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初読み作家様。義父の情夫というキャラクターから退廃的な物語を想像し、きっと好みの作品だろうと思いながらもずっと積んでいました。とうとう読んだのでレビューしてみます。
(下巻は未読でのレビューです)
まずキャラデザが繊細で美しいです。特に長髪美人の環が素敵です♡
大正という時代設定も好きです。
幼い頃に金持ちの義父に拾われ、成長して情夫になる、という背徳的な設定も嫌いじゃないです。また従者×主人という設定も好きです。
というわけで、好きな要素の多い作品と思ったのですが、一読してあまり萌えを感じない自分がいて、なぜだろうと再読して考えてみました。
①まず、攻めの芳野と受けの伊月ですが、二人とも黒髪で髪型が似ている上、年齢は違えど二人とも美人寄り。伊月が成長したら芳野みたいになりそうなほど似ていると感じました。そこがまず自分には刺さらないみたいです。もうちょっと外見が違っていて、また攻めにもう少し雄味が欲しいところでした…。
②それから芳野のキャラクターなんですが、かつて当主の環に拾われて現在は従者なのに、時々環に反抗して従者らしからぬ言動をする(睨みつける、乱暴な言葉遣いで反抗的な態度など)。
しかし従者なのであれば、当て馬の環にも徹底して従者らしい態度を貫いて欲しい。そうでないと従者なのに当主の情夫に惹かれてしまうという背徳感が薄れ、主従萌えの魅力が半減すると感じました。
以上の二点から、芳野×伊月カプに対する萌えを感じにくくて、従者×主人の情夫の禁断の恋、しかも両片想いという素敵なシチュエーションにも関わらず、いまいちストーリーに入り込めませんでした。とても残念です…。
とはいえ終盤の、芳野と伊月が腹を割って話をし、お互いに本音を吐き出して、とうとう想いが通じ合うシーンは、一生懸命な二人が可愛くてなかなか良きでした♡
ラスト、環に隠す気ゼロの二人に「おーい」と言う環には、ちょっと笑ってしまいましたw
芳野×伊月よりも、結城子爵×環に大変そそられましたので、おそらく下巻で描かれるようなので、読むのが楽しみです。
⚠︎地雷注意⚠︎
今さらですが、伊月がモブにガッツリ陵辱されるシーンがありますので、一応書いておきます。
電子(ebj) 白抜き修正(竹書房なので。白抜きの周りはケバゲバなので、紙とRentaはぐしゃぐしゃ塗りの良修正と推測されます)
歪な環境でなんとか生きてる2人が痛々しいというか。ご主人様に拾われたのが2人とも幸運か不運か。
BLを読んでてなんですが、こういう理不尽調教もの?性奴隷みたいなのが苦手なんです。なら読むな!なんですが。
お互い好きなのに言えない、ひどい目にあってるのを守ることもできない。辛いですねえ。
これはハッピーエンドに繋がるのでしょうか?
破滅へ向かってるような気がします。ならどうやって挽回するか?うーん、打開策がわからない。
ご主人様もあの子爵と過去に何かあるようだし、そこが鍵なのかな?
表紙に惹かれて購入
絵がとても綺麗で作品の世界観とマッチしている。
登場人物3人(4人)の感情が入り交じっていく
想い合っているはずなのに、この時代特有の身分差などから伝え合うことができないのがとても切ない
色々なすれ違いを経て2人は結ばれるものの、更なる壁が2人の前に立ち塞がる
下巻もとても良いので是非読んで頂きたい
個人的には環さんがめちゃくちゃ性癖でして。
そんな彼のメイン回は次巻になります
下巻読んでから、上巻に戻るというのもまた一興ですな
メインCPがありますが、受けが他の男に抱かれる描写が多々あります。
特にモブおじとの描写があるので、苦手な方はご注意を。
元々表紙の美しさに惹かれて気になっていたのですが、上巻帯の「好いているだなんて口にはできず、ただひっそりと愛を注ぐことしかできないのです。」という言葉にとてつもなく惹かれ、購入しました。
上巻では主に義父に体を売る養子の伊月、伊月に使える付き人の芳野、伊月の義父で主人の環が、下巻ではそこに環の因縁の相手である結城を加えた4人の心情が複雑に絡み合います。
個人的に4人の中で一番感情移入してしまったのが芳野でした。
元々伊月と同じように旦那さまに拾ってもらった身なので、昔の醜かった自分を見ているようで伊月にきつく当たることもありました(言ってしまえば同族嫌悪)。
そんな芳野でしたが、伊月がこんな自分にも感謝をし、信頼してくれているという嬉しさや、自分の力で事を動かそうとする強かさに惹かれていきます。
しかし、伊月は旦那さまに体を売っています。
伊月が旦那さまに酷いことをされてボロボロになった姿を見たり、見知らぬ男に壊される姿を見たりした時の芳野の表情が…
本当は伊月が自分以外の誰かに抱かれているところを見たくない、と思う芳野ですが、当然そんなことを口に出せない。でも伊月を守りたい。ともがく芳野の姿は鳥肌ものでした。
また、この漫画はモノローグよりも表情でキャラクターの感情を語ります。
大好きな人にこんな姿を見せたくない、でも自分にこれ以外出来ることはない、と自分を嫌う伊月、
大好きな人の前では泣きそうな顔、怒った顔、笑顔…と様々な顔を見せるのに、その大好きな人を傷つける人には冷酷な顔しか見せない芳野、
大好きな人が自分から離れていくのが怖くて酷いことをしてしまうけど、本当は大好きな人の幸せを心から願っている環、
大好きな人を想うあまりどんどん「酷いやつ」になっていく結城。
それぞれの想いが交錯する、圧巻のストーリーでした。
肉体的にも精神的にも痛々しいシーンが多い作品ですが、それすらも美しい。
タイトルに「踊る」とあり、上巻下巻それぞれダンスしているそれぞれのカップルが表紙になっていますが、作中でもダンスシーンが何度かあります。
一回目は、伊月が月明かりの中芳野を想って一人でワルツを踊るシーン。
二回目は、想いを通じ合わせた伊月と芳野がパーティーで幸せそうに踊るシーン。
三回目は、足が不自由な環を「足を踏んでも構わないから」と結城が誘って踊るシーン。
このダンスシーンもそれぞれの気持ちが伝わってきて、とても美しい大好きなシーンです。
最初から最後まで作画もとても綺麗でしたし、個人的には文句のつけどころがない。
間違いなく人生で出会った中で「一番」の作品です。
ストーリー、絵、ページのコマ割り、キャラクター、セリフなどなど、すべてが魅力的な作品でした!
主従関係ってだけでも萌え要素なのに、受けが攻めの抱っこが嬉しくて足が悪いふりをし続けていたり、攻めが受けに酷いことをした奴の指を銃で吹き飛ばすなどなど受けをかなり好きなところだったり、萌えるなっていうのが無理なくらい萌えました。
上巻の終わり方もいいです。紆余曲折あって、心も体も結ばれて、幸せそうに抱き合ってる寝ている場面を、情夫として体の関係がある受けの義父にその場面を見られて、下巻に続くというふうに本編が終わります。
はじまりから終わりまで、何もかもが完璧な作品だなと思いました!
