「俺に紳士を要求するなら、おまえも淑女になってみろよ」

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表題作無作法な紳士

克朗,28歳,焼き屋まで桜彦を助けた炭焼職人
九重桜彦,17歳,姉と後継者争いをする財閥の御曹司

あらすじ

九重財閥の長男・桜彦は、後継を狙う姉の企みで雪山で遭難しかけたが炭焼職人の克郎に助けられる。真っ黒なヒゲ面で口も悪い克郎だが、実はかなりの美男子。桜彦は姉を克郎に惚れさせ、後継争いから脱落させる作戦を思いつく。粗野な克郎を紳士にすべく各種特訓が始まる中、なぜか桜彦がドレスを着てダンスの相手をすることに。いつしか克郎に惹かれていく桜彦だが、彼はあくまで姉を落とすために用意した男で…。権謀術数、陰謀渦巻く危険な駆け引きの勝者は――!?
(出版社より)

作品情報

作品名
無作法な紳士
著者
榎田尤利 
イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
ムービック
レーベル
GENKI NOVELS
発売日
ISBN
9784896017144
3

(14)

(0)

萌々

(3)

(9)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
5
得点
40
評価数
14
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数5

無作法な紳士

財閥のおぼっちゃんが、後継者争いで姉の企みによって雪山で行き倒れるところから始まります。
それを助けてくれたのが熊みたいな小汚い男で…
まあ表紙見てもらえればわかると思うのですが、髭剃ってびしっとすればすごいイケメンなわけですな!!
で、主人公は彼を使って姉を誘惑してもらおうと考える…ってな話です。
男版マイフェアレディ!!らしい!!(マイフェアレディを知らないあたしです)
やーおもしろかったなぁ♪
11歳差の炭焼き職人×おぼっちゃんです。

0

色んな意味で、逆プリティ・ウーマン

色んな意味で、逆プリティ・ウーマンもしくはマイ・フェア・レディな作品でした。
男だということで一点。
もうひとつは、年下受けが年上攻めを改造しちゃうっていうパターンだったことが一点。年上攻めが年下攻めを改造しちゃうのはちょくちょくあるけど、このパターンは新鮮で、めっちゃ面白かったです。

主人公は財閥の御曹司の桜彦(受け)。父親が入院して後継者争い中です。
姐の企みで雪山で遭難しかけた桜彦は、ヒゲモジャの山男(攻め)に助けてもらう。
ヒゲ剃った山男が美男子だったもんで、『これは使える!姉を誘惑して結婚詐欺させよう』と、山男の大改造に取りかかる。
もちろん山男は大変身を果たします。
最初はヤンチャなわがまま御曹司のように見える桜彦が、実は思いやりのある優しい少年だと分かってきた後半かからは、ぐっと面白くなりました。
攻めにも実は秘密があるんですが、桜彦に振り回されつつもマイペースを崩さない姿がカッコ良かったです。
切なくて楽しくて、最後はシアワセ気分になれる榎田尤利さんらしい素敵な一冊でした。

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野郎版マイフェア・レディ

九重財閥の長男、桜彦は後継者を狙う姉の企みにはまり雪山で遭難させられてしまう。
そんな彼を助けたのが山奥で炭焼き職人をしていた克郎だ。
真っ黒でヒゲ面の克郎だが、その素顔は驚くほどに男らしい美形だということに気づいた桜彦は、彼を使って姉に復讐することを思いつくが……

姉を落とさせるためにヒゲ面の山男を紳士に!
そんな野郎版マイフェアレディ(笑)
ただし受が攻を教育って新しいな!!
一生懸命だけどどこか空回り気味な桜彦のもくろみは、一筋縄ではいかない克郎の性格もあってなかなか前途多難です。
この二人のかみ合ってない感じがとてもラブコメらしくて好きです。
そういうコメディ部分と、後継者問題をめぐる割とシリアスな部分のバランス感覚がさすがだなあと思いました。
さくさく読めるライトなBLです。

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逆マイ・フェア・レディ

 作者さんがあとがきで言っていたんですが、まさに「マイ・フェア・レディ」逆バージョン。
 しかも、年上の攻めが年下の受けにいろいろ教え込んで、ステキな男の子や青年にしたて上げる話はたくさんありますが、自分より年上のむさくるしい男を年下受けが見るものが振り向くいい男に仕立て上げる、というのはなかなかないと思います。

 物語は、父親が倒れ、九重財閥の跡取り問題を中心に展開されます。
 冒頭、なぜか雪山には不似合いなタキシード姿で放り出されていた桜彦は、妾腹から生まれたとはいえ、九重財閥の長男。順調に行けば、九重財閥の跡取りだと目されているのだが、現在の社長には3人の子どもがおり、 1人目は長女である本妻の娘である鈴香。
 今まで、九重財閥で女性が総裁になったことはないが、彼女はかわいらしい見た目とは裏腹に、何としてでも跡継ぎになってやろうと野心を燃やしている。
 そしてもう一人が、一滴も血の繋がっていない兄の舜也。彼は、本妻であった人が他の男との間に作った子どもであるが、何かと油断のならない行動をしかけてくる。
 そんなクセ者揃いの兄弟の中で、桜彦は山荘のロッジでパーティがあると鈴香に言われ、正装をしてロッジに向かう途中、突然、車から放り出され、雪山の中に取り残されていたのだった。
 そんな桜彦を助けてくれたのは、山小屋に住む克郎という男。
 彼は炭火小屋で炭を作る生活を山の中で随分と長い間しているようだった。
 炭で汚れ、お風呂もろくに入っていない生活を送っている彼に、最初、桜彦は侮蔑の目を向けていたが、二人で温泉に行き、湯上りの彼の姿を見たときに、桜彦にある考えが思い浮かぶ。
 彼の男くさいクセのあるかっこよさを持つ容姿を使って、桜彦の姉である鈴香を誘惑させようという計画なであった。

 当初、都会の生活は窮屈だ、と渋っていた克郎だったが、結局は桜彦がお金を払うことで克郎はその作戦に何とか協力してくることになかった。
 しかしながら、山でずっと生活していた克郎は、テーブルマナーや、ダンスというものにも無縁で、またそれにまったく興味のない克郎にそれを教えることは一苦労。おまけに、克郎のダンスの相手をするために、桜彦は女装をしなければいけないハメになって……

 という感じのお話でした。
 まさしく、逆・マイフェアレディ!
 むさくるしい男を、美形の青年が、紳士に変えていく!! という。

 結局、物語は自分の克郎への気持ちに気づいたけれど、今更どうすることもできない桜彦に克郎が告白してハッピーエンド。
 おまけに、総裁である父親の入院騒動も、実は内部にいる不穏分子を炙り出すための嘘で、ひょうたんから駒で兄弟同士の相続争いが起こった……という形でした。

 結局のところ、桜彦は実の母親のことが心配だっただけで、それさえどうにかなれば、遺産相続とかそういうことはどうでもよくて、最後には克郎が住む山の近くに、入院していた実母の静養もかねて家を借りて住む、ということで大団円。

 いい話でした。

0

無作法な山男

お話は出だしから楽しかったのですが、カップリングとしての萌えは残念ながら最初から最後まで感じられなくて中立にさせて頂きました。

山奥で自給自足で暮らす炭焼職人の克郎は、ぱっと見は田舎の山男。
身なりを整えるとイケメンなのですが、山で出会った大財閥の息子、桜彦に頼まれ、桜彦とその兄弟の後継者争いに巻き込まれていくお話です。

克郎は豪快でデリカシーのない、まさに無作法。でも悪い人間ではありません。桜彦も鼻持ちならない都会のお坊ちゃんという体なのですが、後継者争いにどうしても勝ちたい理由は優しく一途なもので、途中からその可愛さがとても魅力的に思えてきます。
ですが、お話が、桜彦と主に姉の間で繰り広げられる一族の争いのようになっているせいでか、途中まで恋愛のれの字もないのに半ばを過ぎていきなり桜彦と克朗の間に恋愛感情が生まれた事が唐突に思えました。

最初から二人は一緒に居るのですが、そういう意味で意識するようなシーンはなく、桜彦はまだしも、克朗のほうが最後に急に「抱きたい」って言ってくることが腑に落ちず、「恋に落ちるようなシーンはあったっけ?」と思ってしまいました。

それと、せっかく克朗を連れて山を降りた桜彦の作戦がほとんど機能しなかったことも勿体無く、トータルで最後、この後継者争いに結局明確な終止符が打たれていないことも何だか納得いかない。

義理の兄に強姦されかけるシーンも、なんだか唐突に思えました。
そして一番気になったのが最後のオチ。克朗の正体なのですが…。
すごく意外性のあるオチですが、そのせいか、逆に私はこのオチは必要なのかと思ってしまいました。
お話の最後にドン!とした効果を与えるためのオチだったのでしょうが、個人的には逆に盛り下がりました。正直、あってもなくてもお話そのものに影響はないのでは?と。

最後まで読んで納得できなかったところが多かった事と、二人が愛を育むようなシーンがあまりなかったのでこれがBLでないといけないお話なのかも少し疑問に思ってしまったことで中立です。

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