私のことだけは貴方の中に入れて欲しいな

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腹黒甘やかし王子は女装悪役令嬢を攻略中

haraguro amayakashi ouji wa josou akuyaku reijo wo kouryakuchu

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表題作腹黒甘やかし王子は女装悪役令嬢を攻略中

アルベリク,ゲームの攻略キャラで完全無欠王子
クロード・フロリアン・ド・ルグラン,隠し攻略キャラで女装悪役令嬢

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

すっ転んだ拍子に、日本人大学生だった前世を思い出したクロード。同時にここが姉の好きだった乙女ゲームの世界で、自分が隠し攻略キャラクターの女装悪役令嬢であることを自覚。まさに青天の霹靂状態に。前世の記憶を頼りに女装解除を目指すが、攻略対象キャラクターの王子アルベリクと急接近。なぜか次々アルベリクとの恋愛イベントが発生してしまい……!? 最強スパダリ王子×転生美形悪役令息(?)の恋の攻略ゲーム、スタート!

作品情報

作品名
腹黒甘やかし王子は女装悪役令嬢を攻略中
著者
切江真琴 
イラスト
林マキ 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
クロスノベルス
発売日
電子発売日
ISBN
9784773060782
3.8

(40)

(11)

萌々

(18)

(6)

中立

(3)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
10
得点
148
評価数
40
平均
3.8 / 5
神率
27.5%

レビュー投稿数10

異色作だけれど

最近よく耳にするものの、普段あまり馴染みのなかった悪役令嬢。かつての自分がプレイしていたゲーム内への転生ものでもあり、令嬢ならぬ女装をしている悪役令息もの…と、タイトルの長さと盛りに盛られた設定の数々にやや戸惑いました。わ、わからん…
切江先生のお話は好きなのですが、今回はちょっぴり日和りながら読み進めてみたところ、ああなるほどそういうことかと納得。
切り口は斬新なのですけれど、描かれているのは切江先生らしいドタバタラブコメディでした。

ふとした出来事から、ここではないどこかで生きていた前世の記憶が蘇ってしまった受けのクロード。
前世の自分がプレイしていたゲーム内の出来事の記憶を頼りに、ヒロインキャラクターと攻め・アルベリクの恋愛成就を目指してあれこれと動こうとしますが…これがまあ見当違いで面白くてですね。
クロードが一生懸命動けば動くほど上手くいっているようでいかない上に、根が良い子すぎて悪役になりきれない姿に笑ってしまいます。

こちらの作品。クロード視点でわあわあと賑やかに進むお話の合間に、アルベリク視点が入ってくるのがミソかなと思います。
何しろアルベリクの想い人は他ならぬクロードなものですから。
タイトルに腹黒とありますが、これはどうでしょう…アルベリクは腹黒とは少し違うのではないかなあ。重ため感情持ちの一途な王子様という印象でした。
強い執着は感じますが、これがまた良い味を出していて2人の噛み合わなさが楽しめるポイントのひとつかなと。

と、面白くなかったわけではないのですけれど、大ハマりも出来なかったのが悔やまれます。
うーん。テンションの高さに途中途中着いて行けなかったのか、悪役令嬢ものに馴染みがなかったからなのか、少々読了に時間がかかってしまいました。
おそらく、メインに描かれているヒロインとくっつけちゃおう作戦と攻めと受け2人の恋愛面の比率が私の中ではバランスが良くは感じられなかったのかもしれません。色気のあるシーンは盛り上がるはずなのに、温度差がすごくて萌えられませんでした。
女装姿のクローディアではなく変装をしたクロードとして、同じく変装をしたエリックことアルベリクと一緒に夜の街でパンを食べたり麺を食べたりする何気ない姿の方がかわいらしくて好みだったかななんて。
中立と迷い、攻め視点の執着が良かったのでこちらの評価になりました。
もっとストレートで分かりやすい設定だったら入り込めたのかも。

2

悪役令嬢になりきれない主人公が天然可愛い♡

【乙女ゲームの悪役令嬢の正体は美少年で、そのキャラクターに転生⁉︎】と言う、異世界転生×女装の盛りに盛った設定が斬新で面白かったです!

日本に住む至って普通の男子大学生が乙女ゲームの美しすぎる女装悪役令嬢・クロードに転生!
美しい見た目と平凡な中見のギャップが面白く、ゲームの筋書き通り"悪役令嬢"を演じたいのになりきれない、はわわ系主人公が可愛くて笑えます。

攻めの王子・アルベリクは腹黒と言うより「執着攻め」な印象で、≪嫉妬深い!一途!受け溺愛で受け以外はどうでも良い!≫って感じの愛情重めな攻め様でした。
受け攻め両視点で楽しめるので、アルベリクの溺愛&モンぺっぷりを存分に堪能!

全体的にコミカルな作風ですが、濡れ場が濃厚で嬉しい誤算でした!1回のエロに対しての濃さが凄い…!
普段は温厚で優しいアルベリクの意地悪な言葉責め&焦らしプレイが最高で、焦らされるクロードの心境にドキドキします♡

ただ、アルベリクは出会った頃からクロード溺愛なので、乙女ゲーム転生の醍醐味≪ヒロインに惹かれる本筋を爆破して、受け溺愛になる≫葛藤や過程を味わう事が出来ず少しだけ残念。
ゲームの筋書き通りにする為、アルベリクとヒロインのCP成就を目論むクロードですが、2人の距離感が近づく度にモヤモヤしてしまう天然&鈍さが可愛くて、思わずニヤけました。

主役2人だけでなく、脇を固めるサブキャラ達も個性的でコミカル&テンポ良く最後まで飽きる事なく楽しめました!
大勢のキャラクター達とワイワイ楽しめる、明るいラブコメBLがお好きな方に是非!

▶︎Kindle/Amazon限定版はアルベリクの従兄弟・ラウルがクロードの弟・マリウスにちょっかいかけるお話。えっ…まさかのサブCP…⁉︎

0

タマゴが先か鶏が先かの異世界転生


悪役令嬢(女装あり)かつ攻略対象に転生した受けの奮闘


廊下で滑った拍子に自分が生前姉にやらされていた乙女ゲームの悪役令嬢に転生していることに気付いたクロード(受け)。
クロードは女装悪役令嬢で隠し攻略対象も兼ねているという色物設定。
乙女ゲームのヒロイン・アリスを自分の娘と豪語しするクロードは推しの攻略対象で王太子のアルベルト(攻め)とくっつけようと画策します。
入学式で婚約者のいる女性に一目ぼれされたせいで決闘騒ぎになり、うんざりして女装して自分の美しい顔を封印しているクロードは
前世の記憶が戻ったことで早々に女装を辞めたいと思うも、アリスが美しい自分に惚れると困るということで二人をくっつけてから女装を解除しようと奮闘するのです。


いつも楽しいお話を書いて下さる作者さまなので作者買いです。
今回もめっちゃ楽しい話でした。
設定がまた面白い。異世界転生の話はいろいろな話を読んできましたが、悪役令嬢と攻略対象を兼務する話は初めてでした。

要所要所でアルベルト視点が入るので、二人のすれ違う想いがまた楽しかったです。
そして、攻略対象たち皆がクロードに振り回されてる感じがすごく楽しい。
特に、美しい兄に抱き着かれおろおろしてごまかすためにツンツンしてしまう弟のマリウスには同情を禁じ得ない。


そして、応援しているアリスとアルベルトが一緒にいるところを嫉妬するのに、嫉妬する相手を間違えるというポンコツぶりも笑えます。



酷い悪人はおらず、読んでいて常ににやにやするたのしい話でとても面白かったです。
年に一度選ばれる「光の乙女」という異世界(前世の世界)と繋がっていて、微妙につながっているといるので、いつかクロードが読み損ねた話の続きが読める日がくるといいですね。

2

設定モリモリ!

姉のために乙女ゲームを攻略した主人公がそのゲームの中に転生しちゃうお話です。

しかも自分も攻略キャラ·クロードで意地悪女装令嬢役というプレイヤーを虐めてしまうキャラで。

プレイヤーのアリスは娘も同然、誰と結ばれるといいか考えるのも楽しかったです。
あいつはダメだとか、やはり推しのアルだな!スチル見てみたいー!って。

王子様のアルがなんだかもう丸わかりに好意ダダ漏れなのにクロードだけが気が付かない。
鈍感で面白くてツッコミが冴えわたるいい主人公です。

やっぱりイベントやキャラ設定がどんどん変わっていったり、前世の世界と似てる部分があったり。

庶民の格好で夜の街歩きもとても楽しかったです。

いつも弟が伝書鳩を!!

そして攻略キャラの別の顔やら、萌え女子隊やら、アリスのキャラとか、もう細部まで隙きの無い盛り盛り設定。

とっても面白いんですが、王子が腹黒か?と言えばうーん。確かにクロードを悪い虫がつかないよう女装させ身辺をさぐり、嫉妬と独占欲の塊ですが。

途中まではクロードの鈍さや胸のモヤモヤの思い違いもあったり、これ本当に結ばれるのかな?クロードは全然乙女じゃないし、「最押しのアル」と愛娘アリスのスチルが見たいとか…。

エッチもええ?クロードいいの?とドンドン盛り上がっていって。

面白いのになかなか読むのに時間がかかりました。

ラウルや弟や近侍も面白かったです。

3

タイトルとあらすじにぎょっとした!

当方。
乙女ゲーム・未プレイ。悪役令嬢・最近よく目につくけどよくわからん。
ゲームキャラに転生・なにそれ意味わからん!

という状態でしたが切江さんの作品だから、ということでいざ購入。

最初は困惑しました。自分(受け・クロード)がプレイしたゲームなのに、前世を思い出してフラグの立て方やストーリー、人物設定を知っているはずなのに齟齬があるのは何故なのかと。
でも読みすすめるうちに物事をシンプルに見てみると、実に切江さんの安定したストーリー運びでした。

攻めのアルベリク(アル)視点があるので最初から受けへの気持ちや正体はバレてるし、
受けはやはり思考が明後日の方向へいくちょっと天然入ってるし。

悪役令嬢に転生モノってそういう意味だったのねと勉強になったのは大きい。
……多分。

本来のヒロインのアリスは誰とフラグが立つのか。これもすぐに判りました。
ゲームイベントの説明やアリスとアルをくっけよう! との無駄な奮闘が長くて、肝心の恋愛はスローペースですが、ここで効いてくるのが時々入る、アル視点。

これがなかったら萌が一つ減っていたかも。一途執着攻め大好きです。

そして齟齬もしっかり回収され、納得いきました。
そういや伏線ちゃんとあったわ。

口絵のデフォルメキャラ達もすごく可愛い!

3

細かいことは考えず、ノリで楽しみました(*^^*)

悪役令嬢モノ、今作は女装令嬢だけど、こんな風なお話なのか〜と楽しく読ませてもらいました。


受け様は、転んだ時に乙女ゲームにハマっていた大学生だった時の前世の記憶がよみがえったクロード。
今の自分は、前世で攻略していた乙女ゲームの中の女装悪役令嬢だなんて!!(@_@)

そんなパニック中のクロードを助け起こしてくれたのが、攻め様であるアルベリク王子(*≧∀≦*)
乙女ゲームの中では一番のお気に入りだったキャラが目の前に!
深く考えることなく、全てを受け入れているクロード。
前向きというか、少々おバカさんというか‥(*´ω`*)


アルベリク王子は、まさに正統派王子様って感じ。
ちょいちょいアルベリク視点も入るので、アルベリクがクロードを好きで、お近づきになれたことを喜んでいる姿はとてもかわいかったです。


乙女ゲームのヒロイン、アリスと推しのアルベリクをくっつけるため、クロードはイベントに沿って攻略しようと画策するのに、うまい具合にうまくいかない。

アリスの幸せを願っているから、悪役令嬢らしくイジワルをするのが難しい。
自らぎゃふんに陥るクロードが、おもしろかわいかったです。


そして、わかりやすく嫉妬や独占欲を醸し出すアルベリクもよかった( ☆∀☆)
ひたすらクロードだけに甘い言葉や視線をくりだすアルベリクに、にやにやです。


えちシーンはラスト1回だけでしたが、またなんとも情熱的というか、クロード素直すぎですわ(///∇///)


ゲームキャラに転生、というシチュエーションに慣れてないせいか、時々、ん!?ってなって入りきれなかったりしたのですが、クロードみたいに難しい事は考えず、ただただ楽しめばいいか、と楽しく読みました(^-^)/


イラストは林マキ先生。
美しく楽しいイラスト満載でした。
特に口絵のちびキャラ達のイラストがかわいらしかったです。

4

ゲーム世界が現実になりました

今回は乙女ゲームの攻略キャラである王子と
隠し攻略キャラである女性装する侯爵令息のお話です。

乙女ゲームの世界に転生した受様が攻様に攻略されるまで。

受様はとても見目麗しい侯爵令息で
13才の貴族学院入学時に婚約者のいる令嬢に詰め寄られ
婚約者から決闘を申し込まれるという事件に発展します。

その後、受様は
ある人物の助言を受け入れて女性装をするようになり、
日常生活を女性装で過ごしていますが

17才となったある日、
受様は学院の廊下で転んだことで
今とは全く違う世界で生きていた記憶を取り戻します。

受様の前世は21才で事故死した日本の大学生で
今世は前世の受様が姉の命令で攻略していた
乙女ゲームと全く同じ世界だったのです!!

しかも受様は乙女ゲームでは
隠しシナリオでしか登場しない攻略キャラで
ヒロインに絡んでいた悪役令嬢でありながら
実は女装した超イケメンキャラクター!?

件のキャラはゲーム内で
「美しい自分には女性装がに似合う」と言い放ち、
今現在の受様もバッチリ女性装なのです。

ひそかにパニクる受様に声を掛けてきた人物こそが
攻略キャラの一人にして前世の受様の最押しキャラである
今回の攻様となる完全無欠王子様でした♪

攻様はぼんやりしている受様を心配して
馬車で屋敷まで送り届けてくれるのですが
最押しキャラである攻様とともにいる事でドキドキ、
街の様子も初めててワクワクでしたが

前世の記憶が戻った今の受様には
女性装は黒歴史でしかなく、
男性装で過ごしたいと考えるようになります。

しかし美麗な自分が男性装をしたら
ヒロインが惚れてしまう可能性もあり、
受様はヒロインの相手を最押しキャラ攻様にすべく
策を巡らせる事にします。

ところが攻様が好意を抱いているのは
女装令嬢である受様その人で!?

果たして受様の計画は狙い通りに進むのか!?
ヒロインが、そして攻様が相手に選ぶのは誰なのか!?

本作はライトノベルズでは定番化している
異世界転生ファンタジーのBL版で

現代日本人だった受様は事故死したことで
やっていたゲーム世界の攻略キャラクターに転生、
攻様をヒロインの相手役に猛プッシュして
テンヤワンヤするドタバタラブコメディになります♪

ゲーム世界に転生したキャラはたいていが
ヒロインと対峙する悪役キャラや当て馬で
主人公達がしていたゲーム世界と同じだったり、
違っていたりするのが楽しいので

本作もタイトルを見ただけで
攻様である王子が「腹黒」で「甘やかし」
男性である受様が「女装」「悪役令嬢」と
どこをとっても萌ワードで発売を楽しみにしていました。

予想通り、とても面白かったです (^O^)/

前世の受様がプレイしていた乙女ゲームは
ヒロインの光の乙女が5人の貴公子を攻略するゲームです。

受様と攻様以外の攻略キャラは
学院内の青年舞台に在籍する受様の弟、
攻様の従兄弟である侯爵令息、王宮図書館司書の王弟と
なかなかな粒ぞろいです。

受様はヒロインと自分と彼らが親しくならない様に
攻様とヒロインの恋の成就を目指すのですが
攻様が気に入っているのは受様その人なので
受様の行為はあまり効果を発揮しません。

そして攻略キャラ以外にも
受様とともに攻様を押す乙女3人組や
街中で暗躍している義賊など楽しいキャラがいっぱいで

攻様が受様の心を得るまでハラハラ&ドキドキ、
とても楽しく読ませて頂きました♪

本作はほぼ受様視点で進むのですが
ちょくちょく攻視点で攻様事情が入り
2人のすれ違いぶりが読者には丸わかりなのも
ワクワクを盛り上げてくれました (^-^)v

3

あまあまゆるゆる

糖分補給には切江さん作品!
間違いないですね〜(*´◒`*)甘くて楽しかった♪

作品タイトルでピンとこられた方も多いと思います。きっと想像されたであろうままの作品です。ラノベ感といいますか、なろう系といいますか。
自分語りや自分ツッコミがありながらお話が進みますので、慣れるまではちょっと違和感や苦手意識もあるかも知れない文体であって構成。
しかし、慣れてしまうとこっちのものですよ♡楽しい作品でした。

悪役令嬢という文言にもどうぞ警戒なさらず。
主役ですもの。見るに耐えないような悪役キャラ…なんてことはもちろんなく、むしろ、優しくとても可愛いキャラ!
そして、物語りの舞台もとても優しい世界。作者さまいわく、ゆるゆる異世界。
同性同士の恋愛も厭わない世界です。
都合よすぎ?笑

腹黒甘やかし王子のアル×女装令息のクロードの恋愛はゆっくり進み、時々挟まれるアル視点の腹黒感情/行動が良い感じです。
ベタではありますが、クロードに接触する男性を見てはブリザード吹き荒ぶ空気出したり。
クロードは、にぶっ子なので、アルが普段見ない表情してる…ってくらいなもんで本当愛すべきゆるゆるな世界(`∇´)♡

設定モリモリかつ起こるイベントをこなしていくストーリーなので、恋愛面の進展はあとあとになってから。
残りページも少なくなって、もしやこのまま致さないパターンもあるのか!しかしそれもゆるい世界観に合っていて良いのかもと思っていたのですけども。気持ちが通じ合ったらすぐ致しちゃった!何回も。
エロくて、ゆるい世界観一瞬消えました(^O^)/


乙女ゲーした事ないけれど、なんだか楽しそうですね。
乙女ゲーをプレイされる方なら、あるある!ってなるストーリー展開もあるんじゃないかな。より楽しめそうです。
文章スタイルが大丈夫そうなら、ぜひぜひ♪

5

ライト

面白いかなと思って購入。想像したような内容でしたが、そんなに笑うこともなくさらっと読んでしまったので中立にしました。キャラがツボを突かなかったです。乙女ゲーが好きな人とかだったらいいのかも。本編230Pほど+あとがき。

廊下ですっころんだ瞬間に、21歳大学生で交通事故死したと思われる男性の記憶がどどっとあふれた侯爵家令息クロード(=クロディーヌ)。その押し寄せた記憶によると、今現在いる世界はどうやら乙女ゲームそっくりの設定な上、自分はそのゲームの中の悪役令嬢の役どころで・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
マリウス(受け弟)、ヴィクトール(攻め叔父)、ラウル(チャラ男)、アリス(男爵令嬢、乙女ゲーでは主人公)、オーバン(受け近侍)、その他貴族学園にいる貴族たち(主に♀)ぐらいかな。キャラは色々あるのだけど、ツボにはまった方がいなかったでした。

++攻め受けについて

攻めは腹黒というタイトルありますが、そーんなに腹黒とは感じず、ひたむきに受けを思い、いかにして手にいれるかを考え計画してこられた方という印象。それを腹黒というのか・・・?うーん?イケメンで王子なんで無敵なんだと思うのですが、めっちゃカッコいい!!!!と惚れるタイミングが無かったでした。

受けは記憶が流れ込んできてから、超ライトで自由人!になったのではと思います。食べ歩き行きたいといって夜にお出かけしてラーメン食べたりハンバーガー食べたりしてました。ゲームをやっていた時に入れ込んでいたキャラであるアリスを、なんとか良いところに嫁がせたいと頑張る良い子で、めっちゃキレイなためにナルシスト入っている方。面白くってもっとゲラゲラ笑ってもいいんじゃないかと思うのですけど、ふーんで終わってしまったんです。

キライな訳ではなく、好きな部類だろうと思うのですが、二人とも何かぐぐっと来るものがなくて、今一つハマれなかった一冊でした。ゲーム全くしないからかな。

7

主人公面白すぎー!

転生したら女装悪役令嬢だった!と言う、超ハッピーなドタバタ系ラブコメになります。
いやあ、常に予想外な行動に走る、ちょいアホだけど底抜けに明るくて前向きな主人公がいい味を出してますねぇ。
彼の斜め上っぷりに、終始笑いが止まらなかったですよ。
そんな彼に振り回されてる常識人って感じの攻めに、同情を禁じ得ないですよ。
や、受けの行動を深読みしても無駄だから!
そのままめちゃくちゃ単純明快だから。

ところで個人的に今、空前の異世界転生ブームでして。
中でも悪役令息ネタは大好物なので、めちゃくちゃ楽しみにしてたんですよね。
いや、細かい萌えを言わせて貰うなら、主人公は悪役令息じゃなくて悪役令息の義兄とかの方がいいんですけど。
えーと、ひょんな事から前世の記憶を取り戻した主人公が、ここがかつて読んだ物語の中で、更に自分の義弟が(将来の)悪役令息だと気付く。
そこで悲惨な未来を避けるべく、弟をこれでもかと可愛がって大切に育てる。
そんな労が実を結び、どこに出しても恥ずかしくない好青年に育った弟。
ただ、こんなに大きく立派になったのに、いつまでもお兄ちゃんっ子でスキンシップがやたら激しいのが困ったなぁ。的な。

まぁそんな感じで悪役令息ネタですが、将来の断罪を避けるべく主人公が行動を色々起こすと、何故かそれが悉く攻めとの恋愛フラグを立ててしまう結果になると言うのが面白さであり醍醐味であると言いますか。
今作もまさにそんな感じで、やる事なす事正反対の結果になって、アタフタしてる主人公にニヤニヤが止まらなかったりするんですよね。
ついでに、オチが激萌えだよ!と。

そんなワケで、悪役令息ネタに興味がある方はこれを機会にぜひ。
悪役令息はどうでもいい方も、可愛いしハッピーだし甘々だしでとても面白いので、ぜひ!

内容です。
転んで頭を打った拍子に、日本人大学生だった前世を思い出したクロード。
同時にここが乙女ゲームの中で、自分が隠し攻略キャラである女装悪役令嬢だと気付くんですね。
そこで、女装解除の未来とゲームの主人公プレイヤーキャラ・アリスの王子ルートを目指して行動を起こしますがー・・・と言うものです。

えーと、まずこちら、設定がだいぶ盛り盛りと言いますか、大渋滞と言いますか。
実はこの主人公プレイヤー・アリスといち推しキャラである王子・アルベリクとをくっつけよう!以外にも、私腹を肥やす悪徳貴族や商人ばかり狙う義賊の存在だったり、そもそも異世界転生に悪役令息の上に女装だったりと、結構複雑なんですよね。
複雑なんですけど、これがスラスラ読めちゃいまして。
そもそも、主人公である女装男子・クロードがかなり面白いキャラなんですよ。
えーと、彼はですね、「美しい自分には男ものより女性の衣装の方が似合う!」的なナルシストな理由で女装をしていた。
で、これが乙女ゲームの中だと気付くと、悪役令嬢としての役割を全うして、かわいい主人公と大好きな攻略キャラ・アルベリクをくっつけよう!と奮闘する。
ただね、彼はなんと言うか行動の予想がつかないと言いますか、思考が斜め上にズレてると言いますか。
その上やたら行動力があると言いますか。
そう、切江先生お得意の、天然前向き元気キャラなんですよね。
で、彼がグイグイお話を引っ張って行ってくれるので、ひたすら笑って萌えてとやってるうちに読み終わってしまう。

や、しつこいですが、彼が頑張れば頑張るほど、何故か狙った方向とは真逆に事が進んじゃうんですよ。
悪役令嬢として主人公を苛めるイベントを遂行しようとすれば、何故か仲良くなってしまってお昼を一緒に食べる
事に。
主人公とアルベリクが二人きりで過ごして親密度をあげるイベントでは、いつの間にか自分がアルベリクと二人きりでいい雰囲気になっちゃってる・・・てな具合で。
いやもう「何でだ!」とアタフタしてるクロードに笑えて仕方ないですよ。
てか、悪役をやるにはどう見てもお人好しすぎなんだよ!と。

またこちら、攻め受け両視点で進みます。
その為、最初からアルベリクにはクロードしか目に入ってない事。
そして彼がクロードにメロメロなのが読者には丸分かりなんですよね。
ついでに、クロードが夜に抜け出して街で出会った「エリック」なる存在と、義賊の正体まで。

これな、アルベリクと言うのはまさにキラキラの王子様。
そしてスパダリなんですよ。
こう、疑わしき状況でも、真っ直ぐクロードを信じてくれる。
彼は内心でクロードへの愛をいつも爆発させてくれてて、それにも萌えまくりなんですけど、要所要所でスパダリっぷりを見せつけてくれるのにもシビれちゃって。
また、彼がクロードに惚れてる理由がしっかり書かれてる為、この溺愛っぷりに説得力があるのも素敵で。
くっ、めちゃくちゃいい男だわと。

ちなみに、クロードは超鈍いんですけど、そんな彼がアルベリクへの恋を自覚して行く過程もとても自然で萌えまくりでした。
や、また思考を斜め上に暴走させるせいで、自覚はめちゃくちゃ遅いんですけど。
何でそっちに!?と、爆笑しちゃいましたよ。
ついでに、クロードがそんな感じなので、常に振り回されてる感のあるアルベリク。
彼は腹黒どころか至って常識人の苦労人だよな~と思っていたら、オチで分かるタイトルの意味。
ちょっ、そんな最初の最初から!?と。
この男、なんて恐ろしい・・・!
いやまぁ、こういう執着攻め大好きだけど!

最後になっちゃいましたが、エロは一回だけ。
ただし、かなり濃厚です。
アルベリクの責め方、ねちっこいんですよね。
爽やか王子様のはずが。
や、ヤツの本性はアレだったか。
これね、クロードのセリフがいちいち煽りまくりなのも理由だとは思うんですけど。
「言っちゃいけない事だったか!?」と、それのオンパレードだよ、クロード!

9

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