電子限定描き下ろし付き
書道家の若菜、バー勤務の升麻が、現在付き合って同棲しているところから話が始まる。
過去に高校1年の若菜と高校3年の升麻が付き合っていたことが根底にある2人。
一度別れた事がある2人だが、再会して現在に至る。
生活時間は合わないけど、それでも一緒に居られるときは、のんびり幸せな時間を過ごし、ふたりの関係を必要とあれば明かして、堂々としている。
別れていた間の事はあまり詳しく描かれていない。でも、あえて描いていないのであって、現在の若菜から感じる不安感で伝えようとしているのが、世先生のすごいところだと思います。
そして、人物が発する言葉が、時折心に残る。言葉の選択がとても良くて、作品自体も好きだなぁと毎回思います。
うーん、こういうたわいない日常を淡々と切り取って描くような作品は好きな方ではあるのですが、そこまでメイン2人の絡みに萌えられませんでした。高校時代に藤が升麻を恋愛対象として好きになった経緯の薄さや、怖くなって逃げた升麻の復縁した時の態度があっさりすぎないかなどの点が気になったり。今の2人のやりとりもなんだか掴みどころのないというか、熱をそこまで感じないような気がして、ガツンと響くところがなかったです。一途ではあるけれども話し方が冷めている攻めと、のらりくらりとした性格の受けという組み合わせが、単純に好みから外れていたのかもしれません。
覚悟はあとからついてくる?
カップルのほのぼの同棲ものかな?と思ったら。うわーーー!!!
途中で挟まれる高校編、そして冒頭の引っ越しの話題!やたら甘える藤、そうだったの〜!?
彼らの10年。きっと一日も忘れたことはなかったはず。その果てにこの穏やかな日々。さりげない行動の数々の理由がわかると、うわーーーー!!って叫びたくなります。
やっと升麻を捕まえた藤。藤のことが可愛くて仕方ない升麻。
大切な人の人生を自分のために変えさせてしまう恐怖。でも忘れられず探し続けて(泣)
ご近所さんのまえでも繋いだ手を離さなかったのも、そういうことだよね?
こんな良いお話だったとは。読んで良かった!
タクシーの運転手さんの描き方が、もしかしてこの人何かあるの?と気になりました。
愛し合い、同棲するカップルの穏やかな日常の中に、二人のこれまでのいきさつがうまく織り交ぜらて騙られるストーリーです。いいですね、こういう、惚れた腫れた、ではなく、本当のパートナーとしての物語は読んでいてしみじみします。
書道家でキリっとした藤と、元売れっ子ホストで今はバーテンをしている升麻。一見対極にあるキャラのようですが、お互いを大切に思う想いの深さは同じ。過去に離れた時期もあり、すべて順調ではなかったにしろ、それも含めて今は人生のパートナーとしてお互いを支えながら共に生きている感じが素敵です。
たまに和装になる藤にときめいたりするところがよいですね。書道家というのも珍しい設定かなと想いました。実は二人の出会いも書道にあるなど、ストーリーテリングがお上手です。
流れる季節と共に
穏やかなふたりの日常を見守る
そんな作品でした
先生の作品はどれも優しくほっこりして
とても気持ちが安らぎます(*´꒳`*)
カムトゥハンドよりもBL感ありましたね!
理解できること、できないこと。どれほど側に居ても、違う面は必ずある。それでも、いいんだよね。お互いを尊重し合い、豊かな時間を過ごす。それが何よりも幸せなんだろうな、って思いました。
「しあわせ過ぎだろ!」
こっちまで幸せのお裾分けをしてもらった気分です(笑)
2024/02/04 完走