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表題作ヤクザとネバーランド

枦山,花畑組組員,26歳
奈木,花畑組二代目,27歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

広告代理店に勤める奈木蝶也のもとにヤクザが来た。
離れて暮らしていた花畑組組長の父が亡くなり、二代目を継げと迫る組員たちにヤクザ嫌いな蝶也は断る。
組員の中にひとつ下の幼馴染み枦山堯平がいた。
大人しいがキレると凄い堯平が蝶也は苦手だった。
なぜか堯平だけが蝶也に組長は無理だと言い、思わず蝶也は、組長を引き受けてしまうが…。

作品情報

作品名
ヤクザとネバーランド
著者
砂原糖子 
イラスト
高城たくみ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
ISBN
9784344810075
3.6

(25)

(3)

萌々

(11)

(10)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
7
得点
90
評価数
25
平均
3.6 / 5
神率
12%

レビュー投稿数7

受け皿が広いので読んでみてください!

砂原さんは好きな作家さんなので、随分前に購入してありました。
が、砂原作品の中ではレビューも少なく、評価順位も低めだったので読むのが後になってしまいましたが、わたしは最近のものよりも面白かったです!
まず、タイトルが笑えます。
ネバーランドって聞いて『うんうん、マ○ケル・ジ○ク○ンのね』と思ってしまったわたしは、もうピーターパンには会えないようですが。
見ただけでは意味がわかりませんでしたが、登場人物が揃ってくるとなるほどーとなるかも(笑


受けの奈木は広告代理店に勤める、27歳。
中学で両親が離婚し母に引きとられたため、ヤクザの組長だった父とは疎遠でした。

攻めの枦山(スマホではこの漢字しか出ません)は、花畑組の企業舎弟で26歳。
奈木と同じくヤクザの子供だったため、ふたりは幼馴染。


奈木の父親である組長が亡くなり、急に現れた子分と二代目襲名。
花畑組(名称から言っても笑えます)は良く言えば古風で赤貧な組で、実家の肉屋を手伝ったり、エコと称し節電のためにクーラーを我慢したり、奈木に真っ白スーツをキャッキャ言いながら選んでいたりと、微笑ましいです。
ちなみに島は巣鴨の外れ。
BL界で繰り広げられるハードな感じはありません。

企業舎弟となった枦山は、再会直後から奈木が好きなことが見てとれます。
はっきり言ってニヤけました。
無表情で何を考えているかわからないような枦山が、奈木に関してはなんだか様子がおかしくなる様は可愛いです。
それにもちろん奈木は気づかないので、枦山の行動に頭を傾げるばかり。
こんなふたりなので誤解しっぱなしで進みますが、周辺キャラがなかなかに味があって笑えるために和みます。

タイトルはコレですし、表紙は妙にハード風なので誤解されるかもしれませんが、この作品は受け皿がかなり広いと思います。
ところどころ笑いを誘う表現があったかと思えば、硬派な男前が照れたり、思わず肉食系に変身したりと飽きさせません。
受けの奈木も嫌味のないキャラですし、跡目を嫌がるのも、子分たちを徐々に受け入れてしまう気持ちも良く理解できるように書かれています。

砂原作品がお好きでまだ手を出していない方や、硬派な攻めが時々可愛いなんてのが好きって方に、お手にとっていただきたい作品でした。

3

大いなる遺産?

大好物の幼馴染物でした*\(^o^)/*

攻は無骨な強面ヤクザと見せかけたストーカーわんこ。

受は事なかれ主義の優男と見せかけたヤクザ真っ青の暴力男。

攻と受は幼馴染で、どちらもヤクザの息子。両親が離婚して一般人の母親に引き取られた受は普通のサラリーマンになります。攻は唯一の肉親を亡くした自分を引き取って大学まで行かせてくれた受の父親に恩義を返そうとヤクザになります。ヤクザの組長だった受の父親が亡くなり、跡目として受に白羽の矢が立ちます。会社勤めの受は嫌がりつつもアットホームな組に溶け込んでいきます。攻とのセックスは気持ち良いし、ヤクザ関係者だとバレされて会社は居心地悪いから、もう組長でもいいかもと思い始めた頃に事件は起こります。

幼馴染のすれ違い物ですが、ちっとも切なくない!攻とヤっている間どーでもいいモブキャラの名前を連呼する受に笑っちゃいました。身代わり系の話だったら「好きな相手が自分以外の名前を呼んでる(泣)」と切なくなるシーンがめっちゃ滑稽でしたww

初恋をこじらせたネクラ攻に激しく萌えました。受の名前にちなんで蝶の刺青を入れちゃったり、ケータイのGPS機能で受の行動をストーカー並に監視する、痛い系の萌えキャラです。無口で態度も冷たいけど、子供の頃から一途に受を思っているなんて健気なヤツめ!人望の厚いカリスマヤクザとか派手キャラではなく、地味に淡々とヤクザな商売を営んでいる所も好きでした。

ストーカー気質の忠犬(それなりに収入あり)とアホであったかい組員達は受にとって大いなる遺産になったぽい?

3

前半でくじけないで!

作者の砂原氏があとがきで言っていますが、『ほのぼのバイオレンス』なお話です。

死んだ先代の息子だからと白羽の矢が立っちゃった奈木蝶也が、うるさい組員に辟易しながらもほだされていっちゃうのが前半の『ほのぼの』部分で、私も何を言いたいのかいまひとつ乗り切らず、モヤモヤとした気分をまといながら「読み始めたんだから終わりまで」といった気分で読んでいました。
奈木が美人なだけでメリハリが無く、枦山尭平はロボットのように正体がつかめず、いったいどうしたいんだ?っていうシーンばかりに思えたからなんですが、そこここに伏線が張ってあるので、そのへんは我慢して読み進めてください。

後半の『バイオレンス』部分で本当の奈木が登場すると、一気にお話が引き締まってきます。エロも爆発です。
前半のあのシーンもこのシーンも、このためにあったのねといった感じです。

結局初代の遺言「息子に後を継がせる」真意はわからなかった気がします。(私が気付けなかっただけかもしれませんが)

強いて注文をつけるなら、枦山の蝶の刺青は花札の絵柄のようにして欲しかった。

2

砂原糖子さんのヤクザもの

砂原糖子さんがヤクザもの…?
砂原さんのイメージ的に、若干不安に思いつつ読んだんですが、めっちゃ面白かったです。
たぶんこの作品は、従来の砂原糖子さんファンには賛否両論あるんじゃないかなーと思いました。でも、私好みだった。要所要所でツボにきて、ケタケタ笑いながら読んじゃいました。

主人公は普通のリーマン。離れて暮らして交流もなかった組長の父親が死に、二代目組長になってくれと迫られます。
だんだん組長らしく成長していく(最後は成長しすぎちゃうんですが…そりゃあもう恐ろしいほどにw)元リーマン組長のキャラ、好きでしたねー。
攻めは組員の一人で、昔の幼馴染みです。無口で無表情で、何を考えてるかさっぱり分からないタイプ。後半で、無表情の下に隠された本音が分かってくるんですが、これもツボにきました。か…かわいい。
最初はやられっぱなしだったのに、最後はやたらと攻撃的な誘い受けになってしまった元リーマン組長にも萌えました。下克上というかなんというか、ヒヨコがプテラノドンになったようなw
この組長さん、ヤクザの頂点狙えるんじゃないかしらんw

2

怖いのはヤクザではなくて人の本質

とにかくタイトルに惹かれて。

ヤクザの枦山と広告代理店に勤務するサラリーマン蝶也のおはなし。

広告代理店で勤務するの蝶也は同僚に好意を持つゲイではあるが、ごく普通にサラリーマン生活を送っていた。
そんなある日、幼い頃に別れ疎遠だったヤクザの組長の父親が亡くなり跡を継いで欲しいと組の者から頼まれるが、その組は構成員がたった6人の弱小の組織だった。
当然そんなことは出来ないと断るのだが、そこには幼馴染で何年も会っていなかった枦山がいた。
彼は蝶也が組長になることに反対する。その訳は?…

組長になるのかならないのかどっちつかずの状態が続き、勤務先にもヤクザの息子であることが知れ同僚達からは手のひらを返したような扱いを受け、上司には噂の真相を追及される。
幼少の頃に受けた同じようなことを今更繰り返すのかと思い悩み、長期休暇を取る。
次第に組との付き合いが深くなっていく。

蝶也は枦山に対して感じていた普段は大人しいのにキレると凶暴になる性格を気にしつつも、同僚に振られた時になぐさめられるように抱かれて以来関係を続けていた。
そんな中敵対する組の者に蝶也が拉致されるが、その時蝶也が取った行動は?…

話の展開はややありがちで目新しいわけでもないのですが、ラストの事件で蝶也の本質が見えた瞬間、豹変する様がピリッと効いていて、そうだったのかとすとんと落ちました。
それまでどっちつかずでど素人の蝶也が組に対してどう決着を着けるのだろうと心配していたのですが、その展開に満足しました。
幼馴染同士の恋愛物と言うより人間の本質や気持ちの揺らぎを上手く表現した物語だと思います。

萌☓2に近い萌です。

2

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