十秒待ってください。ドキドキするの、止めるので。

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表題作本気の恋をお借りします

有松奈生、レンタル彼氏で若手小説家、28
釆女朔、イラストレーター兼美大生、20

その他の収録作品

  • あとがき
  • おまけSS

あらすじ

病床の祖父を安心させるために、レンタル彼氏を雇うことになったゲイの朔。
当日やってきたのは年上で笑顔が素敵という理想そのものの男・ナオだった。
小説家・有松奈生は知人から頼まれたレンタル彼氏の依頼主を一目見た瞬間から特別だと意識し始めていた。
二人はレンタル彼氏と依頼主としてのデートを重ね、ますます相手に惹かれていく。
しかし両片想いなのに、すれ違う二人の仲をさらに拗らせてしまう事件が起きて……!?
溺愛ラブロマンス

作品情報

作品名
本気の恋をお借りします
著者
夕映月子 
イラスト
すずくらはる 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
クロスノベルス
発売日
ISBN
9784773060140
3.7

(66)

(17)

萌々

(28)

(13)

中立

(1)

趣味じゃない

(7)

レビュー数
11
得点
237
評価数
66
平均
3.7 / 5
神率
25.8%

レビュー投稿数11

スパダリならぬスパジジ

 おじいちゃんがいい人間すぎて涙。
 ただ挿絵ひとつめの時点で、受けの外見が女すぎる……。女っぽいとかじゃなくて、ガチ女。
 表紙だとそれほど髪が長いように見えなかったので、衝撃でした。攻め視点で「耳が隠れるほどの長さ」と描写されていたのに、耳どころか顎下まで伸びている。髪が長いだけならまだいいけど、目が丸くて大きい(攻めの倍)から、嫌な人は嫌だと思う。
 しかし数枚のイラストで買い渋るのは勿体ないくらいストーリーが良い。

 しっかり交互に両視点(おまけで数ページ攻め視点じゃない系)なので、序盤から両片思いだと知ることが出来る。
 最初に知っておけるだけで、お互いのセリフや心情で(ああ君ら両思いやで……!)ってムズムズする楽しみが増える。

 受けは誰とも付き合ったことないけどゲイ。
 攻めはかなりヘテロ寄りのバイセクシャル。

 大きな出来事はなく、ほわほわゆるふわなストーリーでした。

0

綿菓子のようなラブストーリー

なんだかホッとしたい…そんな気分にぴったりな
ほのぼの系BLでした。受の可愛いが過ぎます。
お互いの言動にいちいち、照れ照れして赤面する2人です。
あまりに初恋感がすごくて、読みながら照れが伝染してくるようでした。
妖精さんみたいな受OK!の方にはお勧めです。

そもそもなんで攻さんが、「レンタル彼氏」業をやっとるんじゃ?
と疑問をずるずる引きずってたのですが、最終的にその解がでるので、
その辺の設定はスルーして読み進めていただきたいです。
お互いの信頼あってこそ、”よかれ”を前向きにとらえられる関係性だからこそのオチ!なのだと思います。

あと、視点が受と攻と交互に描かれるのがとてもいいです。
いいタイミングでテイストが変わるので、甘→しょっぱいの無限ループの法則が、起伏の少ない展開でも飽きることなく読み進められます。

美術館とかホテルのティールームのデートが楽しそうで美味しそうなんですよ。さらに、攻さまのおうちの間取り、雰囲気がとても好きでした(スパダリ”ナオ”とのギャップ萌え)。朔のお友達たちもいいキャラなんですよね。もうちょっと朔に執着してくれてもよかったですが、そういう濃いめの感情は本作には一切なくて、優しい世界です。

夕映先生の作品を読む個人的なポイントとしては、”え?初夜に、しかもDTにいきなりそこまで!?”的な激しめなプレイ(特に受への無茶ぶり)なのですが、今回は潮吹き!でした。普通にハードル高いはずなのですが、他作品にくらべてマイルドだな~とか思ってしまったのでした。SSもその後の2人には幸せしかないんじゃないの~の雰囲気駄々洩れで、甘やかな雰囲気にどっぷりされたい方はぜひ。

0

いきなり彼氏

きゅっきゅっ。っていいな♡甘い!甘いよー。

なんだこの甘さは?このかわいさは!

すさまじく美しく努力家で家族のあたたかさを知らないで、周りの大人の顔色ばかりを窺って育ってきた箱入り息子の20歳の朔。
唯一の家族の祖父が入院しゲイで一人ぼっちな朔のことを心配され見合いを勧められたところから広がります。

とにかく、恐ろしいほど美しい主人公。男にも女にも見え誰もが振り返る美しさ。本人はあまり自覚がないけれど、身につける服も本人を引き立てるセンスまであって。

そしてレンタル彼氏として現れるナオ。なにこの王子様!クリームみたいな甘い笑顔と声で。華麗にエスコートされちゃいます。いきなり彼氏!

お互い一目惚れで初めて恋を知る。一緒にいられると幸せでドキドキで、でもレンタル彼氏だからと切なく悲しくて…。

朔の心の動きを丁寧に描かれてありこちらも微笑ましくまた切なく、まるで我が子のように見守れます。

しかも登場人物は祖父、祖父の秘書兼朔の元教育係の真野、高校の友達二人。
ほとんど朔とナオの二人のシーンとお互いの相手への溢れる想いがつづられて。

そしてもう気持ちを抑えられなくてレンタル彼氏として付き合えない、会うのはお終いにしようとしたら…。

なんてこった、そうだったの?な事情があり。

ナオが大人でこだわりもありそれなりに自分を確立してきたのが、朔に会って崩れていくところ。朔が可愛くて愛しくてたまらないところ。

また、朔がすぐ泣いちゃうところ。
ちょっと待って、20歳だよね?というツッコミはこの際忘れましょう。

とにかく乙女の夢を突き進むような美男美男な恋人同士なのです。

主人公の初恋、初デート、初エッチなどとにかく濃密です。世界観?舞台はほぼ二人だけ。いい意味で昔の少女マンガっぽいです。
レンタル彼氏に一目惚れ!理想そのものの相手で優しくエスコートされちゃう!

0

ちょっとだけ、それでいいのかなぁと思う

他の方も書いてらっしゃいますが、かわいいお話ですよね。

ただ、流れ的にある程度予測は付きますが、
…身内に謀をされるんですけど、これ、下手したら一生モノの人間不信になってもおかしくない内容だと思うんですけど、いいのかな~。
どっちかというと死ぬまで隠しておいて欲しい事柄じゃないんですか。
「恋は盲目」を頼りにするにもちょっと程があるというか。

人としてのモラルとか矜持とかの問題だと思うんですよ。
受けにはバラさないで、攻めの胸中にて独白といった表現でも良かった気がする。

1

一目惚れ同士

当座の面倒ごとから逃げるだけのつもりが本気になってしまう話

唯一の家族である祖父から見合いを提案され、それから逃れるべく偽の恋人を「レンタル」し、紹介してお茶を濁そうとするイラストレーターの采女朔(受け)。
レンタル彼氏として派遣されてきたのは、自称小説家・ナオ(攻め)。
今まで恋をしたこともなかった朔はナオの完璧な彼氏ぶりに、これがナオの仕事だとわかっていながら恋してしまうのです。

話の展開としては予定調和というか王道な展開です。
両視点から読めるので、お互い一目惚れだということがわかります。
それでもうまい具合にすべての真相は終盤までわからないようになっていたこともあり、面白かったです。

初恋に振り回されている感じの朔ですが、俯瞰で見るとよほどナオの方が振り回されています。ナオは理性との戦いだったのではないでしょうか。
攻めが振り回されている話というのはいつ読んでも楽しいものです。
ナオ視点の朔に対してのメロメロ具合はすごく楽しかったです。

そして楽しかったのが朔の友人二人。
偏見も持たず親身になって相談に乗ってくれる彼らとの男子トーク、もっと読みたかったです。

朔の初恋が実ったこともですが、なかなか縮まらなかった祖父との心の距離が近づいたことも本当に良かったと思えたお話でした。


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