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エンドレスワールドで衝撃を受けてから
この先生は人間の感情の微妙な動きをうまく表現される方だなと思い
すぐにこちらの作品も購入しました。
短編集なんですがどれも話の雰囲気が全然違っていて、フルコースを食べているようなそんなドキドキ感がありました。
何作か印象に残っているものの感想を・・・
・虹の残り香
中学教諭×天才少年(生徒)
なんとも余韻の残るお話でした。
少年特有の危うさや純粋さも持ってるんですが(天才だからなのか)たまにとても大人びた表情をすることもあってこの年代の刹那的な魅力を感じました。
あとずっと不思議なチューリップハットをかぶっているところに奇妙さというか並外れた頭脳の持ち主感というか、センスをかんじました笑
センチメンタルでしたね。最後にヒマワリを持った少年の後ろ姿に雑に切り取られたトーンが貼られただけのページがあるんですがそのページを見た瞬間涙が出ました。
(エンドレスワールドの龍をだっこしてるトシミツを見た時と同じような言葉にできない感情におそわれました)
すごいです・・・。
・MILK&SUGAR
表題作です。不細工ヤンキー受けときいて期待していました。
確かに太一はかっこよくはないんですけどころころ変わる表情がかわいいのと、エロの時の反応と表情がすごく色っぽいです。
会話がノリ重視でテンポがよく、口語が入り乱れていてだたしい日本語を使っていないあたりがすごくリアルなこの年代の男子を表していてとても好きです。
あとふつう省くようななんてことない日常会話を交わすシーン(コンビニに寄るシーンなどの)があるので二人の日常をのぞき見しているような臨場感もあります。
・冬を待つ季節
最初に読んだときは哲学じみた内容というか、理解するのが大変で雰囲気重視のきれいなお話という印象でした。
だけど、読むときの読者の気分によって解釈の仕方も変化するような繊細な内容だと最近気がつきました。
ヨーイチが髪を剃った時、ファインダーを覗く仲村がなぜ涙を流したのか。
最初に読んだときは”綺麗だった髪を剃ってしまった驚きと、その変化に対して前向きなヨーイチの美しさに圧倒されて”だと思ってたんですけど、
最近また読み返してみたら
”ヨーイチという美しいモデルとしての彼ではなく、小汚くて名前も偽名なこの正体不明の男という人間自体の変化してく様に魅せられてまたカメラを無意識に構えてしまった無意識の衝動ゆえ”なのではと違う解釈もできました。
読む人によって解釈は無限にありそうですね。
答え合わせもされていないのでそのどれも正解なのだろうと思います。
読者に考える余地を残して昇華させるような作品が多いのでそこが蛇龍先生の漫画の魅力だと思っています。
短編はどうしても、余韻を残すように終わるとその先が気になってしまったり、良い短編であるほど続きが読みたくなってしまうのですが、これはそうじゃなかったです。
綺麗にまとまっているのに満足感がある短編ばかりで、満足感がありました。
大事なところだけをスナップのように切り取って並べてある感じで、全体を見るとちゃんと何かが伝わってくるような気がしました。写真集を見ているような感覚でした。
それぞれのキャラクターの個性が確立していて、とても魅力的でした。どろっとしたところがなく、どの人たちも何かを突き抜けていて、それがとても小気味よくて爽快感がありました。
短編集でこれだけ満足できるものはなかなかないと思ったので、神評価です。
2作品目の「十五歳」、いいですね~ 青春を感じます。
展開から終わり方の至るまで、どこかの少女漫画みたいな感じです。
言ってしまえば王道なのですが、主人公の男の子が可愛い女の子顔なのもあって、なんだかマーガレットとかその辺りの少女漫画を彷彿とさせます。(笑)
なんとなくキラキラしています。相手の男の子も爽やかイケメンだし。
此処からは好みによると思うのですが、どくろさんの絵が好きな私としては、性描写は少なめなはずなのに、魅せる表情が非常にエロチックです。
というか、艶があるというんでしょうか。非常にそそられる感じの。
短編漫画がたくさん詰まっていて、ジャンルも様々な感じで、いろいろ楽しめるのではないかなーと思います。
蛇龍どくろさんのデビュー作。短編集です。
表題作「MILK」と「SUGAR」はどくろさんらしいセンスがふんだんに盛り込まれていて、いつみても2828してしまいます。コミカルなテイストが強めな感じですが、鼻がツンとするようなせつないお話でもあります。互いにずっと一緒にいるはずなのに本音は伝えず、幾度と距離をとってまた再会する。非常にじれったいです。やっぱり幼馴染ものはたまりません!!チャラ男受けも私にとってはたまらなかったです。
「エンドレスワールド」に出てくる受けもそうなんですが、どくろさんが描くちょいブサなキャラってとんでもなく可愛いのも魅力の1つ。ちょいブサだからこそよりと愛おしくなっちゃいますw
表題作以外の他の短編はホントに「これぞ蛇龍どくろ!!」と思わせてくれる不思議な世界観で描かれている作品が多めです。他の方も描いていらっしゃいますが「?」と思うような作品が多いんですが、わたしはどくろさんのそういうところが好きです。なんだか改めて感じることとか、考えさせてくれること、自分なりにどくろさんの作品を通して追求できるから。
短編7本も1冊に込めるとどれもこれも似てきて飽きたり、あれ?なものが1本位混じってたりするのが普通なのですが、
この本はどれもこれも一つ一つ切れ味があり印象に残るシーンがあります。
恋愛ものの短編映画を見ているような気分になります。
その中で表題作はどっちかというとはっきり「ホモ」を前に出したセックスも混じる物ですが残りはまだ恋の香りが漂う余韻を味わうレベルで終わる作品。
どっちかが趣味に合わないかと言えばそんなこともなく。
特に自分が衝撃的だったのは「冬を待つ季節」の旅行中にバリカンでバリバリッと髪の毛を刈るシーン。
髪の毛を切るというのは見た目を単に変えるだけでなく性格を変えちゃう気がするんですよね。この場合でもヨーイチのロンゲ→ボーズというルックス変化にはなにか愛し合い方に物凄いパラダイム変換を持ち出しそうな気がするんですよね。