センチネルの運命のつがいだなんて受け入れたくない。

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センチネルバース 蜜愛のつがい

sentinel birth mitsuai no tsugai

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表題作センチネルバース 蜜愛のつがい

藍染丈瑠
最近島にやって来た青年
涼風唱
島に移住してきたプログラマーでガイド,21

その他の収録作品

  • Trust me
  • あとがき

あらすじ

特殊能力者センチネルのつがい的存在・ガイドの涼風は、正体を隠して働く島でセレブ然とした藍染に世話を焼かれて可愛がられて!?

作品情報

作品名
センチネルバース 蜜愛のつがい
著者
今城けい 
イラスト
麻々原絵里依 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784344845749
3.6

(20)

(5)

萌々

(6)

(6)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
6
得点
70
評価数
20
平均
3.6 / 5
神率
25%

レビュー投稿数6

あまり入り込めず。。

センチネルバースが好きで既存作品も読んでみたいと思っていたところ、KindleUnlimitedで見つけました。

受け視点ですが、センチネルともガイドとも何も分からない状態で話が進みます。
鬱症状で離島へ引っ越しのんびり暮らしていたところ、思わせぶりな言動で構ってくる攻めが距離を縮めてきて…という展開ですが、受けがずっとビクビクして消極的だったことや攻めが肝心なことは何も言わずに受けに接していることなど、前半は持って回ったようなやり取りが多いように感じ辟易してしまいました。

あまり世界観に入り込めず後半はほぼ流し読み状態。。(後半の事件もいまいちピンとこず…)センチネルとガイドという関係性を活かした事件の解決方法だったり、関係性がもっと見たかったなと言う気がします。

0

オカルト要素が無ければもっと楽しめたかな

二回読み直した後の批評寄りの感想です。
この構成を許した編集担当の責任もあると思う。
この作品は小説というより、センチネルの解説書に近い構成。

Ωやセンチネルは、バース・ルールが分からないと面白味が深まらない。ルールが分かると、とっても面白くなる。
でも、作品全体をセンチネルのルール解説書のように構成する必要は無いと思う。
作品中にセンチネルの解説を長めに盛り込むより、他に方法はなかったのかなー、と残念。
巻末に近づくにつれて、文のタッチが段々淡泊になって、緊迫感よりも、面白味が薄れていくのでした。

センチネルやオメガバースは、医学や科学のSF要素が濃くなると、ありそうで無い空想世界の脳内妄想ゲームとして面白味が増すと、思います。
現代を背景にしたリーマンものを土台にしている物語に、ガイドとセンチネルがテレパスやオカルト能力を発揮するという設定は、センチネルバースと違うような気がしたし、ガイドとセンチネル相互の共感ではなく、番以外の不特定多数に発揮する共感共鳴というルール付けは、特にセンチネルバースではなくてもよいのではないかと思いました。

次作に期待。

2

思いやりも過ぎると逆効果

今回は予知システムの開発会社のCEOと
リモートワークで離島暮らしをするプログラマーのお話です。

センチネルとの接触に怯えていた受様が攻様のつがいとなるまでと
恋人になってからの後日談短編を収録。

この世界には五感に優れた超感覚者であるセンチネル、彼らをみちびく
役目を果たす資質を持つガイドがいます。

一般人であるミュートと違い、センチネルとガイドはほぼ先天的な有資
格者です。たいていのセンチネルは社会のトップに昇りつめ、成功者に
なるものが多いのです。

しかしながら彼らは行使する能力の限界値を超えてしまうと、自力自身
の意思や力では引き返せず、五感の全てが損なわれ俳人になる恐れがあ
り、その状態の彼らを引き戻す役目を担うの存在がガイドなのです。

センチネルがどんな深い意識の底に落ちても現実の世界に戻る事の出来
るガイドはセンチネルをサポートすべき存在でガイドへの助力要請は人
命救助と同義と解される為、ガイドは呼び出しに対する拒否権はあるも
ののその実態はケースバスケースとされます。

センチネルのサポートができる以外は平凡な能力しか有さなくてもその
能力ゆえにガイドはとても貴重であり、専門機関下にて管理され、講習
の受講と定期的なメンタルチェック、シールドを行使してトラブルを
避ける事は必須とされます。

AIが発達した近未来、受様はオフィス用システムの構築と提案をする
会社にてプログラマーとして目立たぬまま黙々と働いている青年です。

親の愛情に恵まれず施設で育ち、目立たぬようにコツコツ働き、都心の
ワンルームとオフィスを往復する日々を送っていました。

ところが1月半ばのある日、受様は通勤途中に脳が優れるような激しい
頭痛に見舞われて倒れ込んでしまいます。意識を失う寸前に自分を助け
てくれた誰かに謝罪されたように感じますが、目覚めた病院では誰が
受様を助けてくれたのかは判りませんでした。

受様はこの出来事で後天的にガイドの能力に目覚めますが、頭痛の原因
は不明で、各種検査によるメンタルチェックは惨憺たるものとなります。
うつ状態になった受様は退職を希望しますが、受様の仕事ぶりを惜しん
だ課長に転地療養を兼ねたリモートワークを薦められます。

受様は課長の親戚が住む小島で営むシェアオフィスを紹介されて逃げる
ように移り住みます。下宿先とシェアオフィスを往復する単調な生活は
以前にも似ているのに、都会とは全く違う自然の景色は受様を癒し、島
での静かな生活は思った以上に受様の性に合いました。

島のシェアオフィスは都会から来るリモートワーカーを対象とした施設
で利用者の大半はネット環境を求める人種ですが、漁業くらいしかない
島に長く留まる人はあまりいないのも幸いしました。

しかし、受様が島に気て2ケ月が過ぎた頃、新規の男性客がやってきます。
他人に関心のない受様が見ても申し分のない容姿で、他者を軽々と圧する
ほどの雰囲気を有した彼こそが、今回の攻様になります♪

攻様は受に親し気に声を掛けてきますが、受様は不愛想な受け答えしか
できず、迷って固まってしまいます。攻様は受様を困らせたと謝罪を口
にしますが、その言葉に受様の胸はざわつき、頭が割れそうに痛くなっ
てしまうのです。

攻様に抱き止められて倒れる事こそ防いだものの、攻様から離れなけれ
ばという切羽詰まった気持ちでオフィスを後にすることになります。

攻様との出会いが受様にもたらすものとは!?
そして攻様が受様に接触した目的とは!?

今城さんの新作はある理由で受様を探し求めたセンチネルの攻様と後天
的とにガイドとなった受様のセンチネルバースです。

センチネルバースという設定を知らずに読んだのですが、オメガバース
同様、主設定はあるものの作家さんによって設定やアプローチが異なる
ようで本作だけで「センチネルバースいいね♪」とはならなかったです。

受様が親との縁が薄く他人との関係を築くのが得意ではなく、社会的に
も頼る人もなく、ほぼ殻に閉じこもって過ごしている青年だったので、
良くも悪くも上流階級でセンチネルとガイドの関係をよく知る攻様は、
ゆっくりと近づく事を選ぶのですけど、基本的に攻様の受様へのアプロ
ーチの仕方が凄くまどろっこしいのですよ (>_<)

本作は受様視点が主ですが、攻様視点で攻様側の事情も挟みながら進む
のですが、それぞれの価値観と視点が違い過ぎて、すれ違いのハラハラ
感を盛り上げる感じではないのがすごく惜しいと思いました。

受様をガイドとして狙う人物として、政府機関との密約で優先順位を主
張する政治家との駆け引きや、島に滞在して受様がガイドだを知り契約
を望むフリーライターとの対決に加えて、受様にセンチネルがどういう
ものかを判らせるためだろう島の伝説となった怨霊を鎮める事件は盛り
込み過ぎに思えました。

もうすこしスッキリ・・・とは思いますが、攻様の言動のモヤモヤを除けば
受様が徐々に攻様に心を開いて、自分自身のガイドという資質を受入れ
ていく過程はかなり好みな展開でしたので「萌」評価としました。

今回はすれ違いモノで今城さんの既刊『両片想い 僕らのロード』をお薦
めとします。こちらは恋人同士がすれ違ってスッタモンダするお話です。

2

センチネル

麻々原先生の挿絵目当てで購入。近未来で、初めて読む設定のお話でした。設定はとても好きなタイプでしたが、途中から色々混ざってきちゃって、好きな路線から少し外れた感があったので萌にしました。とっても繊細な青年が自分の進む道を見つけるお話とでも言えばよいかな?本編260P+後日談16P+あとがき。

うつ病と診断され、都会から5時間ほど離れた緒可島でリモートワークしている唱(しょう)。シェアオフィスの店長さんの知り合い(おばあちゃん)家で下宿しています。ある日そのシェアオフィスに新しい人がやってきて、カッコいいのだけど、唱はなんだか苦手だなと感じていて・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
美鈴さん(受け下宿先のおばあちゃん、ほっこり優しくって好き)、ワサビ(美鈴さんの家にいる猫、受けにとても懐く)、シェアオフィスの店長さん、島の方々、室尾(島に来たウェブライター)、政治家等。

**不思議な世界について

センチネル=五感に突出した能力を持つ人間(今回の攻め)。ガイド=センチネルをサポートする人。センチネルがオーバーランした時には救出できるらしい。ということで、初めて読む設定でした。受けさんは後天的にガイドになり、センチネルに望まれたら、自らの希望にかかわらずセンチネル優先でサポート役にならなければならないという点でとても臆病になっている、繊細な繊細な青年。
育ちゆえのところもあり、びくびくしていたからか、すっかりうつ病になっていて、庇護欲そそられまくり。麻々原先生にこのような繊細な感じの受けを描いていただくと、もうぴったりやん!と、個人的には大満足・・・うっとり。

攻めさんはセンチネルで努力して成功している、威風堂々という印象の方。おくびょうな受けさんをなんとか守りつつ開放したいと考えて、ゆっくりゆっくり近づいているところが良かったです。紳士。

前半はいいなあと読み進めていたのですが後半ある事件が起こって、ピンチになった攻めさんを受けさんが助けるのですが。

その事件の元ネタになったものが今一つ自分ではこのお話からは違うように感じられて、少し残念だったんです。じゃあ何が良かったの?と言われると、何だろう・・・?と思うし、五感に優れているセンチネルの能力やガイドの能力を説明するのに必要じゃんとは思うんですけどね・・・難しい。
単に人間の繊細な心の動きだけで勝負してほしかったのかな。

ちょっと展開で期待とは違うところがありましたが、繊細で真っ白な受けさんが気になる方は是非!
受けの独り言聞き役に徹した猫のワサビさんも結構ご活躍で可愛いです!

2

一部を除けばとても趣味なのです

センチネルバース……「初耳?」と思い用語解説を読んだら思い出しましたよ。
あー、ドラマの『センチネル』かぁ!一話だけ(それも途中の)流し見したことある。
『センチネル』という特殊能力を持つ人類がおるのですが、その能力を使い過ぎちゃうとこの人たち、バーンアウトしちゃうんです。それを救えるのは『ガイド』という人たちだけで、燃え尽きちゃって他所の世界(これ、精神世界なのかな?何にしても辛い世界なのは間違いない模様)を彷徨っているセンチネルに力を与えてこの世に連れ戻す役割を持っているんです。
で、センチネルとガイドの間には肉体的にも精神的にも強いつながりがあると、2人ともより大きな力を持てるという設定の世界(だと思う。拙い説明で申し訳ありません)。

一般的な『バース』物語というのは、実はあまり得意じゃないのです。
運命に翻弄される人たちの話は好きなんですけれども『運命ってものは偶然の産物で、人の動向によってはそれが大きく変わってしまう』っていう世界観の方が好きなんですよね。
「でも最近は『その運命に抗う』っていうオメガバースも多いし、それほど読んでいないけど今城さんの『お仕事もの』って割と好きだし」ということで手に取りました。

で、その結果どうだったかと言えば「割と好きかも」というのが大雑把な感想。
まず、田舎暮らしと言うか『便利で快適なのが必ずしも楽しい訳じゃない』ということが繰り返し書かれていますが、これにいたく共感してしまして。
色々なことを上手くやれずに、おまけに原因不明の体の不調まで抱えてしまう主人公の唱が、都会から田舎に転地して(それも島だ)テレワークをしながら、自分の生きていくペースを徐々に取り戻していく感じがとっても良い感じだったんですよ。

そんでもって、唱が仕事をしているコワーキングスペースに突如として現れて常連さんになる藍染が、臆病な唱に近づいていくやり方も好みだったんです。
もう都会では過去の遺物となってしまったインスタントカメラを持ってきて「好きなものを撮ってみて」と言ったり(これによって唱は自分が何を好きなのか気づくんですよ。下宿している家の猫なんですけれども)紙の本を取り寄せて一緒に読んだり、レシピ本を見ながら一緒に夕飯を作ったり。
これらのシーンはかなりグッと来た。

で、いい感じで読み進んだのですけれども、クライマックスが『伝説がらみの心霊事件』でして。
まあ、センチネルバース自体がそういう事件を扱うものらしいのですけれど、それまでのお話の雰囲気と合わない気がしたんですよね。もうちょっと早いうちから「来るぞ、来るぞ。そういうのが来るぞ」という煽り的なものがあればうまく乗れたと思うのですが、私にとっては少しばかり唐突で、おいてきぼりを喰らった感じ。
もうひとつ欲を言えば、悪役がもう少しだけ複雑な方が好みだったかな。

それ以外は、ホント好きなんですよね。
臆病だけどいざという時には勇気を奮い起こす控えめな唱くんも、誠実であろうとするあまり言葉足らずになってしまって朴念仁と見間違ってしまう藍染も、そして島暮らしというゆっくりとした時間の中で徐々に間合いを詰めていく2人の間に生まれる想いも、読んでいてホワンとしました。

8

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