電子限定おまけ付き
作家買い。
ベリ子さん作品ということで、内容も全くノーチェックでお買い上げした今作品。
読み始めて、んん?何かの続きものか…?と少し困惑しました。
読み進めてやっと理解しました。
今作品はベリ子さん作品の「ジャッカス!」のスピンオフでした。「ジャッカス!」でちょいヤなキャラとして描かれていた三好くんのお話です。そして、荒巻先生が辞めたときに見つけるのを助けてくれた保坂さん。この二人の恋のお話。
「ジャッカス!」が未読でも読めないことはないかな…?
いやでも「ジャッカス!」の登場人物も出てきますし、二人のなれそめなどもわかって面白いかと思いますので、未読の方は是非。
ということでレビューを。
ネタバレ含んでいます。ご注意ください。
「ジャッカス!」の後。
大学受験に失敗し、浪人を始めた三好くん、という時系列のお話です。
「ジャッカス!」のあとで、少しずつ距離を縮めていった二人。
このまま恋人になれる…?と思ったタイミングで、ちょっとしたきっかけで三好くんの腰が引けてしまい付き合うタイミングを失ってしまった二人。
という状態で、ストーリーは始まります。
で、ですね。
三好くんが保坂さんの家に侵入し、PCに盗撮用のアプリをダウンロードして…、というシーンから、今巻はスタートするんです。
?
??
という、頭に?が飛び交う状態で始まるわけですが。
んー、さすがベリ子さんです。
少しずつ、二人の状況、心情、そういったものが過去の回想と共に見えてくる。読者への魅せ方がお上手です。
そして何より、キャラが魅力的。
攻めは保坂さん。
この男性がですね、めちゃめちゃ素敵な男性です。というか、ベリ子さんらしい攻めさんです。
男気があって優しくて、綺麗なお兄さんで、色気もあって仕事では有能。なのにお茶目だし可愛い。という、非の打ち所のない(と、個人的には思う)男性なのです。猫っぽい感じなんですよね。人の懐にするりと入り込んで嫌がられない、という。
なぜ三好くんが保坂さんを盗撮しようと思ったのか、という謎も、少しずつ解明されていきますが、その行為を介して見えてくるのは三好くんという男の子の中身です。
まっすぐで、適当なことができなくて、大人になりたいともがく、大人の階段を上ろうと奮闘している男の子。なので、保坂さんと共に思いっきり可愛がりたくなってしまう。そんな男の子なのです。保坂さんが三好くんに自身がデザインしたイヤリングをつけさせるシーンがありますが、あれはアレですね。マーキング?自分のものです!って言いたくなる。
年齢差がある二人ですが、保坂さんの懐の広さにKOされました。
溺愛、という言葉では言い表せない感じ。あの男気が、保坂さんの最大の魅力なのではなかろうか。
あと、個人的にすごく好きだったのが保坂さんと一緒に働いているスタッフの「極悪姉弟」。ぜひともお友達になりたい!
バックボーンとしてはしっとり系っていうのかな。
モダモダ進む二人の恋心とか、素直になれない感情とか、シリアス系にも振り切れる設定でありながら、そうはさせないのがベリ子作品ならではか。コミカルさも切なさも、萌えもたっぷり詰まった、そんな1冊。
あともう一点。
ベリ子さんと言えば、その圧倒的な画力で描かれる激しい濡れ場が魅力の一つの作家さまですが、今作品はまだ恋人になっていない二人のお話なので濡れ場はなし。その分、三好くんの妄想でエロが堪能できます。多くはないですが最高です。こんなエロの魅せ方、他の作品では見たことがない気がします。
今作品は上下巻の2冊が同日発売になりました。
2冊ともまとめて買われることをお勧めします。
作家様買い。
『ジャッカス!』のスピンオフ作品になりますので、
先に『ジャッカス!』を読んでおくことをオススメします。
『ジャッカス!』で良い役回りをしていた保坂さんと三好。
ほんのりフラグが立っていた二人が今回の主役です。
三好って『ジャッカス!』の時も少し、
気持ち悪い部分を持ち合わせてるなぁと思ってたんですけど、
やっぱり気持ち悪かったです。(いい意味で)
マイノリティーに悩みながらも成長していく三好を
ほのぼのと観察できるこの一冊。
そして相変わらずの克巳を堪能できます。
保坂さんの「いつかこの先、三好くんが俺を捨てる日が来るとして…」のお話に、保坂さんの三好への愛が詰まってるんですよね。
この年齢差だから、いつか捨てられることを想定してて
それでも三好の希望になりたくてって
そこには保坂さんの愛しかなくて
この部分読みながら涙が止まりませんでした。
こんなに深く三好を愛してくれる人なんて
きっと保坂さんぐらいなんだから
早く保坂さんの胸に抱かれて欲しいです。
克巳が言った「保坂さんの方が傷ついてるんだからな!」が全てです。
三好〜!早く腹くくりな〜!
ベリ子先生の新作楽しみにしていました。夏に意を決してジェラシーを読んで撃沈していたのですが、全然違った。新感覚でした。もう表紙が全てを物語っている感じです。ホワホワしていて三好くんも保坂さんを好きなんだけど自分の中で納得してから進みたいってところがなんだかよかった。三好くんの行動は謎というか、え?なところもあるんだけど若い頃のモダモダを思い出すような感じでBL以外の部分もきゅんでした。保坂さんは大人、三好くんを大きな心でまさに愛しんでいる感があってかっこよくてホワホワでした。二人の間はゆっくりだけどちゃんと色っぽさもありました。周りのサブキャラも味が濃くて面白かった。さあ、保坂くんと三好くんどうなる?
「ジャッカス」での拗らせ具合もかなりなものでしたが、こちらでも相変わらずな三好くんで驚きました。
読んでて何で!どうしてそうなった!と克巳じゃないけど呆れてしまって、でもちゃんと理由を知れば不器用でピュアだからと納得でした。
自分に自信がないからと自信を付ける為に取る行動とか、保坂さんの部屋を盗撮しようと考える斜め上の発想とか突っ込みどころ満載なんです。
可愛くて可哀想で愚かな三好くんが一生懸命で、愛おしく思えてくる不思議なお話でした。
おおらかな保坂さんだから何でも話して相談してみれば良いと思ってしまうんですがそう上手くも行かず、保坂さんの元カレとか登場して彼の三好くんを見る視線がとても意味深で気になりました。
それにしてもこちらでも克巳は個性的で良い性格してて、強いなぁとつくづく感心しました。
まだまた恋は前進してないけど下巻に期待して、三好くんが笑顔になる結末だったら良いなと思いました。
帯でジャッカスなのを知りました。
私は、ジャッカスを読んでいなかったので導入部分で大分で“???”となりましたが、読んでいくと分かっていくので読まなくても一応大丈夫かと思います。
というのも、1話目がなかなかな事を受けくんしているので…合鍵もっているとはいえ盗撮仕掛けるとこが1話目。
そして、読んでいくとどんどん拗らせを加速していく。妄想エロは最高にエロいです!
表紙も二人を表していて面白いですね。
上巻では、両片想いのまま終わっているので上下揃えて読まれるのがオススメです。
紙本購入
修正は白短冊です。