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まさか狸に泣かされるとは……
タイトルに「狸」が入っているだけあって、その存在感はなかなかのものでした!
元彼の裏切りからピアノを弾けなくなってしまったピアニストの和泉が、恩人の孫・結希のご飯と存在によって心身ともに救われていくというハートフルラブストーリー。
和泉がカッコいいツンデレで、卵好きの魅力的な青年!
このイケメン和泉と狸の神様・鉄太郎が一緒にご飯を食べたり、
寄り添ったりしている姿がミスマッチだけど本当に可愛い♡
人語を話す狸との交流が極当たり前のことのように描かれていて、それがシュールで一気にファンタジーの世界に入り込みます^^
鉄太郎にとって、和泉のピアノは神気を得るために大切な役割を果たしています。
和泉に恩を感じ、10年も寄り添い守ってきた鉄太郎が、とにかく健気で献身的!
関西弁なのも可愛くて堪りませんでした♡
結希は優しい見た目と違い、結構ハッキリした物言いをします。
そこが好きだったんですけど、和泉との関係に尻込みしてあっという間に傍を離れてしまった時は憤りましたね。
結希が居なくなって弱ってしまった和泉は切ないけど、ハイスペック攻めが受けに捨てられてシュンとしちゃってる姿はきゅんきゅんしちゃいます(゚∀゚)
結希が和泉との思い出を振り返ることで、和泉の気持ちを考えていなかった事に気付くのですが、ここは結希と一緒に泣きました。
そして、最後まで和泉に寄り添い、結希との幸せを願いながら消えてしまう鉄太郎には涙が止まりませんでした( ;∀;)
鉄太郎が居なくなって悲しかったけど、出会いに感謝し、希望を残すラストには胸がいっぱいになりました。
最後まで鉄太郎ありきの作品だったと思います。
和のイメージの狸と洋のイメージのピアノの融合も面白かった!
ラブストーリーとしてはあっさりしていますが、〝料理で人を笑顔にしたい〟という思いが伝わる優しいお話です。
結希の祖父と和泉、和泉と鉄太郎の出会いのエピソードにも心打たれるものがありました。
挿絵も可愛く、読後感が温かいのもよかったです^^
こちら、スランプ中のピアニストと料理好きな大学生+狸の神獣による、ほのぼのホッコリごはんモノBLになります。
一応、喋る狸なんかが出てきてとファンタジーではあるんですけど、内容としてはひたすら日常系。
表紙やタイトル通り、可愛くて幸せなお話なんですよね。
若干、オチが強引な気がしますし、意味深に出てきたキャラがアッサリ退場で肩透かしだったりと、気になる部分はあるのです。
まぁただ、個人的にはこういうホッコリ系のお話が大好きでして!
ついでに、餌付けされる攻めと言うのも、個人的ツボでやたら萌えちゃいますしね。
そんなワケで、とても楽しく読ませていただきました。
ザックリした内容です。
料理好きな大学生・結希。
彼は定食屋を営んでいた亡き祖父の味を、受け継いでいるんですね。
そんな彼の前に突然現れたのが、関西弁を喋る偉そうな狸の鉄太郎。
鉄太郎ですが、彼が守護するピアニスト・泉水の為に、思い出の味である祖父の「だし巻き玉子」を作るように命令してきてー・・・と言うものです。
で、実は泉水ですが、信頼していた人物から裏切られた事をキッカケに、スランプに陥り食事もあまりとれなくなってしまった。
そこで、立ち直るキッカケとして思い出の祖父の味を・・・と言うのが、今回の「だし巻き玉子をさっさと作らんか」の真相だったりします。
これ、最初こそですね、結希は(鉄太郎によって)強引にだし巻き玉子を作らされと、ワケの分からない事に巻き込まれたパターンなのです。
いや、喋る上にやたら偉そうな鉄太郎に、完全に押されてる状態で。
それが、泉水の為に料理を作り、共に過ごす時間が幸せなものになって行くー。
個人的に久我先生の書かれる攻めと言うのは、受けが大好きでメロメロみたいな印象が強いんですよね。
ああ、俺の恋人は世界一可愛い!!みたいな。
それが今回、珍しい事にツンデレ攻め。
初対面の結希に対しても、やたらツンケンした態度なんですよ。
まともな挨拶もせずに全身で拒絶と、「えっ? 何なの、コイツ」みたいな。
それがここから、どんどん彼の態度が変化して、デレへと変わってゆくのが楽しいのです。
こう、結希の作っただし巻き玉子を夢中で食べ、セレブのクセに卵サンドなんかをリクエストする。
またこれ、受けのキャラも魅力的でして。
ごくごく普通の大学生なんだけど、庶民派で堅実とでも言いますか。所帯染みてるとでも言いますか。
泉水を放っておけず、食事係を引き受けるんですね。
なんかこう、この二人を見てると、人間に傷つけられて警戒心の強いワンコと、そんなワンコをおおらかに面倒を見る世話焼きな人間みたいに見えてくるんですよね。
まんまと餌付けされてる攻めが可愛いよ!と。
ついでに、オカンのような鉄太郎にも笑えるよ!と。
や、関西弁を喋り泉水の世話を焼きまくりと、神獣だと言いながらやたら人間くさい、魅力的なキャラなのです。
この三人で食卓を囲んでるシーンが、めちゃくちゃ和むんですよ~!
と、そんな日々を過ごすうち、泉水に惹かれてゆく結希。
そんな中、泉水が人間不信とスランプに陥る原因となった元恋人が、二人の前に現れるんですね。
更に、彼の登場をキッカケとして、有名ピアニストでセレブである泉水と、自身との生きる世界の違いを思い知る結希。
一緒に居る自信を無くした結希は、食事係を辞める事にして・・・と言う流れ。
これ、若干結希が酷い気はするんですよね。
完全に、自分の事しか考えて無い。
ただここから、自身で自分の弱さやズルさに気付く所がいいと思うのです。
いや、完全無欠な人間なんて存在しないですよね?
悩み、迷い、失敗なんかもしながら、前に進む。
そこに、萌えがあるのです!
私は。
あと、ここからですね、結構切ない展開なんかも来ます。
こう、鉄太郎がですね、めちゃくちゃ健気で泣かせてくれるのです。
ここに来て、彼に全部持ってかれちゃのです!
鉄太郎、マジでいじらしすぎるわ!!
繰り返しになりますが、オチとしてはちょっと強引な気がします。
あと、元恋人はあれほど意味深に出てきたのに、わりとアッサリ退場。
一体、何がしたかったんだ?と。
ただ、そのへんを差し引いても、とても好みの作品で楽しく読ませていただきました。
ちなみに、個人的に久我先生のエロ描写が大好きなんですよね。
もうトロトロにされちゃって、すすり泣きしてる受けが可愛い事!
そちらもぜひ、ご注目下さい。
最後まで読んで良かった!
鉄太郎さーん、待っててねー。
結希と和泉の縁にびっくりです。
和泉の幼少期の寂しさ、恐怖を思うとお祖父ちゃんありがとう!
結希が毎日自炊してお祖父ちゃん仕込みのごはんを作るのも、お祖父ちゃんの言葉を大切にしてるのも、お祖父ちゃんありがとう!
前半ずっと偉そうで感じの悪かった和泉に、ちゃんとごはんを食べさせて結希偉いね。
結希の飾らない人柄や作るごはんに徐々にほどけていく和泉。和泉の告白は唐突だったのでどこまでの意味で?とちょっとしっくりこず。
そして後半は和泉のスランプと人間不信の原因が明かされ、パパラッチに狙われ二人のことを記事にもされて。
大好きなのに、住む世界も立ち位置も価値観も違いすぎることや、他者に勝手に自分の性指向を世間にさらされる恐怖に逃げてしまう結希。
でも素敵な仲直りができて。
エッチも唐突でしたね。結希の心の準備とかいいの?
萌えというかほっこりにこの評価で。
鉄太郎さんと和泉と結希の3人でごはんを食べる図が幸せそうで、また鉄太郎さんが和泉を守ってきたこと、結希に和泉を無理強いしないところ、お師匠さんなど和みました。
和泉もすっかりメロメロみたいで。別人ですね。
和泉とケンシンは想像がしずらいなあ。
『ごはんもの』ジャンルど真ん中のお話でした。
このジャンルの王道らしく、Aくんが作った料理(それも主に家庭料理)がBくんの心の琴線に響く何かを持っているんです。響くのは、育つ過程での決定的な経験に関わっていたりするから。
ねぇ、お好きな方はこう聞いただけで「心騒ぐのでは?」と思うんですね。
……実は私、このジャンルはそれほど得意ではないのです。
胃腸が弱いからなんでしょうかね?
久我さんならいけるんじゃないかと手に取ったのですが、やっぱり「萌え萌え~っ」とはなりませんでした。
攻め受け、おまけにキーマンの狸も魅力的なんですけど。
やはり『ごはんもの』で萌える為には『癒しとしての食事』が理解できなければ無理なのかもしれません。
そのことを私にわからせてくれた一冊となりました。
追記
亡くなってしまっている結希のじいちゃんも狸の鉄太郎と並んで重要なキーマンなんですけれど、ジジイ萌えが激しい私としてはもう少し詳しい書き込みが欲しかったです。この人、かなり私のジジ好き心を刺激するんですよねぇ。
モフモフタヌキが登場する、餌付け系、和風ふんわりファンタジーです。
淡路の国の芝右衛門様って、あの、海を渡って大阪は南に芝居を見に行く、あの、芝右衛門たぬきの事なのかな、
これって、関西の人にとっては基本教養なのかしら?
それとも、大阪演芸史シリーズを書き続けている久我先生ならではの設定なのかしら。
何にしても、鉄太郎の古めかしい関西弁がかわいいです。
お話としては、鉄太郎がファンタジー設定なので、それ以外のキャラクターにはもう少し現実感が欲しかったかなという事で、今回はちょっと辛めの評価です。