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ひつじの鍵読了後、レビューにてこちらが
スピンオフ作品と知り、購入しました。
皆様のレビューのおかげさまですm(_ _)m
ひつじの鍵で、当て馬ともいえないほど控えめに
ひたすらに優しい和楽のその後が気になりました。
タイトルの雰囲気も違い
内容もしっとりとしています。
イエスノーシリーズでも思ったのですが
職業の解像度が凄まじすぎておののきました。
のめりこみにこみました⋯。
和楽は芸術一家に生まれながら、
自身は作品を生み出さず
審美眼の能力をいかした仕事をしています。
前作から10年以上たった和楽は相変わらずの真面目さ
すこしドライで
恋愛はしていないようなのに割り切った関係はあるようで切なかったです。
(けれどそこも大変にエモ萌えでした…)
感情を出さないように努める和楽が
群の絵をみて情熱的に動き出し
郡をみつけ、感情があふれていくのが
嬉しかったです。
和楽が群を育て、郡はそれに応えることで
どんどん才能を開花し
愛情関係にすすんでいくのがたまらなかったです。
この快感を先生の文章力でぜひ味わってほしいです⋯。
群を怒らせてしまうくだりも唸りました。
(私でも売ってしまうと思う..)
郡を思って、という理由はすぐに理解できたのですが
作品自体に恐れを感じていたことが
どれだけ和楽が自分を閉ざしているかを
あらわしていたので..。
なんて不憫なんだ..和楽..!
一度目の追跡は一目惚れから、
二度目の追跡は
コピー商品から群の絵を見出す、
和楽だからこそできる探し方に痺れます。
郡も、「自分より絵かよ」と思いつつ
自分を求められて安心する。
和楽の諦め気質から、
自分からは駆け寄れないのが本当に切なかったです。
群が和楽の閉ざされた「親密さ」の領域にたどり着いたとき、こちらも涙..でした。
年下ワンコ可愛い群が、どんどん増長し
まさに攻めていくのがよかったです..♡
和楽も無自覚に可愛くて
読んでいてたまらなかったです。
あとがきは
伊織をも驚かせる和楽の変化
よかった..。幸せになって!
一穂ミチ先生の作品は、ふたりが相互補い合って完成形になるのがとても美しいです。
最高に大好きな作品に出会えました。
同人誌も買うほどに。
羊と羊パパも素晴らしいタイミングで登場するので
前作とあわせて読んでよかったです。
「ひつじの鍵」に登場していた羊の友達の和楽のお話。
報われない恋をしていたにも関わらず
何があっても羊に寄り添ってくれていた和楽のキャラが好きで、
彼にはぜひ幸せになってほしかったのでスピンオフがあると知って歓喜!でした。
高校生のときから"目利き"だった彼がギャラリストになっていたのは納得で、幼い頃から絵に囲まれてきた和楽だからこその解釈に触れることができたのがすごく嬉しかったです。
絵をキッカケに運命みたいな出会いをするのもすごく和楽らしかったし、どこまでもストイックに絵を愛している姿もアーティスティックで素敵でした。
そして純粋に絵を描くことが好きなのが伝わる群の無垢さ、とても眩しかった…!
彼の絵はそれをそのまま映したように美しいのでしょうね。
一目見て和楽が心を奪われるくらい吸引力のある絵を描く群の心の綺麗さもまた、ストーリーを彩っていたように思います。
ただ、最初から最後までかなり熱のこもった絵画愛を感じるようなお仕事色強めな展開なので
萌えよりも絵画に対する知識に感心してしまう部分が多かったかも。
群と和楽が無事に両想いになったのは良かったけれど、恋愛要素よりも絵画ってすごく奥が深いんだな。というほうが強く心に残っていたので
もう少しふたりの心の内側を見てみたかったなと思いました。
画廊を経営している和楽が、仕事で訪れた高校で一対の絵画に出会い、惚れ込んだところからこの物語が始まります。描いたのは卒業生の足往群(あゆき・ぐん)。名前は突き止めたけれどそこからどうしても本人に辿れない。探して探して、その後偶然が偶然を呼び本人に遭遇、そこから群にとってはシンデレラストーリーが展開。和楽に見出され、住むところとアトリエが提供され、スケッチがすぐに売れ、美術館での鑑賞に和楽のレクチャー付き、ギャラリーで図録が見放題、インスピレーションを得て作品を次々仕上げて個展を開催そしてほとんどの作品が売れて成功、とトントン拍子です。
冗談のように話がうまく運ぶサクセスストーリーは、和楽側からも群側からも小気味よく、読書に弾みが付きページがすいすい進みます。
和楽の美術に関する豊富な知識も、それを丸呑みで吸い込んで糧にしていく群の様子も分かりやすいし、こちらも勉強になって面白かったです。
問題と思うのは、BLという点でした。
要素はたくさんあります。10歳離れた歳の差、惚れ込んだ作品、前述のとおりシンデレラストーリー、経済的な支援、美術知識が無垢な作家に美術史や概論を教え諭す光源氏的な立ち位置、他人を入れない和楽の自宅に(不可抗力とはいえ寝室とバスルーム)立ち入ったり、和楽のセフレに嫉妬したり、その他諸々。
なのに、恋愛に結びつかない。
中盤まではぐるぐるしていてもいいんです。恋愛なのかどうなのか、自分の気持ちが分からない、ということもあるでしょう。特に和楽の場合、感性や好みという点と、これは本物だ売れる育つという点が並行しているので、年の差もあるし、一歩引いてしまうのは分かります。
だからこそ、年下である群がぐいぐい行ってもよかったと思うのですが、キャラクターの故かそっち方面に疎いようで非常に頼りない。
一度離れて再会した終盤こそ、この200ページを取り戻す勢いで思い切り恋愛してもらってもよかったのですが、そうもならず、非常に消化不良に感じました。(別にエッチが少ないとかそういうことじゃないです)
読書自体は楽しく、なのにこの評価は辛いなと自分でも思いますが、「萌」という一字を思えば真ん中になります。メインキャラ2人のほか、登場人物は皆好感度が高く、よかったです。
ひつじの鍵のスピンオフです。
前作で羊に振られてしまった親友和楽と、一家を支えるお兄ちゃんな群のお話。
和楽は31歳。ギャラリーで働く絵画オタク。
仕事で訪れた高校で、強烈に惹かれる絵と出会う事から始まります。
あらゆることをしながらその絵を描いた人物に会いたい!と仲間もヒくほどの情熱を注ぐ中、宅配のお兄さんの21歳の群と出会う事に。
そこから、画家として群を育てていく和楽と、子供っぽさを残しながら和楽を慕う群。
誰にでもフラットで低体温な和楽が、群に見せた感情にキュンとしました。綺麗なお兄さんなのに、幼い仕草で可愛いのです…。そして、10歳ほど歳下の群の、若い故の素直さやパワーが愛おしい!歳下攻が好きな人には、堪らない攻かと…!
ある高校に飾られた絵に惚れ込み、作である『足住 群』を探す和楽。
探すと言いながらもどう動いていいのか苦悩しているときに、偶然足住 群と出会う。
今でも絵を描き続けているという群を自分の仕事場の3階に住まわせ、群の絵を売る。自分が惚れ込んだ絵を描く群と仕事の延長で一緒にいるようになるが、いつもと何かが違う。。。心地よさを感じながら、踏み込んではいけないと自分を止める和楽。
初対面で身体の関係?!と思いましたが、そこは群との仕事の関係を崩したくない和楽。中々読者の予想通りにはいかず、またそこも良いです。
様々な絵画が登場するので、どんな絵なのか調べながら読みました。
こんなにゆったりとした気持ちで読むことができる一穂先生の作品が好きです。
『ひつじの鍵』の羊も出てきます。スピンオフです。
できたら、前作も読んでからだと、より深く物語に入り込めると思います。