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表題作スレイヴァーズ ディア

冴木鷹成,元使用人で会社を継いだ現社長
倉橋柊一,類い稀な美貌と高潔な心をもつ社長令息

あらすじ

倉橋物産の社長令息である柊一は、父の死後、使用人の冴木に会社を奪われた上、隷属することを強要される。
躰を虐げられる屈辱の日々に憎しみを募らせた柊一だったが、周囲の悪辣な罠から幾度も救われ、しだいに冴木との関係を見直そうとしていく。
冴木と対等になりたいと願う柊一は懸命に仕事に励むが、父の一周忌に渡された遺書がきっかけで冴木と離れたほうが良いのでは…と思い始める。
そして社内のパリ研修に志願するが―。

作品情報

作品名
スレイヴァーズ ディア
著者
華藤えれな 
イラスト
雪舟薫 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
シリーズ
スレイヴァーズ キス
発売日
ISBN
9784344806870
3.8

(11)

(4)

萌々

(3)

(2)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
40
評価数
11
平均
3.8 / 5
神率
36.4%

レビュー投稿数4

せっかく縮まった距離がー…

 社長令息であった柊一は、父の死後、使用人の冴木に会社を奪われた上、隷属することを強要されていた。身体を虐げられる日々に憎しみを募らせた柊一だったが、周囲の悪辣な罠から幾度も救われ、次第に冴木との関係を見直そうとしていく。
 そして、冴木と対等になりたいと願う柊一は懸命に仕事に励むが、父の一周忌に渡された遺書がきっかけで、冴木と離れた方がいいのでは……と、柊一は考えはじめる。
 そして、まずその一歩として、社内のパリ研修に志願するが――。

 ようやく冴木と柊一との距離が縮まり始めたのに、あろうことか、今度は東京とパリという、物理的な距離が出来てしまった……
 おまけに、二人の関係も解消で、連絡を取ることもなくなってしまう。

 ちょっと冴木!! 今までの想いってそんなに簡単に振り切れるものなの!? と、胸倉を掴みたくなるような感じもありましたが。
 ところが、壊れたのは柊一だった……。

 ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと!! 今までのお綺麗な柊一様は何処にいっちまったんだい? って聞きたくなるくらい、柊一様が乱れまくる。
 あとがきで作者さんが書いておられましたが。
 まさに「柊一様ご乱心」。

 離れて初めて冴木に対する本当の気持ちに気がついた柊一が、ありとあらゆる手を使って冴木とのつながりを繋ぎつづけようとする。
 そこでさっと冴木も素直になって、手を取ってあげればいいのに、お互いがお互いをちゃんと見えてないから、というよりも、冴木にもそこまでの余裕がまったくないから、そんなことできない。
 個人的に、この巻で終わりなんだ……さびしいなー……と、思ってたら、ものすごく中途半端なところで終わって。(具体的に言うならば、柊一が冴木に気持ちを伝えようとしたところで終わって)
 最後、冴木目線がちょっと入ったので、ここで冴木目線か、おいおい……と、思ってたら冴木目線も中途半端で終わって愕然としました。

 続きー! と、叫びたくなりました。
 読むときは、全部揃えてから読むことをお勧めします。

 全く冴木と同じ気持ちで、冴木と同じようなことをしている柊一が切なくて、苦しかった巻でした。
 早く次が読みたいです。

2

刹那主義

スレイヴァーズシリーズ、ドラマCD購入、CDのみ聴音済み~柊一と冴木のふたりが好きで好きで。今更ながらに続編が読めたんだと、即刻、購入、感想をしたためます。

もう、やられました~この”スレイヴァーズ・ディア”、今回は"追慕・聖灯"〜柊一目線のモノローグ~柊一の真の心が映し出される…もう泣いちゃう。柊一の気持ちが…思いが…切なくて泣けてきます。こんなに胸が締め付けられる小説、あり得ないって思うくらいに…そして"浄罪・聖灯" "ラヴェンダーの狂おしい記憶”では、冴木目線の…柊一への愛を狂おしいほど吐露していますね〜これもまた、切ない…柊一を守りたい一心でわざと柊一を遠ざけてきた冴木、彼の幸せを願い続ける一方で自分のものにしたい、自分の側にいてほしい、愛してほしい、捨てないでほしいと願うほど柊一を…

これまでは、愛憎が散りばめられた、重苦しい内容でしたが、今編では、柊一が、冴木の思いや苦しみを知ろうと心を開いていきます。冴木の愛に応えられなかった自責の念と自分には人間味が欠けている…それらを払拭すべく、努力し、成長しようともがき苦しむ柊一がとても健気で…ふたりの様々な感情、思い、情愛、慕情が溢れる素晴らしい一冊となっていました。

柊一は、冴木を理解するため、冴木と対等に、共に生きていくために、パリへの出向を決意する~そのようなことを知るよしもない冴木は、自分との繋がりを絶ち、自由に羽ばたこうとする柊一の幸せを願い、自ら解放し、送り出したが…柊一がパリへ旅立つ直前に空港で、"ずっとあなたをお慕いしておりました”と柊一への積年の想いを断ち切るための愛の告白を。それを聞いた柊一は…

冴木の”憎んでほしい”には、作者様の感性に脱帽した次第です。愛する人に無視されたり、忘れさられるより、”どんなに憎まれても自分に関心をもってほしい”…これこそ究極の愛だと思いました。

今編、私個人の見所は、柊一が冴木に何度もつぶやいた”Tuez-moi~あなたに…
この想いを"知られたい…でも知られたくない…そんな想いだから…”
けれど伝えたくてどうしようもないもどかしさ…
冴木もそのフランス語の響きがとても艶やかで耳朶、鼓膜に響き、何度も催促して…縋るように…そして心から愛する冴木を求める柊一~刹那、この瞬間を…

もう、柊一が素直で可愛くて艶やかで…一方で、冴木は、変貌してしまった柊一を自身が狂わせてしまったと悩み苦しみます。きっと真実の愛、恋を知ってしまうと混乱して、みっともない姿を見せてしまったりするのでしょうね。

そして、柊一は環境も境遇も恵まれていたはずなのに、冴木と同様に孤独だった。後継者としての重責に重圧、大勢の人に囲まれている環境下での孤独感は計り知れません。そんな彼が人を愛することを知り、愛するが故の孤独に苦しみ、痛みを知り、狂おしいほど冴木を貪欲に求めるのです。

柊一、冴木とプロヴァンスの旅行に行けてよかったねと心から思いました。

もう、ディアにどっぷりハマっています。ふたりが好きすぎて…~次巻、最終巻の"グレイス”、果たしてふたりの運命はいかに…

最終話は大好きな冴木目線で綴りたいと思います。

2

やっと、ここまで来ました。・・・疲れた。

シリーズモノなので一応すべて読みましたが、あまりにも二人の事情がグルグルしすぎていて疲れ果て、何処からレビューしようと悩みましたが一番好きだった巻からレビューしようと思います。
それくらいグルグルグルグルと煮えきらず、一巻終わるごとにまだ思いを伝え合わないの!?まだなの!?の連続でした。
何度、最後から読んでしまいたかったか。
でもそうすると、途中の巻が永遠に箪笥の肥やしになり年代物の漬物状態になるのは目に見えていたので頑張りましたが、このシリーズは時間の余裕のある時にシリーズをすべて一気に読むことをオススメします。
長く大変ですが、そうでないとこちらが心身ともに落ち着きません。

さて本題ですが、この2人、体はつながっても心はなかなかつながりません。
ここに来てもです。
お互いがお互いのことをすごい大切に思っているのに、それが伝わりかけているのに煮え切らない二人。
特に柊一。
類い稀な美貌と高潔な心をもつ青年と描かれていますが、私にはここまで来ると、世間知らずの天然くんにも見えました。
もっと人間臭いところがほしいというか。
これだけ冴木自身や彼が自分にしてくれたことが分かれば、もっと冴木の気持ちを推し量ってもいいのに。
ただ、彼も悩んでいるのですよね。
人の気持ちを分かる人間になりたいとか、自分には心を許せる友達がいないとか。
しかし、柊一がパリに転勤になって脇役のカプも巻き込んでの遠距離になったことでようやく彼に人間臭さが加わる出来事が起きます。
見所はそこからですね。
柊一の魅力もそこからググッと倍増しますし、話しも凄く切なく切なく展開していきます。
やり方は良くはないですが、柊一さん、ようやくお飾り人形から人間になったのねという感じです。
そこからの柊一さん、本当にいいです。
そんな彼が展開していく話になるのですから、飽きさせず読後しばらくこの世界の住人になり余韻に浸ってしまいますが、続きも気になるところです。
やっと、二人の関係が回り出しました。

3

やっとここまで

実は、これまでの巻では萌えきれなかったんですよね。しかし、やっと冴木と柊一の関係がすすんできて、、、

父の遺言を実行するために柊一がパリへ行くことになり、それを受け止める冴木。
最後のやり取りにはじんわりきました。冴木のなんとも言えない柊一を愛する気持ち。でもそれを言うことは出来なかった。なのに最後の最後で電話で告げられた想い。

さらには目標にしていた会議でのフランス語通訳も不要と言われて柊一はつらいよね。でも、冴木のことを好きと自覚できてない、ある意味自業自得な部分もあって。
冴木と柊一の関係が逆転したように見えて、実はそうじゃないんじゃないかなと思いました。まるで冴木は変わっていない。柊一に対する想いは全く変わってなくて、ただ二人共表に出すところが微妙な関係に変わってしまってして。

切ない。
ほんとに切ない。

次が最終巻だとあとがきにありましたが、この二人に未来を…と思いました。

1

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