この身体の秘密は誰にも知られてはならない──全寮制学院が舞台のオメガバース!!

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表題作やんごとなきオメガの婚姻

三宅祥久
25歳,雅純の通う高校の用務員
仁礼雅純
17歳,ベータを装っているオメガの高校生

あらすじ

名門伯爵家に生まれながら、
オメガなんて末代までの恥だ──。
自身の秘密をひた隠し、
全寮制学院でベータとして生きてきた雅純。
僕は誰とも恋もせず、番も持たずに死ぬんだ…。
ところがその類稀な美貌と才覚で目を付けられ、
同級生から襲われてしまう!!
窮地を救ったのは用務員の三宅。
地味な作業着と帽子に身を包んだ三宅だが、
接近した時、体験したことのない
電撃のような衝動を覚え…!?

作品情報

作品名
やんごとなきオメガの婚姻
著者
遠野春日 
イラスト
サマミヤアカザ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
愛しき年上のオメガ
発売日
ISBN
9784199009884
3.3

(24)

(1)

萌々

(12)

(6)

中立

(4)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
9
得点
75
評価数
24
平均
3.3 / 5
神率
4.2%

レビュー投稿数9

『愛しき年上のオメガ』の前日譚

作家買い。
遠野さんでオメガバースものって2作目だなー、なんて思いつつ手に取りましたが、今作品は遠野作品の『愛しき年上のオメガ』のスピンオフでした。

スピンオフ、というか前日譚、と言った方が正しいかな。『愛しき年上のオメガ』の攻めくん・悠真の両親のお話です。前作はみずかねさんが挿絵を担当されていましたが、今作品はサマミヤさんが挿絵を担当されていたので同シリーズのお話だと気づくのにちょっと時間がかかりましたが、『愛しき~』を読了後に悠真の両親のお話を読んでみたいと切望していたのでテンション高めで読み始めました。

ということでレビューを。ネタバレ含んでいます。ご注意ください。






主人公は全寮制の良家の子息たちが通う高校に在籍している高校生の雅純。
伯爵家の次男で、見目麗しい美貌を持つベータ。雅純は名門伯爵家の子息であることから様々な面で優遇されており、彼自身のスペックの高さから彼を崇拝する同級生も多くいるが、それ故に彼を目の敵にする同級生もいる。

が、彼が優遇されているのは彼が伯爵家の子息だから、ではない。
彼は実はオメガなのだ。
オメガであることを隠すために、彼にはさまざまな待遇がとられている。が、ある日、彼の秘密に気付いた同級生に襲われてしまう。そこを助けてくれたのは、高校の用務員として働く三宅という男性で―。

というお話。

雅純は、自身がオメガであることを非常に卑下してるんですね。名門家の子息でありながら、オメガである、ということに。それを他人に気取られてはいけない、秘密にしなければ、と親しい友人も作らず孤独に生きている。

そんな彼が気になる人物を見つける。用務員の三宅さん。

三宅さんは「用務員」なわけですが、彼の出自もまた、やんごとなき身分なんじゃないの?

というのは、早々に透けて見えてきちゃうんですね。

雅純の同級生である嘉瀬という青年が登場していますが、彼が素晴らしい伏線になっています。なっていますが、うん、まあ、三宅さんの正体は早々にわかってしまいます。

オメガであることを恥に思い、孤独に生きてきた雅純が、三宅という男性と出会い恋に堕ち、幸せを手に入れる。

序盤こそシリアスモードでストーリーは始まりますが、王道のストーリー展開であることに加え、三宅さん×雅純の恋の成就というベクトルは早々に完結してしまうこともあって、あっさりしたストーリー展開でした。

また、彼は自身がオメガであることを卑下していますが、彼の家族は彼がオメガであることを特に問題視していません。もちろん「発情期がある」とか「子を身ごもる」という性であることに対する危機感は持っていますし、そんな性を持つ息子に対して注意は払っていますが、息子がオメガだ、ということに対しては特に問題にはしていない。

雅純に対して悪意を持って接近してくる人物は何人か登場しますが、そのいずれも、三宅さんが助けに来てくれますし、彼の出自もまた、彼の助けになってくれます。

ということで、全体的にほのぼのなストーリーでした。

個人的にはもう少しオメガであることの苦しみとか、恋の成就までのモダモダ感とかあった方が楽しめるので、あっさりしたストーリー展開に肩透かしを食った感は否めませんでしたが、反対に言うと、オメガバースものらしい痛い展開とか、オメガが虐げられる、と言ったダークな展開が苦手な方でも手に取りやすい作品かと思います。

『愛しき~』の悠真が、まっすぐで、誠実な青年に成長したのは、優しくて温かな両親あってのことだったのか―、と納得する優しいお話でした。

あと、個人的に雅純の兄である高範と、友人の嘉瀬くんが非常にツボに入るキャラだったので、彼らのスピンオフも書いてほしいなと切望しています。

14

宮家を中心とする貴族社会のお話

雑誌で読んでいたので迷いなく購入しました。

オメガバースものだと、受けが酷い差別や性暴力に遭ったりするので苦手な方も多いと思います。

オメガの雅純は伯爵家の次男で大事にされていて、全寮制の学院でも学院長と保健医の協力の元でベータとして個人部屋を与えられてます。

雅純を狙ったアルファの同級生による強姦未遂事件も起きますが、攻めの用務員の三宅祥久に間一髪で助けられます。しかも祥久は貴族社会のトップに君臨する藤堂侯爵家の出自で、運命の番である雅純を守る為に跡取りになる事を承諾しています。

祥久の雅純への溺愛ぶりが凄いです。
そして雅純はオメガである自分を伯爵家の恥として、成人したら家を出て1人で生きて行くと考えていました。でも雅純の兄も両親もそんな事は全然思ってはおらず、祥久に無理強いされていないかと心配する程大切にされていました。

書き下ろしの「やんごとなきオメガの婚姻」は、雅純と祥久が番になってからの両家の厳かな婚約式の様子や宮家主催の宴で貴族社会へ2人の婚約発表の間に起きた、オメガコミュニティを主催する学院の卒業生からの嫌がらせや、そのコミュニティを狙った人物から雅純が拐われる事件とかが書かれています。

こちらも祥久によって危機一髪で雅純は救出されてます。深窓の令嬢のような雅純と騎士のように守る祥久のカップルなので、痛い描写が苦手な人も安心して読めます。そして在学中に雅純は妊娠して退学しますが、無事に出産して「愛しき年上のオメガ」の攻めになる悠真が産まれたところで終了しています。

遠野春日先生の濡れ場シーンに必ず登場する表現はあくまでもお上品なのです。
私はエチシーンをダラダラ数ページも書く作家さんは苦手なので、遠野先生のお話とエチシーンのバランスがとても好きです。



3

メモ

あとがきから。
「やんごとなきオメガの婚姻」は、
雑誌に掲載した旧題「高貴なオメガは頑健なアルファを恋う」を題名を変えて書下ろしを追加したもの。
「高貴なオメガは頑健なアルファを恋う」の主人公たち;三宅祥久,25歳,x仁礼雅純,17歳;の二人のその後についての書き下ろしを追加して、題名を改めてまとめたもの。

「愛しき年上のオメガ」は、先に発刊されてはいるけれど、三宅祥久x 仁礼雅純の子供の「藤堂悠真」が主人公(年下の攻が年上Ωの受を懸想)で、後の話になる。

読み順は、
「やんごとなきオメガの婚姻」→「愛しき年上のオメガ」の順が、
関連が分かりやすいので、お薦めらしい。

---
波乱万丈の出会いから、婚約して、お披露目の後のヒートで出来ちゃった婚。
学院を中途退学して、子供を無事出産するまでのお話。
ハッピーエンドでした。
二人の間に生まれた悠真君は父親似のイイ男に育ったらしくて、
「愛しき年上のオメガ」のレビューはほとんどが熱いネタバレ。
作品本紙を読まなくてもいいかな?と思うくらい熱いです。

・・・300冊くらいBLを読んで思うのは、先に読んだ人の評価は、やっぱり参考になる。低評価の作品を読んで面白かった作品は、稀、何か面白味に欠ける理由があるので、先に読んだ人の意見は参考になると思う。

2

ラストは駈け足気味

表紙買いの1冊でなかなか読めずにいましたがやっと読了!

展開は王道で、オメガと言う2次性を隠して学園での寮生活をしている恵まれた生まれのおぼっちゃまが根性の曲がったアルファにバレて襲われそうになったところを前からひかれていた人に助けられる…からの運命の番、結ばれるのハッピーエンドではあるのですが、最後がわりと駆け足でもう少し書き込んでほしかったなぁと思う箇所がちらほら…

くっついた後番外編的なお話でも、主人公が仲間に会いたいと楽しみに向かったオメガ集まりに出てきた人物達も何のために出てきたのかちょっと理由がわかりづらく、結局苦労してないオメガだから虐めたいって感じでさらっと流されたのでこの事件いる??っとなりました(;´д`)
このページ数に纏める話ではないなぁと、どうせなら虐める側のバックグラウンドやほの暗い感じの展開も交えつつのキャットファイトのあと、仲良くなるみたいな展開でがっつり1冊で書いていただいていたのならよかったかなぁと思いました。

0

やんとなき身分同士のオメガバース。王道だけどやっぱりときめく

半年ほど前に読んだ「愛しき年上のオメガ」。あちらの作品で攻めとして登場していた悠真の両親、オメガの雅純が主人公のシリーズ第2作目です。

順番としては2作目なんですが、先にこっちを読んでおいても良かったかな、、?とちらっと思ったりも。

ラストで生まれた子供に「悠真」と名付けるシーンがあり、この赤ん坊の悠真が後に学宣教師に恋するアルファになるんだよね、とニヤリ(。-∀-)
久々に「愛しき〜」の方をもう一度読み返したくなりました。

名門伯爵家の次男でΩの雅純(まさずみ・受)。オメガだということを隠し、βとして学園生活を送るも、雅純のことを良く思っていなかった同級生にΩでは?と疑われ、ある日襲われてしまいます。
窮地を救ってくれたのは、以前からすれ違う度に気になっていた寡黙な用務員・三宅でー

と続くお話です。

この、雅純がピンチを迎え三宅が救い出すまで&その後三宅の正体が判明するまで、が、分かってはいてもやっぱりドキドキ興奮するー!✨
ピンチを救ってくれるアルファ、王道中の王道だけど、やっぱりいい。かっこいいです。

ちょっと物足りなさを感じたのは、三宅に救い出されその正体が明かされ…からの展開の早さ。
救い出された際に来てしまった雅純のヒートで体を重ね、その後あれよあれよという間に三宅は侯爵家の後継として引き取られ、二人は婚約し…と進むので、個人的にはもっともっと二人の心の距離が近づく様子、恋心が高まっていく過程を見たかったなあ、、と。

ヘットコースターのように一気に加速し、そのままゴーーーール!!のような流れに、(それも好きだけど!)ちょっと残念な気持ちになったところもあります。

とはいいつつも、やっぱり遠野春日先生のお話の流れ、とても好きです。訪れるピンチが一度ではなく後半にもあるんですが、そこでも駆けつけてくれる攻めがカッコ良くて。王道バンザイ…!

あっ、出産のために雅純が高校中退した、っていうのはちょっと残念だったな。。
雅純のために番になるのは早めにしたとしても、結婚や妊娠出産はもっと後でも良かったのでは?なんておせっかいにも思ってしまいました。

で、先生もあとがきで書かれているとおり、気になるのが雅純の兄・アルファの高範さん。彼はどんな恋愛をするんだろう…?スパダリなんだけどねっとり執着しそう。

高範さん主役のスピンオフ、いつか読みたいです〜…!と、期待を込めて書き記しておきます( ̄∀ ̄)

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