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竜人皇帝×希少種+ちびっ子。落涙必至の後宮オメガバース!
実はAmazonのKindle本ストア9周年キャンペーンの「Kindle本スタンプカード」ページでお勧めに上がって来たのがこちらの本でした。
たぶん市川紗弓先生の作品は初読みです。
先入観無しで楽しんで貰いたいので、最小限に感想を述べたいと思います。
清風国の皇帝である湘と貧民街出身ながら努力家で健気な蒼霖が、心を通わせて行く過程がとても良いのですよ。
賢王と民から呼ばれている湘が本当に素敵で、湘の蒼霖に対する思いが一途で滾りました。
なのに思いが通じ合ってからの残酷な展開に胸が痛くなって、これから出掛けるってのに涙が止まらなくて大変でした。神は残酷だなと…。
でもタイトルからして悲劇にならないだろうと、何回も表紙のイラストを確認したりしました。
もしかして湘と蒼霖を救うのは、あの存在ではと思っていましたがその通りで嬉しかったです。
跡継ぎ問題とか上手く行きすぎな感じはしますが、途中ハラハラした割には後味が良くてとてもバランスが取れた作品だと思いました。
文章も好みで市川紗弓先生の他の作品も読んでみたくなりました。
今回は若き竜人皇帝と希少種の竜人のお話です。
秘密を抱える受様が庇護された攻様の大切な人になるまで。
かつて大陸全土が大旱魃に見舞われた戦乱時代、
清風国の賢王の善行に感心した天帝は
清風国に待望の雨を降らせます。
この慈雨を浴びた民は竜に変化する竜人となり
戦勝を重ねて大陸を制したと伝えられ
竜人帝によって治められている清風国は
今も大陸一の栄華を誇る国として名を馳せています。
受様はそんな清風国の首都の外れの貧民街で
日雇いの仕事をしながら糊口をしのいでいます。
両親は既に亡く、親戚付き合いも皆無ですが
新月の晩に名前しか覚えていない孤児を拾って1年
今では彼は受様の大切な家族となっていました。
危険な仕事も厭わないず働く受様でしたが
胸の病を患う孤児が重い発作を起こした時に
薬代にすべく隠しもつ竜の鱗を売ろうと決意します。
実は受様は突然変異で生まれた希少種の竜人で
大人になって性的絶頂に達するとうなじにある痣から
鱗がはがれ落ちる体質だったのです。
竜の鱗は強力な媚薬の素材として取引さるため
受様はいつもは処分する自分の鱗も1枚だけは
もしもの時のために隠し持っていたのです。
しかし声を掛けた小者売買の仲介男に裏切られて
密売を取り仕切る商人に拉致られてしまいます。
一服盛られて正体を知られそうになる受様でしたが
商人の家に地区を管轄する警吏の捕物が入り
受様も彼らとともに捕獲されてしまいます。
しかもその捕物を仕切っていたのが事も有ろうに
竜帝その人だったのです!!
密売犯である受様を待ち受ける運命とは!?
父の失政の責を負って政務に邁進する攻様と
希少種という秘密のために孤独に生きてきた受様の
中華ファンタジー風オメガバースになります♪
あとがきにも帯にもオメガバ表記はないのですが
ルビー文庫公式ツイッターでは
『後宮オメガバース』と表現されているので
そうかなと思って読み始めたのですが
中華風な舞台設定で呼び方も独特だし
オメガバ設定を意識しないで読まれた方が
楽しいと思います。
帝と貧民街の平民の恋なので
成就には様々な困難が待ち受けています。
上手くいきそうになると現れる苦難、
受様の両親の秘密、希少種の秘密、
受様が拾った孤児にも実は・・・な設定があり
最後までどうなるかわからない展開に
ハラハラ&ドキドキし通しで
とっても楽しく読ませて頂きました。
古澤先生のイラストも物語世界に
とってもあっていて良かったです (^-^)/
最近ファンタジーストーリーを読むようになり、こちらの作品が評価が良かったので購入しました。中華ファンタジーは初読でしたが、とっても面白かったです。
中華系なのでもちろん漢字は多め。最初は目がチカチカして読み進めるのに苦戦したのですが、案外慣れてしまうものです。お話は本当に面白いので、ぜひ漢字のオンパレードに負けずに読んで欲しいです!
竜人希少種の晏蒼霖は天涯孤独の身の中、銀露というと子どもを保護し育てています。心臓の弱い銀露の薬代を調達するために、高値で取り引きされている希少種の鱗(蒼霖の身体から剥がれ落ちたもの)を闇取引で密売しようとしますが、失敗。街の風紀を取締る警吏が来て蒼霖は捕らえられます。連れて行かれたのは皇宮。実は警吏の1人は皇帝の万湘(以下湘)だったのです。
蒼霖が竜人希少種だということもあり、密売に加担した労役に服する一方で、その間は銀露と共に皇宮で暮らすことになります。
ここまでが蒼霖と湘皇帝との出会いと、幸せな生活の始まりになります。蒼霖は銀露とともにその日暮らしの貧しい生活を送ってきて、希少種というこでと身を隠すように生きてきました。苦労しっぱなしです。ここからは幸せターンの始まりかと思いきや、そう上手くは行かないんですよね……。
湘との生活は幸せなもので、湘の人柄に惹かれていき蒼霖は湘のことを好きになっていきます。湘もまた蒼霖のことを好きになっていき、2人の想いは通じ合います。
蒼霖を正室にしようとしますが、蒼霖のお母さんが実は天女だったことが分かり、側近の物言いがついてその願いは叶いません。国に一向に雨が降らないのは天帝からの罰。蒼霖が天の者のくせにいつまでもこの世界にいるからだと言われ、天に還る(雷に打たれて死ぬ)ように言われます。
あーもー!本当に本当にこの側近ジジイが嫌いです。蒼霖を目の敵にして酷いことばかり言うんですよ〜…。彼の息子も湘の側近で、彼はとっても良い人で蒼霖を正妃に推した人物なのに、父親は頭の固いクソジジイです。蒼霖に国のために死ねとか…は〜!ぶん殴りたいです。
湘は最後まで蒼霖を庇い他の策を探すべく奔走するんですが、そのために身体を壊しそうになり……国のため湘のためならと死ぬことを決意した蒼霖。儀式前日に湘と身体を繋げます…。もう泣きます…。私も泣きました。
儀式当日、儀式が執り行われている最中に銀露が来てワァワァ泣きます。この銀露の発した言葉がー!皆んなの心に突き刺さってもう泣くんですよ。すると天から天帝の娘が降りてきて…実は銀露のお母さんでした。銀露は天帝の孫で、ひょんなことから下界に迷子になっていたようです。
その間の話をハショりますが…銀露のお母さんから後見を得て湘の正室になること(希少種は子どもが産めるので後継問題は問題ナシ)の信託を得ます。あのクソジジイも、お上の言うことには逆らえず了承します。ザマァです^ ^
問題は全部解決し、ハッピーエンドです!
でも銀露は天の者なのでお母さんと一緒に天に戻ることになったのが寂しかったです。
しかし!湘との間に男の子が授かったときに、天からの遣いとして銀露がやってきます。そして修行の一環としてまた蒼霖たちと一緒に暮らしていいとの命を受けて、また一緒に暮らせるようになります。
すっごいハッピーエンドです。
とても悲しいシーンも多くて泣きましたが、最後のこのエンドがあったので、読んでいて良かったってなりました^ ^
子どもを授かまたあとのストーリーも良かったので満足です。
エノ先生大好きなので購入。ルビーさんテイストだなあと思う王道お話で、さらっと読んでしまったので萌にしました。生真面目竜人皇帝さんと、健気美人さんのなんちゃって中華舞台のお話、せつなめ本編230Pほど+あとがき。お子様も割合ご活躍です。
竜人の住む国、清風国の貧民街で、孤児の銀露と二人でなんとか暮らす蒼霖(そうりん)。両親ともなく、日雇いの仕事をしながら頑張っていますが、ある日体の弱い銀露が発作を起こし、高額な薬が必要となります。止むをえず隠していた自らの特性「希少種」から得られる鱗を売って金を得ようとしたのですが・・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
銀露(4,5歳の男児)、思基(攻めの側近)、楽水(医師)、丞相等のエライ人少々。
++攻め受けについて
攻めさんは、イケてなかった両親によってやや荒れた国を立て直すべく、とても一生懸命皇帝として尽力しておられる生真面目さん。女っ気も全く無かったんですが、なんか惹かれちゃったんでしょうねえ・・受けさんとお子様を後宮で保護することにしちゃって。スパダリなんでしょうけど、めっっちゃカッコいい!男前!と萌え上がるところは今一つなかったでした。
受けさんは希少種(オメガバでいうところのオメガみたいな感じ)で、自らのうなじから出る鱗が強力な媚薬になるという特性あり。希少種であることがバレると身の安全が脅かされる可能性あるため、あんまり人と関わらず、いろんなことを諦めて我慢して生きているという健気さん。人に甘えることもなく頑張って生きてきたのを、皇帝に保護され交流するようになって・・・って感じです。クライマックスは結構せつなめで、良かったなあ。
攻め受けのキャラに萌え上がるというところは無かったですが、せつなさで盛り上がったので、王道お話お好きな方だったら良いのでは!と思うお話でした!
初読み作家さん。設定盛り盛りの中華風シンデレラファンタジー。世界観を確立させる煌びやかな漢字を多く使った文章での雰囲気作りが良かった。
受けの蒼霜は希少種で蔑まれ高く売れる鱗を産み出し拾った子供を育て~と他にも数々の不幸を背負っている。幸せを諦めながら生きていた中で、攻めとの出会いに光を見出していく様子は刺さる人には刺さりそう。
攻めは国の頂点に立つ竜人の湘。申し訳ないが「このお方こそ、~にあらせられます」の登場シーンですっと冷めた。絶大な地位と権力を持った攻めが不憫受けの前に現れる。巷に溢れる男女もののヒロインを受けに改変した話。
竜人や天女が出て来たり男が子を孕めたりと、特殊設定がとにかく多い。だがその一つ一つの活かし方が小さくて、一設定に持たせる意味が軽すぎる。媚薬効果のある鱗なんてすごく良いのに、十分に活躍させきれていない印象。数多く盛り込むより、一つ一つを深く描いてくれた方が読み応えを感じる。
ストーリーもすいすい進んで各所の描写が物足りない。
湘の蒼霜への想いがあそこまでのものになる過程がよく分からない。というか湘の存在感が不足気味。蒼霜視点から気持ちが見えない攻めには魅力を感じ辛い。
ついでに酷い提案をし続ける相手の言葉を聞き続けたのに、後半でその相手に口出し禁止と黙らせる。それができるならもっと早くやっておけと思った。
蒼霜は自ら処刑されに向かう決意をした際の心理描写がもっと深く欲しかった。それまで銀露のために生きていたようなものなのに、決意までに銀露への想いを語る描写が無く、あっさり決行してしまった。その後にどれだけ銀露との別れを悲しむシーンがあっても、これではノりきれない。BLには関係ないかもしれないが、蒼霜を描く上でこの点が最も不満だった。
山場は銀露がかき回して万事解決。子供が頑張って終わったお話。
特殊設定で困難に陥り、特殊設定に助けられ、さらに上乗せ設定で抜け道を……という話運びに人物が隠れてしまった感。
中華ファンタジーな雰囲気を醸し出す文章はとても好きだったので、世界観が変わるとどんな文章になるのか気になる。この作者のもっとシンプルな設定の物語を読んでみたい。