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表題作銀の祝福が降る夜に

アルベルト
大国イシュテヴァルダの国王
サーシャ
16歳,正体を隠してひっそり生きる人狼

その他の収録作品

  • 銀の祝福を蕩かす夜に
  • あとがき

あらすじ

きらめく銀髪と儚げな美貌を持つ天涯孤独の人狼は、その血統の稀少さ故、狼の血族であることを隠し、ひっそりと暮らしていた。働き口を探し町に出てきたところを、偶然居合わせた男に助けられ、その親切さに心惹かれる。しかしその後、彼が実はお忍びで町に出ていた国王であり、自らの家族を亡き者にした敵であると知ってしまい――? 運命の恋に身を焦がす、身分差&宿命のロマンチックファンタジー!

作品情報

作品名
銀の祝福が降る夜に
著者
宮本れん 
イラスト
サマミヤアカザ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
シリーズ
銀の祝福が降る夜に
発売日
ISBN
9784344844452
3.3

(32)

(6)

萌々

(11)

(7)

中立

(3)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
7
得点
98
評価数
32
平均
3.3 / 5
神率
18.8%

レビュー投稿数7

まさにおとぎ話でした

いやあアルベルト様のスパダリっぷりは半端無かったです。
世間知らずなサーシャをほっとけなくて城に連れて行って甘やかす。実は一目惚れだったんですね。
狼をとても憎んでいたので、サーシャが人狼だったと知った時は一時的にパニックになっていました。
それでもサーシャに城を去られてからの軌道修正はさすがでした。
まずは自らの態度を臣下に謝り、そんな国王の為にサーシャを探すのに手を尽くすって。サーシャの人柄も皆に好かれてたんでしょう。

国王が平民のしかも同性の人狼との結婚を国を挙げて祝うって出来過ぎな感じもしましたが、嫌いじゃないです。

疲れた時に読みたい一冊でした。

5

人は憎しみを乗り越え、愛することが出来るのか?

互いにどうしたって相容れない、敵同士と言ってもいい二人ー。
そんな彼等が何も知らずに巡り会い、愛し合ってしまったらー?
と言う、とてもドラマテックで切ないお話になります。

もう、読みながら、切なくて切なくて(TдT)
受けが健気すぎるなー!
そして、攻めがちと情けない・・・。
気持ちは分からないでもないけど、ここは踏ん張りどころでしょうよ!!と。
とりあえず不憫な受けが、これでもかと健気な所を見せてくれるのに滾る方に、ぜひオススメしたいです。

内容ですが、国王・アルベルト×人狼・サーシャによる、互いの立場や境遇による障壁が切ない、スレ違いものになります。

人狼である事を隠し、森でひっそりと暮らすサーシャ。
不作と長い冬の影響で食料が底をつき、町に働きに出る事になるんですね。
で、怪しい男達に騙されそうになった所を助けてくれたのが、国王のアルベルト。
城に招待し、優しく甘やかして様々な事を教えてくれるアルベルトに、サーシャは惹かれて行きます。
しかし、サーシャの父親である人狼の、殲滅命令を下したのがアルベルトである事を知ってしまいー・・・と言うものです。

まずこちら、サーシャが世間知らずでおっとりながら、とても純粋で健気な人狼。
そしてアルベルトが、豪放磊落でサーシャに超甘い溺愛攻めと言った感じになります。

で、この二人ですが、出会って早々に互いに惹かれ合う印象なんですよね。
純粋無垢でどこか癒し系と言うか、共にいると心が安らぐサーシャ。
また、明るく朗らかで、博識なアルベルト。

アルベルトはですね、今にも人買いに拐かされそうな危なっかしいサーシャを放っておけず、城に連れ帰ります。
で、ろくに食べる事も出来ずお腹を空かしていたサーシャは、美味しい食事と暖かい寝床、そして人の優しさに感動する。
またアルベルトはアルベルトで、サーシャの思いやり深い所や無邪気な言動に癒されるー。
そう、互いが互いのいい所に惹かれ合い、アッと言う間に心を奪われるんですよ。
ここの、二人が恋に墜ちて行く過程が丁寧に綴られ、なんとも可愛くて萌えさせてくれるんですよね。
もうひたすら甘~い!と。

が、ここから急転直下。
ひょんな事から、自分の父親(人狼)を殺したのが、当時狼の殲滅命令を下したアルベルトだと知ってしまうサーシャ。
更に、アルベルトはアルベルトで弟王子を殺した上に、現れると飢饉等が起こる狼を、忌むべき存在として憎んでいたー。

これ、サーシャが切なすぎるんですよ。
自分の父親を殺した憎むべき存在でありながら、既にアルベルトを愛してしまった・・・。
憎むべきか、愛するべきかと自身の感情が整理出来ず、強く混乱するんですね。
また、彼は自身が人狼だと言う事を隠しています。
自分を抱き締めながら人狼への憎しみを語るアルベルトに、正体を知られて嫌われる事を強く恐怖するー。

で、ここから更に痛々しい展開。
狼の耳が出てる所を見られて、アルベルトに正体を知られてしまうサーシャ。
自身を受け入れてはくれたものの、荒れて感情の制御が効かなくなるアルベルトを前に、姿を消す事を決意してー・・・と続きます。


と、果たして敵同士である二人が、憎しみを乗り越えて結ばれる事が出来るのかー?
と言うのが見所だと思うんですけど。

えーと、読みながら一番思ったのは、運命って残酷すぎるよー!!って事だったりします。
愛し合う二人が、こういう宿命とも言えるものに翻弄されるって、もう切なくて切なくて・・・。
また、この後サーシャを襲う事態が、とても辛いんですよ。
もう、何てこった・・・!Σ(TдT)

と、かなり切ないお話ではあるんですけど、その分ラストでは感無量だったりします。
ここまでたどり着くのに遠回りしちゃったけど、やっぱり憎しみからは何も生まれないよねと。
キレイ事かもしれないけど、愛が全てを赦して受け入れてくれるんだよねと。


ところで、丁寧に綴られる前半に反して、後半ではちょくちょく不自然だったり矛盾点が目につきます。
このシーンでアルベルトとサーシャが二人だけなのは不自然じゃないかなとか、ケガをして倒れた後なのに、普通にエッチが始まっちゃったりとか。
えーと、ケガは大丈夫なんかなぁと。
ついでに、いくら世間知らずだろうと、あの怪しすぎる男に付いてくのはないから!!
だって、アルベルトを脅してて、サーシャ自身も不快に思ってたじゃん。

と、ちょっと違和感を覚える部分はちょこちょこあったりするんですけど、それ以上に心を動かされる素敵なお話でした。

11

連鎖を断ち切る勇気

今回は若くして王位に就く国王と食料を求めて王都に出る人狼のお話です。

何も知らずに惹かれ合った2人が過去と種族を乗り超えて結ばれるまでと
その後のラブラブな短編を収録。

受様は人狼の父と人間の母の間に生まれます。狼や狼の血を引く人狼は
危険な生き物として忌み嫌われいていたために受様一家は人狼である事を
隠して森で静かに暮らしていました。

しかし狼が森で生き延びているとの噂で大規模な狼狩りが行われる事と
なり、受様の父は妻や子にいらぬ詮索や危害が及ばない様あえて銀の姿で
囮となって殺される道を選びます。それからの受様は母と2人で慎ましく
暮らしていましたが、母も厄病で亡くなってしまいます。

大規模な狼狩り以降同胞達の行方は判らず、受様は古びた家と少しの畑で
両親の言葉を胸に暮らし続けますが、去年の秋は例年にないほどの不作で
備蓄食料が底を尽きそうになっても冬の間は外に出る事もままならず。

主食となる大麦もなくなった春、受様は町に出て働く事を決意します。
針葉樹の森を抜けて辿り着いた町で受様はかなり浮いていますが、良くも
悪くも関心も持たれず店の軒先で途方にくれてしまいます。

そんな受様に食堂と宿屋を経営しているという男が声を掛けてきます。
給仕を探している話に受様は自分にもできそうだと誘われるままついて
行くのですが、男が探していたのは配膳係ではなく夜の相手でした。

受様は連れていかれた店の怪しい雰囲気に隙を見て逃げ出し、貫禄のある
貴族の男に助けられます。この貴族こそが今回の攻様ですね♪

攻様は揉め事の頻発する街を視察に来ていた国王だったのです。受様を
追っていた男は攻様のお供2人に呆気なくのされて捕まります。受様の境遇
を知り、無防備すぎる受様を放っておけなくなった攻様は、受様を招待と
いう名で王城に保護します。

食べる事にも欠いていた受様は温かい食事と寝床、衣類を与えられて徐々
に体力を取戻します。優しい人々に囲まれた城で暮らす中、受様は自分に
もなにかできないかと攻様への恩返しをしたいと望みます。

多忙な攻様の息抜きのために受様は散歩係となり、攻様にとっても心休
まる大切な時間に変化していく中で2人は惹かれあっていきます。

しかし受様は攻様の家令の話から父が無くなる事となった狼狩りは攻様が
狼を禁忌の生き物として殲滅を命じて行われたのだと知り、攻様の昔語り
から攻様が狼殲滅を命じたのは弟王子が狼によって命を落としていた事が
きっかけと知って衝撃を受けてしまいます。

攻様は弟を狼に殺され、受様は父を人間に殺された敵同士!!

それでも攻様に惹かれていた受様は攻様の傍にいたいと人狼という正体を
隠し続けるのですが、罪悪感から体調を崩していきます。そんな受様を
見舞った攻様が受様に狼の耳が出ている所を見てしまったことから受様は
激しく拒絶されてしまうのです!!

人間と人狼の恋に未来はないのか!?

人間と人狼という異種族であり互いに身内を殺された過去を持つ2人が、
遺恨を超え恋を成就させる物語です。

最初は受様が人狼であることが2人の障害となるのかと思いきや、それぞれ
が身内を互いの種族に殺された敵同士というか判明します。

愛情と憎しみに翻弄されつつも攻様は受様を手元に置こうとし、即位10周
年を控えた攻様の近くに人狼である自分がいる事が災いをよぶと受様は
城をでる決意するのですが、そこでまた新たな出来事が!!

スパダリ系攻様と健気系受様の恋の展開としては王道路線ですが2人が
幸せを掴むまでハラハラ&ワクワク楽しく読ませて頂きました。

物語の主軸は人間と人狼と言う異種族の2人の恋愛事情なのですが、政略
結婚の両親の不仲と弟の死により人を寄せ付けずにいた攻様の孤独、
両親に愛されながらも早くに2人を失い1人暮らしを余儀なくされた受様、

飢饉で町に出た狼によって弟を亡くした事で狼の殲滅を決行した攻様、
大規模な狼狩りのために父を殺されてしまった受様、と対極である2人の
差異とともに互いに惹かれ合っていく要素も丁寧に描かれています。

起きてしまった過去を覆す事は出来きません。大切な人を失ったやり場の
ない思いが育てた憎しみは簡単に断ち切れず愛情と怨嗟という相反する
感情に揺さぶられる様が切なすぎる (>_<)

2人が負の連鎖を断切し新たな絆を求めた未来が幸せでありますように♪

中世ヨーロッパ風な世界の大国イシュテヴァルダが舞台なのですが、サマ
ミヤ先生のイラストの雰囲気もベストマッチでとても素敵です♡

今回は人狼繋がりで火崎勇さん『甘い牙』はいかがでしよう。こちらは攻様
が人狼です♪

2

無色透明天使系

めっちゃキレイ&耳がめちゃ可愛い~と思って表紙買い。受けさんがなかなか良い方だったのですが、どうしても引っかかっちゃうところがあったので、すいません、中立より萌にしました。ああ読み応えたっぷり二段組250P弱+安らぎ後日談4P+あとがき。

立て続けに両親を亡くし独りぼっちになったサーシャ。何とか一人でやってきましたが飢饉で食べ物も尽きてしまいます。街にお金を稼ぎに行こうと思い立ち街に行ってはみたものの、怪しげなところへ連れ込まれた大ピンチ。その時、馬に乗った身分の高そうなイケメンに助けられ・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
攻めの側近だの受けの世話する人と、悪党少々。印象強い方はあまりいませんでした。

**攻め受けについて

攻めはそんなに王様王様とした感じはあまりなく、スパダリってぐらいに感じます。受けがいい子、無色透明天使系。痛々しい健気ってほどでもなく、好きな方かなと思っていたのですが。

怪我して倒れたはずの王様が、そのまま色艶シーンに雪崩込み。いや可愛いんですよ、受けは。お話的にふーんというものでしたのに、最後のこの「へ?」というところで盛大に引っ掛かってしまって、先生ごめんなさい、萌どまりです・・・

こういうの気にしない!というぐらい攻め受けにのめりこみたかった・・ サマミヤアカザ先生の挿絵はめっちゃキレイだったのに。残念。

2

マラソン

ラストスパートが猛スピードなの。
違和感が最後の方になって猛追してくるんです。

狼から人に戻って戻ってスッポンポンですよね?
2人とも傷の手当もせずに野外でいたすんですけど、2人とも身体は大丈夫だったの?
一晩外で寝てた様ですけど、白夜って事ですか?
それにしてもそこに着くまでどんだけ時間かかったの?
時間軸がさっぱりわからない。

ここにヤマ場があるばっかりに乗り切れなかった。そんなとこで愛を確かめ合わなくても良くないか?と思ってしまったの。

キャラ設定は好きでしたし、想い合ってる甘い感じも良かったです。





2

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