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誰がおまえを好きだと言った

dare ga omae wo sukidato itta

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表題作誰がおまえを好きだと言った

宗次郎 兄の友人に惚れているエリートサラリーマン
富永昌幸 友人の弟に求愛され続けている脚本家

同時収録作品我が家は楽し

小林円 塾講師/バツ3
内藤文博 バツ1

同時収録作品照る日曇る日 / 暗いトンネルの向こう

立花正範 リーマン
小磯周平 元上司

同時収録作品靴下の穴 / 苺の染み

島田チーフ
石川 バイト

同時収録作品おねがいちょっとだまってて 

飯塚勝 リーマン
三原栄司 リーマン

あらすじ

同級生の年の離れた弟・宗次郎に昌幸が初めて告白されたのは昌幸が高校生、宗次郎が小学生の時。冗談にしか思えない出来事だったが以来10数年、昌幸が脚本家になり、宗次郎がエリートサラリーマンになった現在もその関係は変わらない。「昌幸さんが俺の子と好きになってくれるまで待ちます」自他ともに認めるイイ男に成長した今も昌幸を追いかける宗次郎。(女だったら理想の恋人だけど…お前じゃダメなんだ)そんなある日、宗次郎が昌幸をあきらめて上司の娘と見合いしたと聞かされて!?大人になると自分の気持ちに素直になるのが難しい…やっかいな男達のもどかしい恋愛模様を描いた待望の作品集!!

作品情報

作品名
誰がおまえを好きだと言った
著者
山田ユギ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
竹書房
レーベル
バンブーコミックス 麗人セレクション
発売日
ISBN
9784812462041
3.7

(54)

(14)

萌々

(18)

(20)

中立

(0)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
15
得点
202
評価数
54
平均
3.7 / 5
神率
25.9%

レビュー投稿数15

これぞユギワールド!

ユギさんの短編集はどれも素晴らしいですが、その中でも本作はかなりのお気に入り。
収録作の5作中3作が音声化されていたり、ユギさんワールドの名物・ピーチパイママの貴重な過去の姿が出てきたりで、何かと印象的な一冊です。

■表題作の受けはピーチパイママ(本名:兼太郎)の幼馴染。
そして攻めはママの弟ということで、ママの出番が多いのが嬉しい一篇です。
幼い頃から受けに惚れている攻め(年下)。
彼の生意気な少年→ハイスペックな敬語攻めへの成長の過程に萌が詰まっています。
攻めの求愛をのらりくらりと躱す受けの意固地さも憎めない感じで◎
「好き」と言えないまま終わるラストが洒脱で、タイトルとリンクしているところにもセンスの良さを感じます。

■「さすらい」は、数あるユギさんの短編の中でも一、二を争うくらい好きなお話。
攻めとセフレ関係にありながら他の可愛い子を口説き続ける受け(タチ志向)と、
そんな受けを冗談みたいに口説きながら見守り続ける攻めの関係性が何とも良く、
タイトル通り愛を求めさすらう大人たちの哀愁やカッコよさが余韻として残ります。

■「我が家は楽し」もかなり好きなお話。
高校時代の同級生(バツイチ同士)が同窓会で再会→勢いで同居を始めるという展開で、
離婚や転職など、それなりに色んなことを経験してきた中年男性同士の微妙にくたびれた雰囲気に非常に味があります。
受けと攻めがベランダでタバコを吹かすシーンだったり、受けが同居生活の中でふと別れた妻のことを思い出すシーンだったり、そこここで何となく文学的な情緒が感じられるところも好き。
『死ぬほど好き』収録の攻めの息子のスピンオフにもこの二人が登場しており、そちらもオススメです。

■「照る日曇る日」「暗いトンネルの向こう」は、童貞×オヤジで、受けの行く末にちょっと希望が見えるところで終わるラストが絶妙。
タチ同士という組み合わせも好みでした。

■「靴下の穴 」「苺の染み」は、攻めの靴下の穴や苺のエピソードが、受けの攻めへの想いや、攻めの人間的魅力を表すのに効果的に使われたお話。
攻めの「おいで」は破壊力大。良い年上×年下カプで、この話も大好きです。

■「おねがいちょっとだまってて」は、群像劇風でどんでん返しっぽい展開もあり、かなり楽しめた一篇。
既婚者と関係を持つ受けと、その隣に住む得体のしれない男。彼の正体は…
と、複数の人物が影でそれぞれ動いており、最終的には大団円に終わるラストもお見事でした。

全体として、やはりタイトルのセンスが秀逸。
そして何気ない日常を描く短編が多いのに一つとして似通った話がなく、どれも面白いのが素晴らしいなと思います。
ユギさんの他の作品同様、オススメの一冊です☆

4

ほんと、ユギさんの短編っていいですよね。

味わい深い短編集。
山田ユギさんは、絵も抜群に美麗だけど、言葉の使い方も独特で素敵ですよね。なんていうか、粋。
タイトルなんかもいつも、すごくいい所をついてくる感じで。

それぞれにキュンとしたり、かわいい〜!となるいろんな愛のカタチが楽しめるのですが、「我が家は楽し」なんかは、山田ユギさんにしか描けない感じの傑作なんじゃないかなと思います。バツイチとバツ3のくたびれたオッサン同士が同窓会で再会して、寄り添い合うようにして愛が産まれるとかねぇ! ちょっとした会話のやりとりとかたまらないものがありますね。

あとは「おねがいちょっとだまってて」の同じビルに入っている別の会社で働くサラリーマン同士の組み合わせもいいなぁ。外階段の上下でやりとしてるコマを縦にぶち抜いた絵なんて、あれだけでグッときます。

他もいろんなタイプのカップルのお話がハズレ無し。楽しめる一冊です。

※個人的ユギさん読み返しキャンペーン中です(笑)

2

色香漂うタダモノではない男たち

……というのが私の率直な感想。
いや、私が山田ユギ症候群にかかってるんでしょう。キッパリ言える。
短編や描き下ろし等含めて9作掲載。
どれもドキドキするわー…何でユギさんの描く男性には色気があるの。

中でも好きなのは【我が家は楽し】。
モテモテでバツ3の円と、離婚したての文博。中学時代の同窓会で再会します。
もーーー!!ヤバイ!!ダメオヤジ同士がくっつくとか最高です…萌とはこういう事なのですね…(トオイメ)
元々文博は憧れの念を込めた意味で円を好きで、中学サッカー部時代はよく一緒に居た。
そしてお互い独り身になって寂しいから一緒に暮らそうか、という軽いノリで同居がスタート。
文博はまだ元妻に未練タラタラだったのだけれど、まぁ色々と変わっていくんですね。

そこで登場、円の最初の妻との間に生まれていた息子・晃太。
流石円の息子と言わんばかりに、節操ナイんだろうなーと見て取れる(笑)
でも晃太の悪態のお蔭で、円と文博の距離が近付いて、文博の自分の気持ちに気付きます。

そうか、憧れの気持ちは憧れだけじゃなく、文博は円に恋をしていたのですね、中学時代。
そう考えると、行く気もなかった同窓会に足が向いた理由に納得いきます〃

いやー、オヤジ両想いとか最高過ぎてのた打ち回りそうになりました(笑)
(元々子供居る男が、男とくっつくとか苦手だった筈なのに…ユギさんによって又何か違う自分の萌えポイント開花された気がする)

そして【おまけマンガ】。
やっぱりゲイバーのママスター(勝手に命名・笑)は面白い。

0

切なくて、でも暖かくて

久しぶりに読み返してみて、また切なくなりました。
短編集なんですが、それぞれのお話がしっかり内容詰まっているので、余り短編集を読んだ感じがしません。
どのお話も切なさがあるんだけど、登場人物は情が深い人が多くて、暖かさを感じます。
真性ゲイの受け様が一途に一人を想うお話は大好きなので、特に表題作や「靴下の穴」「苺の染み」のシリーズのお話がとっても好きです。
「おねがいちょっとだまってて」も結婚している攻め様を好きな受け様が切なくてよかったです。
それぞれのカプのシチュエーションが違っているし、恋愛の形も違うので飽きさせません。
内容も充実しているので安心して読める作品だと思います。

0

条件付けの結果、誕生したのは…

一途さが余って、エリートイケメンに成長しました。
表題作、幼馴染みの生意気な弟に小学生の頃から好きだと言われ続ける受け。「○○になったら付き合ってやる」と条件をつけて躱すうちに攻めがエリートイケメンに成長する話。
そして言われ続けることにいつの間にか心地よさを覚えて、実はずっと特別な存在だったという。何年越しの恋、いいですね。

同窓会での再会同居ラブも、攻め課長がネコになる話も、男臭さと男の色気とがふんだんに盛られてて美味しかったです。
至る所に出てくるバーのゴツイママですが、その弟さんの話が今作なんですね。ということでママもたっぷり拝めます!笑

0

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