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表題作恋の口火

親友で幼なじみで恋人 佐方健一
親友で幼なじみで恋人 悟郎 

その他の収録作品

  • SU-SUKI 
  • クリィムシチュー
  • 曲がり角をすぎても 
  • 浮遊感覚
  • スローフード 
  •  ライフ 
  • エンゲルヘルツ

あらすじ

「健一と僕は親友で、幼なじみで、恋人で、今も当たり前みたいに二人一緒にいる。僕は変わらない二人の関係を愛してる。なのに、僕だけが変わっていく。歪んだ方向へ自分の足で歩いている…。」健一と悟郎シリーズの完結編 描き下ろし24ページを収録した、ラフで繊細、ワイルドで耽美、独特なタッチで描く黒娜さかき傑作作品集!収録作品:「Su-Suki」「クリィムシチュー」「まがり角を過ぎても」「浮遊感覚」「SLOW FOOD」「LIFE」「Engel Herz」

作品情報

作品名
恋の口火
著者
黒娜さかき 
作画
黒娜さかき 
媒体
漫画(コミック)
出版社
茜新社
レーベル
EDGE COMIX
発売日
ISBN
9784871828475
3.6

(12)

(3)

萌々

(3)

(5)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
6
得点
43
評価数
12
平均
3.6 / 5
神率
25%

レビュー投稿数6

もう少し燃え上がっても

 低温度でじわじわと焦がしていくような描き方の作品が多かった印象です。淡々とした空気感は嫌いではないし、そういう作品こそ無性に読みたくなる時もあるのだけど、ほとんどの短編がそんな雰囲気だったので萌えはあまり感じられなかったかも。1本くらいは熱めの作品が収録されていても良かったかなと思いました。そんな中でも表題作は一番好きです。幼馴染から恋人になれたにも関わらず、自分の性質、どうしようもない依存症に悩み別れ、偶然何年後かに再会した時には攻めがいい感じに歳を取っているんですよね。思い切った描き方と、2人の取り繕わないやりとりが好きでした。

0

不思議な世界観

う〜ん…なんともいえない世界が広がっていました…。
絵のインパクトがとにかく強い。
今回で読んだのは2回目なのですが、
1回目はこの絵のインパクトが強すぎて、
あんまり読んでて気持ちのいい作品ではありませんでした。

でも2回目、絵にも抵抗感がなくなり、
お話も解ってはいましたが、前よりすんなり入ってきて、素直に読めた。
とにかく1話目がいい。
かなり重いですが、いいです。

以下ネタバレ含むレビューです。
ネタバレなしで読むのをおすすめします。

健一と悟郎シリーズ。
何故悟郎がそういう病気になってしまったのか
何故健一が今そういう生活をするのに至ったのかが書かれてないのですが、
逆にそれが良かったのかも。
読み手としては、読みたい部分でもありますが、
3話目の所で充分それは解りますから。
最後、健一が「悟郎」っと呼び止めた時、
泣きそうになりました。
なんで一緒にいられなかったんだろう…(泣)
「おそれずにいこう」というエンディング、
中身は相当な覚悟、やっぱり最後はこうでなきゃの最後ですが、
お涙頂戴になってない静かな終わり方が好きでした。

後好きだったのは「浮遊感覚」かな。
広瀬の「謝ることができねぇわけがようやくわかった」に至るまでの流れが好きでした。
後、沖田先生の方が最初あんまり好きじゃなかったのですが、
いいですね〜、結局プールでは先生の方が緊張しちゃってるのが、妙にはまりました。

次は「スローフード」、
なんだかんだ言ってお兄ちゃんの方が弟に甘えてる感じ。
それが解ってて、弟も甘えてる。
可愛いです。

「LIFE」前編後編は、楽しかった。
後エロシーンが、なんかエロくて好きでした。

「Engel Herz」は、
うーん…ちょっとオチが見えちゃいまして、
なのに登場人物の関係性がなんか解り辛くて、
そういう世界とか、そういうオチの話が書きたかったんだなぁ〜という
ふわふわ感で終わっちゃいました。
素敵なお話だとは思うのですが、
私としてはもぅちょっとだけ解り易かったらいいなぁ〜と。
あんまり解り易いと、この世界が失われちゃうんだとも思うのですが…もぅちょっとだけ。

そんな感じの1冊でした。
頻繁には読み返さないとは思いますが、手放したいとは思わない1冊ですm(_ _)m


0

怪しい雰囲気

中立ですがつまらないというわけではないです。(私の中立は作品に問題はないが個人的に好みではないという感じです)

最初の話は三部で構成されております。
一話目は、中学生になり、恋愛を意識し始め、幼なじみに対して友情以上の感情が目覚める予感を感じさせるとこで終わります。

二話目ではすでに恋人同士になっているところから始まり、おや?っと思っていたら歪んだ方向に展開していき、二人の幸せが破錠するのか…というところで終わります。

そして三話ではさらに時間が進み別れた二人が再開し、新たな一歩を踏み出すお話となっております。

どうやって付き合ったとか別れたとかの過程はすっ飛ばして、人生の大事な部分を切り取って描いてあるかんじですかね。
基本的にまっすぐなキャラが好きな自分にはアブノーマルな関係性がどうにも苦手でして、恋愛とはちがうドキドキはあっても萌えは感じられませんでした。


その他アクの強い話から王道展開な話まで個性豊かな作品となっております。

絵柄が独特なタッチで、常に何か起こりそうな怪しい雰囲気が漂っております。特に目が印象的でしたね。

2

灰汁も味

行間を読ませる作風であると見せかけて
実は過剰な程に饒舌な一冊。
だから読んでいてうざくなるかと思ったの
ですが余韻の程好さについ惹かれ、読み
返してみたくなる一冊でもあります。

表題作に相応するのは多分冒頭のシリーズ
三作なのでしょう。
流れの一部が空白になったお陰で余韻が
深くなっておりますね。

3

人生の3点を抜き出して見たカップルの話が切ない。

個人的にプッシュしている黒娜さかきさん、の初コミックはこの本です。
イタリアでも発行されているらしいのですが、系統としてはOPERA掲載ですので、BASSOさんとかにも近いものがあり、OPERAらしい作風の短編集です。

「Suーsuki」「クリィムシチュー」「曲がり角を過ぎても」は同じ主人公達の過程を描いた、切ない話です。
女子に告白された健一。
彼には幼馴染で同級生の悟郎が気になる。
まだ成長過程の中学生。
料理の専門学校に通う健一と、大学に通う悟郎は同居していて、恋人同士。
でも悟郎は自分がSEX依存症であることに気が付き・・・
そして十何年後の再会は、アルコール依存治療の悟郎が逃げ込んだ先が、偶然にも一人暮らしをしている健一の元。
退院したら一緒に暮さないか?と誘い、今だから悟郎の苦しみも理解できると言う健一の懐のでかさに、この二人の未来は見えるのだろうか?
細かいことをつっつけば、何故悟郎が依存症になったのか、健一で満足できなかったのか?とか、佐伯はどうして一人でいるのか?とか、不明な点が多々あるに違いないのですが、それぞれの分岐点の一点一点を捉えた3編をつなげることで、この二人の絆の深さが見えていいじゃないか。
と許せる気持ちになります。
依存症になった悟郎が、出向く先で同じ依存症になった少年が出てきますが、その姿が凄まじく、苦手な人には少し辛いかもしれません。

大学の寮生活を描いた「LIFE」では同室になったサトとヒカルに、何気にくっつけばいいのにと周りの期待が・・・で実際くっちゃいちゃうんですが、アオカンしてる寮長の吉野とその彼氏の方が気になって・・・
さっぱりして、はっちゃけてる話です。
あと、学校の先生と生徒、兄と弟の話があります。
Engel herz」は少しファンタジーが入った近未来的な話。
攻殻機動隊好きな黒娜さんらしく、少しそれのテイストが入った感じの作品です。

バラエティに富んだ、少しけだるい感じの作品で共感を得る人は少ないかもしれませんが、なぜか心に残ります。
気になったら好きなる作家さんです。

5

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