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さよなら、運命の人〈アルファ〉

sayonara unmei no alpha

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表題作さよなら、運命の人〈アルファ〉

アレクシス・ヴューラー
25歳,実業家,α
レオン・アーレンス
25歳,マヌカン,没落貴族のΩ

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

パリに住むΩのレオンは、学生時代の親友で片想いしていたアレクと7年ぶりに再会する。なぜかレオンが男娼だと誤解し、心配してくるアレク。卒業直前、別のΩと番になり会わないままだった彼を想い続けていたレオンは、思わず嘘をつき淫乱な男娼のふりをしてベッドへ誘う。もう彼に会うことはないと思っていたが、アレクは「またお前を抱きたい」と言い、二人は逢瀬を重ねていく。しかしその関係は長くは続かず…。

作品情報

作品名
さよなら、運命の人〈アルファ〉
著者
小中大豆 
イラスト
yoco 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784778132811
4

(120)

(54)

萌々

(39)

(14)

中立

(6)

趣味じゃない

(7)

レビュー数
23
得点
474
評価数
120
平均
4 / 5
神率
45%

レビュー投稿数23

切なくてドラマチックな運命

小中大豆先生の既刊作品は拝読させて頂き、今作も作家買いさせて頂きました。

個人的、各項目5段階で
擦れ違い 4
切なさ 4
甘さ 2
エロ 1
な感じだと思います。

アレクシスさん×レオンさんのカプです。

オメガのレオンさんは、衣服や装飾品を売るマヌカンとしてパリで働いていた。そんなある日、学生時代に片想いしていたアルファのアレクシスさんと7年ぶりに再会する。しかし、アレクシスさんはレオンさんが男娼だと勘違いし、レオンさんも勘違いさせたままアレクシスさんと身体を重ねてしまい…。

切ない!タイトルの雰囲気からも分かるように、今作は切なくてシリアスなオメガバース作品です。

物語り序盤は、オメガのレオンさんがパリでマヌカンとして働いている服飾店に訪れたアレクシスと再会し、片想いの相手だったこともあり、男娼と勘違いされたまま身体を繋げます。
一度だけ、こうなることを夢見ていた、などアレクシスさんに抱かれることを待ち望んでいたレオンさんの心情。もうこれだけでも切ないのに、物語りはアレクシスさんとレオンさんが親友として過ごした学生時代に遡ります。

2人が初めて出会ったのはもっと幼い頃でしたが、その時から既に可愛らしくて良い関係でしたが、寄宿学校で再会してからも甘くほんのり惹かれ合うような雰囲気があります。しかし、当て馬キャラのユーイの登場で、2人の仲や関係性がどんどん変わっていきます。

学生時代の時ですら擦れ違いや切なさが凄いのに、再会してからも度重なる擦れ違いや切なさ。そしてまたユーイの存在が2人の仲を引き裂こうとします。なので流石にユーイの言動には最後まで好感は抱けなかったですね。

再会して離れて、惹かれ合って遠ざけて、擦れ違ってしまう2人だけど、物語り終盤での再会シーンには思わず涙が溢れました。切なくて辛い描写もありますが、最後はハッピーエンドなので、是非とも読んでほしいです。

0

No Title

作者買いです。作品がたくさんあり数冊読んで好きな作品ばかりだったのですが、これは雰囲気が違いました。
かなりしんどい!読む人を選ぶかも。いわゆる王道な感じかもしれないです。割と抑圧される受けが多い気がするのですが、今作の受けはかなり悶々とさせられます。
すっごいすれ違い続きで、最後の数ページでやっと誤解が解けて二人が幸せに暮らしてくれてほっとしました。絶対ハッピーエンドと思っていても途中不安になってしまった。(まんまと物語に翻弄された!)
登場した時から、ヤバそうな臭いぷんぷん漂うユーイが、最後まで二人を掻き乱す。小中先生は優しい。幸せな二人の話を耳にするのが、一番彼の不幸になるだろうと。でもあんな性格なら、自分がもう最後、破滅しかないとなったら二人を道連れにしそう。そういう続編作ってそこできちんとけりつけて欲しいです!そうしたら胸がすっきりするしまたアレクとレオンに会えますし!
なんて想像をしちゃうくらい、ずーっとイライラします。そういうのがダメな人にはしんどいかも。
でもクライマックスのホームの二人はドラマティックなので情景が目に浮かんでとても素敵です。多分、嫌な人がいる匙加減が現実っぽさを感じさせて、でも優しい人もたくさんいて、嫌な人間に囚われることなく幸せになるところが良いんだなあ。幸せな家族、レオンの美しさが思い浮かんで、心地よさに浸れた読後感でした。

1

切ない想いと運命の巡り合わせ

アレクシス(α)×レオン(Ω)
当て馬:ユーイ(Ω)

レオンとアレクシスは学生時代から親友で、
レオンは、子供時代からずっとアレクシスに片想いしている。
第一次世界大戦前のパリを舞台にした
何度もすれ違い、誤解を重ね、運命の巡り合わせで、
ようやく逢瀬を遂げることができる2人のお話です。

「ずっと、彼に恋をしていた。彼だけを愛していた。」ーー
レオンのアレクシスへの一途な切ない想い・・・。

ずっと忘れられない、1人で苦労して苦しんでも、安穏な日々を過ごしても、アレクシスだけを想っている・・・。

愛するアレクシスがユーイと結婚したと思い込んで、自分の気持ちを伝えないまま、離別しても彼を忘れられない、過酷な運命に置かれたレオン。
「身も心も荒む中、たまにアレクシスの夢を見た。子供時代の夢、二人で大学に通う夢。彼と恋人になり、番となる夢。
 目が覚めて夢だとわかり、死にたくなる。また救いのない一日が始まるのだと、絶望した。」ーー
切なくて・・・切なくて!切ないしか言えない
胸が締め付けられて涙がこぼれました。

学生時代、
あんなに一緒にだった、
アレクシスと番となるのを確信していたのに。
ユーイが現れてから、アレクシスとの距離が近づかないどころか、だんだん遠ざかったり、
ダンスパーティーのパートナーは自分だと信じてたのに、選ばれたのはユーイだったことで虚脱状態となったり・・・、
さらにユーイと番になったことを聞いた時の衝撃・・・!
大好きなアレクシスに振られて引き裂かれた心の傷は、
ナイフで胸を抉り取られたように痛かったでしょう・・・!

両片想いをしていた2人は、誤解、何度もすれ違いても、再会し、
心がズキズキしたような痛い思いをしていたが、
運命の巡り合わせで
最後に気持ちを伝え合い、番となって幸せになって良かったです。
ほのぼのとした気持ちになりました。

緊張を高めた戦争前の状況で結ばれた2人。
ストーリーの背景はロマンチックです。

「何度離れても、俺たちはまた再会する。出会って惹かれ合う。どんなに離れようとも、俺はお前を、お前は俺だけを愛し続ける。俺たちは番になる運命だったんだ」
運命の人と離れてもその後必ず結ばれるということです。
タイトル「さよなら、運命の人」は、
「さよなら」にしても「運命の人」だからその後必ず結ばれるという意味だと思います。

「もっと早く互いの気持ちを正直に話していれば、ここまでこじれることはなかった。」
もしレオンが勇気を出して、Ωだと判明された後にすぐ自分の気持ちをアレクシスに伝えたら、そんなに苦しい思いをしなかっただろ・・・。

明日のことは神のみぞ知るし、
相手もそうかもしれないと思う時こそ、
待っているより、
好きだと言えなかった後悔をしないように、
恐れずに好きな人に自分の気持ちを伝える、確かめること。
それは意義深いことと思うようになりました。

レオンの切ない恋心、
2人一緒に過ごした学生時代の時間、
離れても変わらない2人の気持ち、
時を経てついに結ばれた運命の愛。
感動的なオメガバースでした。

1

列車のシーンでやっと心安らげる

小中先生の作品は初読みです。
ドシリアスからコメディまで、作品の幅が広く、攻めざまぁな作品が多いという評判な小中先生のことが気になっていたのと、yoco先生が大好きなこと、さらに海外もの。
好きな物がオンパレードということで、この作品から手に取りました。

結果的に言うと大当たり。
もともと健気受け、両片思いのすれ違い、ドシリアス大好き人間なので、とってもとっても楽しめました。

小中先生の文書は癖がなくてすごく読みやすかったです。読みやすいのでさらさらと先に進んでしまうところが、一瞬流し読みしてしまう部分でもあるんですけれど、それも含めてどんどん作品にのめり込む形になりあっという間に読み終えました。
さらっとしていて、ちょっと物足りない、と思う部分もあるんですけれど、それを上回る萌え。

パブリックスクールもの、学生の頃からの絆、切ない両片思い、すれ違い、それらが好きなら絶対にハマるはず。

作品を読んでいると大体、セリフや独白のシーンなんかが心にグッときて、覚書を書きながらどの部分が良かったかをメモするんですけど、この作品はそういうのじゃないんですよね。
小中先生の文書の特徴なんだと思うんですけれど、とにかくどんどん先を読みたくなってしまうし、引っかからずに読めてしまう。結果、最後の最後でやっと心が落ち着いて(笑)
読んでよかった。どこが、とか分からないけどとにかく良かった、萌えた、みたいになるんです。
一穂先生なんかも好きなんですけれど、一穂先生はとにかく読むのが大変。(私の中の感じ方の違いであって、どっちがいい、悪いとかじゃないです)
読むのが大変な反面、印象深い言葉や場面が割合すぐ思い出せる、みたいな。
場面や言葉で作品を好きになるか、もしくは全体の流れや雰囲気で好きになるか、そんな感じですね。
小中先生は後者かな、と思います。


さて、前置きが長くなりましたが、あらすじは皆さん書いているので省きます。


↓感想

この作品、どう考えてもどう読んでみても絶対絶対両思いだろう、という2人が主人公なんですが、いかんせん、当て馬(この場合当て馬と言って良いのか…ただの邪魔者)のユーイが駄目だよ…と読みながら何度も歯噛みしました。
この悪役令嬢みたいな心底底意地の悪いユーイよ。
文面的に、最初の頃はそんなに悪く書かれてないんですけれど。
いや〜どう考えてもこいつはクソだろ、という言葉と態度。
すっごくイライラするのに、この子が居たからこそ盛り上がるお話なんですよね。複雑だなぁ。笑

脇役のケヴィンとエミールですが、この人たちがレオンのそばにいてくれて本当に良かった。ケヴィンもエミールも出来た人ですが、その人格はやっぱり生きてきた中で色々苦労しているからなんだろうなぁ。

あとアレク!アレクよ!
なんだろう〜好き好き光線出しまくりたいのに理性で抑えつけて、でもダダ漏れ、みたいなこの人。笑
も〜大好きなんですよ。レオンのことが。
もちろん、レオンもアレクのことが好きなんですけれど。
せっせとレオンに食べ物や日用品を買い与えて世話焼いちゃうのとか。別に、アレクは恋人の世話焼きたい系の人ではないと思うんですけれど、でも焼いちゃうんだよね〜好きだから。行動が愛しいのなんのって…
途中、レオンのお店でチョーカーを買うんですけれど、読者からしたら、いやいやこれはレオンに買ってるやろ…とモロバレだと思う。そのくらい愛がダダ漏れ。
再会して最初こそ辛辣な態度と言葉を投げるアレクですけれど、致している途中からもう甘いし、最後の最後で2人結ばれてからはもうゲロ甘ですよ。
こういう、ドシリアス、切ない、悲しい、からの一転、超甘々ってのに私は弱い。
2人結ばれてセックスするシーンで何度かたまらない、って言ってるんですけど、読んでるこっちがたまらんよ!!
たまらない、ってなってる貴方達に私こそたまらないよ!ってなりました。

最終的には、いやいや会話しろ、と微笑ましく終われた作品でした。笑

2

ずっと切なくてドキドキしっぱなし!

殆どの方が『作家買い』ですよね!
私も『ド その通り!!』
小中先生、一度ハマると抜け出せない沼 笑
私は知ったのがかなり遅くて、今必死で追い掛けている途中なので、皆様のように全てを読んでいるのではなく、またまだ発展途上~~~
でも、この作品も本当に良かった。
『オメガバース』
『切ない』
『運命の番』
『すれ違い』
もう好きな要素が「これでもか!」っちゅー位に揃い踏み!!!!
そして、初めて読んだ『外国物のオメガバース』
そりゃオメガバースが人 ヒューマンであるならば、世界中にあって当たり前なのに、全く失念しておりました。
又もぉパリにオメガが似合う♡似合う♡♡
ドイツのギムナジウムでも似合ったのでしょうが、そこはまだま幼く、‪α‬Ωβが居てもまだ子供で・・・。
そこへ大戦前の成熟期して退廃したパリ。
はぁこれだけで世界が出来上がっちゃう。
この二人のドイツから引きずった『すれ違い』
そして『元凶』となったとてつもなくイヤな奴が出て参りますね。
『ハッピーエンド』だと聞いていたからこそ、手に汗握りながらも、ドキドキ 胸糞悪く思いながらも読む事が出来ました。皆さまありがとうございます。
しかも私達はこの先の大戦を知っている訳ですから、ドイツ人がパリに居てヤバいじゃない!一刻も早く逃げて!!が加わり、読んでてもどうしよう! どうしよう!!と居ても立っても居られませんでしたー!!!
そしてどれ程引き離されようが、戦争と言うとてつもない大波に巻き込まれようが、やはり『運命の番』って うるうる(´இωஇ`)♡♡♡
やはり小中先生、夢中になってしまいました。
ありがとうございます。

2

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