表題作なついろ絵巻

出雲
祓い屋
龍汰
出雲と暮らす恋人

あらすじ

山吹が汲んできてくれた水を口にした出雲。
すると何故か彼の身体が縮んじゃった…!?
出雲を元に戻すため、山吹と一緒に原因を探す龍汰だったが…?

作品情報

作品名
なついろ絵巻
著者
ふじとび 
媒体
漫画(コミック)
サークル
おもちバロック<サークル>
ジャンル
オリジナル
発売日
4.7

(4)

(3)

萌々

(1)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
19
評価数
4
平均
4.7 / 5
神率
75%

レビュー投稿数1

陰ある美子供の「子供しぐさ」に萌える

あわいろ絵巻の音声作品から入り、後追いで同人作品、商業コミックの一連のシリーズを拝読しました。

人物のタッチが人によってはノスタルジックに感じられるようですが、動き、コマ割、構成などのテクニックが高くて魅了されます。

感情表現と表情が乏しくクールな印象の「出雲」と対極のイメージである「子供」という組み合わせは、普通に考えると安易なギャップ萌えですが、出雲は幼少期に戻っても影があり、口数も少なく、元々の容姿も美しい設定のため、「子供らしさのない美子供」という、刺さる人には刺さりまくりの萌えに貢献しています。

こぎつねの山吹が汲んできた水が妖怪が涌かせている「若返りの水」だったために、それを飲んだ出雲が幼児に戻ってしまいます。

龍汰や山吹のことは記憶から消えており、両親が亡くなって、あちこちに預けられながら過ごしてきたことなどしか覚えていません。

この悲しい生い立ちのせいで、子供らしい思考や行動をとらない出雲が龍汰の役に立とうとする姿が健気で胸を締めつけられます。

龍汰はどうにかして元の出雲に戻せないかを探りますが、その方法は無く「時の流れに任せるのみ」

愛する人を不慮の事故などで突然なくす作品は多く目にしますが、自分と過ごした記憶がない状態の幼児の姿で存在するというのは、それとは異なる残酷さを持つので、龍汰の心情を思うと苦しくなります。

性的なシーンは具体的には描かれていませんが、クールな出雲が龍汰をダイレクトに求める台詞と性行為が始まる数秒前のような描写はあります。

ふじとび先生の作品の性的な描写は、あったとしてもキスまでで、次のコマは事後というパターンですが「エロいことしなさそうな2人の秘め事」感があり、色っぽく感じられます。

結末について全て語るのは無粋なので、「これまで拝読したふじとび先生の作品に鬱要素はなかった」とだけお伝えします。

読み切りの薄い本なので、あっという間に読み終わってしまうのが惜しく感じられる印象的な作品でした。

現時点での入手は中古市場のみになっていますが、内容に関する情報が少ないので、このシリーズが気に入っている方のなんらかの参考になれば幸いです。

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