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事前にクロスノベルス新書版を読んでから
今回の角川文庫版を読みました。
大幅に加筆修正されたというので、
違いを知りたくて。
確かに違いました。文章自体が違うところもたくさん。その他にも新書版では、あだ名が「ミッちゃん」だったのが「みっちゃん」に。
(もう一人カタカナあだ名の子がひらがなになってました)
これは新旧すぐに見分けつく様になのかな?
キャラ自体が変わってるところもいくつもあったり、大きな流れを変えずに全部書き直しされていて大変な作業だっただろうなと思いました。
違いをメモで書き出してみたのですがここでは知りたくない人もいるかと思うので書かないでおきます。
文庫版で追加されていたエピソードがとてもよかったです。
・初めて二人でキャンプ旅行に行った話
・浩一のモノローグ
(思いもよらぬ事が語られていて、お父さんの言った「どうにもそわそわしちゃって……こればっかりは慣れないな。もう三回目なのに」がこう言うことか!と驚きと共に納得しました。)
・今のご時世を反映したエンディング
今作のみっちゃんと浩一の方が絆を感じられる描かれ方をしていたのでそこもグッときました。
どこか満たされなくて寂しくて誰かに[一番大事][一番好き]って言われたくて思われたかった満と浩一。
自分が居なくなってからのみっちゃんの事を心配して
「一番好きが二人いたらダメなの?」って質問にも切なくなったし、一番好きが二人にならなかったみっちゃんの20年間もどんな切ない日々だったんだろうと思ってしまう。
ラスト226ページ以降うるうるが止まりません。
17歳だったみっちゃんが、最後37歳になっています。新書版が発売されたのが2002年、ちょうど今年2022年で20年経ってるんですよ。
17歳だった子が37歳になるだけ年月が経過しても色褪せない作品です。
新書版、文庫版どちらも良さがあったので読み続けていきたい作品です。
月末だというのに、我慢できず電子版購入してしまった。
三度も再刊された人気作。
姐さんがたのレビューを要約すると、「痛哀しい究極のワンコ攻め」。(実は、ワンコ攻めの意味を私は知らない)
①永遠の昨日 山田ユギ クロスノベルス 2002年2月15日
⓶永遠の昨日(新装版) 紺野キタ 花丸ノベルズ 2010年11月18日
花丸文庫お試し読みマガジン ワンコセレクション 2015/04/01~
③永遠の昨日 丹地陽子 角川文庫 2022年3月23日~
「@edayuuri 過去作を大改稿したものなのですが、まるっと書き下ろしたパートが二箇所ほどあります。」https://bit.ly/3uzqoFe
・・前作を読んでいないので、どこが加筆部分か分からない。 あとがきも無いし。
・・加筆部分は、完結部の37才、医師になった満についてだと思う。
悲しみは経年により角が取れて丸くなったけれど、37才になっても、未だ浩一の消え際の言葉が残っている。
「みっちゃん、俺と同じくらい、好きになれる人と出会って」
こんな言葉を置いていかれたら ・・逆に忘れられなくなるじゃない?
浩一は雪の降る日に事故に遭って、暫く満の傍にいた。他のみんなにも浩一は見えていた。
死体の浩一が消えたあの日は、満にとっては「永遠の昨日」のまま。
浩一が自分の死体をどうしたのか分からないけど、ちゃんと事件にならず処理できたみたい。(さすがファンタジー)
もし「魂魄だけでもいいから傍に居て、と思う誰か」が居る人が読んだら、
満の今が、どうにもこうにも切なくてたまらなくなると思う。
★榎田ユウリ/榎田尤利先生にマシュマロを投げよう、が、開いてます。https://bit.ly/38dZDil
大好きな榎田先生の昔のお話の新装版。(前のバージョンは読んでいなかったので比較できないですが、まるっと2箇所ほど大改稿されているとのこと)高校生ものなので、どうかなぁと思っていたのですが、まんまと先生の筆力に乗せられ号泣。家読みをとても推奨するピュアピュアなお話、本編260頁ほど。最近親しい方を亡くした方は辛すぎて要注意かも。絶対忘れないお話という意味で神にしました。
白く雪が積もった朝。いつもどおりに二人で学校に向かっていたのに、みっちゃんを守るため、と左側を歩いていた浩一にトラックがぶつかって…と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
クラスメイト(委員長、仲良しの女子、視える女子)、攻めの両親+妹弟、受けの父親+恋人、担任、副担任ぐらいかな。人生色々だ。
++めっちゃ内容に触れる感想
高校生ものはそんなに得意じゃないのですが読みだしたら止まらなかったでした。後味は悪くはないのですが、あまりにも悲しいので読み返しはできないです。
第一関門。冒頭で、攻めさんがはねられちゃうんですよね。読んでいるこっちとしては「は?」でした。そこの記載が色々ショッキングで。あちこちダメージを受けている体をなんとか見るに耐えるようにするというか、動くようにするシーンが「わあ・・・」でした。スプラッタがすっごく苦手な方はご注意いただいた方がよいかも。
第二関門。なんとかクラスメイトを言いくるめ、元通り高校生活を送るかに見えたある日。今まで普通にしてきたクラスメイトが攻めのことが無かったかのようにふるまいだすんですよね。そこがもうダメで。ここからは外では読めんと思ったんです。(だから家読み推奨としました)忘れるということが大切なことは良く分かっているんですけど、でもまだそこにいるのに!と思うと辛かったでした。今思っても涙ぐんじゃう。
神様が攻めを救うなんてことはなく、散りゆく桜のはなびらのように過ぎていく時間。最後に加筆された部分がまた胸を痛くしてくれて泣いてしまうんです。浩一は同着一位で好きな人が現れればと言ってたけど、きっとなくって、次元を変えないと多分だめなんじゃないかな。同じ競争を走って同着一位と思うぐらい好きな人って、きっとみっちゃん(受け)には現れない。相手が違えばその人その人各々のレースがあって、ゴールまでたどり着けるかどうかなのでは・・と思ったお話でした。一生懸命生き抜いた先で浩一にもう一度会えるといいよね、みっちゃん。
桜吹雪 という印象のお話でした。3月発売でしたが、ぴったりの季節だったと思います。
とても良い話でした。
榎田先生らしく軽妙な掛け合いが多くて、二人もクラスメートも個性的で可愛くて明るくて優しくて、厳密に考えると超常現象だし怖い状況でもあるのに、とても爽やかな雰囲気が続きます。
浩一くんをはねた人も、二人の家族も皆いい人。
だからこそ余計な感情をもたずに二人の恋に集中して読めました。
純粋な気持ちが、過去のエピソードと絡めてより分かりやすく、感情がとてもよく伝わります。
特に、その能力から二人を支える立場にあった鏡屋さんが頼もしかった。
甘くて切なくて本当に可哀相です。
二人の仲の良さや絆の強さを感じれば感じるだけ、本当だったらこのままいつまでも続いていくはずの毎日だったんだよな、と思わせ、それが不慮の事故によって突然途絶えることになってしまう悲劇を、改めて考えさせられました。
巻末の過去話も後日談もよかったです。
以前、単行本を読んでいましたが、文庫本が発売されて改稿されているということを知って、また読み返したいと思いました。
本筋はもちろん変わっていませんが、より深く理解できました。そして、やっぱり号泣必須です。
とくに加筆されたお話がとてもよかったです。
単行本が発売されてから20年。同じ年月が経って、高校生だった満たちは37歳になっています。
大人になって就職・結婚などを経て、コロナ禍で成長した満たちに出会えます。
きっと何年経っても満は変わらないだろうと望んでいたけど、実際目の当たりにするとやっぱり切ない気持ちになりました。
最後の言葉がグッときます。
満も読者も永遠に昨日を忘れられない物語です。