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表題作寵愛の花は後宮で甘く香る

銀耀、思羽の鑑定を信じて兄王を粛清した新王
楚思羽、銀耀の香嬪となった優れた嗅覚を持楚家の養子

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

皇帝陛下×香りで本心を見抜く異能の青年。陰謀渦巻く後宮に咲く真実の恋!
「人の本心を香りで嗅ぎ分ける能力」を持つ思羽は、幼い頃、冷遇されていた皇子・銀耀を推挙したことで不興を買い、迫害されてきた。しかし、数年後、皇位の転覆により銀耀が即位して立場は一転。虐げられていた養父の家に思羽を迎えに来た銀耀は、異能を持つ『香嬪』として思羽に後宮の一画を与え、妃のような待遇をしてくれる。「思羽のおかげで使命に目覚めたのだ」と熱い瞳で言い募られ、偽りのない真摯な銀耀の想いに思羽の気持ちは揺れ動き――。

作品情報

作品名
寵愛の花は後宮で甘く香る
著者
市川紗弓 
イラスト
みずかねりょう 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784041135518
3.3

(11)

(1)

萌々

(6)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
5
得点
35
評価数
11
平均
3.3 / 5
神率
9.1%

レビュー投稿数5

読みやすい中華風ロイヤルスパダリな作品!!

物心ついた頃から嗅覚が優れている受けと、その特別な力によって奮起した王とのお話。

後宮での陰謀論に、受けの特殊能力を使って王と立ち向かう勧善懲悪型で、超寵愛BLなのですが、とにかく受けちゃんが自己申告もしていますが、色濃い沙汰に疎い。

どれだけ疎いかというと、誰が見ても攻めからのストレートすぎる求愛なのに、違う風に捉えられて伝わらない。
想いが伝わらなすぎて不憫すぎる王、、、

となりますが、その疎さが個人的には堪らなかったです。(もっと直球すぎる言葉や仕草で、攻めの気持ちをはっきり気づかせるぐらいが好物の変わり者腐女)

そして今回、攻めが王位を奪った亡き兄の子が登場しますが、受けに懐いたこの子が可愛かったです。


将来、復位して王にさせるため、攻めと受けとでこの子を育てていこうという結末(まさかのネタバレ)になるのですが、この3人だったら良き家族になれそうですね。


そして、とにかく受けと再会してからずっと、いや、幼き頃に受けの鑑定が悪とされたあとから、ずっと受けに様子見係をつけていたソフト執着攻めの重々愛が最高すぎて、ニヤニヤが止まりませんでした。

こちらの攻め様は、王様といえど、好きな相手にはお世話したい溺愛献身攻め様のご様子♡


そして中華風BLですが、とくに登場人物の名前や場所などが難解ではないので、とても読みやすくページ数も少ないので、中華BL読みたいなあ、、、
でも、ちょっと難しそうなんだよなあ、、、
と思う方には、入門編としてオススメしたい1冊です。



0

匂い

みずかね先生なのでマストバイ。ルビーさんらしい攻め受けで、お話も読みやすく分かりやすいのですが、めっちゃ刺さるものがなかったので萌にしました。本編210Pほど+あとがき。なんちゃって中華?+異能ありの王道にご興味あれば。

7歳で親から引き離され楚家の養子となった思羽。人の本性を匂いで判別できるという異能があるからだったのですが、10歳の時に行った王家に対する鑑定が問題となって冷遇されていて・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
王太后、受け兄(第一王子、故人)、俶(第二王子)、瑃(3歳、受け甥)、真奇(王の側近)、事件関係者ぐらいかな。

++攻め受けについて

最初は素行不良というか人気なかった第三王子だったけど、第一王子が訳アリだったので王位についたイケメン苦労人。幼い頃に受けに「甘く爽やかな香り」と診断されたおかげで今まで頑張ってこれたと恩義を感じていた方。変態要素なし、良い王様って感じです。

受けは幼い頃、ヤバイ第一王子を「ヤバイ匂い」と言ったが故に不遇な目に遭っていた方。純粋無垢、清く正しく という感じでしょうか。美人さんだし。クセは無いです。お子様受けもよく瑃さん懐いてます。

キャラ、お話ともさらっと読んでしまった一冊でした。ルビーさんらしいお話なので、しょうがないんだけど、なんか癖あるのとか刺さるものが好きな私にはちょっと物足りなかったかな。

2

設定の生かし方が上手い

どんなに良いとされている人物でも裏がある。
逆を言えば、たとえ周囲からの評判が良くない人物であっても、実際のところは良い人物だったりするのかもしれませんね。

目に見える表面上のものではなく、人の心の奥底にある本質の部分を香りで見抜く「読香」と呼ばれる能力を持つ受けが登場する物語です。
設定からして面白いなと思ったのですが、幼少期のエピソードがあってからの攻めとの再会…と、流れ的には王道寄りのロマンスでありながら、萌えるポイントとああ良いなと思えるエピソードをきちんと織り交ぜてくれるんですねえ。

悪く言えば香りを嗅ぎ分けることで人のことを簡単に暴けてしまうわけですから、得なことばかりではありませんし、過去の出来事によって思羽はあまり自身の能力を良くは思っていません。
ところが、その過去の出来事と思羽が嗅ぎ分けた香りによって救われ、諦めていた人生に希望を見出した者もいて…
そう、知らず知らずのうちに銀耀のことを救っていたと。

ただ辛い目に遭っていた受けが救われるシンデレラストーリーではなく、なぜ攻めが受けに執着しているのか?なぜ彼なのか?など、この展開に疑問が湧かないんですよ。
毒にも薬にもなる思羽の読香能力が上手く絡んでいて、銀耀からの思羽への想いが説得力のあるものになっています。
溺愛と敬愛を隠さない攻めがまたとっても気持ちが良くって!
思羽も聡明な人物ながら、ところどころでちょっぴり初心だったのもおいしい。

2人の恋を見守るのも楽しく、国内部に蔓延っていたきな臭い過去の事件を彼らと共に追いかけるスリルも味わえる1冊でした。
香りの設定が上手く生かされていた作品だなと思います。
テンポは良かったのだけれど、後半はもう少しゆっくり読みたかったなとこちらの評価になりましたが、それぞれのキャラクターの立ち方も良く、終始飽きずに楽しんで読めました。面白かったです!
(銀耀の2番目のお兄ちゃんが気になります…)

4

「香り」がモチーフの中華風ファンタジー

読みながら桜や白桃、情交の時の銀耀の花の香りまでもが風に乗って漂ってくるような気がする物語でした・:*+.

政変により兄を廃位し即位した皇帝、銀耀(ぎんよう) × 香りで人の本心を見抜く異能を持つ青年、思羽(しう)のカプ。

初めましての作家様でした。イラストがみずかねりょう先生だったので、コミコミさんでアクリルコースター付きのものを購入。
表紙もイラストも美麗です✨

登場人物の名前や”科挙”が出てくることから察せられるように、中華風のファンタジー。が、「チマ」と韓国風の衣装の呼び名も出てきたりします。

で、中華風であるがゆえに、(自分にとって)厄介だったのが人物名や花々の名前など、漢字の読み方が一度では覚えきれないこと……だったら読み飛ばせばいいのですが、それもできない自分はいちいちページを戻って読み方を確認したりして、そういうことを繰り返しているとだんだん話に集中できなくなってきて…と、漢字読みに気疲れしてしまい、地味に最後までストレスが抜けきりませんでした;
「忍冬=すいかずら」とか、人名とか、一度出てきたら覚えようよ自分、と思うのですがなかなか。。

と、目をしぱしぱさせながら読み進めていたのですが。
17年前の後宮内の陰謀を主人公の異能を利用し暴いていくさまや、銀耀の思羽へ向ける直接的で情熱的な愛(14歳の頃から…❤︎)、さらに思羽の知らないところで、実は銀耀が派遣した者によって思羽は守られていたという事実ーと、萌えどころが詰まっておりました。

人と違う能力を持って生まれてしまったゆえに、”人に頼らず生きていけるようにならなければいけない”と母に教えられ、寂しさをかけて生きてきた思羽。
そんな思羽が最後には”人と違う自分を認める”強さと、銀耀という素晴らしい伴侶を得られて、本当に良かった( ; ; )

余談ですが…作者様が”個人的には柴犬の匂いが好きです。あのこうばしさがたまりません。”とおっしゃっているのに100%賛成します。あのこうばしさ、本当にたまりません笑

4

溺愛の甘い香りは最高のフレグランス

匂い・香りの異能を持つ青年が巻き起こす後宮ファンタジーストーリー。養父母に酷い扱いを受けている主人公が、王様に見初められるシンデレラストーリーの側面もあり、王道な溺愛がふわっと香る心地よいお話です。
香りの異能は"読香"といって、性格や人柄を匂いで嗅ぎ分けることが出来る、国では重宝される能力なのだとか。匂いで有名なのは、かの人気マンガ「鬼◯の刃」の主人公の嗅覚力が思い浮かぶかと思います。匂いに敏感な主人公の作品、最近よく目にするようになりましたね^ ^


読香によって人生を大きく狂わされた思羽と、その思羽の能力によって王の道に導かれた銀耀との再会から始まる甘くてロマンティックなBLは、後宮を舞台としたドロドロ愛憎劇を背景に2人の結びつきを強くさせていきます。
思羽の宣託は、自身の立場をより窮地に追い込める結果になり、それはそれは酷い仕打ちを養父から受けることになるのですが、この思羽の酷い状況を10年の時を経て王座に就いた銀耀が颯爽と救出しにくる姿がたまんなくカッコいい!

今の自分があるのは思羽のお陰だと、後宮に迎え入れる銀耀の思惑が、下心ありありなのがニヤる〜
後宮っていうのは妃が暮らす場所で、そこに思羽を住まわせるということは……。つまりそういうわけなんです(*´∀`)♪
男だろうがなんだろうが、自分の伴侶は一人だけだと強く主張するブレなさ。これこそが真のスパダリ……くぅぅ〜…シビれます!

甘く優しく思羽の心に寄り添ってくれる銀耀に惹かれていくのは既定路線というべきでしょう。しかし、思羽には自分の気持ちに正直に生きることを躊躇う理由があり、簡単に成就しない恋の道が焦ったく感じるところもあるんですよね。

2人の恋愛の行方がどうなっていくのか。
一番の見どころではありますが、後宮に渦巻く過去の事件、現在に繋がっていく陰謀……その真相を追求するため奔走する銀耀と思羽。銀耀の積年の疑念と信念、そして思羽の読香の力で黒幕を暴きにかかる"臭いでもって臭いで制する"断罪劇は見応えがありました!

心根の良い者にはフレグランスな匂い。心根の腐った者にはスティンキーな匂いで思羽の鼻に刺激を与える嘘発見器のような能力が、物語の良いスパイスになっていて面白かったです。匂いに始まり匂いに終わる、ドラマチックなストーリー性にハラハラドキドキしっぱなしでした。

中華風の後宮世界観の艶めかしさや毒々しさに引き込まれてしまうこと間違いなし。甘さとシリアスのバランスが丁度良く構成されてるのが良いなと思いました。
健気に自分を律しながら気丈に生きる思羽も、そんな思羽を絶対的溺愛の香りで酔わせる銀耀も最高です。
甘い香りに包み込む読後感に満足、満足♪(*´꒳`*)

4

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