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表題作閨飾り ‐アルファ王は踊り子に恋慕する‐

アドリアーノ・ディ・トレンティン・オルキデーア国王
ジニア、旅の一座の踊り子、22歳

あらすじ

踊り子は王の手で開花する

βの踊り子・ジニアは、花祭りに出るため港町へ。
彼の仕事は踊り子と、『閨飾りのオメガ』として貴族たちの一夜を彩る花となること
。祭り初日、α王・アッドに見初められる。短い逢瀬の中、彼の立場に左右されない
誠実さに心を打たれたジニアは、身体をつなげ、首筋を噛んでほしいと求めてしまう。
祭りが終わり、別れを告げずに旅立つと、βだったはずがΩに覚醒をしてしまい…。

作品情報

作品名
閨飾り ‐アルファ王は踊り子に恋慕する‐
著者
高月紅葉 
イラスト
笠井あゆみ 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリア文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784866576503
3.8

(16)

(4)

萌々

(7)

(4)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
5
得点
60
評価数
16
平均
3.8 / 5
神率
25%

レビュー投稿数5

純愛ラブストーリー

なんて官能的な表紙〜
アッド(右のアルファ男性)の左手がうまい具
合に帯で隠されていて良かった。(ホッ)

そんでもって。表紙開いたすぐのカラーイラストがひゃぁぁぁ〜(〃ω〃)♡です。有人レジ×ブックカバーサービスは避けた方が賢い選択と言えそうです。
私は注文の流れで有人レジ×ブックカバーサービスを選択した怖いもの知らず。いやはや…心臓が爆音を轟かせていました。

BLを読むようになって、メンタルが強くなっていくのを感じる今日この頃です。
購入時の注意点はそのくらいにして、以下作品について語っていきます^ ^


この作品はオメガバース。割とスタンダードな設定で読みやすいと思います。
旅の一座で踊り子として人気を誇るジニアが、王であるアッドと出会い恋に落ちていくシンデレララブストーリーな物語です。

オメガバ作品なので当然アルファとオメガカップルな2人ではあるのですが、最初からジニアが「オメガ」としてアッドに接触してるかと言うとそうではありません。というのも、ジニアは「ベータ」だからです。
どういうことかと言うと、オメガに覚醒していない状態は一応「ベータ」だからです。

アルファのアッドに一目見た時から惹かれるものを感じ、ジニアの身体の中の眠れるオメガの血が覚醒した。という感じ。
アッドの方もジニアに惹かれて、ジニアもアッドに惹かれていますが、ジニアはアッドの求愛になかなか応じません。

自分がオメガに覚醒したことの不安もあるし、ファミリーのような一座を離れる心残りもあるし、何よりジニアの母のことが心の枷となっています。王の伴侶となる自信も持てなくて、理性的にはアッドを拒否をしても身体はアッドを求めているジレンマがジニアを襲います。


アッドはジニアに一直線で揺るぎナシ。
ジニアがアッドを受け入れ、恋人から伴侶になっていく道筋に注目です。最後にはジニアが驚くサプライズがあったりしてね、素敵な結末でした。


タイトルの「閨飾り」なんですけども…
簡単に言っちゃえば、他人のエッチのムード盛り上げ役のことです。
セックス中のカップルと同じ部屋に入って、情事が終わるまでジッと耐えるっていうオメガのフェロモンを活かした一座の仕事の1つ。ジニアはその役割を担っています。

そんな「閨飾り」のお仕事。
この作品で何か大きな意味を持つのか?って言われると、うーん…私はあまり感じなかったです。
閨飾りがジニアとアッドの関係に強く影響することもなく、ジニアの一座のお仕事の1つってだけで、タイトルに据えるほどの意味があまり分かりませんでした…
「閨飾り」の言葉はインパクトあるんですけど、ただそれだけって感じ。サブタイトルの方が作品に合致してるかな。


タイトルと表紙が官能チックで、めくるめく酒池肉林の世界が広がってるのかなって想像しちゃったけど、意外と王道の純愛ラブストーリーでした。しかもアッドはジニア大好きで、あれやこれやと一緒になるために頑張っちゃう好感度高いナイスガイなアルファ王です。

「運命の番」的なビビビ愛なので、どこを好きになったのか?はちょっと曖昧。細かいことさておき…で軽くサラッと読めちゃうのは良いのか悪いのか。好みが分かれるトコかも知れません。


溺愛ラブハッピーが好きな方ならペロッと読めちゃうと思います。あとはアラブとか中東辺りの踊り子モチーフが好きな方にもオススメな一冊です。

6

Ωとしての運命に挑む

アッド×ジニア


愛する人のために、
Ωとしての運命に挑む・・・。
王と踊り子の身分違いの恋。


アッドがジニアの敏感な箇所を撫で回す
大胆な肉感的な美しい表紙。
まず視覚的な刺激が脳内で処理され、
読み始めたら止まらなくなり、
一気に読み進めました。

高月紅葉先生の文章で、
心理描写が細かく、切なく、
エロティックな要素も含まれている
深い愛情が書かれた内容。
笠井あゆみ先生の
緻密な描写が施された官能的なイラスト。
思わず夢中になってしまいます。

βのはずだった踊り子のジニアが、
貴族たちを楽しませる花となるために港町に出かけ、
そこでα王・アッドに出会う。
Ωに覚醒してしまう
ジニアの人生を変えるような展開。
2人の間には、身分や立場に関係なく、
真心の愛が芽生えていく。
というお話。

髪長美人のジニアは、
外面と内面の美しさの持ち主。
優雅で清楚な印象を与える。
母は資産家の愛人であり、
一年間孤児院にいたり
非常につらい経験をされたり、
親の愛情を受けずに育ってきたため、
強い精神力や忍耐力など
生きていく力を身につけている。

母の影響で身分差の恋は絶対したくない。
恋に対しては躊躇して少し拒む様子を見せる。
だが、ジニアは踊りながらも、
観客のアッドに心を奪われていく。
この運命的な出会いで一目惚れしてしまい、
恋心が変化する。

胸が痛くなるほど苦しくて、
涙が溢れるほど好き、
アッドのすべてが欲しい恋心や
アッドに相応しくないΩではない
自分への深い悔しさや、
アッドの力になりたく愛で包みたいという
想いが湧き上がる感情で、
ジニアの心が新たな展開を迎え、
体は後天Ωとして覚醒される。
ジニアが葛藤しながら
愛情を育んでいく過程が
驚くほど切なく、
感動の渦に巻き込まれました。

アッドは、
踊り子のジニアとの出会いが運命的だと感じる。
彼にとって特別なものである。
ジニアの踊りに心を惹かれる。
交流を通じて、
ジニアに対する愛情が一層に芽生える。
王が踊り子を選ぶ決断には、
身分や地位を超越する愛である。
その自己実現に集中するアッドの
魅力的な知性や愛情への情熱、
強い意志に圧倒されました。

身分の隔たりや心の葛藤、
2人がそれらを乗り越え、
肌が触れ合う体は激しく交錯し、
2人の魂を包み込むように溶け合って
番になりいく様子に心が震えました。

「閨飾りのオメガ」という設定が、
オメガバースという独特な世界観をさらに深化させ、
独自の色彩を与えている。

ジニアと年下の踊り子のペスカの絆が、
感動的で深く感情移入できるものである。

ジニアと母の関係が、
愛と葛藤が入り混じった複雑なものだったが、
物語の核となっている。

希望を与えたりする力がある
心と体まで愛が溢れる作品でした。

5

ロマンティックだけど現実的

踊り子が王様に見初められ王妃にってシンデレラストーリーだけど不安はいっぱいだと思う。

アッドとジニアの出会いの場面は印象的。火花が散るような熱さがあった。
相手への想いには隔たりがあったけど、ジニアがオメガになった事は2人が運命である事を体現してた。けどジニアの不安は尽きなくて。お母さんの事があって、厳しい現実も見てきたジニアが信じるのは難しい。そんなジニアに根気強く誠実に向き合ったアッドが素敵。
ジニアのお母さん登場には驚いたけど人生はそれぞれのものって言葉は刺さったしジニアが前に進めて良かった。
互いを大切に、アッドの為に頑張るジニアも、ジニアを尊重するアッドも素敵でお似合い。
ペスカは素直な子、方法は間違えたけどジニアを好きだったのは解る。彼にも幸せがあるといいなぁ。
笠井先生のイラストは素晴らしい。どのイラストも美しかった。ロマンティックだけど現実的、オメガバースを超えて愛する2人にときめきました。

4

懐が広すぎる

読みながら「仁義なき嫁」の攻めと比べてしまって(別に周平が溺愛してないとかは言ってない)、高月紅葉先生のオメガバは溺愛攻めが多いような気がしました。中でもアッドが1番じゃないでしょうかね。

ジニア以上にジニアのことが分かっていて、権力や財力を使うのではなく(ある意味ジニアの為に使ってるけど)じっくりと彼の気持ちが固まるまで待ち続けていました。

待ち続けている間も愛の言葉を惜しまず、失礼な態度を取られても怒らす、どんだけ懐の広い攻めなんだと呆れかえる程でした。

凄く好感が持てたのは進んでた自身の結婚話を白紙に戻して来た誠実さでした。

ジニアも麗しい外見なのに逞しく生きているところが良いのですよ。ただ生き別れた母親のことになると陰鬱になるのだけはイラッとしました。

特に身近な人物に悪人はいませんでした。モブにちょっと居たくらいです。
アッドの国に行ってからもジニアは歓迎されていて、アッドが善政を敷いているからだと思いました。

笠井あゆみ先生の絵の踊り子最高でした!
2人の結婚後の諸外国との外交とか読みたかったかな。王妃としてのジニアの苦労とかやり手のアッド王とか読みたいと思いました。

2

王さま

笠井先生おっかけで購入。キラキラロン毛大好きなんですよねえ・・おまけに攻めがうっすら微笑んでいてくれるのがこれまた嬉しい。とうっとりしていたら攻めの両手は「あらまあ」な箇所にポジションされていて、それもまた「おお」と思う素敵な表紙。お話も好きなしっとり系でしたので嬉しかったので萌2よりの萌にしました。本編260P超+高月先生のあとがき+笠井先生のあとがき1P!

荷馬車にのり町から町へ移動し踊りによって稼ぎを得ているジニア。港町の有名な祭りの初日、誰よりも情熱的なダンスを!と踊っていたらある男に視線を奪われ・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
ペスカ(受けの弟分)、マウロ(団長)、攻め両親、受け母ぐらいかな。

++良かったところ

アルファの王様なんですけど、お人柄が本当によろしいんです。なんと穏やかな温かい愛情。アルファ=傲慢とか俺様とかいう印象が強いんですけど、能ある鷹は爪を隠すというタイプの方でした。能力ばっちりな方、溺愛執着しまくっている方でもそれを隠して、ここぞという時にそれをちらっと見せていただけると「おお♡」と思うじゃないですか。それです。王様、一目ぼれ→旅の一座をずっと見守り追いかけ→団長から説得(金?)→口説き落とし。受けが納得いくまでじっくり攻めるのが良かったなあ。

受けの体に刻み込まれたリズム?音楽?というのを表すような描写も良かったですねえ。こういう麗しいキラキラしたものを周りにまき散らしていそうな踊りを見てみたいなあと思う、素敵な記述でした!

受けは生き別れた母の結婚が不幸だったと思っていたために、王様との将来を思い描けず、羊飼いの娘と結婚して所帯持つんだ!と思っている踊り子。いやちょっとまって君のようなキラキラしい男の横に並ぶ勇気ある羊飼いの娘はいないよ・・・とツッコミながら読み進めていたら、母からの超素敵な言葉があって一歩前に踏み出すというお話でした!母の言葉がすごく素敵でしたねえ・・「なにひとつ迷わず、後悔さえも求めて走って行って」。お母さんも攻めの両親も、攻めの側にいる人、マウロもぺスカもみんないい人達でした。悪党いないです!

「淫心 -身代わりオメガは愛に濡れる-」もしっとり恋心という感じで好きでしたが、これも良かったなあと感じた一冊でした。笠井先生のあとがきは弟分ぺスカ!です。スピンオフくるかな?

3

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