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昨年の夏に水上先生の新刊が出版されたこと、私は驚きの喜びでいっぱいでした。
個人の同人誌は購入出来たけど商業コミックスは中古で揃える手段しか知らない状態でしたのでまさか新刊購入出来るなんて!
このコミックスも夢中で集めた時読んだくらいなのでまたじっくりと読み返しました。
先生は古代の中国ものや、日独や連合国の軍服ものが多い印象がありますがこれは江戸幕末から明治に向かう頃の滅亡しつつある「侍」たちのお話です。
個人的にも好きな興味がある時代です。
下級侍の息子の朱里と追い剥ぎにまで落ちぶれた彼を拾った旗本の侍、宗則の壮絶な愛情が色欲と共に描かれています。
で、それに絡むのが今の時代から見るとなんともいえない侍精神。
我慢と意地と忠誠心と。
よく分からないのですが、とにかくその精神の為に2人はとんでもない危機と別離をむかえてしまいます、せつない…
がラストはハッピーエンド、2人は明治時代に笑顔で過ごしていて安堵出来ます。
とにかく朱里の色気がたまりません。
それになんとも綺麗です。
先生はこういう大人びた気が強い美少年を描かせたらBL界一ですね。
武術を子供達に教えて日々暮らす宗則と朱里のその後も見たかったなあ。
良くも悪くも強烈に心に響く作品。故に「神」をつける。
天涯孤独の少年・朱理の生涯。
侍の家に生れながら今は天涯孤独となり追い剝ぎに身を落とす少年・朱理(しゅり)。
旗本・本田宗則と出会い足軽として取り立てられる事になるが、道場で妬みを買い旗本の子弟達8人から輪姦陵辱され…
冒頭のこのシーンの苦しさ。
一度は死のうとする朱里だけど、ここでまた救いの手を差し伸べるのが宗則。
ただならぬ様子の朱里に、自分の小姓になれと。
ところが、小姓はただの愛玩童ではないのですね。朱里を鍛える先輩小姓・晴秋の美しさ強さ凛々しさったら!
こうして交差を始めた宗則と朱里の激しい人生が一冊を通じて描かれます。
幕末の時代のうねりと同調して、彰義隊として侍の道を極めようとする宗則と、絶対に宗則に死んでほしくない朱里。
だから朱里は宗則を騙して自分が出立する…この生と死の矛盾!
そして朱里が宗則の代わりに飲み込まれる戦闘の激しさ、悲惨さ…
世は明治に変わり、子供に学問を教えている宗則が神社で出会った青年は…
想いというものは時間も空間も超えてお互いを呼び合うのでしょうか?
冒頭の輪姦シーンは読んでいて苦しく、後半侍としての思想を闘わせるシーンは緊迫を感じた。
2人は生と死に引き裂かれ、まさかこのまま⁉︎とも思ったけど…
また新しい時代で新しい人生が始まる、その描ききられた人生の濃さ深さ。
絵柄も濃く美しく迫力も満点。朱里の人生に引き込まれて、浮上できないくらい物語世界に没頭してしまう、そんな力を持った作品です。
舞台は幕末の江戸です。天涯孤独な少年と旗本の若様との、激動の時代に燃え上がる身分違いな恋のお話です。
この作品は切ないけど、ちゃんとハッピーエンドで終わるので好きです。
でも、最初の方にレイプシーンがあって、その部分を読む時は胸が苦しくなります。だって、一生懸命に生きてるコに8人がかりでなんて…。水上シンさんは容赦ないですね(泣)
お話は、生きるために追いはぎ家業をしていた少年の朱里が、自分よりも強い宗則に出会って、生き方を変える…というものです。
二人が一緒に暮らすまでには、レイプされる事件があったり。一緒に暮らすようになってからも、新政府軍との戦のために離れ離れになったり。
二人で過ごす幸せな時間は短くて。
本当の愛を知って、侍としてよりも愛のために生きたい、ずっと一緒にいたいと心から願う朱里に、涙が出ます。
最後に、偶然再会できたのは本当に良かったです。離れたままで終わったら立ち直れないと思うので…。
読んでて辛い場面もあるけど、二人の一途な純愛にキュンキュンする1冊です。
水上さんの独自のタッチが時代劇に馴染んでます。
朱里[受]は侍の子供ですが天涯孤独で人を襲ってはそれで食いつないでる荒んだ日々。
そんな中で出会った身分の高い旗本の宗則[攻]
長屋住まいへと拾い上げてもらうのですが刀の腕はそれなりにあるのにむしろそれが反感を買い、その容姿から陵辱され汚される朱里。
結局朱里を放っておけない宗則は朱里を小姓として迎えます。
最初は綺麗に着飾るのにもつっぱねて礼儀も成っていない朱里が、先輩小姓の実力を知って気持ちを入れ替えて着飾りお出迎えするシーンは朱里の健気さと実直さが出ていてなかなかいいです。
そして色々あって上に仕えるのを信条とする宗則は命を落とすと分かっている戦に出ようとするのを、朱里が薬を盛って妨害し代りに己が出陣します。
時代は変わり、人々が洋装へと変わった生活の中、2人の再会が切ない。
しかし朱里は健気受から妖艶受に変わっていてしたたかにというかさてこれからこの2人の関係はどう変わって行くのかという余韻までついてよくまとまってました。
絵柄が独自なので好き嫌いはある作家さんだろうなーとは思いますが自分的にはこういう耽美までは行かないんだけど味のある作家さんは嫌いじゃないです。
ちょっと古い?タッチの絵が時代背景に合ってます。
残念だったのは、全体的に画面が暗い感じだったのと、
あと背景をもう少し頑張って欲しかったです…。
新選組が好きな私は、これは新選組ものじゃないからと
安心して読み始めたんですが、行き着くところは同じか…。
後半のお目々キラキラより、前半のとんがった感じの方が好みではある。
武士の誇りとかそんなんどうだっていいから
生きてくれ!と願う心がただただ切ない。
他にも軍服モノや現代モノも描いてる作家さんみたいなので、他の作品も読んでみたい。