初回限定小冊子&電子限定かきおろしマンガ付版
3年ぶりの新刊!待ってましたよ‼︎
素晴らしかった。とってもゾクゾクした。
4巻は、また一歩謎に迫る内容になっています。
克哉と篠原の信頼と深い愛を実感できるでしょう。
今までどちらかというと、濃厚な激しい絡みが多い作品だという印象だったのですが、今回ガラリと印象が変わりました。
身体じゃない、精神的な心のつながり。
そこを深く意識させられ、ホロリホロリと泣きました。
さて、内容です。(ネタバレ注意!)
奇跡的に意識不明の克哉が発見され、意識が戻らないまま時間が経過します。
ひとまず、克哉が生きていたことに安心し、毎日少しでも顔を見ないと安心して眠れない篠原に胸が締め付けられます。
「…寂しいから早く起きてください」
泣ける(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
目覚めないのは克哉の防衛本能?
そして、篠原が克哉の目覚めを願うのは、許されたいから?償いたいから?
違うよ、愛だよ!愛‼︎私はそう思います。
篠原の願いが通じて意識を取り戻した克哉。
犯人から守るため、克哉は死体で発見された事になっています。
社会的には存在を消されてしまったのですが、そこは、犯人がこの世でのうのうと生きている限り仕方がないと思いました。
そして、またもや繰り返される殺人事件……
相手は富裕層のサイコパスで、警察は手がかりを掴めないままという苦しく、不利な状況です。
そんな時、克哉から驚愕の提案が……
この提案が1話に繋がっていくのですが、ここからがさらに泣ける展開に。
克哉が以前行っていた研究ーーそれは、不要な記憶の操作。
PTSDの患者への治療手段でしたが、辛い記憶と共に大切な記憶も失ってしまうリスクがあります。
記憶の喪失と引き換えに新しく生まれ変わる方法……
その人自身を変えてしまうハイリスクな最終手段なのです。
克哉は犯人の顔をどうしても思い出せない。
きっと、これはトラウマによる心の防衛反応なのでしょうね。
だから一度記憶をリセットし、管理された環境下で再度同じ経験をする作業を行う……これによって、きっと犯人の顔を思い出すと言うのです!?
ーーこの作業が1話になります。
なるほど……と、感心する反面切なくなりました。
だって、克哉は篠原のことを忘れてしまうから……
克哉が自分を忘れても、必ず見つけて思い出してくれると信じる篠原。
もし嫌われても、命をかけて克哉を愛すると誓うのです。
そして克哉の「…ありがとう 愛してくれて」で涙腺崩壊。
これは、愛し合ったまま別れるより辛いよ。
完全に初めましてになっちゃうんだから……
克哉が記憶操作のための眠りにつき、ここで4巻終了です。
なんてこった!
今回は、克哉が陵辱されたこともあり、篠原とのラブシーンは少なめ。
克哉の背中の傷痕が痛々しかったです。
傷付いた克哉を大切に扱う篠原が優しくて、ここでも泣けます。
あー、次巻が待ち遠しい〜
好きな人との記憶が消される、というのは死別と共通する辛さがありますよね。
別れるだけだったら少なくとも思い出は残るのに…
泣きまくりました。
それでも辛さだけじゃないと感じるのは、
二人とも、とても精神的に強い人間だと感じる瞬間があったからです。
克哉が背中の傷痕を「あの男に立ち向かい生き延びた証」だと言った瞬間も、
「私は被害者として大人しくおさまるつもりはありません。私はなにも変わっていません。」と言いながら篠原を誘う瞬間も、
この受けは一味違う…!絶品だ!!と思いました。
普段はヘラヘラチャラチャラの篠原も、誠実で包容力のある一面に加えとても芯のある男だったのがギャップがあって心を奪われました。
「先生の中から俺が消えたとしても、また最初から始められると信じてます。」と前向きな彼に少し救われた気がします。心の中では挫けそうになってるはずなのに…
それでも克哉とお別れした後のラストカットで
スーツを整え、目を閉じ、
再び開けた時には既に役に入ってましたね。
この振り向かないで前に進む潔さと強さに救われます。
また最初からだとしても、今まで以上に克哉をたっぷり愛してあげるんでしょうね。
二人のようにどんな苦境でも前向きで強く生きていきたいと思いました。
そういえば、克哉は一度も篠原に「愛してる」と伝えたことがないですよね。
ラストシーンでやっと言うのか?と思ったら、
「ありがとう、愛してくれて」と言いましたね…!
克哉らしい言葉でした。
もともとツンツンキャラってのもありますが、
最後に「愛してる」と言ってしまうと、
かえてこのあと篠原を苦しめることになると思ったのではないでしょうか…
全身で愛してると訴えていた克哉でしたがね!
咎井先生の絵は本当に素敵…
あとがきに実は篠原は殺される予定だったけど周りに説得されたと書いてました。
篠原無事でよかった…… 先生!本当にそういうのやめてください!!!
ナルキッソス先生のほかの作品も拝読してますが、
先生はとても容赦がない(笑
それも先生のいい味ですが…
篠原と克哉だけは絶対に絶対に幸せにしてあげてください!!!
土下座でお願いします…!!!
3年ぶりに新刊が刊行された『In These Words』の4巻目。
1巻が刊行されてから8年、ということにその年月の長さに驚きを禁じ得ませんが、一番驚くのはそれだけの長きにわたる作品でありながらブレがなく一貫性がきちんとあること。Guilt|Pleasureさんがこの作品を連載するにあたり、きちんとプロットを立て描き始めたのだろうというのがよく分かります。
『In These Words』は残忍な殺人事件がバックボーンとしてあるため、痛い描写が苦手な方とか、甘々な作品が読みたい気分の時にはお勧めしません。今作品は同人誌、番外編を含めるとかなりの冊数を誇るシリーズですが、その多くがドシリアスという、ある意味突き抜けた世界観を放つシリーズといっていいと思います。
「殺人事件」を追うミステリの様相を持っていますが、今作品は犯人捜しを軸にした作品ではありません。
犯人は何のために殺人を犯したのか。
そこが軸になっています。
この事件の被害者でもあり、そして犯人をプロファイルする精神科医でもある浅野。
そして、浅野をサポートする刑事の篠原。
前3巻は、彼らの関係性、そして事件の時系列を追う展開でしたが、4巻は今までの伏線を回収する内容でした。
もうね、ストーリー展開が素晴らしい。
時系列が行きつ戻りつする展開なので、ちょっとわかりづらい面はあるんです。
あるのですが、読み進めるうちに少しずつピースが嵌まっていき、謎が少しずつ解けてくる。
今までは強姦の描写あり、身体を傷つける描写あり、とにかく痛い展開てんこ盛りでしたが、4巻は、1巻の前日譚になってるんですね。
浅野先生と篠原が築いてきた信頼関係と愛情。
殺人事件の犯人を、ともに追うバディでもあり。
そして何より、浅野先生を死の淵ギリギリまで追い込んだ犯人逮捕に向ける執念。
お互い深い信頼を持つからこそ、一気に勝負に出た。
相手を信じているから。
愛しているから。
そして、守りたいから。
そんな二人の想いに、ギュギュっと萌え心を掴まれました。
氷の女王、と呼ばれる程クールビューティーだった浅野先生が、篠原の前だけは弱い姿を見せる。見せることができる。
そして、そんな浅野先生を何があっても守りたいと再認識した篠原のなんとカッコいいことか。
これから犯人逮捕に向けて物語が動いていくだろうと予想していますが、次巻が待ち遠しくて仕方ありません。
さて。
『In These Words (4)』は、「In These Words」の番外編である「Little by Little」(同人誌のコミック)が付属された初回限定版が刊行されましたが、この初回限定版のほかに、同じく「In These Words」の番外編である「MAYBE SOMEDAY」(こちらは小説の同人誌)が付属しているアニメイト限定版も同時発売されました。
どちらの小冊子も欲しい!
ということで、複数買いするかただいま絶賛悩み中であります(たぶん両方買ってしまいます…)。
待ちに待った4巻発売、おめでとうございます! 本当に待った甲斐がありました。篠原と浅野の本来の関係性を知って以降、そこから1巻にどう繋がるのか気になって仕方ありませんでしたが、その真相がようやく明かされましたね。まだ体も心も傷の癒えてない状態で、犯人逮捕のため動き出し、これだけリスクの高い方法を使うことを決断してしまえる彼の精神力、忍耐強さ、覚悟には恐れ入りました。ある程度予想のついていた話ではあったけれど、当時の2人のやりとりを知って、改めてその決断の重みが感じられました。
もちろん、傍に篠原がいてくれたからこそ回復も早く、篠原が相手だからこそ提案できた案なのだと思います。彼ならきっと、自分と同じように覚悟を決めてくれるだろうと。2人が共に過ごした蜜月は一般的に見てそれほど長い期間ではなかったでしょう。それでも、こんな決断ができてしまうほど、その期間はとても濃いものだった。互いを信頼しきっている2人が眩しかったです。そして、篠原は1巻の篠原になったわけですね。一度覚悟を決めたなら未練たらしく振り返ったりせず、徹底的に犯人になってやろうじゃないかという彼の背中。これ以上犠牲者を出さないため、そして相手を守るために、重い決断を下した2人の男。深い愛が沁みました。