイヤなヤツである感じが出ていたら面白かったと思います。

好感のもてる真面目な受け、危機に助けに来る白馬の王子様的な攻め、社会人カップルがお好きな方にお勧めだと思います。

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