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表題作闇夜を歩く(3)

永島 代議士秘書
李空 占い師

あらすじ

従兄である菅波の野心とは知らず、占い師・子春として闇の世界で働いてきた李空。しかし与党の大物代議士・猪飼の秘書・永島の登場によって、彼の運命は大きく変わっていく。菅波のもとを逃げ出した李空だが、記憶を失ってしまったうえ追ってきた菅波に騙され、愛欲に満ちた関係を信じ込まされる。そこから李空を奪還した永島は、何もかもを捨て一緒に暮らそうと申し出る。だが永島の背後には政治記者・沢登が執拗に張りつき不穏な動きを隠さない。そんな中、顧問弁護士が今際の際に永島に告白した事実は、謎だった菅波の過去にまつわるもので…。それぞれが明かせない過去を持ち、安息を求めて彷徨う。果たしてその結末は?衝撃のシリーズ完結巻!

作品情報

作品名
闇夜を歩く(3)
著者
谷崎泉 
イラスト
有馬かつみ 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
シリーズ
闇夜を歩く
発売日
ISBN
9784576060941
3.6

(5)

(2)

萌々

(1)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
2
得点
17
評価数
5
平均
3.6 / 5
神率
40%

レビュー投稿数2

文章はとても上手なんだけど・・

不条理の連続を切り返すのかと期待した3巻。

従兄の菅波に利用され、占い師・子春として闇の世界で活動してきた李空。
与党の大物代議士・猪飼の秘書・永島には出自の秘密がある。
永島を、心から愛するようになって李空は変わっていく。

李空は、未来を観ても、回避したり変える力を持たない。
永島の未来を観てしまった李空。

未来を見ても、変えられない李空が永島の為に行動して、一つだけ変えることができた。
永島が戻ってくる日を李空は待つ。そして、再会。

・・ 途中で読み止めたら良かったかなー。
未回収の伏線もあるのに、完結。
再会後の二人の今後は、読者の想像にお任せなのだそう。

景気が良い頃の耽美作品。
谷崎先生が寄稿していた出版社、閉鎖や連載中の終業が続いて、どれも完結まで危うかった。 
安心して長期連載ができなかったんだと思う。

0

それぞれの訳ありが明らかに

この話の登場人物誰しも、主格でも脇役でも罪を抱えています。
前巻まで、その生れ故に李空に業が集まり、菅波は不幸な生い立ちに拘ったばかりに、立ち行かず壊れていった。
李空と菅波には、身を切るような後悔という罰が与えられたけど、この最終巻は、やり手議員秘書・冷静で正々堂々としてきた永島潤弥の番でした。

永島の生活のほとんどは、首相になったボス猪飼の周辺で、気を抜いたり寝る暇もない。
他人と近付けば近付くほど、その人達の過去や罪も身近になっていくものなので、そこに、菅波が追い求めてきた真実と猪飼周辺の隠された罪が絡まり、新聞記者も貼り付いて、気が休まることはない。
そんな中で永島は、李空と一緒にいる束の間の時間、優しくなれるホッとしている自分に、李空がかけがえのない者になっていることに気付きます。
3巻めの最後の最後でやっと永島と李空がー!いやー本当に長かったです^^

でも、谷崎先生は終えてくれませんでした。(まぁ、謎はまだ残ってますからね;)

やっと想いが通じ合って愛ある営み♪だったのに、李空の能力が発動しちゃいます;
永島がひた隠しにしてきた過去が!
過去を知り、未来を知り…その未来は、李空が決して受け入れられないものでした!
今まで、自分の生まれを自分が観たことを従順に受けとめてきただけの李空だったけど、運命を変える為に永島を救う為に、李空は必死に走り出します!
あ―良かった!…あれ?

それでも、谷崎先生は、終えてくれませんでした;;再び!

「今まで清廉潔白で、誰も恨まず誰にも咎められず生きてこれた人なんているでしょうか?」
谷崎先生、読者がそうフォローして、はい終了!じゃダメだったのでしょうか?
「過失致死罪・罰金刑」で許して貰えませんか?故意ではないはすですよ?
「業務上過失致死罪・刑期5年(最長5年)」って;
先生は永島に、2人のこれからを考える時間を与えたのでしょうか?!

この中で誰の罪が1番軽いか?誰のなら許せるか?考えてみるのも面白いかも知れないです。

3

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