俺以外の雄に、おまえを寝取らせる気はないからな

小説

  • 誘淫オメガ ~ハニーポット・オペレーション~

誘淫オメガ ~ハニーポット・オペレーション~

yuin omega

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作誘淫オメガ ~ハニーポット・オペレーション~

司波宗久,捜査第一課特別捜査班第五係の上司,α
瓜生希,自らの発情を囮にする第五係の捜査官,Ω

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

アルファである司波に使われる囮捜査官になったオメガの瓜生。
発情した身体で司波の熱を感じるたびに心が揺れて――。

自らの発情を囮にする捜査官となったオメガの瓜生。
上司であるアルファの司波に運用される形で世間を賑わせている事件に関わることに。
捜査のために発情させた身体を司波に熱く鎮められるたびに、頑なに生きてきた瓜生は覚えてはいけない感情を抱き始める。
圧倒的な魅力と能力を持つ司波だが、彼もまた傷を抱えていた。惹かれずにはいられない相手なのに、本気になることは許されない。
司波と真摯に向き合おうとする瓜生に対して、司波は煩悶を募らせて……。

作品情報

作品名
誘淫オメガ ~ハニーポット・オペレーション~
著者
砂床あい 
イラスト
小山田あみ 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
ISBN
9784576191874
4.1

(81)

(40)

萌々

(26)

(8)

中立

(2)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
8
得点
330
評価数
81
平均
4.1 / 5
神率
49.4%

レビュー投稿数8

オメガの境遇

オメガバース大好き人間なので沢山オメガバースを読んできましたが今作は特にΩに対する風当たりが強く、差別されて当然の劣等種というあり方が色濃く描かれているように思います。しかしながら、前向きに生きている主人公の目線で話が進んでいく点からも悲観的にならず前に進もうとする強い力を感じるのでシリアスに傾きすぎないちょうどいいバランスが保たれているように思います。この作品は刑事ものとして惨い事件が軸にあるのでBL小説を読んでいながら刑事ものを読んでいるような感覚にもなれて非常に楽しめました。

1

キャラが好きです

オメガバは基本的に好きじゃないのですが、評価も高いし、作家さん買いで思い切って購入。

囮捜査官と上司という設定やストーリーはとても面白かったですし、キャラも立ってて良かったです。
ただ、2人が惹かれあう動機というか、説得力が薄かったという印象です。
オメガバにありがちですが、フェロモンで惹かれあう以外に、相手への特別感がもう少し描写されてたらなと。(特別感、無くは無いのですが、薄いので)

Ωが迫害されるというのはよくある設定ですが、さすがに赤達磨+屍姦はやる方が異常者すぎるかと…(汗)
ネメシス信奉者がどのくらいいるのか、社会的なΩ迫害がどれくらい酷い世界なのか、それほど具体的には書かれていないのですが、レイプ被害にあっても警察もろくに動かないらしいので、相当倫理観が薄いというか、Ωが人間扱いされてない世界なのだと思います。
オメガバとしての細かい設定(Ωが産まれるのはΩからだけなのか?全ての性別から産まれるのか?αはβからも産まれるのか?等)が不明なので、一般的にΩが家族にいる場合どう対応するのか?Ωがαを産むなら、母親がΩのαはそれなりにいるわけで…
だからこそ、βである神代がα撲滅のためにΩを殺そうとしたのでしょうし。

α優性思想が常識の社会というのはオメガバ設定ではよくあるとは思うのですが、Ωの数が少ないとはいえ、自分の母親や家族がΩなら、迫害しようという気持ちになるのか?
Ωが身内の人がどうしてるかが出てこないので、どうにもΩに対する社会的な風当たりが強すぎる気がしてしまいました。

色々書いてしまいましたが、警察物としてのお話はとても面白かったですし、司波も瓜生も良いキャラで、ラブシーンは濃厚で一気読みしました。

電子で購入しましたが、誤字が気になりました。焼却炉が橋脚露になってたり、司波が司馬になってたり…

4

やっと読みました

以前から「読もう、読もう」と思っていたのですが、何故か機会がなくて。元日に『誘淫オメガ-season2-』が発売されたのをきっかけにして読了。

私が面白いなと思ったのは、瓜生がΩの囮捜査官になった理由が書かれていないことなんです。勿論、社会の最下層として虐げられるΩの人たちを守りたいとか、自分もΩであるけれどそれに屈することなく戦いたいとか、そういう一般的なことは書いてあるんです。でも、個人的な経験については触れられていないんです。
主人公がウェットにならないこの感じが、私は素敵だと思ったんですね。

囮捜査ものらしく、お話はハラハラドキドキです。
それも『乱暴されやすい』という欠点を武器として囮になる訳ですから。
そこの所は大層楽しませていただきました。

ただ、読み進めていくうちに『フェロモンで他者を発情させる』と言うことだけで、これだけのΩ差別が起きちゃうかなぁ?と思っちゃったんです。
差別がエスカレートするためには、Ωが優遇されている必要があるんじゃなかろうかと。つまり「低俗種のくせに俺より良い暮らしをしている」とか「Ωを理由に〇〇を免除されている」とか「あの事件、ハニートラップだよね?」とか、そういうのが憎む心を作って行くと思うんです。
犯罪の動機が事件解決に至るまでに書かれていますが、あれを動機とするならば、Ωに対する憎しみが形成されていく社会構造の辺ももう少し触れていただければもっと面白かったんじゃなかろうかと。

恋に堕ちる様についても、さらっとしすぎかなぁ……
恋は理由なく始まるものだからこそ「ああ、この時に、こんな風にズキューンと来ちゃったのね」というのを、もうちょっと読みたかった気もします。
お話が面白かった故に余計そう思うのでしょうけれども。

エロはつゆだく。
小山田画伯のイラストも色気が凄いのよ。普段、イラストをあまり気にせず小説を読むタイプの私ですら、アクロバット的な体位の一枚を穴が開くほどガン見してしまいました。

3

オメガバの刑事物として秀逸だった

めちゃくちゃ面白かった!
オメガには辛い世界観でしたが、受けの瓜生は境遇にめげないポジティブな思想の持ち主だし、攻めの司波が瓜生の危機には必ず助けに来てくれるので安心して下さい。

被害者のオメガが酷い扱いを受けていますが、私は大丈夫でした。5係の同僚のβ達も最初は瓜生を馬鹿にしていたのに捜査が進むにつれて、瓜生を認めて他の課の捜査員から庇うのがなんとも良かったです。

思わぬ裏切り者には驚きましたが、司波にはお見通しだったのでスパダリ感が半端ないです。
瓜生だけでなく司波側の視点からも書かれているので、お互いの想う気持ちが本物だと分かる点も読んでて萌えました。

事件が解決してから瓜生は訓練に行っていたので、続編がある事を期待したいです。
そして司波の片腕であり番になった瓜生の活躍を読みたいと思いました。

10

オメガにはかなり辛い世界設定です

今回は捜査第一課特別捜査班第五係の統括者と囮捜査官のお話です。

受様が第五係の新たな囮捜査官として性差別思考犯罪に関わり
五課の捜査官に仲間として認められるまで。

この世界にはアルファ、ベータ、オメガという性別が存在します。
社会はアルファを頂点して構成され、オメガは劣等種として一般種の
ベータよりも体力や身体能力で劣るとされます。

その上オメガは本人の意思とは無関係にフェロモンを発散する事から
劣等種として蔑まれ、差別を受けながら生きるを強いられ、性別を
ベータと偽るオメガも少なくありません。

近年、激化しつつある性差別思考犯罪に対応するため、警視庁刑事部
の花が他ともいえる捜査一課に特別捜査班第五係が誕生します。秘匿
捜査のため、名前や顔を不特定多数に晒せば即移動、捜査官はコード
ネームまで与えられているタスクフォースです。

創設されてから3年半と歴史は浅く、捜査官も7名しかいませんが、
その特殊な職務から捜査官にオメガを含むために独立した執務室を
持っています。

五係はオメガの特性をあえて利用し、例外的にオメガの刑事を囮とし
て捜査に使っているのです。発足当時初登用されたオメガ性は3年前
に殉職、今の五係にはオメガの捜査官はいません。

受様はオメガである事を誇りに持てる社会にしたいと警察学校に入り、
厳しい訓練と初任科研修、特殊化訓練を経て、ただひとり2人目の
オメガ捜査官の最終試験にまでたどり着きます。

受様の課題は「正体を悟られずに五係の堅物統括者を落とす」事です。
しかし、ベータの捜査官にオメガ性とバレて取り押さえられたところ
を、誘惑すべき統括者に助けられた挙句に、受様の目的もあっさりと
看破されてしまうのです。この統括者こそ今回の攻様になります♪

捜査官はバディで動くことが基本ですが、囮捜査官となるオメガは
統括者であるアルファのパートナー(実態は道具扱い)としてオペレー
ションが組まれます。

アルファはパートナーとなったオメガの身に起こる事態に全責任を持
ち、潜行先からの保護、救出から、任務中に発情状態に至った場合の
性欲対処まで責任者として引き受けることになります。

攻様は受様に道具として使われる覚悟を問いますが、受様は色を使お
うとも誰かの道具になるつもりはなく、武器として使われたいと望み
ます。攻様はそんな受様のお手並み拝見とばかりの手厳しく扱います。

そんな受様の初任務は極端なオメガヘイトを叫ぶ思想集団メネシスが
関わっているとみられるオメガ失踪事件の捜査でした。メネシスはオ
メガを被写体としたエログロ動画の配信で性差別思考を扇動しており、
強姦行為を撮影した過激な映像をしては多くの支援者から多額の収入
を得ていると思われます。

その動画素材となっているのが、行方不明となっているオメガらしい
のですが、配信者と思われるアルファがどうやってオメガを見つける
のか、どうやってそのオメガを誘い出しているのかも謎でした。

果たして五係の面々は行方不明のオメガ達は見つけられるのか!?
そして悪質な動画配信者を捕える事ができるのか!?

砂床さんの初オメガバースは性差別思考犯罪を取り扱う特殊係を舞台
にしたバデイものになります♪

オメガバースは作家さんよって様々なバリエーションが生まれていま
すが、本作はオメガが劣等種として虐げせれている社会が設定です。
オメガバースの初期作品に多いオメガ性が生き難い設定なので痛い系、
残忍描写が苦手な方はご注意ください。

受様は性差別思考犯罪を取り締まるために、囮として犯罪組織に潜入
を果す役目を担うために五係に着任するのです。最初は五係内でも役
に立たない者と扱われますが、オメガ失踪事件に関わるらしい動画配
信者との繋がりを捜査する中で、徐々に攻様や皆を信頼していき、
仲間として認められて行きます。

しかし、動画配信者はオンラインゲームや会員制サイトを使って巧み
にオメガを誘い出しているらしく、なかなか彼に迫る情報を得られま
せん。

受様達の追う事件がオメガ強姦の動画配信に端を発しているので、
最初かなり凄惨な状態がゴロゴロな展開だったら嫌だな~となかなか
頁が進みませんでしたが、なかなか捜査が進ない為に逆に影も見えな
い犯人に受様達がどうやって迫っていくのかが気になりだしたらスラ
スラ進み、ハラハラしながらたいへん楽しく読めました (^-^)v

受様が徐々に攻様を信頼していく中で、攻様の過去も見えてきます。
受様の前任で殉職したオメガ性の捜査官と攻様との関係は攻様に大き
な傷を残していましたが、道具ではなく武器になりたいという受様の
強さが攻様のトラウマさえも払拭していく展開にオメガバースらしい
設定が生きていて良かったです。

砂床さんと小山田さんのタッグなので、Hシーンがとってもエロい♡

受様も五係の仲間として認められたので、違う事件での彼らの活躍や
攻様と管理官との駆け引きなんかも読んでみたいな。

今回は警察繋がりで鳥谷しずさん『捜査官は愛を乞う』『捜査官は愛
を知る』をお薦めです。エロも濃ゆくて楽しいです♪

12

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP