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んもーーーーーー!!!大好きすぎる!!
もうこれは安西先生にしか描けないオメガバの決定版です(と思います!)。D+掲載時から、イラスト市川先生!?なんとゆー神タッグ、さらに内容もめちゃくちゃよくてご褒美でしかありません。
近未来感あるオメガバですが、描かれていることは、本当にベーシックなBoysたちのLOVE!!結局これに尽きます!
オメガの八束とベータの保住は付き合って7年目になる恋人同士。この穏やかな日常だけでも個人的には全然アリなんですが、八束が7年前に一度だけ関係をもってしまったアルファの嘉納と仕事の関係で再会してしまったところから穏やかではいられなくなるわけです。
オメガなので、アルファのフェロモンには強く惹き付けられるわけで、もちろんアルファも。そして、1度だけの関係で尋常ではない相性のよさを認識してたので、思いがけない再会に双方焦るんですよね。くーーぅっ。
どうしてもアルファの嘉納に反応してしまうオメガの本能に、八束は怖くなるんです。アルファではなくて、普通<ベータ>の男の、保住の匂いにやすらぐという八束の気持ちの描写、萌えました。オメガやベータという属性以前に、八束有と保住道隆という個人同士が愛しあっているということを何よりも優先したいのに、もしそれをコントロールできずに、オメガという性に負けてしまうのは、やっぱり人としてどこか哀しい気がします。
ちょっと不安定になってる八束が、嘉納と会うたびに保住に嘘をつく展開、せつなかったですね。んでもって究極に切な~~~~~い(;;)と叫んだのが、切羽詰まった嘉納が、らしくなく暴走する”オメガ誘拐未遂”の場面でした。八束と保住がお互いを失うことの恐怖を実感し、さらに絆を強める展開がエモすぎて悶えました。また同時に、嘉納のアルファとしての苦しみも伝わってきて、もうなんとも言えない感情で胸がいっぱいになりました。
とても印象的だったのが、八束の欲しいのは「庇護者ではなくて伴走者だ」というところ。パートナーの条件だけで言ったら圧倒的に嘉納が上なんですよ(おそらく、おせっせも嘉納八束のがエロいはず…w)。本能と気持ちのギャップに戸惑う八束の内面の描写に緊張感があってドキドキしました。そして、定期的に抑制剤を飲まなきゃならない不自由があっても、保住以上の恋人はいないという八束の想い、ベータの自分が与えられるものは限られているとしても、誰にも八束を奪われたくないという保住の気持ち、波乱によって表出してきた互いに対する執着に萌え転げました。
けっきょく!ノンケだから~とか、オメガだから~とかいう理由は、ダメージを最小にするための予防線でしかなくて、どんな性別であっても”心変わり”の可能性はあるわけで、だからこそ”変わらない気持ち(ずっと好き)”とか”信頼しつづける”ということの美しさを見たいんだよな~~と改めて考えさせられる作品でした。そもそも設定的にそのポイントがわかりやすいのがBLじゃないかと思っていて…本作によって原点回帰した気分です。
描き下ろしは、いい当て馬・嘉納さんにもついに春が…!な展開ですが、保住視点でした。フレンチレストランの美形ギャルソン(伊吹)、てっきりオメガかと思いきやベータだったんですね。しかも、一回くらい嘉納とヤッちゃってるんでは?とかスケベな気持ちで見ててごめんなさい、な展開でした。
”オメガ”だから”アルファ”だからこういう人だ、という固定観念で相手を見てしまっていたな~とベータ保住が反省するところ、心に沁みました。嘉納って”高慢と偏見”のダーシーっぽいと思ってしまいました。やっぱり安西先生の当て馬ってどこか応援したくなっちゃう魅力があります。
アルファばきばき!オメガひんひん!みたいなお話ではありません笑
ただ普通のカップルが普通の恋愛をして普通に長年同棲して普通にお互いを愛していて。
なのに時々ちくりちくりと胸を刺す展開があって少しハラハラするんですよね。
安西先生×オメガバースはこんな感じになるんだと思いブレないポリシーを感じましたw
※ここからばりばりネタバレになるのですがこの文章が本当に好きです。
道隆は逃げ道を用意してくれない。
溢れるほど与えてくれない。満たしてくれない。楽をさせない。待ってくれない。それなのに道隆がいい。欲しいのは庇護者ではなく伴走者だ。
ダメな時は怒ってくれる、弱音を吐くのも励ますのもお互い様、どこまでも2人で歩いていける相手だ。
理性を蕩かすアルファの匂いより道隆の匂いが好きだ。1日働いてきた普通の男の匂い。道隆の匂いがいい。
これを読んだとき今までのオメガバースの遺伝子レベルで好きぃ!の価値観が変わりました。
本能を、確かに積み上げてきた愛が上回った瞬間に少し涙が少し出ました。
また先生のオメガバースが読んでみたいです。
雑誌掲載時から凄く好きだった作品だったので、発売されると知り直ぐに予約してました。
凄く印象深い内容で忘れ難かったので、書き下ろしがあるだろうからどのような決着を見せるのかとても楽しみでした。
最近ではバースに左右されないカップルが増えてますが、こちらはあらすじにある通りにオメガの有がベータの道隆と幸せに同棲して暮らしてるんですが、過去に一度だけ関係を持ったアルファの嘉納と再会してしまうんです。
心は道隆にある筈なのに否応無しに反応してしまう身体、道隆に話そうと思っていたのにタイミングを逃してしまってと、2人の小さなすれ違いの数々にハラハラしてしまいます。
嘉納が有の会社に協力的で有が嘉納が側にいるのに緊張しなくなって来た辺りで、嘉納が有に対する執着を隠さなくなってくるんです。
雑誌掲載時もそうですがこのまま有は嘉納に連れ去られて番になってしまうのか?とか、ヒートに左右されない道隆との満ち足りたセックスに安心感を覚えてたのを思い出して!とか、道隆が劣勢になる度に応援する自分がいました。
有がヒートになっても鎮めてやることが出来ないし、子どもも持つことが出来ないベータである道隆…彼の苦しみを思うと切なくなって、終盤の嘉納に連れ去られる有を追い掛ける道隆の姿が忘れられませんでした。
なので表題作の結末には感動しかなくて、反対に嘉納のこれからと彼に思いを寄せる美しきギャルソンのその後が気になっていたのです。
その嘉納とギャルソンのその後が書いてあったのが、道隆視点の書き下ろし「五月の庭」でした。嘉納への蟠りを捨てて、有と意気投合した美しきギャルソンの伊吹の恋を応援する2人の仲の良さがとても微笑ましいんです。
ここでは嘉納がプライベートでは孤独で、人の感情の機微にとても鈍い事が書かれています。
伊吹が最後の最後に勇気を振り絞ったことが巡り巡って有の親への挨拶に繋がっていて、道隆と有が関係を一歩踏み出すきっかけになるのでした。
そしてあとがき後の書き下ろしSSの「ダブルデート」では、挨拶した後の有の両親の変化と凄く気になってた嘉納と伊吹のその後が書いてありました。
表題作「普通<ベータ>の恋人」だけでは、アルファとオメガの関係性にモヤついたかもしれません。でも書き下ろしの「五月の庭」と「ダブルデート」があることで、読後感が良くバースに左右されない愛のお話になってました。
オメガバ作品の形を取ってはいますが、こちらは普通のBLのお話になっていると思いました。オメガバ苦手の方も読んで欲しい良作です。
挿絵がけい先生とのことでしたので、あらすじを読まずにポチっと購入しました。
あらすじは他の姐様が書いてくれていらっしゃるので
つたない感想を書かせてもらいます。
私の中ではオメガバースってやっぱりα×Ωの組み合わせがしっくりくるんですけど
今回の二人はβ×Ωなんですね。
そうなると発情期のこともあるし、運命の番のこともあるし辛くないのかな?って思ってたんです。
そして読んでいくとやっぱり色々と辛くて…。
でも、道隆と有が心から繋がっているということをすごく感じました。
道隆がとにかく男前で、ぶっきらぼうではあるのですが
いざという時すっごく頼りがいがあって有のことを大切にしてくれてて
だからこそ有は【性】に流されなかったんじゃないかなぁって思いました。
道隆と有以外のお話も入っているのですが
そちらがどうなるのかもすごく気になりました。
きっと幸せは近いけど、みんな確実に幸せになって欲しい。
そう思えるぐらい優しい人たちが多い世界でした。
(嘉納さんも色々あったけど幸せになって欲しいです。)
オメガバースのお話なんですが、「運命論」で終わらないのがいいなと思えるお話でした。私はオメガバースのお話は大好きなんです。自分の意思を超える運命に翻弄されるのもいいなと思えるんですが、これは運命を超える自分の意思としての恋愛でした。矛盾するようですが、そこがとても良かった。
有は希少と言われる男性Ω。自分の性衝動を知っておきたいという理由でマッチングを利用してαと関係を持ったことがある。そのあとに同じ大学の同級生である道隆と恋人になり、大学卒業のタイミングで同居を始め、交際8年目になる。
仕事で偶然出会ったのが1度だけ関係を持ったことのあるαの嘉納で…。体の相性はとてもいい2人。嘉納に会う度に強制的にヒートになる有。でも心が求めるのはαの嘉納ではなく長年共に暮らしてきた道隆で…。
オメガバースってやっぱりどうしても特殊設定だし、フィクションになってしまうのだけど、有の選択は全く現実的で読んでる人がみんな納得出来てしまう理由だったのがものすごく胸を打たれました。オメガバース設定が苦手な方にも読みやすいのではないかと思います。
そして作中にもう1CP誕生するのか…という流れになるのですが、そちらも運命に抗おうとするα×βで、こちらはまだまだ時間がかかりそうなので是非、スピンオフとしてもう1冊お願いしたいです(*^^*)