電子限定描き下ろし漫画付き
新作かと勘違いしてましたが、商業デビュー作だったんですね。
確かに絵もちょっと違うし、ストーリーも言われれば荒いような気もする。
2作品収録です。
「はやとちりは埒があかない?」
小さな出来事を、自分のことが好きなんじゃないか?と結びつけてはやとちり。
自分だけ意識してグルグルする叶。
一方全く恋愛的な好意は抱いてなかったはずの武者小路は、今までの友人関係を続けたい気持ちを「多分好きなんじゃねーかな」と…
超絶展開系?ですかね…
ただ、武者小路はすごく淡々とした人で、この人がこう言うのならこういうのもアリなのかな、という感じで読んでしまう。
その後はテンション高めの叶との温度差によるすれ違いとか、チャラい当て馬登場とか、言ってみれば王道的でもある。
ラストはもしやリバる⁇と期待しちゃったんだけど…無かったね。
「一途なお前はタチが悪い」
これはどんどん怖くなっていくお話。
なんか…私は笑えません。
はじめはね?ストーカー君も可愛い感じがあったんだけどね?
全く話を聞かないイッちゃった目つき。異常者ですよ…
甲斐さん…取り込まれちゃいましたね。コワイコワイ。
表題作は、普通に同僚だった相手を、勘違いと思い込みで好きになって、ドタバタと独り相撲した挙句すれ違ったりするけど、ちゃんと話したらお互いに思いが通じて、結果、両思いになる話で、こっちはちゃんとハッピーエンドだと納得できたから結構面白かった。
でも、同録作の方は、怖すぎた。
パッと見たところは、絵がきれいだし、ドタバタしたギャグみたいにも見えるんだけど、この話の通じないストーカー、怖すぎ。
最悪な恐怖は笑顔でやって来て、逃げられるはずと思っていたのに、もう、絶対無理なの。
動悸するほど怖かった。
久々に、トラウマレベルで怖い攻めにぶち当たっちゃったな。
ストーリーは好き好きあるでしょうけれど、漫画レベルがデビュー作とは!ってビックリしました。稚拙感無いです。
他の作品同様心の声描写が凄く面白いですよね。
皆さん書かれているように、後半のお話の攻めのぶっ飛び具合は確かに凄いです。
S井先生の初期2作品をまとめたボリュームのある一冊。
今と比べると少し絵のタッチが違いますが、お話しはテンポがよく楽しく読めました。
表題作「はやとちりは埒があかない?」
武者小路の無自覚世話焼き…。
あんな自然に甲斐甲斐しく世話を焼いてもらったらそりゃはやとちりもするし、勘違いしちゃうのも仕方がないよなあ…、という言動と行動でした。
はやとちりからのスタートですが、喧嘩もしつつなんだかんだすんなりと安定カップルに落ち着きそうなふたり。
ちょっかいをかけてくるチャラおじ先生がいますが、それもいいスパイスになりそうです。
叶の下ろした時の髪は私も好きですけど、あの髪型とピアス、病院的にOKなの?と、ちょっと不思議に思ってしまいました。
同時収録「一途なお前はタチが悪い」
ズレポジティブで話し通じない系全力ストーカーの平につきまとわれる甲斐。
平がなりふり構わずとにかく甲斐にぶつかっていくので、嫌がる甲斐とどちらが正しいのかちょっとわからなくなっちゃうという謎のマジックにかかりました(笑)
キスしたら諦める、なんて…、ねえ〜?(絶対それ以上する)。
平が普段はキラキラわんこなのにちょいちょいキマっちゃってる目をするので、あ、この人ガチだなって感じで面白かったです。
自らのダメ人生に辟易していた甲斐ですが、甲斐がいれば幸せだと熱く語る平の姿を見て、自分が平のそんな存在になるならいいのか?、と妙な納得をしたようなしないような…、というラスト。
描き下ろしやカバー下のおまけ漫画は今のS井先生のタッチで描かれていて、どちらの絵も楽しめてよかったです。
「無自覚ラブファクター」以前の商業デビュー作を一冊ににまとめたのがこちらのコミックスのようです。
こちらの本には2作品収録されていました。
S井ミツル先生は勢いがあるのが特徴の作風ですが、こちらの2作品も荒削りながら一気に引き込まれました。
まず表題作の「はやとちりは埒があかない?」ですが、叶の勘違いから始まる恋が成就するまでが見事な展開なのです。
私だって武者小路は叶のことが好きだと思ってしまいましたから。罪深い男です。www
当て馬整形外科医にはちょっとイラッとしましたが、これからも叶は武者小路の尻に敷かれながらも幸せになるのだと思いました。
そして妙な迫力のあった「一途なお前はタチが悪い」ですが、ストーカー男の平の表情がたまに怖くて、追い詰められる甲斐が不憫に思いました。
話の通じない相手って怖いですね。
でも結局は絆されてしまうのだと思わせるような最後でした。