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表題作よだかの恋人

寒原鷹生,27歳,人気小説家
三郷匡平,28歳,小説家志望

その他の収録作品

  • 紡ぐ記憶(描き下ろし)
  • カバー下

あらすじ

三郷匡平は見覚えのない部屋で目を覚ました。
しかも素っ裸で…。
混乱する中、ふと聞こえてきたタイピング音。
視線を向けるとそこには小説家志望の匡平が長年憧れ続けた小説家・寒原鷹生の姿が。
そして自分と同じ素っ裸な彼を見て、昨晩の出来事を思い出す。
自作小説を読んでもらうかわりに寒原から求められたのは自分との“性行為"だった。
しかし、そうまでして彼から得た感想は素っ気ないもので…。
悔しさと不甲斐なさしか残らない最悪な出会いから数日後、
出版社勤務の姉・素子が小説雑誌の売り上げで悩んでいるのを知り、
人気作家・寒原夜鷹と知り合いで執筆依頼できるかもと言ってしまい――! ?

同じさみしさを持つ二人のもどかしくも優しい物語。

作品情報

作品名
よだかの恋人
著者
央川みはら 
原作
阿賀直己 
媒体
漫画(コミック)
出版社
笠倉出版社
レーベル
カルトコミックスequal collection
発売日
電子発売日
ISBN
9784773062380
4.4

(35)

(19)

萌々

(13)

(1)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
5
得点
152
評価数
35
平均
4.4 / 5
神率
54.3%

レビュー投稿数5

次第に浮き上がって見えてくる孤独

ジワッと目が潤むような作品でした。

小説のような漫画で淡々と展開していくんですが
ジワジワと沁みてくる叙情的な部分が哀愁を感じさせ、
同時に温かい体温がゆっくり広がっていくような……。

淋しさが温かいもので包み込まれる感覚に浸りました。

絵もしっとりとした儚さがあって、
お話にピッタリでとても良かったです…!
(央川みはらさんの絵好きー!ヾ(*´∀`*)ノ)


さてさて。

受け:匡平
鷹生の大ファンで小説家希望の青年です。
世話焼き体質のオカン属性でスパッと物言うタイプ。
明るい性格ですが実は持病があって……。

攻め:鷹生
人気小説家だけど実体は浮世離れしたお人。
生活能力はなくフワフワしてる天然っていうのかな。
ほっといたら何も食べないので危なっかしさがある。

小説を書いても楽しいと思えなくなった鷹生から
「性行為をしてほしい」とお願いされた匡平。
自分が書いた小説を読んで貰うことと引き換えに性行為を了承します。

匡平は成り行きで鷹生の執筆を全面協力することになり、
住み込みで24時間サポート(性行為付き)が始まりーーー。

一緒に生活をしているうちに、
次第に隠れていた孤独が浮き上がってくるお話です。


匡平は普段とても明るく孤独を感じさせません。
鷹生も孤独なんて気にしなさそうな風体のお人です。

しかし心の奥底には共通の淋しさを抱えて居たーーー。

序盤は淋しさを感じさせないんですよ。
でも物語が進みジワジワと表に出てくるのがすごくイイ。

誰にも言えなかった淋しさ、
孤独な夜に心の奥底にしまった感情。
2人を繋ぐ哀愁がブワ~っと広がりました(;///;)

シンパシーで理解しあえる安心感が温かく感じます。
2人ともに言葉で感情を交えてはいないんですよ…?
でも寝てる時の心音とか、裸で触れ合う体温とかね。
何気ない日常の言葉で"ああ…"とわかり合う感じがグッときます。

特に鷹生は誰も居ない家が当たり前だったので、
匡平と暮らすようになってからの変化が顕著でね。
表情が和らいだり、感情が見えるようになったり。
それまでポヤポヤ空気のような人だったのでめっっちゃ萌えた…!!!

これはけっこうスルメ漫画になりそう。
淡々としてるのに熱いモノが込み上げる感覚がクセになる。
見えなかった感情が見えてくるのがすごく良かったです…!

ちなみにお試しの性行為はふんわりしてて(挿入無し)、
エロくはないです。描写も少ないです。
付き合ってないのに時々チューしたりハグしたりする距離感が萌えました////

3

紡ぐ『言葉』に魅せられて

 浮世離れした感じの人気小説家、寒原鷹生と出版社に勤めながらの小説家志望、三郷匡平。


 なんとも不思議な感覚になる作品。
 まるでお互いにひとり海を漂いながら、夜空を見上げて何にも縛られず浮遊しているのに偶然に出逢いストーリーが紡がれていく。

 出逢いは必然になるが、出逢い方は偶然なふたり。
 その後は必然的に惹かれ合うが、そこにたどり着くまでには、『言葉』を生業にしているにも関わらず、人気小説家の寒原鷹生は現実生活では、言葉足らずだし、人間生活を営む上での衣食住もままならない。

 鷹生に小説を書いてもらう為に、匡平は鷹生の家に住み込み衣食住と『性行為』を求められるがーーー。

 感情や表情の出し方が真逆に見えるふたりだが、ふたりの土台にある感情が共鳴した時やっと自分自身の気持ちがわかり『言葉』として紡がれる。

 作中の小説も読んで見たい作品です。
 紙コミックス、修正はトーンと細海苔、致すシーンは少なめだが、叙情的で好きです。

1

詩的な美しさ

小説家としては才能があるけれど、生活能力は皆無な寒原。
自分の気持ちを伝えるための言葉も圧倒的に足りないので、登場の場面からかなり不思議な人だなーという感じでしたが。
匡平とのやり取りの中で少しずつ彼のことがわかってくると、そんな不思議なところも魅力的に見えました。
匡平がとても真っ直ぐな人だったおかげで寒原のことを理解できた部分もあった気がしますが(笑)

突拍子もない協力要請から住み込みのお世話が始まり、それもわりと順調に進んでいたところに犬養の存在でちょっと拗れてしまうわけですが…
ふたりだけではその関係を変えることができなかった気がするので、犬養がふたりを進展させてくれたところもあったかなと感じました。

淡々と進んでいくお話の中に、彼らが抱えていた同じ感情がわかっていくのがすごく美しかったです。
そしてふたりが笑顔で食事をしている様子ともしかしたら匡平の夢が叶うかも?という希望が持てたラストがすごく好きでした。

0

同じ家に帰ってくる人がいる安心感

 肌寒い日に静かに布団の中で読みたくなるような作品でした。既に賞も獲っていて有名な作家の寒原と、作品を応募してもなかなか良い評価の得られない小説家志望の匡平。プロの作家の家で働くようになる導入って結構あるけれど、働く側が年下ではなくしかも同業志望って珍しいですよね。

 それぞれ幼い頃からの孤独を抱え、小説を読む、書くという同じ道を歩いているからこそ、たくさん言葉を交わさなくても自然と寄り添えている部分があって。寒原が口下手なのでお互い相手の感情を間違えて受け取ることもあるのだけれど、根本的に相手との近しさを常に感じられているのではないかなと思いました。同じ雑誌の表紙に2人の名が並ぶ未来も、近いうちに訪れるといいですね。

0

続編っぽい…

この本の前になにかでてるっぽいのですが不明…。電子書籍で購入しましたが、思いっきり続きからのスタートで驚きました。これだけでも読めなくはないかな?でも前編知りたい自分にとっては、シリーズものの続編だと書いてほしかったです。ていうか書いといてよ(#^ω^)
本になってないのかなー実に不親切な販売方法でした。
絵柄は素敵です!ぜひ読みたい!

1

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