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表題作テイクミーホーム

ダレン・ブラッド,α,会社員
根住圭太,Ω

同時収録作品ハウトウキャッチアスター・ハウトウキャッチアスター~The light of my life~

トーマス・ダンストン:アビーに憧れ、タトゥーショップ社長
アビエル・ハーマン:かつての飛び込み選手、会社員

その他の収録作品

  • 描き下ろし
  • カバー下・漫画

あらすじ

海を越えて出会った2人は…言葉も通じない!?
この恋、いったいどうなる!?

国境を越えて見つけた運命の恋。
会社員のダレンは、αであることにプレッシャーを感じながら生きてきた。
ある日、帰宅途中に路地裏で苦しそうにうずくまっている日本人の青年・圭太と出会い、助けを求められる。
しかし彼は、発情期真っ只中のΩだった!
一文無しで抑制剤もない圭太を連れ帰り、必死に看病したダレンだったが、翌朝、目覚めた彼に「お礼がしたい」と体の関係を求められ──…。
美しい日本人旅行者の彼には、どうやらこの国を訪れた理由があるようで…?

Ω嫌いのエリート《アメリカ人α》×番を解消された《日本人Ω》の、 愛と癒しに満ちたオメガバース。

作品情報

作品名
テイクミーホーム
著者
m:m 
媒体
漫画(コミック)
出版社
三交社
レーベル
Charles Comics
発売日
電子発売日
ISBN
9784815501594
3.9

(95)

(33)

萌々

(36)

(20)

中立

(2)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
11
得点
371
評価数
95
平均
3.9 / 5
神率
34.7%

レビュー投稿数11

素敵。

初読みの作家さんでした。

ほのぼの温かそうな雰囲気の表紙は本編の数年後なのでしょうね。

作中はわりとダレンは圭太に厳しめな部分があったり、オメガバースならではの重い事情もあったりして
表紙からのイメージとはだいぶ違う作品だな、という印象でした。

とはいえ、出会った当初の険悪ともいえるような関係から
徐々に心を通わせてお互いに求め合うまでの日々はとても温かなものだったし
辛かった過去ごと乗り越えたふたりの想いには感動もありました。

圭太のことを「ドブネズミ」と呼んだダレンが
心を重ねて「綺麗な生き物」と愛おしそうに見つめる日が来るなんて、本人も思わなかったでしょうね。
空港でのハグ、とっても素敵でした。

4

ジワジワ来る作品

オメガバとしては派手さの無い実直なお話だったと思いました。
それ故にジワジワと来るヒューマンドラマだったと思います。

ダレンと圭太が心を通わせて行く過程が良かったし、お互いが掛け替えの無い存在になって行くのが自然で素敵でした。

圭太の過去も悲しいけどダレンの過去の方が痛々しくて、出会うべき2人だったんでしょうね。こういうお話大好きです。

ビザの関係で一時帰国するエピソードも良かったです。帰宅した圭太を暖かく迎える家族にジンと来ました。

また描き下ろしの圭太の実家に挨拶に来たダレンに、圭太への思いを話す家族にホロリと来ました。とても素敵な家族でした。


同時収録作はおじさんCP好きな方には堪らない作品だと思いました。

1

あらすじのキーワード通りなのですが

カバーイラストと、あらすじの「海をこえて」「言葉も通じない」のキーワードに惹かれて購入。
でも、うーん…ちょっと想像していたお話とは違っていたかもしれません。

αであることに苦悩するアメリカ人と、とあることから日本からアメリカへとやってきたワケありの日本人Ωの組み合わせのお話。
攻めであるダレン視点をメインに進んでいく今作。
なんだかんだで面倒見が良いというか、お人好しというか。どんどんケイタにほだされていきながら、ヤケクソのように人間臭く変化していくダレンは好きだったんです。可愛い人だなと思う。
ただ、ケイタのバックボーンもオメガバースならではのしんどいもの・悲しいものなのだと理解は出来ても、その後の行動がどうにも苦手なもので…最後まで好感度がなかなか上がらないままでした。
1番好きなキャラクターはケイタのおばあちゃんでした。

悲しみを抱えた者同士が近付いていく様子や心理描写はすごく丁寧で良かったのですけれど、これはオメガバースじゃなくても良かったんじゃないかなと。
言葉が通じない2人のお話がどう進んでいくのかを楽しみにしていたので、言葉を教えるシーンは可愛らしかったものの、あっという間に問題なくやり取りができるようになってしまったのがちょっと惜しい。
個人的にはですが、もう少し意思疎通が難しい状態のままだった方が面白かったかも?なんて。

1

しがらみのない まっさらな愛は こんなにもうつくしい

じわりじわりと浸透してくる読み心地でした。
読み終えた後に心に残るのはほんわかとした温かさ。
オメガバース作品ならではの切なさを描き、
運命的な出会いによって救済される男たちの愛の物語でした。

αで会社員のダレンは、過去のトラウマから
他人と距離を置くようにして生きてきました。

ある日、会社帰りに路地裏で蹲る日本人青年を見つけます。
その青年・圭太はΩで運悪く発情中で、
ダレンに助けを求めると意識を失ってしまいます。

Ω嫌いなくせに、本当はお人好しのダレンは
圭太を捨ておくこともできず、家に連れ帰り看病します。

そして、その出来事をきっかけに国籍も言語も性別も違う、
心に傷を負ったダレンと圭太の二人暮らしが始まります。

β家庭に生まれたΩとして、家族の期待を背負ってαに嫁ぐも
不妊が原因でパートナーから番を解消されてしまった圭太。

幼い頃からΩとしての役割を自らに課し生きてきたため、
離縁されたことで自分の存在価値を見失ってしまいます。

自分だって傷ついているのに、圭太が思いやるのは元夫や
家族のことばかりで、自分がちゃんと愛されていたことに気が付けず、
“役立たず”と自分自身を貶めてしまう姿が健気で、不憫でした。

そして、居場所を失い、絶望した圭太が故郷を離れ、
向かった先はアメリカでした。

そこで出会ったのが一見高慢そうで、実は世話焼きで繊細なダレンでした。
彼もまた不幸な過が原因で誰のことも愛せない苦しみを抱える人間でした。

幼い頃からαとして勝手に役割を押し付けられ、利用され、
傷ついても誰からも顧みられない孤独を抱えてきたダレン。

育ってきた環境のせいで、利害抜きに純粋な愛情だけで
人と寄り添えることを知らない点や性別ではなく一人の人間として、
ありのままの自分を必要とされたい欲求を抱えている点では
二人は似た者同士なのかも。

そんなダレンと圭太が同じ時を過ごし、寂しさを埋め合うように
少しずつ想いを通わせてゆく日々がいとおしかったです。

生産的だとか非生産的だとかそんなものは関係なく、
心が欲するままに求め合うセックスは「愛の営み」という言葉が
しっくりくるようなあたたかさが溢れていました。
しがらみのない、まっさらな愛はこんなにも美しいんですね。

トラウマから怖々と触れながらも圭太の美しさに見惚れ、
欲情し、夢中になって抱くダレンが可愛かったです。

居場所のなかった二人が見つけた心安らぐ“マイホーム”。
最後の「ただいま」と「おかえり」がもたらす優しさに胸がぎゅっとなりました。

書き下ろしは後日、圭太の実家にやってきたダレンのお話。
恋人の実家で大きな図体でどこか所在なさげな姿が可愛らしいです♪
おばあちゃんとダレンの圭太への愛のこもった“約束”が沁みました…(泣)

二人が結ばれるまでが丁寧に描かれていたのは
とても良かったのですが、その後のイチャイチャが少々物足りず。
贅沢を言うと、二人のこれからの甘い生活をもう少し覗き見したかった…

同時収録の『ハウトウキャッチアスター』
『ハウトウキャッチアスター ~The light of my life~』は
40代と50代のおじさんたちの情熱的な恋を描いたお話でした。

幼い頃、当時高校生で飛び込みのスター選手だった
アビエル・ハーマンに心を奪われたトム少年。

時は流れ、30数年後。
髭モジャでタトゥーだらけのおっさんになったトムは
偶然憧れのアビーと再会を果たします。
年甲斐もなく、人懐こい犬のようにアビーを追い回し、
情熱をぶつけるもそっけなく躱されてしまい…

個人的にトムは胸毛までモジャモジャしてそうと思い込んでいました(笑)
アビーは若き日の美青年がそのまま年を重ね、上品な初老になっていました。

友人でも知人でもなく、ずっと近くにいたわけでもなく、
ただの憧れの相手に幼い頃に抱いた熱を大人になっても
30年間近くも持続させ続けるって中々できませんよね。
そういう意味でトムってすごい…

最後は仕事も家族も投げ打って、恋人を選ぶという
ロマンチックなラストに胸熱でした。まるで映画みたい!
カバー下ではレアなアビーのヤキモチが見れます♪

4

世界で一番落ち着ける場所

初初めて読んだm:m先生の作品です。

こちらは、表題作の他に『ハウトウキャッチアスター』が同時収録されています。

オメガバース設定です。
アメリカ人 ダレン・ブラッド(α)と日本人 根住 圭太(Ω)のお話。

会社員のダレンは優秀なαでありながら、必要以上に他人と距離を取っていました。
それは、ある雨の日。
膨大な量の仕事をあっという間に片付け、帰宅するために駐車場へ向かったダレン。
降り頻る雨の匂いに交じって香り立つ甘い香り――
ダレンが匂いのする方へ歩いて行くと人が路地にうずくまっていました。
それは、発情中の男性Ω!
たじろぐダレンに男性は「へるぷみー…」と告げて倒れてしまい…。

m:m先生の繊細な絵柄が物語の優しさとせつなさを引き立たせています。
そして、2人が抱える辛くて悲しい過去を回想シーンに取り入れながら、バッググラウンドをさらに深いものにしていました。
国籍は違う、言葉が通じない、バース性も異なる…普通なら出会うはずがなかった2人が生活を共にしながら心を通わせていく。
出会うはずがなかったのではなく、出会うべくして出会ったのでしょう。

心身ともに傷ついた圭太はある目的でアメリカに渡りました。
しかし、圭太は日本人を狙った詐欺に遭い、鞄も失くし、お金がなくなってしまいます。
途方に暮れる圭太でしたが現地に住む日本人から声を掛けられ、Ωである自分の身体に価値があると気が付きました。
その後は、衣食住を与えてくれる相手を求めて転々とする日々…ダレンもその一人のはずだったのですが…。
一方、αのダレンもある事情で過去の自分を含め周りも蔑んで避けていました。
ところが、無防備な圭太を見捨てられず意思とは反して助けることに。
圭太と暮らすようになり最初は言葉が通じず苛立っていたダレンですが、自分の甘えに気が付き圭太と向き合います。

形は違うけれど心が傷モノの2人。
本当は誰よりも優しくて思いやりがあるのです。
だからこそ、自分のせいで誰かが悲しむのは耐えられない。
2人がそれぞれ過去を明かした時、性別を超えた「価値」がそこにあることを感じます。

誰もが完璧じゃない。
不完全な者同士が互いを補完するように求める愛。
人は心のどこかで誰かに必要とされたいと願っています。
オメガバースの世界観だけではなく、それは全てに通じる愛のカタチだと思いました。
運命を自分達で選んだ2人がどうか幸せになりますように。
最後は髪を切り首の傷を隠すことなく前向きだった圭太が印象的でした。

描き下しは、本編のその後のお話です。
圭太の両親に挨拶するため実家を訪れたダレン。
外国人のダレンに焦る圭太の両親は…。

同時収録
『ハウトウキャッチアスター』
『ハウトウキャッチアスター ~The light of my life~』
経営者 トーマス・ダンストンと会社員 アビエル・ハーマンのお話。
1984年、高校生で飛び込みのスター選手 アビーの競技を見て一目惚れした幼い日のトム。
2度目にアビーに会ったのは31年後のタトゥーショップで…。
偶然会ったトムがアビーを忘れられず、その後3年間も探して「たまたま」見つけました。
あの頃、流星のように輝いていたアビーが地上に落ちて石ころになってしまっても、トムには永遠にスターなのです。
全てを捨ててもアビーを探し続けるトムとトムの将来のために自ら行方を晦ましたアビー。
執着愛の果てに見つけたものとは?
カバー下も必見ですよ~。

世界で一番落ち着ける場所――それは、君のとなり
表題作も同時収録作も静かに優心に響く素敵なストーリーです。
単巻ではないのですが、丁寧な心理描写で上手にまとめられていて読み応えがありました。
どちらの作品もエロ薄めでコマ数も少ないのですが、愛が溢れているのが伝わります。

気になっている方は、ぜひご覧いただくことをおすすめします。

6

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