電子限定特典付き
火傷痕にちょっと構えてしまい(痛々しいのが得意でないので)避けてしまっていたのですが、この度ドラマCDを聴く機会があり、大変素晴らしかったので
詳細なシーンの補完もかねて原作を購入。
初めての先生でしたが、画面が美しくてでてくる小物などもオシャレで
ストーリーは正直理解が足りない部分もなくはないですが…(行間が多いというか、そのわりには駆け足なところもあって少し戸惑いましたが…)
それでもじゅうぶん満足させていただけました。
スピンオフが発売するようですので、そちらも拝読させていただこうと思いますが、
凪がれ星のふたりをもう少しじっくり理解したいので、
願わくば、続編ありますように…!
前半に感じた感想と後半に感じた感想が違って、読み進めて時系列が巻き戻って、あの時の槇人の境遇や感情を知ったあと、知らずに読んでいた時とは評価がガラッと変わった作品でした。
1度目のそういう雰囲気は雨宿りでのラブホ。
天惺が勃っているのを見て槇人が抜こうとするんだけど、普通はそうならないだろう?BLに都合がいい展開だなと思ってしまい、2回目のそういう雰囲気が来る時も互いに想い合ってはいるのだけど、結構サラッと両思いになったなと感じて、私は合わない作品かも…と思ったんです。
別にゲイではない者同士なので普通は葛藤しそうなんだけど、2人ともそういうのは全然なくて、川の流れに身を委ねるように(?)…それが自然かのようにヤるし、くっついてしまったなと思いました。
その“2人の中の自然さ”が当初の私には説得力が足りず不自然なBL展開に感じてしまい、特に槇人がなぜここまで天惺のことを好きになったのか汲み取りきれず、空気感は好きなのだけどハマりきれなかった…のですが、それを後半で覆してもらいました。
あぁこれは…この背景を知った上でまた読み返さないといけない作品だ…!好きだな、と思いました。
最初に感じた合わないかも…が、ここまで綺麗に覆されて驚きました。
今何かで心が弱っている人は、読むと槇人の気持ちに共感してしまうんじゃないかな。
弱った心のときに掬い上げてくれる存在のありがたさ、天惺の安心感に救われた気持になりました。
天惺って不思議な魅力がありますよね。
テンションに浮き沈みがあまりなくて常に一定で落ち着いているのだけど、けして感情が薄い訳ではなくて、素直で優しい、独占欲(愛)が強い人。
感性が他の人とはちょっと違うところも素敵なポイントだった。
メンタルが弱った人にピッタリハマる要素を兼ね備えすぎだと思う。
こういうキャラ好きだな。
途中から登場した羊介も瀬田もいいキャラだった。
2人が出てくると場がわちゃつくのが楽しくて、天惺といるときの槇人とはまた違う絆を羊介と瀬田と槇人の間に感じられました。
そして、羊介が可愛いです。
俺様そうな見た目からは想像しなかった純粋さと不器用さのギャップにやられました。
episode0よかった〜!
芸名カタカナに変えたのはマキがカタカナだからなのかな?可愛いなー。
ストーリーとは別に、作品内で萌えたのは後ろをほぐす時にゴムをつけていたところ。
指にゴムをつけてくれるだけで萌えるのに、ほぐすのにゴムを複数枚使う丁寧さ、こういうの大好物です。
槇人の火傷痕は事故らしいんだけど、事故の件についての掘り下げはないので、なぜあんな目にあったのかは最後まで不明です。
もうちょっと詳細が知りたかったけど、それでも面白かったです。
「俺はその痕、---みたいで綺麗だと思ってましたけど」この台詞に心をつかまれて読み進めていたのですが、行為のときの槇人の「そっちの知り合いがいた」という表現がどうしても気になってしまい、読後感はすこし悲しかったです。私の気にしすぎなのかな? ゲイの方を「そっち系」と表現する揶揄が思い浮かんでしまって……。写真を勝手にSNSに上げてしまう樟平の心情も、現代的といえば現代的なのでしょうが、あまり理解できませんでした。好きな方と作者さんにはごめんなさい。
逆に言えば、その2点以外はとても素晴らしかったです。繊細で優しい画や描写、綺麗な槇人とまっすぐな天惺の対比、不器用な火坂、ミステリアスな瀬田……。
他の作品も読んでみたくなりました。
廃墟のような私設図書館があると聞き訪れた天惺は、建物を写真に収めようとカメラを構える。
そのときファインダーの中に飛び込んだ槇人に心を奪われる。
という出会いの場面から始まります。
槇人は美しい人ですが、顔や体に火傷の跡がひどく残っています。
最初は図書館司書補と図書館利用者としての関係でしたが、星を見に行って偶然出会ったことから距離が縮まります。
話が進んでいくと、槇人の正体が明らかになっていくのですが、火傷の原因は不明のままです。
結果からすると、都会で仕事を含めて色々なことに疲れた人が地方にドロップアウトして、長い夏休みを満喫し、心が健やかになる、というようなお話なのですが、読んでいる最中はブラックボックスになっているところがいくつかあるので、これはどんなお話? どんな仕掛け? とかなりわくわくしました。
勝手に火傷の原因がお話のキーポイントかと思っていたので、そうではなかった(最後まで原因は描かれず)ことや、槇人の雰囲気からも大人の恋愛が描かれると思っていたら結構甘々だったので、読む前と読後とで印象が変わりました。
考えてみたら天惺が大学生なので、恋愛脳一辺倒のようなことになってもおかしくなかったのでした。
槇人にとってはそのことも、リラックスできて傷を癒やすのにちょうど良かったのかも知れません。
個人的には、出来たらもう少し過去エピソードがえぐい方が深みが増したかもなあ、などと思ったりもしました。
試し読みしたときの印象より、さらに槇人が美しかったです。
そして、こんな美人で顔に大きな火傷というところから、勝手に繊細な薄幸美人かと思っていたら、かなりのサバサバ系。
途中、不穏な展開に……と思いきや、話し合いだけで穏便に解決。
……と、いろんな意味で予想外の作品でした。
槇人の性格は、いい意味での予想外。
まあ、あまりにもあっけらかんと天惺に触ってきちゃうのはちょっと残念だったけど。
写真を撮られることに複雑な心を抱えつつ、ズバッと腹を据えてポーズをとってみせるの、ものすごく美しくてカッコよかった。この人ほんとに撮られることが好きだったんだ、才能ある人だったんだ……ってわかって、下手にグズグズ言われるよりもかえって切ない。
天惺は寡黙で年齢より大人びたタイプだけど、槇人の前では意外と年下ワンコ感もあって、これもよかった。
槇人が過去と対峙することになるくだりは、きっかけがきっかけだけに、重たい展開にならなくてほっとするとともに、あまりにあっさりで肩透かし感もあり。
槇人が楽になれたのは天惺に出逢えたおかげ……ってことなんだけど、それにしてはまだ二人の絆が浅すぎて、9割方は槙人が一人で自己完結してしまった印象です。
もうちょっと、二人がちゃんと心を通わせていく過程が見たかった。
「天惺が写真を始めたきっかけの写真」が意味ありげに出てきた割に、何の補足も無しで終わり?と思う方は、episode 0の2ページ目をよく見てください。
もし続編があるなら、あの写真を撮ったカメラマンも出てきて欲しいな。