イラスト付き
勇者なのに魔王に押し倒されてます!
ヤクザの鬼柳とその舎弟信夫は、十年前に失踪した若頭佐和の捜索中に異世界に転移してしまう。転移先で勇者と勘違いされた鬼柳は魔王と対峙するも、魔王は佐和とそっくりで……? というお話。
サラッと手軽に読めますが、全体的にごちゃごちゃとした印象のお話でした。
キャラもエロもインパクトはありますが、ストーリーとしては薄味。
メイン二人がシンプルに可愛かったので、二人の過去をもっと知りたかったなと思いました。
十年間探し続けている相手との再会(相手は記憶喪失)と言うだけで萌える設定だったので、しっかり味わえず残念。
かなりギャグに寄せた作品で、メイン二人以外のキャラがとにかく濃いです。キャラの濃さで笑いを取りに来るタイプのコメディでした。
このギャグのノリがイマイチ合わず……不快では無いので最後まで問題なく読めましたが、作家さんと笑いの好みが根本的に合わないのだろうなと思いました(笑)
異世界に迷い込んでしまったヤクザが勇者となって、魔王を倒すことになり、魔導士、僧侶、王子達とパーティーを組むことになるんだけど……。
魔導士:ジンバブエまほ子という名前のゴツいオカマ
僧侶:ド音痴。
王子様:魔王様に骨抜きにされてしまい強引にくっついてきた。案外たくましいところがあるけど役には立たない。
パーティーのメンバーが、まるで闇鍋状態で笑えます。
10年前に失踪した若頭の佐和をずっと追い求めてきた鬼柳。
異世界で出会った魔王の中に佐和を見出すも、佐和ではない……。
ここの葛藤が美味しかったです。
佐和は野良犬同然の鬼柳を拾って、長年面倒を見続けてきた兄貴分なんですね。
鬼柳は、佐和の忠犬となり
「舎弟として傍にいて、男や女を虜にする佐和を見ながら、自分の尊敬する男はさすがだと自慢に思うだけで良かった。」と思っていた。
なのに、魔王に抱かれるハメとなり「佐和の舌の厚さやキスの巧さなど実感したくはなかった……」というところ。
ここが大変萌えましたー。
二人の間にあるのは、恋愛感情♡でラブラブって感じじゃなくて、もっと骨太のこいつとなら生死を共にしてもいい的な男臭いやつっていうんでしょうか。
ちょい強引なとことかあるけれど、魔王様かつ佐和の男の色気ダダ漏れっぷりが大変美味しい一冊でした。
2019年刊。
中原さんなら高水準で楽しめるだろうと期待して購入。
ちなみに当異世界召喚ファンタジーには、モフモフと謎の攻めモテモテは含まれていないのを予めお伝えしておく。
異世界に飛ばされた鬼柳は勇者さまに間違われて、その世界を脅かしている魔王退治を請け負う。
年頃の女性だけでなく男性にまで見境なく手を出す性欲旺盛な魔王の正体は何と、10年前に失踪して鬼柳が必死に行方を捜していた若頭・佐和だった!!
表紙からしてイロモノ度が高そうだとは思っていたが、案の定口絵で勢揃いしている登場人物達は想像を裏切らないこってりさだ(笑)
ま、キャラは濃ゆいが、内容はサラリと読み易いよ。
読み終えて振り返ってみると全キャラ、それこそチビドラゴンの茶太郎や魔王の僕・千里眼、王子の伝書鳩までちゃんと活躍していて、不要なキャラが居ない点に感心した。
全体的にコメディ寄りかなといった印象なのだけど、この辺りにファンタジーの細やかさ、なんてものを感じ入る。
ヤクザらしい性分で冒険の旅を仕切る鬼柳だが、かつての若頭・佐和を慕う感情は何だか乙女のようで(笑)
そんな鬼柳の一途さに、自分も『極道の純情は魔王を揺さぶる』な~んてサブタイトルが浮かんだ位だ。
(*すんません、なにぶんド素人の閃きにつきダサすぎるのは承知ですがね…)
最後まで読み進めると、佐和も中原さん得意のオヤジ臭があると分かって嬉しい。
『俺達の冒険はまだ続くんだぜ!!』ふうの締めくくりにもニヤリとしたのだった。
スラスラ読める冒険もの?です。
異世界で魔王と戦う勇者と仲間達。でも実はその正体は…。
なんというか世界観も設定もひねりも良かったんですがラストが。てっきり現実の世界でこれからやるぜ!みたいになると思ってたので。
そして佐和は鬼柳のことを実は…。
その辺りもあんまりかなあ。異世界で魔王が勇者に求愛してるというか構ってワクワクして記憶が徐々にってのもわかるんですが。まあBLなのでそうなるんだろうけどまさか最初から佐和が鬼柳を…とは思えなくて。
なんというか消化不良気味です。
なぜ異世界だと佐和はあんなに喰いまくって人たらしだったのか。
曲者の王子様は後半全然存在感がなく魔王のことはもういいの?
魔王の伝説はこれからなの?
最後の草原はあの世界と同じなの?
ほま子の名前を読んだ時に噴き出しました。
せっかく長いお話なのに広げすぎて回収やつじつまが間に合ってないような感じです。
軽いノリでサクッと読めて面白かった。小説は読むのに体力と時間を持って行かれるイメージがあったけど、この作品はサラサラ読めてあまり疲れなかった。
登場人物が全員いい人で、とても優しい世界。安心して読める。
魔王の佐和さんが格好良くて好きだった。
パーティーメンバー5人+1匹それぞれ出番もあって、異世界転生感はちゃんとあった。味方の中ではまほ子さんが1番好き。ジンバブエ・まほ子って出オチな名前だけど、優しくて素敵な人だった。
(個人的にはもう少しHの描写にページを使って欲しかったが)元の世界に帰還するまで綺麗に1冊に収まっていた。疲れない小説は珍しいので同作者の他の作品も読んでみたい。