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毒王は棘姫を寵愛する

dokuou wa togehime wo chouaisuru

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表題作毒王は棘姫を寵愛する

鰐淵士郎,医師,毒物研究の准教授
織部釉,手指に痛みを抱えるサラリーマン

その他の収録作品

  • file.1 甘い矢毒で撃ち落として
  • file.ex 恋の棘(描き下ろし)
  • file.2 painful ペインフル
  • file.3 わにさんはうさぎちゃんを溺愛する?
  • file.4 もっと深いところまで触れて
  • file.5 いじわるハニハニムーン♡
  • file.6 君は心に刺さって抜けない激痛の棘
  • カバー下:にらめっこ

あらすじ

他人に触れられると身体に激痛が走る奇病のため、温もりを知らぬまま孤独を生きてきた会社員の織部。薬や通院の甲斐もなく、藁にも縋る思いで毒物研究をしている准教授・鰐淵をたずねるが、なぜか鰐淵に触れられると痛みを感じない。初めて他人に触れられた織部は恋に落ちてしまうが?

作品情報

作品名
毒王は棘姫を寵愛する
著者
ARUKU  
媒体
漫画(コミック)
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
バーズコミックス ルチルコレクション
発売日
ISBN
9784344845114
4.1

(85)

(40)

萌々

(27)

(14)

中立

(0)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
13
得点
350
評価数
85
平均
4.1 / 5
神率
47.1%

レビュー投稿数13

さらなるARUKU世界に踏み込みたい方向け

ARUKUさんの「ほんとは好きだ」「嫌い、大嫌い、愛してる。」「君の夢を見ている」が素晴らしかったし、レビューに「溺愛」の文字が並んでいたのもあり、読んでみました。

「マフィアの若旦那のような強引で俺様なスパダリ准教授医師x未知の病気に苦しむリーマン」

この攻めキャラ設定が絶妙にイイ・・・!
4話の表紙でさらに攻めメガネ!

ただ、不満点:

①セリフが古の少女マンガっぽくて、古臭いというかクサいというか、人目もはばからずそこら中でイチャつくし、こっぱずかしくて読んでるこっちがいたたまれない。
(他著作ではこういうの許容できたのに、なぜか本作ではうっ、となってしまった)

②2019年の作品なのに、タイトルや作中にやたらと「姫」や「嫁」ワードが多用されるのがモヤりました。
LGBTへの理解もだいぶ浸透してきたことだし、受けはG(ゲイ)もしくはB(バイ)であってT(トランスジェンダー)ではないので、(冗談で、というのもすごくわかるし、「嫁系BL」をお好きな層が一定数存在するのは重々承知しております)こういう女性を表す単語をBLで使いまくるのは「嫁系BL」以外ではやめてほしいです(この辺は棲み分けがある程度可能だと思う)。
男同士の恋愛なのに・・・。
それとも結局受けは攻めにとって女性の代わりなのですか・・・?

良かった点:

①ペインクリニックという診療科も現実にあるぐらいなので、棘病気設定はあまりファンタジーとは思えず、すんなり世界に入り込めました。

②他ARUKU作品に比べて「心臓ぐりぐり号泣ドバー系」じゃなくて「溺愛ギュンギュン萌え系」だった。

なので、トータルでは満足です。
独特の絵柄は、奥行きのない浮世絵っぽくてこれはこれで味があって良いと思うのです。
女の子っぽい受けが苦手な方や、初ARUKU体験を求める方にはオススメできませんが、上述の神作・名作を楽しまれた後に、ARUKUさんの作風をじゅうぶんご理解いただいたうえで、さらなるARUKU世界に踏み込みたい方や、スパダリ溺愛攻め好きな方にオススメします。

表紙は著作の中で一番好き!
この色合いがたまらなく大好きです。

0

2週間で信者となりました

この2週間程でデビュー作の「ビター×スイート」から新旧同人誌、雑誌で新連載の「雨傘で凌げないほどの恋」まで、80%は軽く超える先生の作品の既読率、あっという間にARUKU先生の強担信者と化したわたくしです。

読み終えた中でも多分この作品が1番、、、
先生にしては個人的に面白くなかったかなー
エロエロで甘々で萌えるっちゃ萌えるのですが。

私は先生の絵柄も含めて大好きで他の人が指摘しているように、ネームが長いとかポエミーだとかも全然思ったことがないです。
更に読んでいくと攻がいつもこうゆう外見で内面はだいたいこういう感じとか、受はだいたいこういう外見で性格は大抵似ていてとかそりゃどうしても思いますが、
更に終盤はいつもなにかのきっかけで2人は数ヶ月とか1年あるいはもっと別離を経験し、マジのラストで再会しラブラブハピエンで終わるんだって
分かってしまいましたが!
信者ですから!
全然OKです。
そこ込みで大好きです、

なんですが、今回はなにかが足りないような気もします。
受の病気は棘が手指に刺さっているかのような痛みが続くというそれはもうかなりの障害であるはずなのに、攻の登場でそれが既に寛解しているような流れだからなのか?
甘ったるいシーンが多くて終盤以外その障害が
目立たなくなっているからなのか?

今回は貧乏とかイジメとかを背負うシンデレラっぽい受ではないのね。

初期の短編や「キラキラセブン」のようなお話がARUKU先生らしい唯一無二の個性があってより好きです。

なんか信者なのにらしくない感想になってしまった。

1

あまーい!!

恋に落ちる花も相思相愛でしたが、こちらも存分に。
攻めのせりふはキメッキメの眼力に似合ってるし、受けはかわいいです。デフォルメされた姿はほんとーにかわいい。
2人の気持ちと比例してキラキラも増えているような錯覚におちいりました。

独特のからだのポーズ、カメラ目線のような目線、どういう感情でいってるのか迷子になるせりふたち、唯一無二だと思います。この世界観は。

ARUKU先生のかく女性って、受け攻めからともに冷たくされますよね。でもこの作品ではコメディ感があって面白かったです。
がんばれー、相手が悪かったぞーって言ってあげたくなるような女性たちでした。

わたしは信者までいかないのですが、ARUKU先生ファンなので、先生の作品未読のかたは、これは3冊目くらいに読まれるとあまーーい!が実感できるかと。

1

甘ーい!でも、あり

 設定はとっても素敵でストーリーの流れにも引き込まれたんですが、鰐淵と織部の台詞やモノローグがあまりにもロマンチック過ぎて、ま、眩しい!と終始くすぐったさを感じてしまいました(笑)。ストーリーはARUKU先生らしさもある、痛みと切なさを併せ持った空気なんです。でも、メイン2人の紡ぐ言葉がこれ以上ないほど甘くて、また、俺様攻め×健気受けを極めている感じで、私は少し胸焼けしてしまいました。ここぞ、という時だけその真摯な台詞が使われるならまだしも、ほとんどずっとそんな調子だったので。

 ただ、そういうベタな甘さが強過ぎるところを除いて、作品の雰囲気自体は好みでした。織部のような症状が実在するのかどうか存じ上げませんが(ありそうですよね)、いわゆる難病を抱えた人間の孤独たるや凄まじいだろうな、と彼に同情しない時はありませんでした。他人に触れると激痛が走るという病のせいで、一切の恋愛を諦めてきた彼が甘えられる相手を見つけられたのは本当に嬉しかったです。逆に、鰐淵が織部を好きになっていく心情描写はもう少し丁寧でも良かったのかな、と思います。でも、最後の再会したシーンで、鰐淵の「1人でよく頑張ったな」という台詞には思わず目頭が熱くなりました。

2

甘口なARUKU作品にハマりました。

ARUKU先生作品は2作目の新参で、
前作の「嫌い、大嫌い、愛してる」の苦みを知っていただけに、
同じ不憫受けが、幸せになるといつ突き落とされるかと冷や冷やして、
ホラー感覚でドギマギしながら読み進めてしまったわ…それなのに、ただただ甘くて拍子抜け。

素直にあま~いARUKU節があると初めて知り、読後に甘そうな既刊作品を数点購入しました。
それぐらい、毒王と棘姫のあま~いARUKU節が心地よかった。
初めから寵愛の言葉を信じて読めば良かったわ…。

カクカクしたお人形さんみたいな画が好みではないのですが、
ARUKU先生の独特な世界観を知ると、その画に愛着が湧くという不思議です。

設定も作り込まれていて、キャラ立ちが半端ない。
織部の可愛さにギュンギュンしっぱなし、なんて可愛いんだろうか。
鰐淵のスマートなカッコよさはありがちですが、織部を寵愛する鰐淵は堪らなくカッコよかった。

しかも、下手をしたら茶番になりそうな、セリフ回しやモノローグが、
この確立された独特な世界観を引き立てていて、ハマると面白いほど刺さるんですよね…。
昭和歌謡の歌詞みたいなセリフがいくつもあって、
特に恋をする織部の心境にピッタリでした。

鰐淵が織部を愛しそうに呼ぶ、
天パちゃん、くりくりちゃん、おいなりちゃんもステキですが、
エッチ中のオヤジみたいな言葉攻めが個人的にはツボで、カッコいいのにエロいのが良かった。

くさいセリフが所どころにあって、初エッチを決めた時の言葉にきゃ~っとなりました。
スーパームーンの日、「お月様と一緒にお嫁においで」…こっちが恥ずかしくなるわ。

序盤にフラれた女性同僚の返り討ちに、ずっと一人で戦々恐々としていましたが、
これも上手くハメられたのか…キャラ変はビックリですが、悉く拍子抜けで良かったよ。

もちろん、ずっとあまあまでは終わらないのですが、それが更に甘さを引き立てる構成です。
けっこうハッピーエンドが当たり前のBLですが、この作品はめちゃくちゃ満たされました。

カバー下の二人もあまあまで可愛かった。
評価は神よりの萌2です。

※シーモア:修正は発光です。

2

はまれませんでした

ARUKU先生初読みです
独特の世界観に合わせられませんでした
設定もどこか飛んでいる印象が否めず
絵もちょっと可愛すぎるかなという感じ
高評価だったので、期待していたのですが
好みもありますよね

個人的に鎖骨がすごく気になったのと
ストーリーがご都合主義が過ぎたのかなと

展開としては王道なんでしょうが
後半のスピード感が半端なくて
置いてけぼりをくらったような感じでした

攻めがカッコイイ設定なんですけど
共感できなかったかな
受けは健気というより、大人の男としての
魅力が感じられず
それ故の評価になってしまいました

2

致死量の砂糖菓子ーultimate

イヤ〜〜ッ‼︎
うが〜〜〜っ‼︎
エェ〜〜〜〜ッ‼︎
うお〜〜〜〜〜っ‼︎
ぐぬ〜〜〜〜〜〜っ‼︎
がは〜〜〜〜〜〜〜っ‼︎
ナニコレ⁇
ナニコレ⁇!

皆様のレビューを先に読んでいたから、ひたすら甘さを追求している事はわかっていました。
が‼︎
もぉ〜なんなのこれ……
萌え殺す気かっ‼︎
あ、私はARUKU信者なのであしからずですよ。ARUKU先生のこの作風、本作が誰にでも面白いか、誰にでも萌えるか、は全くお約束できません。
絵柄だっていつも通りバルテュス的静止画みたいな絵だし。
Hシーンなんかは特にギクシャクした絵だと思いますよ、私も。
だけどそんな事はどーーーーでもいいんですっ。
ARUKUワールドの甘く可愛い側面が、これ以上ないほど炸裂しています。
読みながら体幹がクネクネしてしまった!
織部の恋心が「ヘルレイザー」のピン男のように私にブッ刺さってしまった!
最終話で棘が戻ってきた時、ギクッ‼︎となりました…
ヤダヤダ、絶対やだ、織部の恋を取らないで!と心で叫んだ!
毒王が王子様になって棘の痛みに閉じ込められた姫を救いに来た時!
私の心の中の何かが決壊しました〜‼︎
神の降臨。
コレは正に私にとっての「神」作です。

16

溺愛!

作家買いです。
ARUKUさんの描く独特な世界観と健気受けが好きなので。

他人に触れられると棘に刺されたような痛みを感じる特殊な病ゆえ人付き合いを避け恋を知らない主人公。
側から見たらかなり不憫ですが織部さんがなかなかの乙女思考で基本天然なかわいい人なので思ったよりは悲壮感はありません。
唯一触っても痛くない鰐淵先生に恋してからは初恋に乙女脳がぽわっぽわで病持ちの悲壮感より恋愛の楽しさの方が上回ってるwww
兎に角、受けがかわいい。
今まで本気で人を愛せなかった攻めが絆されるのもわかるわー。物語上は意外とあっさり陥落した感は否めないけれど。両思いになってからは攻めが受け溺愛の甘々いちゃいちゃバカップルです。
作家様の過去作に比べると暗さも重さも困難さも不憫さもライトで悪役は皆無、寧ろいい人しか出てこない。最初に織部さんがふった酒井さんて女性が凄い形相で睨んでくるから織部さんに嫌がらせでもするのか?!と思いきや嫌味こそ言ったものの寧ろ応援側ってゆーね笑。
正直、ARUKU先生のドロッドロな愛憎劇を期待したら肩透かしかもしれません。
が、個人的にはこの甘々いちゃいちゃなバカップル展開も嫌いじゃなかったです。受けの心の声が噴き出しちゃうくらいかわいいし鰐淵先生大好きがダダ漏れ過ぎてウケるw鰐淵先生の言葉攻めもいちいち仰々しくドラマがかっていてキザの極みでたまんない笑笑!クセになる〜。
欲を言えばハピエン後の書き下ろしが欲しかった!!

7

痛いけど痛くない

ARUKUさんの新刊コミックス、タイトルだけ聞くと某イラストレーターさんが表紙の小説本にありがちなタイトルすが、中身は、実に甘々ロマンティックなお話でした。
ARUKU作品なのに、こんなに甘々でいいのかって、身構えながら、ドキドキしながら読み進めたけど、とうとうずっと、最後まで甘~いイチャエロ(ARUKU作品比)のままでした。
絵もスッキリと、可愛くなったし、汁気たっぷり。
受けの子は健気でエロくて可愛いし、攻めもエロくて変態でかっこいいし、読んでても辛くならないし。
ラスト、ちょっと駆け足な感じもしたけど、これはこれで、萌えたということで。

2

よじれて、こがれて、こがされて。手放しで甘いおとぎ話。

そう。ARUKU先生だからね。油断してはいけない。
毒王と呼ばれる先生との恋が甘ければ甘いほど、どんな苦しみが待っているのだろうと、私は息を詰めて読む。ずっとずーっとハラハラし通しだった。
後半、じわりと目頭が熱くなったけれども。これは安心していい方の物語だ。
甘くて優しい。手放しでその甘さに溺れたっていい。甘い甘いおとぎ話なのだ。

毒性の生物を研究する変わり者だがキザでイケメンの先生と、人に触れると激痛を感じる 恋を諦めた美しい青年との出会いから恋を知り、そして結ばれるまで。を丁寧に描いています。
この、絵的にも物々しい、手に沢山の棘が刺さった様な痛み。これは何の暗喩なんだろう。
ずっと考えているんだけど。上手く言い表せないでいる。
読み手側が感じたままに受け取れば良いのかなぁって思う。

よじれて、こがれて、こがされて。
あの人の腕の中で、とろけるシュガバタマーガリンになっちゃった。
嘘みたいに恋してる。
恋の痛みを知れてよかった…。

沢山の甘い台詞のオンパレード。詩的なモノローグの数々。
時に甘く。時に切なく。
恋の、ものすごい楽しい時の、溢れてしまう想いがキラキラとこぼれ落ちる様で。
その言葉たちの一つ一つをやっぱり愛おしいな、って噛みしめたくなるんです。
その言葉たちとは裏腹に、意外と濃厚なエチシーン。
良くも悪くも、人形の様な硬さを持ったARUKU先生のキャラクターの絡みは、そうか。セックスって、美しくも何とも無いよね。歪で生々しい欲情が露わになった姿だよね。って、認識させられるというか。
いつもならキラキラしていて、ガラス玉の様だな、と思うその瞳が欲情のままに恍惚と イっちゃってる様にも見えて。舌を絡め合うその様子も。浮き出て見える様な骨格も。その生々しさにアテられる様な気がしました。そう、これはこれで。生きてるって感じ。

ずっと2人の世界だったのに、後半には先生の兄弟全員医者とか。しかも優秀だとか。
ARUKU先生の作品に出て来る女性は大抵性格極悪だったりするんだけど、最初 不穏な事言ってた割には意外にサバけた系女子だったりして。新しさも感じられました。
先生だけが棘の痛みを癒してくれる存在だったのに、治験を受ける様になってから、先生に触れても痛みを感じる様になった時は、一体どうなることかとホンットーにハラハラしましたが。
きちんとハッピーエンドに落とし所を持って来てくれてホッとしました。
その痛みもね、何がしかの暗喩なんでしょねー。
この後は おとぎ話よろしく、めでたしめでたしが続くのでしょうけど、痛みを乗り越えた2人なのだから、さらに甘い後日談をも少し引っ張っても欲しかったです。
先生は変わり者だったかも知れないけど、助手の梶くんが言うように、血の通った人間になれたのだから。恋を知った王様と、棘から解放されたプリンセスの後日談、知りたいよ。
あと、無駄に4人もいる イケメン医師兄弟の鰐淵家もね。

0

毒王と棘姫の気になる恋の結末は?

冷たい棘だらけのお城に住んでいる棘姫と、
毒王を名乗る男との初めての本気の恋物語。
おとぎ話のような現実のような、
不思議なARUKUワールドファンタジーです。

他人に触れると棘が刺さったような痛みを感じる織部は、
恋に憧れるサラリーマン。
どんな治療も薬も効果がなく、
毒物研究をしている鰐淵を頼るが、
なぜか鰐淵には触れても痛みを伴わないのです。

織部の辛さは台詞だけでなく、
心の声から理解することができます。
恋に憧れ、諦め、期待し、絶望し…
そこに現れた触れても大丈夫な鰐淵に恋してしまうのは、
当たり前のことなのかもしれません。

二人は距離を縮め、
ついには愛し愛される喜びを知るのですが、
幸せの絶頂が長く続かないのがARUKU先生節なのです。

鰐淵にさえも棘を感じるようになった織部は、
鰐淵の元から離れていく決心をします。
それも、自分の痛みから逃げたのではなく、
治らない病に苦悩する鰐淵を見たくないから…

自分の幸せを捨ててでも鰐淵を思い、
鰐淵に愛された思い出だけを糧に生きていこうとする織部が、
健気で切なくて、遣る瀬無い気持ちにさせられました。

織部を諦めきれない鰐淵は兄の手を借り、
織部の痛みの原因を探ります。
そして、愛に生きる選択をし、織部が待つお城へと向かう…
という、最後までロマンチックかつ、
おとぎ話のような物語です。

長く多いセリフはいつものこと、
心の声までが言語化されて丁寧に描かれており、
それぞれの感情や互いへの愛情がダイレクトに伝わってきます。

姫と姫を迎えにきた王がギュッと抱き合うラストは、
これまでの紆余曲折を思うとグッとくるものがあります。
今度こそハッピーエンド…
そう思わせてくれる最高の結末でした。

4

甘いほうのARUKU作品。痛みと甘エロのバランスは好み次第。

楽しみにしていたARUKU先生の新刊。
評価は定まらないし、うまくレビューもまとめられないしで、書いては消し、書いては消しの繰り返し(^^;;
暗さを求めて読んだら、暗くはなく甘かった。
かなりの甘エロだったぁぁ!どうしましょ!と戸惑った感じ。

人に触れると指に棘が刺さったような強い痛みを覚える会社員・織部と、毒物研究をする医師・鰐淵の恋。
幼い頃から悩まされる痛みのため、何軒も病院にかかるも原因は不明なまま、人との触れ合いを諦めている織部。
ところが鰐淵に触れると痛みがスーッと収まっていく。
織部はそんな救世主鰐淵に恋をし、それを受け入れてくれた鰐淵と付き合うことになるのですが…。

設定と、2人の出会い〜恋愛関係になるまでと、ラストに向けた切なさを感じる展開はとても好きでした。
ですが、中盤は2人がとにかくイチャイチャしていて、意外とエロが多い〜。
イチャイチャもエロも好きな私ではあるのですが、ARUKU先生の作品にはそれ以上に「負」の要素の強いストーリー展開をより求めていたため、少々肩透かしを食らった気分に。
ストーリーと相まったあの独特の絵柄はクセになる味わいで大好きなのですが、ことエロに関してはどうかなぁ…。
個人的にはエロ向きではないように感じていて、適度なエロはいいアクセントになるのですが、描写が多いとちょっとしんどい感覚になってしまうんです。
ほんっと〜〜に個人的な感覚なんですけどね(^_^;)

甘イチャで読みやすいARUKU作品といえば「ハスネサイコロジー」が思い浮かび、そちらの作品は大いに萌えたのですが、今回は痛みというテーマが根底にあるため、そこまで(明るくて可愛い♡)に振り切れてもいないように思いました。

甘さと痛みのバランスの好みの問題かも知れません。

きっと何か悪いことが起きるに違いない!と勝手に身構えて読んでたら、意外と何も起こらなかったという。
(薬品事故とか、何か嫌な予感がしたんだけど、私だけ??^^;)

キャラの性格は、攻めの鰐淵は傲慢な俺様タイプで、受けの織部はそんな鰐淵にすべてを委ねるような乙女タイプ。
わりと古風な男女っぽいニュアンスが濃い2人です。
「か弱く健気な姫を寵愛する王」のような関係性がお好きな方にはオススメです。

ラストに向けた不穏な雰囲気や、切なさを感じる展開。愛ある終わり方。
織部に振られた同僚女性キャラの、怖そうでいてそうでない絶妙なさじ加減や、ところどころに散りばめられたシュールな笑いなどは、さすがARUKU先生だなー!という印象でした。

迷うとホント、どっちつかずレビューになってしまう…すみません。
評価は素直に間をとって「萌」にさせていただきます。

10

甘い!!

表紙のキラキラ感やタイトルから、パッと見、小説かと思いました。
(あぁ小説の挿絵を担当されたんだぁと)

「毒王」と言われるほど毒に詳しい医者×人に触れると手指に鋭い痛みを感じる謎の疾患持ち
ということで、「毒」や「痛み」がモチーフです。

ARUKUさん×「毒・痛み」ということで壮絶な心の痛みを伴うやつかなぁ…と思ったけど、さほど痛くなかったどころか、むしろかなり甘くてあれれ?と戸惑ったんだけど、タイトルに銘打ってるように「寵愛もの」なんですよね、これ。

毒の権威という事で攻めに診てもらった受け。
なぜか攻めに触れられると痛みを感じないどころか、痛みが消える事に気づきます。

そして「痛覚を抑える物質を脳内で出すような生活(恋愛とか美味しいものを食べたりなど)を心がけるように。」と言われた受けは、「先生に恋しては、ダメですか?」と言ってしまうんです。
人に触られて痛くないなんて初めてだったので、藁にもすがる思いで思わず言ってしまったけれど、あっさりと攻めはOK。

そこからエロいキスに発展。
思っていたよりもエロ多めです。
何かとプルプルしちゃうウブでいたいけな受けの反応が可愛くて、攻めがちょっかい出しまくりです。
あれこれ、あちこち愛でてます。
(でもARUKU先生にエロは求めてないので、エロはもっと少なくていいと思ったなぁ……)

「人を好きになる機能がない」「あなたには人の心がない」と言われ続けてきた攻めは、受けにとってこの恋が唯一である事を知っており「なのに俺は人を愛することができない‥‥」と苦悩しちゃってるんだけど、いやいや、あなた、もう既に受け様を充分に愛しちゃってますよ、それ……とツッコミたい気分でいっぱいでした。

「痛み」「毒」に絡めてあれこれモノローグやセリフが登場するのですが、恋に痛みは付き物だと思うんですね。
その甘美さや綺麗事では済まされないものを毒や棘に例えたり、というのは古今東西で語り尽くされているというか想像範囲内なので、正直なところそのモノローグが突き刺さらなかったところが残念でした。

特に、初エッチで「棘よりももっと太いもの……刺さってる……なのに……」という太字モノローグ。
あそこは好みではなかったです。ちょい陳腐というか。
やっぱりそれ来ちゃったかぁ……と。。

そして、えっ?もうこれでおわり?というあっけなさを感じてしまったのです。
中盤の寵愛部分はたっぷりでしたが、その分、最終話に転結部分の全てを詰め込んでしまった感があって、あれをせめて2話、できれば3話くらいにわけてもらえたら、もっともっと刺さったような気がする。
そういうのをARUKU先生読者は求めてると思うので、そこが惜しいなぁ……と思いました。

受けにアプローチするも呆気なく振られた同僚女子が、その後も憎らしげに受けを見つめてくるので、酷い仕返しをされるのか?とハラハラしながら読んでましたが、いいヤツでした。
だって、ARUKU先生の女子って酷いの多いじゃないですか……

ARUKU先生の作品の作品ということで身構えて読んでしまいましたが、(前作の「嫌い、大嫌い、愛してる。」がアレだったので)「ARUKU先生流・寵愛もの」だと思って読むとちょうどいい感じです。



10

この作品が収納されている本棚

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