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表題作ペットと恋はできません

井堰高哉,29歳,周史が怪我をさせてしまった旅行者
芹野周史,25歳,地元誌の編集部所属のフリーの編集者

その他の収録作品

  • じょうずな恋はできません(書き下ろし)
  • あとがき

あらすじ

人づきあいに臆病な周史の家に、ある事情から転がり込んできた高哉。
その高哉が周史に申し出たのは……?
訳ありブリーディング・ラブ♡

作品情報

作品名
ペットと恋はできません
著者
川琴ゆい華 
イラスト
陵クミコ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784403525230
3.2

(31)

(2)

萌々

(10)

(13)

中立

(5)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
7
得点
94
評価数
31
平均
3.2 / 5
神率
6.5%

レビュー投稿数7

ほわほわ時折むずむず

シーモアのあらすじのほうがわかりやすいので、載せます。

「人づきあいに臆病な周史の家に、ある事情から転がり込んできたのは旅行中の高哉。周史はひっそり生きたかったのに、泊めた翌朝早々に最悪のところを見られ、高哉にゲイだとバレてしまう。だが高哉からやさしく「俺と、してみる?」と誘われ、一度だけ寝ることに。その後、高哉はここに滞在中は周史のペットになると言い出した。もうえっちはしないという約束で、ご主人様とペットの期間限定の同居生活が始まるが……?」

ひっそりと田舎で生きる周史が、なんかいじらしいんですよね。
孤独を愛するがゆえにひっそりと田舎で生きているのではなく、本当は誰かを好きになりたいし触れ合いたいと思ってるんだけど、ゲイゆえに、(家庭の事情でゲイばれは絶対にNGなので)現実では諦めていて、人とあまり関わらないようにしているってところが……。

両親ともに大物芸能人の息子というわりには非常に慎ましいし、やたら立場をわきまえすぎちゃっていて、もっと自由に、わがままに生きてもいいのよ?とすら思ってしまう。

ひっそり慎ましく生きる周史の前に嵐のように現れた男、高哉。
「俺がチカちゃんのペットになってあげようか?」とかさ、ナチュラルにこんな提案してくるわ、嬉々としてペット用餌入れをmy食器として使ってるわ、自分はペットだからと首輪をして喜んでるわと、なんか変なやべーやつって感じなんだけど、途中まで読むとなるほどなー!
単なる変な人じゃなくて良かったぁ、ほっ。

川琴さんの作品って、読んでてむずむずするときがあるんだけど、この作品もなんかむずむずする。

なんでだろ??

理由はわからないけど、三十路の攻めがペラペラと甘い言葉を吐いたり、「チカちゃん、おこだ。」「可愛いが大渋滞」みたいなことを言ったりするところかもしれない。
なんかあざとかわいいというのかなぁ?
これかわいいでしょ?みたいなウケを狙ってかわいいを無理やり作ってるというか……そういうのを私は感じてしまいます。ごめんなさい。

ちなみに過去むずむずした作品は「恋におちた仕立屋(タイユール)」です。(二人の会話にむずむずした)

1

ペット契約(怪しくないほう)から入る恋愛


性癖を隠すため田舎で暮らす青年と仕事に疲れた青年


地方紙の編集をしている周史(受け)は取材中ぶつかってけがをさせてしまった身元不詳の男・高哉(攻め)が泊まるところがないと聞き、不本意ながら家に泊めることになります。
自分の性癖がバレないようにと誰も家に上げないようにしていたのに、部屋に上げてしまったため不注意で、高哉にばれてしまいます。
恐怖する周史でしたが、高哉の「試しにやってみよう」みたいなのりでセックスしてしまいます。
結局、怪我で6針縫う羽目になった高哉はなし崩しにしばらくの間ペットとして周史の家に住み着くことに(ただしエッチなし)・・・
一緒にいるうちにどんどん惹かれている周史ですが・・・


有名な俳優と女優の息子である周史は早くから自分がゲイだとわかっていて、両親の迷惑にならないようにと、知り合いのいない田舎に移住しています。
人と付き合うことが嫌いじゃないのに性癖がバレるのが怖くて、どれだけ親しくなっても家に上げないなど一線を引いています。
そんな周史に高哉はけっこう無遠慮にはいってくるのです。

高哉の得体がしれないのがちょっと不気味でした。
特に出会いなんて、ぶつかったのが周史の方だったとはいえ、後ろ向きに移動している周史をよけられないくらい酔っていて、もう夜なのにその日の宿も決まってないっていう状況があたりやなんじゃないかと思ってしまったくらい。
それか初めから周史の正体知ってて近づいてきたか。
その後も休暇中とかいってペット契約なんて遊びみたいな感じで住み着くし、そんな状態なのに自分のことを話さないって怪しさ満点。
仕事に疲れてちょっとおかしくなっていたみたいだったので話したくなかのだと後になってわかりましたが、高哉が最後は周史を傷つけるんじゃないかと思ってはらはらしました。
結局、とってもいい人でしたが(笑)

田舎とはいえ、ずけずけと内情を知りたがる人もおらず、周史の周りにいる人は皆いい人ばかりだったので、周史も余計にばれてはいけないと自制していたのかと思うと、切ない気持ちになりました。
最後には両親にも友人にも話せて、そしてそんな勇気を与えてくれた高哉というパートナーができた周史はやっと肩ひじ張らずに生きていけるようになって本当に良かったです。


ただ、ストーリーとしては契約からの~という展開はよくあるパターンで、王道といえばそうなのですが、ちょっと目新しさがなかったかなと思いました。
あと、高哉視点がなかったので、いったいどのタイミングでどう思って「考えたこともないくらいヘテロ」だった高哉が周史と将来にわたってパートナーになろうと思ったのかというのがとても気になりました。
感覚的には男子高校生とかならまだわからなくもないけど、三十路の男がっていうともう少し何かあってもよかったかなと思いました。

0

何気ない日常の幸せのミルフィーユ

井堰高哉。29歳。男性。
非常に整った顔立ち。飼い主の言うことをよく聞き、無駄吠えもしない良い子です。

舞台は静岡ののどかな地方。
地方誌のフリーライターの職に就きながら、古き良き平家の日本家屋で暮らしている周史。
そんな彼が、ふとした事から旅行に訪れていた高哉という青年に怪我をさせてしまい、成り行きで自宅に泊めることになり、とある出来事から身体の関係を持ってしまって…
と、ここまでは「なるほど、一夜の関係からのグズグズになっちゃうアレね」なんて、BLあるあるかなと一瞬思ってしまう。
が、これがあるあるにはならない。

怪我が治るまで"ペットとして"家に置いてくれと言う攻めと、戸惑いつつも受け入れる受けという不思議な現象が繰り広げられます。
突拍子もない始まり方なのですけれど、どこも変じゃない気がしてくるのは川琴先生ならではなのか。
静岡のどこかにある田舎での、ごく普通の生活が描かれています。
2人で食事をしたり、なんでもない会話をしたり、ご近所さんからお裾分けをいただいたり。
なんだかすごく癒されました。受けも攻めも可愛くて、ほのぼのとしていてあたたかい。

特別大きな出来事は起きませんし、辛い出来事も、とんでもなく切ない出来事もありません。
ですが、お日様の香りがするお布団の上でごろごろと転がっている内に、優しい寝心地の良さにふと微睡んでしまうような…そんな感じの雰囲気があります。
このお話、私はとっても好きだな。シンプルに萌えた。
日常のあれこれを忘れて、ひたすらに穏やかで微笑ましい2人の恋模様が楽しめました。

周囲に見えない薄いバリアをはりながら生活をしていた周史が、高哉からの何気ない優しさで甘やかされる度に、どこか頑なだった部分がほろほろとほどけていく。
高哉の言葉がどれも押し付けがましくない優しさなんですよ。良かった。
行動力がある人なので、結構ぐいぐいと来るのですけれど…周史をふわりと包み込みながら答えを出すまでのお手伝いをしてあげているようで好印象。
口調も性格も穏やかで、とにかく甘いので安心して読める。
周史の手を取って優しく包み込む高哉も、高哉の手を取って少しずつ1歩踏み出そうとする周史もすごく良いんです。

始まりは突然。けれど、甘さはたっぷりのまま、日常の小さな幸せと共に、ゆっくりゆっくりと心を通い合わせていく2人の姿がなんとも心地良い作品でした。
個人的な萌えどころとしては、「布団敷こうか?」ではなく「おふとん敷こっか?」と言う攻め。
今作は攻めが萌えのツボにがっしりはまりました。

1

ヤリチンの旅烏(≧▽≦)

とってもかわいいきゅんなお話でした。

受け様は地方誌のライター、周史。
攻め様は旅行に来ていた高哉。

周史は有名人の子供であることで、ゲイばれして両親に迷惑をかけることを過剰に心配して、誰も知り合いのいない地方で独り暮らしをしている。
人と深く関わることに対して慎重に暮らしてきたのに、ケガをした高哉を泊めることに。

翌朝、すでに出ていったと思って1人エッチをしているところに高哉が帰ってきちゃう(/--)/
いや〜さすがに動揺しちゃいますよね。
恥ずかしがって拗ねてるイラストがめっちゃかわいい(≧▽≦)

んで、やってみたことない事をやってみたら世界が広がるよ、言われるがまま、えいっと思いきって高哉との初えっちと相成るわけなのです(///∇///)

そのまま、高哉は周史のペットとしてしばらく同居することに。
カラダの関係から始まる2人が、心を通わせていって、身も心もつながる恋人となる、のんびりとしたキュートなお話。
高哉が東京に戻るとなった時の、周史の「ヤリチン旅烏」呼びには吹きました(笑)


恋人となったその後の書き下ろしでは、遠距離恋愛となった2人のお話。
遠距離となってめったに会えなくなって寂しいと思いながらも、スレ違いになることもなく微笑ましい様子の2人でした。

かわいいのに、なかなかにえっちぃ感じも。
だって、えっちの時の周史がとっても気持ちよさげでえっちぃんですもの。


イラストは陵クミコ先生。
先生の描く周史がかわいかったです。
そして、ポメラニアンがかわいかった(*^^*)




1

ペットは人に非ず

今回は長期休暇中の旅行者とフリーランスの編集者のお話です。

受様が怪我させた攻様を同居された事で恋仲になるまでと
遠距離恋愛する2人の続編を収録。

受様は地元紙の編集部所属のフリーの編集者をしています。

受様の両親は有名俳優と女優で
両親は受様に幼いころから2人の子供である事の
リスクヘッジを厳しく説いていきます。

そのため自分がゲイだと自覚すると
両親に迷惑をかけてしまうかもしれないと
人の目と知り合いの多い東京から花房へ移り住み
人とは深く接せずに暮らしていました。

そんな受様の生活が一変したのは
取材先のリストランテで外装写真を撮っている際に
通りかがった男性に誤って怪我をさせてしまった事が
きっかけでした。

この男性こそが今回の攻様になります♪

折り悪く振り出した雨の中、
荷物を抱えビニール傘を肩で支えての撮影で
旅行で花房を訪れているという攻様に
額を縫うほどの怪我をさせてしまったのです。

しかも攻様はふらりと花房に来たのか
宿も決まっていない(取れなかった)ようで
受様は翌日も診察を受けるという攻様の頼みもあり
自宅に泊める事となるのです。

受様は親しくしているご近所の老夫婦や
引越して吉良できた友人でさえ家に入れた事が無く
攻様を泊めた事は号外級のイレギュラーだったのに

翌朝、受様が目覚めると攻様の姿はなく
綺麗にたたまれた布団に受様は攻様の存在が
夢だったのでかと頭が真っ白になります。

それでもびっくりしながらも嫌じゃなかったと
攻様の布団に顔を寄せた受は彼の匂いが香った気がして
ついジョガーパンツの中に手を突っ込んでしまうのです。

そして受様はそのままオナニーを
それでも物足りなくてアナニーまでしてしまうのですよ♡

そしていつもより強くて恋絶頂感を感じていると
かたん、と言う物音に身体を起こした受様が見たのは
唖然として立つ攻様だったのです!!

最悪な事態に受様は膝を抱えて座り込んで
顔があげられなくなるのですが、そんな受様に
攻様は「俺と、えっちしてみる?」と提案してきて!?

雑誌掲載作のタイトル作に続編を書き下ろしての文庫化で、
人付き合いを避け続けてきた受様が
偶然知り合った攻様と関わっていくことで変わっていく
ラブコメディになります♪

私は雑誌が初見でしたが、
最初にタイトルを見た時は受様を気に入った攻様が
『ペットになりたい』と迫るのかと思ったのですけど、

さすが川琴先生、出会いは普通ぽいというか
日常的なモノなのにその後の展開が予想外過ぎです♪

攻様のまさかの提案に受様は乗ってしまうのですが、
そんな受様に攻様はさらなるびっくり発言をするのです。

俺、受様のペットになろうかな

抜糸までの間、花房にいる事にした攻様は
宿代と食事代は払うから受様宅に置いて欲しいと言われ、

もしかしてえっちな方向のぺっとなの!? と
アッチが良かったとか!? と受様はドキマギしますが
「ペットしたら獣姦だから」と犬猫みたいに
飼ってもらうと言うのですよ♪

ワザと~な紛らわしさ、アザとさですよね (ӦvӦ。)

そして受様宅のペットと化した攻様と
受様の関係がどういう風に変化していくのか
ワクワク&ドキドキ、楽しく読めました。

受様の過去、攻様が旅に出た背景には複雑な事情があり
受様が花房で初めて作った友人や攻様の東京の関係者が
2人の間に波風を立てるのか!? とも思いましたが

登場人物は良い人達ばかりで
2人がゆっくりと関係を深めていく過程と
攻様に惹かれていく受様のぐるぐるすら可愛らしく
変化していく様子を安心して読み進めました。

ほのぼの路線では物足りない方もいるかもですが
ペットと化して大型ワンコよろしく
受様に甘える攻様がけっこうMYツボでした (^O^)/

2

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