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君と運命についての話がしたい

kimi to unmei ni tsuite no hanashi ga shitai

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表題作君と運命についての話がしたい

倉田 響
営業マン,β,27歳
鳴海 幸史郎
花屋,β,27歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

運命の番じゃなくても大丈夫。何も変わらないよ、ずっと――
響と幸史郎はβ同士のゲイカップル。
高校卒業と同時に始めた同棲も、もう10年になる。
出会った当初は絶対に幸史郎が”運命の番”だと思っていたけれど、
性別検査の結果は二人ともβ。
男同士でも“運命の番”になれるαとΩが
無性に羨ましくなる時もあるけれど、
それでもお互いが好きなら関係ない。
一緒にいられる穏やかなこの生活が心地いい――。
そう思っていた矢先、性別検査の誤診がニュースになって…!?

作品情報

作品名
君と運命についての話がしたい
著者
青梅あお 
媒体
漫画(コミック)
出版社
徳間書店
レーベル
Charaコミックス
発売日
電子発売日
ISBN
9784199608940
4.2

(95)

(45)

萌々

(32)

(12)

中立

(5)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
17
得点
394
評価数
95
平均
4.2 / 5
神率
47.4%

レビュー投稿数17

オメガバース世界のBL

この世がオメガバースであったら、こんなこともあるんだろうなと思える不思議と現実的なお話でした。

【高校時代から付き合い始め、今は一緒に住んでいる響と幸史郎。2人ともベータであるが故の『運命』や『番』への憧れや諦めを抱えている。響は、過去にバース検査の誤診があったニュースをきっかけに再び感情が揺れ動くが…】

オメガバースに関しては作品によっていろいろな設定が存在しますが、こちらはベータ同士は妊娠しない設定のようです。今のところ同性ベータ同士の婚姻制度もないみたいです。その辺りが話の筋にも大きく関わってくるので、そこは序盤ではっきりしておいてほしかったですね。

アルファとオメガであれば、いわゆる『運命の番』だったり同性間でも妊娠可能であったりと、カップルが深い絆を結ぶことが可能です。しかし主人公2人はベータであり、男性同士であり、公的な繋がりも持てない状態。そこに様々なジレンマが生じるわけですね。

…つまりこれは、確かにオメガバース世界のBLなのです。男女間のカップルで認められていることがゲイカップルでは認められていない。そのギャップに悩む展開はオメガバースでなくとも良くあります。それが『男女』だけでなく『バース性』にも及んでいるのがこのお話のテーマかと思います。

アルファやオメガであれば番になれたのに、男女なら家族にすんなり紹介できるのに、ベータの男同士だからままならない。葛藤がつらいです。響が再検査したい気持ちも良く分かります。そこを幸史郎が妊娠問題へと繋げてしまうのは少し短絡的ではありますが、きっと幸史郎自身がそれを望んでいるのかもしれませんね。切ない。

どの世界観でもジェンダー問題というのは難しいものだなぁと、真面目に考えてしまいました。ええい、こうなったらみんな妊娠できる世界であれ!(笑)

0

β×βのちょっぴり切ないCPのお話。

前情報無しに読んだので、最初オメガバースの世界観だと知りおっ!?となりました。
……が、よくあるα、Ωの二人の話ではなく、
β同士のカップルの話です。

高校時代の同級生でもある響と幸史郎は卒業してから同棲をするラブラブなカップルです。ただしそれは家の中だけ。
αでもΩでもない男二人が外でイチャつくわけにもいかず、Ωの後輩が堂々と『彼氏』と同棲同士の付き合いを話しているのを羨ましく思う…という流れです。

オメガバースの世界ですが、話自体は同性同士で付き合うことに対する世間の目や自分達の将来、家族との関係……など、リアルさがある内容です。

自分がβでなければ、お互いにα、Ωだったら運命の番として周りからも受け入れて貰えたかもしれないのに……と悩む姿が見ていて切ないです。
また、αの真似事をして相手に噛み付くところも意味が無いのにしてしまうところが痛々しいです。

ただ、お互いに話し合える二人で、周りと比べる事無く自分達にとっての幸せを見つけていける明るいラストで良かったです。

何か大きな事件がある訳ではなく、淡々と日常が過ぎていく静かな、しっとりとしたお話でした(*^^*)
えちシーンもありますが、サラッと描かれています。

0

斬新な着目点

オメガバースの世界でのβ同士、つまり普通の男性同士のカップルのお話です。
αΩなら男性同士でも番えて子供も持てるのに、β同士は違う。両者が同じ世界線にいれば色んな感情が渦巻くのは当たり前。盲点だったなぁとある意味感心してしまいました。
終盤の2人の会話にそんな正直な気持ちが表れていてすごく切なくなりました。2人の幸せを願わずにはいられません。

0

オメガバのβ同士だからこその切なさ!

オメガバの世界であるのにαやΩじゃなくてβ同士の恋愛を描くことに意味はあるの?と思う人もいるかもしれませんが、それは大間違いです。
オメガバの世界の中のβの男同士だからこそ、より切ない物語になるんです。

相手がβの男だということを家族や友人にさえ伝えられないやりきれなさ、このままでも愛し合っているから大丈夫と思いながらも、もしかしたら誤診かもと思ってしまう迷いに、互いにため込んでいる悩みを伝えることへのためらい。未来への不安から確かなものが欲しいと思ってしまう願望、ずっとまとわりつく運命という言葉。
ふたりの切なくて苦しい想いが溢れている1冊になっています。

でも、第一の性も第二の性も関係なく、結婚や子どももできないけど、ただひとりだけを愛するふたり。相手の為に自分のすべてを差し出したい思い。
もう運命なんですよ、これこそ運命なんですよ!!
αとΩだけが運命で真実の愛じゃないんです。
それがこの作品には溢れています。
オメガバの世界だからこその「君と運命」なんです。

青梅あお先生の作品はどれも優しさに溢れていています。
比較的さっぱりとした絵柄なので、エッチなシーンも官能的とは言えないかもしれませんが、その中でも愛し合うふたりの顔、肩や首元が赤くなるところや幸せそうに抱き合う姿はとても愛があり丁寧に描かれています。


2023年のBLアワードでディープ部門にノミネートされました。
ぜひこの機会にたくさんの方々に読んでもらいたい作品です。

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運命をこえて

オメガバースの世界でのβ同士カップルのお話は珍しいなと思い手にとった作品でした。

高校時代から付き合っていて変わらずに幸せな日々をおくっているけれど、β同士なので番うことができない苦しい気持ちをずっと抱えている響と幸史郎。

「運命の番かも?」と思ってしまうくらいの素敵な出会いの記憶が結果的に彼らを縛り付けてしまっていたのでしょうか…
どうやっても変えられない現実と向き合い続けるふたりの思考が微妙にズレてすれ違ってしまうのがすごく切なかったです。

でも、目に見えないモノでの繋がりに少し臆病になっていたふたりがお互いの心を明かすことができたあとのスッキリした顔を見て、ふたりにとってはこのすれ違いも必要だったのだな感じました。

結構重ためなお話でしたが最後にモヤモヤを残すことのない結末で良かったなと思いました。

1

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