電子限定描きおろしページつき
続編をとっっっても楽しみにしていた作品
そのぶん、なんだかすっきりしない終わり方だなと思ってしまいました
作者さんの後書きにこれからの云々がありましたが、もう少しBがLするエンドが欲しかったと言う個人的な感想が大きいです
瞬間的にグッと来る場面は多いです
でも散らばっている印象の方が強い
期待値が高すぎたのか、少し拍子抜けの印象を受けてしまいました
先生の次作に期待します
(ラムスプリンガの情景の彼らもちらっとでてきますようれしい!)
最高過ぎて、読後しばし放心しました。
めちゃ良かった…。
続きものなので1巻未読だと理解できません。1巻未読の方はそちらから是非。
ということでレビューを。1巻のネタバレも含めてのレビューになります。ご注意ください。
16歳のジーンは、NYに住む苦手な叔父さん・トレヴァーのもとに夏休みを利用して訪れた。そこで彼は、トレヴァー叔父さんの日記を見つけてしまう。そこにはいつも仏頂面で何を考えているの変わらないトレヴァー叔父さんの姿ではなく、自身と同じ名を持つ「ジーン」という青年との愛おしい生活を生きる「トレヴァー」という男の心の機微が描かれていて…。
というストーリーの今作品。
1巻で、トレヴァー叔父さんの日記でしか登場しないトレヴァーの恋人(だった)方のジーンが、「現在」、どうなっているのかー。
トレヴァーの甥っ子のジーンが読む、トレヴァーの日記、を介して過去へと誘うというストーリー展開で、一歩間違えると「これ誰?」「時系列はいつの話?」になってしまう描き方だと思われますが、表情とか(しわとか肌の艶っぽさとか)あるいは髪型で「いつ・誰のことを」描いているのか端的に読ませる吾妻さんの手腕に脱帽。
そして、随所に盛り込まれる吾妻さんらしいコミカルさが良いスパイスになっていて、シリアス過ぎず、切なすぎず、でもコミカル過ぎない展開になっているところも素晴らしい。
2巻は、トレヴァーの元フィアンセのカレンが登場するシーンからスタート。
カレンさんは1巻も非常に素敵な女性として描かれていますが、2巻も相変わらず素敵です。
そして肝心のトレヴァーとジーンの過去のお話は、というと。
トレヴァーに勧められ大学に通いだしたジーン。
今まで、故郷にいたときには知り得もしなかったことを知り、そして経験していく。その中で、彼は自身がこれからどう生きていくのかを模索するが―。
ジーンを愛し、大切に想うからこそジーンの枷になりたくないと思うトレヴァー。
トレヴァーに思慕と尊敬、そして愛情を抱いているからこそ、彼の傍にいたいと願うジーン。
ジーンの「これから」を思えば、どうするべきなのかを知っている二人が選んだ道は。
今作品は、王道と言えるストーリー展開でしょう。
が、それを、甥っ子・ジーンの目を通して描かれていて、だからこそ唯一無二のストーリーに仕上がっています。甥っ子・ジーンもまた、自身のこれからを模索している少年。自身と重ね合わせて、そしてトレヴァー叔父さんと彼の恋人のジーンとの恋の行方を心配し応援する気持ちにも嘘偽りはなく。
登場人物たち全員が優しく温かく、トレヴァー×ジーンの恋の行方に萌えそしてヤキモキし、甥っ子・ジーンの素直さとか可愛さにほっこりし、彼らの家族の愛情と絆に温かな気持ちになり、もう読んでいて感情がしっちゃかめっちゃかになりました。でも、それが心地よい。
トレヴァーとジーンのその後、について、どうなったのかぜひとも読んで確認していただきたいと思いますが、もう、もう…!って感じです、はい。
「ラムスプリンガの情景」、「親愛なるジーンへ」に続く「親愛なるジーンへ 2」の3部作。「アーミッシュ」という特殊な(というとちょっと違うか?でもこうしか書けなかった)バックボーンを背景に紡がれてはいきますが、でも、自身の生き方、未来、そしてともに歩いていく人。そういうものを決めていくときの難しさや葛藤、閉塞感は、おそらく誰もが持っているものだと思います。そんな難しい心情を、アーミッシュという存在と重ね合わせて上手に描き切った秀作。
今作品には「ジーン」という名の登場人物が数人登場しています。
それぞれの「ジーン」が、彼ら自身で苦しみながら、模索しながらつかみ取った未来を、どうか大切に生きていって欲しいと思います。
そして、表紙。
これがまた良い…!
読後、しみじみと拝見しました。
トレヴァーの笑顔に、すべてが昇華した感があります。
完結してしまったのが残念ではあるのですが、こんなに素晴らしい作品を読ませていただけたことに感謝。
文句なしの神作品です。
これはBLでありながらかつて青年であった自分、そして大人になった自分へのご褒美のような物語だと思いました。涙が止まらない。こんなに人生で泣いたことあるか?と言うくらい号泣している、途中泣きすぎて読み進められなかったし、で今も感想書きながら泣いてる。感動的な話だけど全然泣かせようって描き方をしてない、けど泣く。陳腐な言い方だけど人を愛することがどういうことなのか、人間が成長することがどういうことなのかが鮮やかに美しく描かれていて見事としか言いようがない。ジーンがトレヴァーに色んなものを与えられて自分も努力して新しい道を歩んでいても、自分の選んだ道を後悔しているのがリアルで、田舎から都会に出てきて頑張っている人にはもう涙なしでは読めないと思う。恋愛を超えた色んな人と人との間にある愛が本当に美しく描かれていて人類全員に読んでほしい。感動作なのにユーモアもあり、ちゃんと作者の熱を冷ましてから洗練された漫画として届けてくれている、画力も合わせてすごい作家さんだと思います。1巻もラムスプリンガも見事すぎたけどこの2巻はもはや事件としか言いようがありません。吾妻香夜先生凄すぎる、ありがとうございました。
表紙が本当に素敵ですね。内容も本当に素敵な作品でした。漂う雰囲気が好き。絵が好きキャラ好き、全部好き。
1巻とトータルして神評価にしました。
最初読んだとき、よく分からないところが色々あって(私の理解力が乏しいのかも 汗)、それで何度も読み返しました。うう〜…読み返す度にすごく胸に沁みてきます。時間差でジワジワきちゃって思い出し泣きしてしまう。涙の止め方を教えて下さい…。
ジーンの学びたい欲求を、悲しみながらも応援し送り出すトレヴァーの愛の深さに涙してしまいました。教会の前で涙するトレヴァー…私の涙腺も大崩壊です。
ジーンが海外への進学をすんなり決めていたのが意外でした。だってジーンもトレヴァーのことを愛していたのにどうして?と。
ジーン視点も読みたいです。
ジーンが海外の学校へ行ってから一切の連絡をとっていなかった2人。トレヴァーは、ジーンの未来を考えて連絡をとっていませんでした。ジーンの方は多分連絡をとりたくても出来なかったし、恋人関係を続けたくても続けられなかったんじゃないかな…と。かつて自分が故郷を去り、家族との永遠の別れを決意したように。
ジーンの方からは何もアクション起こせなくて、2人が長い間離れていたんだなと思うと切なくて悲しい時間でした。でも心の中では想い合っていたことは間違いなくて、それが長年の時を経て再会に繋がったと思うと色んな意味でドラマチックでした。
2人の再会のシーンはめちゃくちゃ最高なので、これはぜひ読んで欲しいです。
帰る家が欲しかった、愛する人の元へ戻れる場所をずっと求めていたジーンにとって素敵な結末でした。
「親愛なるジーン」
故郷を離れても、ジーンの弟家族はジーンのことを想っています。帰る場所ではないかも知れないけど、ジーンのことを想っている人はたくさんいます。
周りの人たちがとても良い人ばかりで嫌な人がいないのが良い!読後感良しでした。
あと、ベッドシーンですね…身体の柔らかい線と肉感がとても官能的でした。
この作品はキャラの魅力やストーリー展開、紡がれるハイセンスな言葉、心理描写、交錯するそれぞれの思い…どれをとっても素晴らしいものでした。私はこのベッドシーンですら、この作品の価値を高める要素の一つだと思っています。それほどに美しく、もっと見たかったです。
(2022.9.18追記)
2巻表紙。トレヴァーの照れた笑顔とたくさんの花々。
トレヴァーはジーンには観葉植物をプレゼントしていました。ジーンと離れることになり、観葉植物にしておいて良かったと言っていたのは、観葉植物はそこまで手間をかけずとも枯れにくいからです。
こんなにたくさんの花を育てるようになったのは、花の世話をするであろうジーンとこれからずっと一緒に過ごしていけるということ。それが表紙から分かるようになっていたんですね。だからトレヴァーは笑顔なんだと。
この裏付けとなる絵が電子限定漫画にありました。ジーンを迎えたトレヴァーの姿が、表紙のトレヴァーと一緒!服もミニバラの鉢も、それに添えていたメッセージカード「Dear Gene」の文字も。表紙のくすぐったい笑顔のトレヴァーは、きっと「おかえり、ジーン」と言って迎えたことだと思います。
それに気づいたら、すごく背中がゾワゾワしてしまいました。我妻先生のそっと散りばめたメッセージが最高です。
そして私はまた涙が出てしまいました…
これはblだけど、恋愛作品の枠に留まらない作品です。好きな人との出会い、生きる事の難しさ、赦し、別れ、信頼、成長、キャラクターを通して人生においてとても大切なものに巡り合ったと感動しました。blにおいて好きな人とずっと一緒も夢の世界も素敵ですが、この作品ではお互いが成長する為に別れもあります。成長した甥のジーンがかつての恋人のジーンとの再会を演出してくれます。トレヴァーにとって大切な二人のジーンとの出会いが宝物の様に輝いて褪せる事ない素敵な物語です。