イラスト入り
アルファ王の愛で、未通のオメガは淫らに開花する
紅葉先生と言えばヤクザBLのイメージが強かったので、どんな話なんだろうとドキドキしながら読みました。
最初、この2人には愛は生まれるのかと思いましたけど、ちゃんとハピエンになりました。
エドモントはどんなオメガでも1度しか抱かない。ちゃんとゼファは2度目も抱かれるようになるのか。それがまず心配でした。どうやったら今後も抱いて貰えるようになるんだろう。と考えてましたが、なるほどそういう理由で、という感じで納得しました。
エドモントも意識をなくした相手にそれ以上のえっちはできませんよね。そういうのが積み重なって、彼のオメガに対する認識も変化して言ったのかもしれません。後は価値があがるとか、そういうのも理由にあったのでしょうけど。
エドモントがゼファに気持ちいいのか質問するところ、本人は真面目に聞いてたんだと思うんですが、自分のえっちに自信が無くなった青年見たくて可愛かったです。
エドモントがだんだんゼファに惹かれていくところ、ゼファが知識をつけ王族として成長している所が見ていて楽しかったですね。
エドモントがゼファのために国を治めるということ以外にも彼が国に戻れるように、そして自分と結婚できるようにと人知れず頑張ってた事を知り、ああスパダリだなと思いました。
楽士のリザとエドモントの関係を知りたいです。何やら匂わせたのは嫉妬して欲しかったからなんでしょうが、本当に何もなかったのかな。あとはローマンのこともよく知りたかったです。
えっちも多めですし、すごく楽しめた1冊でした。
“国家運営について真面目に話したいのに、肌へも触れて欲しくて、触れて欲しいと願うのに見つめ合っていたいとも思う。”
高月さんの刑事シリーズが大好きで、続編を待ちつつ他の作品を読んでみました。
こちらの作品は第一王子なのにΩの為隠居を強いられていたゼファが、協定を結んでいる隣国の淫心の王(褒め言葉らしい)に歳の離れた妹Ωを引渡されると知り、身代わりに向かうお話。
この淫心の王エドラントは優れたαであってもΩにとって余りにも強烈で、挿入すれば誰もが泣き咽び失神されるので夜を持て余している男。すごい。。。
ゼファは身代わりという事を即見破られるものの、気絶せず王に何回も付き合えたことで翌日以降も関係を続けるのですが、これって少し意外な設定だと思いました。普通主人公の受けは誰よりも敏感で反応が強いものって設定しがちな気がしますが、ゼファは敏感だけど最後まで落ちない。そして王は満足しつつ、ゼファが快楽をちゃんと得てるのか?褒美は?政治は?とあれこれ気にしていく、という流れがとても良い。
身体の相性だけでなくお互いの精神面や知識からも惹かれあっているのがよく分かるし、好きだと気づいた瞬間もはっきり自覚して同時に離れる運命に泣くのが良かった〜。
ゼファも受け入れる側で無知な部分があったにも関わらずナヨらず男だし、お互いが尊重しあってる関係性がすごく良い。
ベッドシーンは基本甘々で、受けが腰動いちゃったり、手で摩るのが痛いからと王が攻めフェラするのも良かった。
ゴージャスな衣装着たままの立ちバックは挿絵もあって最高でした!
なかなかのボリューム感のあるお話です。読み応えはかなりあります。私は電子全然書籍で読んでいたんですが…まだまだ中盤なの⁈って思ってしまいました。ですが、話の内容がしっかりしているので飽きることなく読み進めることができました。言葉遣いがちょっと固い印象があるのですが、私はおとぎ話の感覚で読んでいたのでお話の雰囲気には合っていたように思います。
政治的な思惑から、隣国の王のもとに人質としてやって来るのがお話の始まりです。人質といっても身代わりです。もう何か起こる予感は満載の設定でドキドキしました〜。王様のエドラントはイヤな奴かと思ったら全然そんなことはなく、かなりの人格者です。そしてカッコいい…スパダリです!身代わり人質のゼファはか細い感じで弱々しいです。そして安定の美人。
エドラントとのセックス描写は言わずもがな濃厚なんですが、エロさの部分だけではなく、ゼファのことを考えて外に連れ出したり勉強を教えたりといろんな経験だったり知識を与えてくれます。本当にカッコいい王様です!ゼファの国の問題も解決に導いてくれます。もーーー最後まで読めば分かるのですが、すごい人格者なんですよ(2度目)。2人でお城を抜け出してお祭りに行くシーンなんかは、ほっこりするし挿絵の威力もあり素敵な場面です。
そうなんです。このお話をより良くさせているのは挿絵の魅力もあってだと思います。お話の雰囲気とベストマッチなんです!私は話を読み進めている中で、挿絵の出番を待っていました(^^)なんとなくミュシャの絵画っぽい雰囲気で、うっとりしました…。
最後はハッピーエンドなので、かなりのボリュームあるお話ですが読んで良かったーー!ってなります。しかもその後のゼファの妊娠から、子どもが産まれた後のアフターストーリーもあって大満足でした!オメガバースものの子どもを授かってのアフターストーリー、私は大好きなのでめちゃくちゃ嬉しかったです(^^)
淫心というタイトルだし、王族・後宮モノだからどんなドロドロエロスが?!と思ったら、清らかエロスでした。
高月先生らしい男前な受け、ゼファが自分の世間知らずを必死に改善しよう・考えをめぐらせようと奮闘する姿もよかったし、恋愛要素も切なくて涙が滲みました。
攻めのエドラントがこれまたスパダリでかっこいいんですよ。ゼファのことを心から想う姿に惚れ惚れします。ラストはハッピーエンドでホッとしました。
個人的に、オメガだからといってその属性に屈しない女性がいるんですが、そういうキャラがいることも嬉しかったです。
2022アワードにノミネートされるのも頷ける作品でした。お姐様たちに感謝です。
BL小説に関して若輩者で、今作初読みの作家さんでした。
3つの国が舞台、そのうち2つの国の王と王子が出会うことによって、それぞれの国の在り方もまた変容していくしっかりとしたストーリーでした。
彼らの出会いから結婚に至るまでとその先少しが丁寧に描かれています。
最初の方こそゼファの身の上や環境からの不憫さや、淫心の王と呼ばれるエドラントの得体のしれなさに不穏さもありますが…甘い…甘々です。
所謂オメガバースの負の部分がほぼないので、オメガバースが苦手という方にもオススメできます。
また、芸術と言える笠井先生の挿絵の妖艶さに同等な、濃密な絡みの描写で大満足しました。
未通で知識もほとんどないゼファがいかに感じているかが蜜に描かれています。
過去、自分よりも相手を重んじてきた為に夜も満足したことのないエドラントが、自分を満たしてくれるゼファを知ったあとも欲望のまま無茶するでもなく、ゼファを手に入れるためにじっくり外堀から埋めていく様を、是非読んで確かめていただきたいです。
外見もさることながら、知的さ、思慮深さ、包容力と魅力たっぷりで、王様攻ブームの私にエドラントは大正解でした。
ゼファの中性的な美しさもしっかり表現されていて、姫のフリをする昼間は女性らしく、エドラントを迎える夜は男性的(体力的な意味)で、そのギャップも楽しめました。
花売りの女の子がゼファの髪に花を飾るシーンもとても好きです。