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表題作さよなら、モラトリアム。

高杉夢来、大学院生、27歳
天海ほたる、会社員、27歳

その他の収録作品

  • 描き下ろし
  • カバー下:プロフィール

あらすじ

一浪して入った大学で、同じく一浪の“ほたる”と出会った夢来。
同じ講義を受けていたのをきっかけに無二の親友となった2人だが、
ほたるは大学院を卒業後に就職。
一方の夢来は、留年を繰り返し怠惰な毎日を過ごしている。
実家を追い出された夢来は、ほたるのアパートに転がり込むが、
自分より先に大人になったほたるとの暮らしは
学生時代のように仲睦まじいものにはならなくて…。

「俺は今のほたるが嫌いだ」

“つまらない人間”になったほたるを受け入れられない夢来は、
ある日、泥酔したほたるにキスされたことで何かが切れてしまう。
「全部ほたるのせい」と自身に言い聞かせ、
勢いに任せてほたるを抱いてしまい…。


【収録作品】
さよなら、モラトリアム。1~5
描き下ろし

作品情報

作品名
さよなら、モラトリアム。
著者
犬野まげゆいし 
媒体
漫画(コミック)
出版社
竹書房
レーベル
バンブーコミックス 麗人uno!
発売日
電子発売日
ISBN
9784801982109
3.4

(42)

(10)

萌々

(14)

(8)

中立

(5)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
11
得点
135
評価数
42
平均
3.4 / 5
神率
23.8%

レビュー投稿数11

(ネタバレなし)モラトリアム特有の心理描写が素晴らしい…!

いきなり個人的な話ですが、私は学生時代に発達心理学を学んでいました。モラトリアム期の青年にはちょっとうるさい。そう、私はモラトリアムソムリエ(何言ってやがる)

結論、素晴らしい作品でした。
第一印象、攻めは一歩間違えばヒモとかニートになってしまいそうな、なかなかの危うさで。これが、漫画だからといって簡単には変わっていかない。変わろうとしない、変わりたくない攻めの心理描写がリアルで、読んでいて薄っぺらさを感じることがありませんでした。

あとは絵が息をのむような美しさで、表情もリアル。ページをめくる手を止めては「くっいい顔だ……」とじっと眺めてしまいました。濡れ場シーンなど、攻めや受けの熱やドキドキが伝わってくるみたいでした。

作者さまのデビューコミックスと伺い、完成度の高さにヒェ……となっています。これからも応援させていただきたいと思いました!

6

心理描写がよい

電子の試し以外、全て初読みの作者様です。商業誌は初コミックスでいらっしゃるようで、出版おめでとうございます。

横文字タイトルはちょっと苦手で、ひとまず調べた「モラトリアムとは?」→「大人になることへの猶予」で、読んだ作品です。

内容的にはタイトルがまさに!だったと思います。
きちんと(B)が(L)してますがヒューマン要素高めなお話でした。
「さよなら」に至る過程、子供から大人へというところに重きありで、お話はそこを中心に成長する姿が描かれています。
ちなみに成長は心理的な成長です。

心理(心の内)…って、一概に言えど上手く言葉には出来なかったり相手に伝えるとなると表現するには…と、悩みませんか(私だけかも…)?
本当に心理描写って手段は何であれ難しいと思うのですが、こちらの作品そこが凄いなーって思うほど上手く描かれていて驚きました。
表現はもとより細かい変化までしかも分かりやすくて素晴らしかったです。
人物の表情や行動で表現されている所もあるですが、セリフなどの言葉にもされていたので主要人物の考え・変化や「脱モラトリアム」ってこういう感じか!というのがスッと入ってきて良かったです。
分かりやすく細かい心理描写や変化が描かれていた分、成長していく主要人物の気持ちにも添いやすくストーリーに入り込めたように思います。

試し読みでは絵がキレイで気になりましたが、冒頭の内容だけではそこまでの購入意欲はなくて…(ごめんなさい)でも気になって…と購入。
百聞は一見に如かずですね。1冊丸々読んだら
「ほーっ、そうだったのかー」と納得&感服しちゃいました。

前半クズに思える(攻)も脱モラトリアムで成長に伴い脱クズになっていくのでキャラ的に嫌いじゃなかったです。
ラストは脱クズな(攻)と寛容な(受)もお似合いで相思相愛、2人が幸せになれて良かったです。
あわよくば、もうちょっとラブラブ見たかったなー。攻のチラついてたデレ増々で…。と、思ちゃいました。


読めて良かったなと思う作品でした。作者様の次の作品楽しみです。
百聞は一見に如かず。気になられている方いかがでしょうか?

2

すれ違いが痛い

夢来×はたる


最初からすれ違っている2人。
現実と理想のすれ違いだね。

大学生時代の2人の仲良い関係性が、
時間が経つにつれて、変わってしまった。
大学院留年して、理想の荒波に飲まれていく夢来。
社会人になって、現実で大人の階段を上っているほたる。
愛のないの体の関係から、
2人の友情が何かに変わり始めて、亀裂が入って、
夢来の好きから微妙な良い関係が保たれているけど、
ほたるは親友のままの気持ちで・・・なんとも言えず切ない。

2人の心理をリアルに描き出して、
両視点で進行するから、
愛情と執着の境界線に揺られる夢来の葛藤に心がギュッと絞られる感じで、
そんな夢来に対してどうしよもないほたるの複雑な心境に共感してしまう。

辛いけど、2人が向き合って順調に進む後半から、
光が差すラストがとても安心感を与えてくれる。


夢来、
大人になることを避けようとして、
彼にとってのほたるは、変わってほしくないかけがえのない存在。
だけどほたるが社会人として変わり続けている。
さらに2人の関係の変わりようについていけなくて、
ほたるのこと大好きで、
ある意味でほたるに依存してしまうというグロさも見え隠れしている。
自己欺瞞やほたるへの嫌悪・・・痛々しさが伝わってくる。

ほたる、
夢来のことが好きだから、
ほっとけないし、何でも許しを与える。
でも、鈍感で自分でもわからないこの恋心。
もどかしい感情が健気さの欠片だ。
独占欲や嫉妬がいつの間にか募っていて、
素直に夢来にぶつかっている様子がたまらない。

2人の筋肉の絡みが最高にイイ感じで、
愛のない八つ当たりみたいの行為、
ちょっぴり不安定での体の関係、
あまあまな愛の溢れるエッチ、
すべてが萌え心にズキューンと刺さる!

盲目的に昔だけに縋って、周りを見るさえ怖がる夢来。
そんな夢来を慎重に受け入れるほたるがいるこそ、
夢来が成長していくのだ。
2人がお互いに影響し合って、
ただならぬ感情にもがきながらも一歩ずつ前に進んでいく姿がキュン痛〜!
ずっと一緒にいたい気持ちから、
友情が恋に変化していく愛が、

愛おしさと尊さが感じられるのが最高でした。

4

心理描写が素晴らしい

初めての作家様でしたが、表紙もとても綺麗で目を惹きました。
中身の線やタッチも綺麗です。
これがデビューコミックスとは。。。すごすぎます!
内容もとても複雑な心理描写が絡み合って、ストーリーを重厚にしています。
読んでいて切なくなったり、かなり苦しく感じる描写もあり、これをデビューコミックスで描けるなんて、なんてすごい先生なんだ。。。

2人のすれ違いや執着、愛情と友情の狭間、相手を思えばこその切なさ、そして成長していく様も丁寧に描かれていて素敵な作品でした!!
ほたる、とても魅力的なキャラクターです。

2

デビューコミックス…すぎょい(←スゴすぎて噛んだ)

デビューコミックスおめでとうございます!!!
めっっちゃ待ってました!!!(よっ!←掛け声)
で、内容は、一浪して入学した大学で出会った受けと攻めが唯一無二の友達となり、数年後進路が分かれてしまったことで、同居しているにも関わらず立場が違うことですれ違ってしまい、、、というお話。

前半は攻め視点で物語が展開していくのが、まさにタイトル通りの「モラトリアム」だと思った。そして後半は、受け視点で話が進んでいくのだが、この交互視点によってそれぞれの想いや本音が露呈するのがとても良かった。

あと、バキバキな腹筋も最高だった(個人的に結構これポイント高かった! ニヤニヤ)
作品とは関係ないけど、「まげゆいし」っていう先生のお名前かわいいですよね(犬野先生、大変調子に乗って失礼いたしました。土下座)

ちなみに、「ふたり占め」も大好きだったので、次のお話も楽しみしかないです。

2

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