電子限定かきおろし漫画4P付
「なあ、どうしてお前は、もう一度俺の前に現れたんだ――?」
先生が描かれるじんわりと胸に響いてくるお話が大好きです。
さよならのモーメント…もう、タイトルと表紙を見ただけでも涙流してしまうぐらい『切ない』という読後感でいっぱいになるお話でした。
自殺を試みた高校生の司と交通事故で死んでしまった亮輔(幽霊)、そして亮輔の死を引きずる春哉の奇妙な三角関係のお話です。
3人…と言っても、身体の関係はないので苦手な方も読めるお話だと思います。
両想いな亮輔と春哉の間に唯一亮輔の姿が見える司。2人の間も取り持ってやろうとする司ですが、次第に彼自身も春哉の事を好きになってしまい。また、亮輔もそんな司の気持ちに気づく…という、ドロドロ……といえばドロドロなんですが、全員自分よりも相手の事を優先する性格なんですよね。自己犠牲…と言いますか。
なので見ていてイライラする事はなく、むしろ「ぁ〜切ない」となってしまうんです。
亮輔が成仏してしまう、というその瞬間にも司が亮輔の手をとって最後の語りの時間を与えてあげるのが、なんとも言えないですね。
ずっと三人で居たいという彼らの思い。
司がそんな想いを受け止めて、春哉にプロポーズとも取れる言葉を伝えてくれる所はとても素敵でした。
2人ではなく、3人で幸せになりたいという気持ちが伝わってきた胸がジィンとしました。
亮輔のことを思って前を向けない春哉。
春哉にとっては全てが思い出なので捨てられない=幼い頃から家業の時計修理を手伝って継いでいる…古い物を大切にする性分であることがわかるキャラ設定がよかったです。
亮輔ができるポルターガイストの一つが時計の針を動かすこと、春哉の誕生日がエイプリルフール…この伏線が効いた展開にハッとさせられました。
春哉への未練があった亮輔が反対の言葉で思いを告げるのが粋です。
ナイスクライマックスでした。
2人を繋ぐと言っていた司ですが、結局は亮輔が春哉と司を繋いだ。美しいリレーです。
春哉と司が惹かれ合ったのが自然でしたし。
成長する司が変わらず春哉を好きでたまらない図は萌えでした。
告げられなかった想い…。
事故で亡くなった親友亮輔が、ある日自殺しかけた青年司の姿を借りて春哉の前に現れる。そこから始まる3人の優しいバランスの共同生活は、ずっと続くかと思われたけれど…。
誰も悪くなくてみんなが幸せでいて欲しくて、とっても切なくてそれぞれの想いが胸に沁みて泣けた。亮輔と春哉に結ばれて欲しかったけど、亮輔がもうこの世にいない以上司と一緒になるのが最善だよね。事故の前に分かり合えていたなら…運命は残酷だ。
でも春哉と司の中に亮輔は生き続けているから、形を変えてずっと傍で見守ってるんだよね。
胸が苦しいけど愛おしい、素晴らしい作品!!
非現実的なお話なのに全く違和感などなく沼る構成で本当に良い 悪い言い方をすれば三角関係⁉でも少し違っていて円満な関係性 3人(2人と幽霊)が各々お互いの想いを尊重しあい想い思われ涙なしでは読めない作品 仁嶋先生の作品はただの恋模様を描かれたBLではなく、いつも読んだあとに人としてのあり方などを深く考えさせられるものが多く大好きです 決して他作品のただの恋愛話が悪いということではなく、仁嶋先生が心の機微を表現される天才だなぁと作品を通して常に思いますというしがない読者の意見です おすすめ作家様です
仁嶋先生作品を立て続けに読んで、なんか読んでないのあるかな〜と思ったらうまいことセールになってました。幽霊モノ全く好きではないのに、電子だと気軽に買ってしまう。
結果、まぁ幽霊モノは全く好きではないからそんな感想にはなってしまうんだけど(買うなよって話だ)、丁寧で気分の良い作品でした。結局生きてる奴が一番強い。死んだらおしまい。…死ぬな!!!
3人の描き分けが好きでした。司の母親との対決(?)は春哉の見せ場で、しっかりカッコいいし、多分このポジションが亮輔なら彼は彼で違う対処をしそうで、春哉と亮輔の違いが、そんなところを互いに好きだった(過去系悲しいね)んだろうな〜って想像させられるのが良い。あまり生きて好き合ってた時の描写がないのにそう思わせる。そんな中でまぁぶっちゃけ当て馬(勝ち馬になるわけだが)の司が出てきても爽やかな感じもよかった。