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やっぱり大好きだなあ、久我有加先生。。
先生の「芸人シリーズ」初期のこちら、
やっとやっと、読むことができました。
軽快な関西弁のリズムが読んでいて心地よく、
思わずセリフをちょっと声に出して呟いてしまったほど。
タイトルの「月も星もない」は本編に出てくる二人の出会いの
印象的なシーンを表したものですが、あとがきによると
”ツキもスター性もない”という意味も掛け合わせたものとのこと!
うーーん、うまいっ!!と思わず唸ってしまう。
こちらの一作、芸人シリーズ最初のカプでコンビ、
「バンデージ」の土屋も審査員として登場していて、
成長っぷりにじーーん..としました。
彼らが高校生だった頃から知っているため思い入れも強く、
30代中盤に差し掛かった二人の軌跡に、想いを馳せてしまいます。
そしてこちらの本編、互いに(ちょっと状況は違いつつも)
相方から見離された者同士が流れで体を重ねてしまい、
相方としてそして恋人として新たなスタートを切ることになるー
ざっくりと、そんなお話です。
自分は元相方に才能を見出され、
誘われるがままにこの世界に飛び込んだー
という思いから自己肯定感の低い主人公・温(はる・受け)。
そんな温の手を取り、ワンコのように懐いて
毎日バイト先まで通って口説き落とした新・相方であり恋人でもある秀永。
温の元相方と、彼ら二人の元恋人
(秀永にとっては、寝た相手?)であった女性が
とんでもなく腹が立つ二人なのですが、
おどおどすることなく、ちゃんと「怒る」&「叱る」ことができた
温、大人だし精神的な成長、強さを身につけた姿が見られて
頼もしかったです。
コンビとしての年収2万5千円、という状態から
(月収ではなく、年収!!!)秀永とコンビを組んで一年半、
ついについに星を掴むまで。
紆余曲折ありまくり、涙を流し、傷つきながらも
真摯にお笑いに取り組む温を心から応援しながら一気読みです。
最後の最後、漫才コンテストのシーンでは、
きっとこうなるよね…! と予想しながらも
温・秀永と同じくらいドキドキ、緊張して手に汗かいてしまいました。
あれよ、あれよという間に体を繋げ、
なし崩しに始まった彼ら二人の恋愛関係ですが...
二人の関係、気持ち(特に温側)が徐々に徐々に高まり、
重なり合っていく過程の描写が見事でした...ため息...
温がメガネをかけている時は相方として、
外している時は恋人として…というオンオフスイッチもまた、
素晴らしいアクセントになってたなあ。。と。
二人のすれ違い時には、”オフ”のはずなのに
仕事の時の呼び名で呼ばれ、温がひどく傷つく描写など、
この「切り替え」設定が本当にうまく使われていて、
読んでいるこちらもハラハラ、ドキドキ、臨場感を味わいました。
そしてこちらのコンビのお話、これで終わりではなく
続編があると!
迷わずカートにイン、この週末、続編も続けて
じっくり味わいたいと思います☺︎・:*+.
ツキもスター性もなかった二人が空を見上げ、
パイロットランプに願った願い。
その願いがついに、ついに…!というラストシーン、
自分もテレビを見ている気持ちで力一杯拍手を送りたくなり、
熱い気持ちでいっぱいになるエンディングでした✨
同じ日にコンビ解消…流れでヤッて
責任取るから(土下座!!!!)でコンビ結成!?
そんなことある!な風に結成された2人だけど
一緒に見上げたパイロットランプに願いをかけるスタートが
がさつなようでロマンチック!
拘りへの真摯さ、可愛いとこを知って
お笑いの楽しさが最熱・活性化しながら
愛も育まれてくのがとても良かった。
一緒に歩む相手って大事だんぁとしみじみ。
2人を掻き回す女の子には、えぇ!!となりましたが、
妙な現実み…考え方が突飛すぎて、うわぁ~と思いながら読めちゃいました。
元相方の妬みやら妨害も乗り越えて、カラッとこなしていくの良かったです!
いや、全く違和感のない関西弁で…
たまに無理矢理っぽい関西弁を話すキャラクタが出てきたりすると??って思ったりしますが、全編関西弁のやり取りでも違和感がなく読めるのはすごいと思いました。(ちなみに私は関西出身です)
で、物語は、漫才師がコンビ別れをした後に運命的な出会いによって新たなコンビを組み、全漫(多分イメージはM1なんでしょう)で優勝を手にするまでのストーリーです。その中に秀永と城坂のラブストーリーが入ってる感じ。
夫婦漫才というか、男女のコンビは恋愛関係になりがちってのは良く聞くケースですが、同性でも好きになっちゃうくらいネタを作ったりやったりする状況になるんでしょうね。
ただ、萌というかそういう意味で言うと、ママありがちな描写なので、すんなり読めるものの、受けと攻めのやり取りは特筆するところはあんまり無かったかもです。
心の動きも、一般的な枠に収まっていたと言うか。
(それが悪いわけじゃなくて、趣味の問題)
その後の二人を書いた続編があるようなので、そちらも読んでみます。
久我有加先生による、いわゆる「芸人シリーズ」の1作。
人気コンビ「パイロットランプ」の誕生物語です。
「月も星もない」
プロの漫才師になって5年、鳴かず飛ばずのうちに相方からお笑い辞めると言われ、呆然とする温(ハル)。
1人になってから泣いていると、同じくコンビを解消したという芸人が声をかけてきて…
…というのがこの作品の主人公、後の人気コンビ「パイロットランプ」の秀永と温の出会い。
よくある出会いではありますが、この作品の他とは違う所はコンビを組んだ2人が恋愛関係に落ちる、という順番ではないところです。
なんとこの2人、出会ったその日にまず寝てしまう。
いきなりのコンビ解消にショックを受けた温は、同じ境遇でヤケ酒を飲んで酔っ払っている秀永が優しく接してくれて、なぜか抱きしめられてキスされても嫌悪感もなく、そのまま家に連れて行かれて抱かれてしまうのです。(秀永は男とヤったことがあるようだくらいの設定)
翌日、土下座して責任とりますという秀永。
お互い相方が逃げたから2人でコンビ組もう、と。
温ははじめに寝てしまっているのでコンビとしての距離感がつかめず、相方として最高の相手だから一緒にやりたい、でも恋してたら一緒にできない、なんてずっとグルグルしてます。
「昼も夜もない」
結局相方であり恋人となった2人。
「パイロットランプ」は着実に実力をつけ「全国漫才コンテスト」の最終選考に残った。
人気が出てくると、あの自分を捨てて芸人を辞めた元相方が今更すり寄ってくる…
はねのけると、下らない、でも非常にダメージを与える方法で揺さぶってくる。
つまり「子供」。
温も秀永も以前は女性と関係があり、その女性が子供を産んでいた、と。
この話は結構長引いて、お互いがお互いに真相を聞けず勝手にぐずぐずと悩んでて、読んでてなんともモヤモヤ。この女性の存在はもちろん腹立たしいけど、こういう風に女性を描くスタンスもなんかイマイチだなぁと感じてしまった。
結局誤解は解けて温と秀永は丸く収まりました。
「全漫当夜」
全国漫才コンテスト。最終8組の覇者は……
優勝、パイロットランプ!
あ、優勝しちゃった?おめでとう、2人!
芸人になって5年、売れないコンビをそれぞれ解消した城坂と秀永が、コンビとして、パートナーとして成長していくお話です。芸人モノや芸能界モノは読む機会がなかったのですが、とても面白かったです。関西弁が楽しい!仕事(お笑い)と恋愛のバランスもよく、読みやすい作品でした。
個人的に、BL作品から離れている期間にお笑いにハマっていた時期があったので、お笑いの部分は読んでいて色んな感情が渦巻いて苦しいほどでした。腐妄想を抜きにしても、お笑いコンビの関係を夫婦とか恋人に例える話はよく聞きます。売れているコンビを見ていてもテンプレートや鉄則は存在せず、結局は運命なんだなーといつも思います。このお話の二人は勢いでコンビを組んだ面がありますが、運命だと信じて前進して欲しいです。実際、若手になればなるほど解散して別の相方と組むことを繰り返すので、芸人になって5~6年、20代で(色んな意味で)運命の相手と巡り会えた二人はとても幸せですね。お笑い好きとしては羨ましい限りです。
私は二次創作とかナマモノには興味がなくここまで来ましたが、そういう世界でお笑い芸人が人気なのはよく分かります。男性同士、お互いに不可欠な存在だという関係はなかなか特殊ですね。この作品を読んで改めてそう思いました。