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表題作タッチ・ミー・アゲイン

遠田、10年来のくされ縁
押切、7年前が忘れられないへたれ

同時収録作品息をとめて、

芥 且己(あくたまさき)、デザイナー
佐方 巧(さかたたくみ)、紙会社社員

同時収録作品ヘヴィ・シュガーの嫌がらせ

(名前無し)黒髪短髪
(名前無し)ケンスケと別れたばかりの男

同時収録作品Candied Lemon Peel

英介、女装でバーに勤務、高校の同級生
井堂 檸檬

同時収録作品nuotatore nel cantero!

岸本、翻訳家
久世、岸本の13年来の友人

同時収録作品スターズ☆スピカ☆スペクトル

木路(きじ)
尾坂、同じゼミ所属、事故死している

同時収録作品うしめし

(名前無し)ヘタレ男
(名前無し)メガネ男

その他の収録作品

  • touch IT again,again,again & again
  • I cannot breathe without U
  • lemon crush, bitter & sour
  • ☆スピカのスはスジョウユのス☆
  • postscript

あらすじ

7年前、お前は俺を抱いた。でもそれっきり俺たちは、あの夜を忘れた『親友』の振りをし続けている…。近くにいるからこそ相手の本心がわからない迷路。でも触って、見て、ぶつけてほしい。あらゆる欲望が混在するその想いは、言葉にしたら「愛」なんだろう?特別な想いを込めた短編集。

作品情報

作品名
タッチ・ミー・アゲイン
著者
ヤマシタトモコ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイコミックス~BE×BOYCOMICS~
発売日
ISBN
9784862633316
3.9

(69)

(30)

萌々

(17)

(14)

中立

(6)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
23
得点
266
評価数
69
平均
3.9 / 5
神率
43.5%

レビュー投稿数23

切ないものからオカマ攻めまで多種多様!

収録作品全部が好き!
表題作「タッチミーアゲイン」は、7年前に1度だけ関係をも二人が、お互い恋心を抱きながらも何もなかった振りして友人関係を続けていく話。
お互い今の関係を壊したいと思いつつも、一歩を踏み出せずにいる。
もどかしいけど、その気持ちよくわかりますよね。
切ないけれど、キュンキュンしちゃいます。
「もう一度おれにふれて そうすれば これを最後の恋にするのに」は名台詞!!
キューーーーーーーン!!!!

「息をとめて、」もコレまた受けも攻めも可愛いんだー!
可愛い顔した年上・芥さんは受けに見とれつつ「あの顔にぶっかけたいわー」なんてつぶやく変態さんだし、
爽やかなヒゲの年下・坂田さんはそんな芥さんのことが(変態なとこも含めて)可愛いなんて思っちゃう心の広いお方。
30前後のいい大人が二人、顔を真っ赤にしてハァハァ息切らしてムラムラしてるのがたまらん!!
ごちそうさまっす!

そして実は一番お気に入りかもしれないオカマ攻めと、いかつい外見に対し「れもん」という可愛い名前をもった『れっちゃん』の話。
オカマの英介のドSスイッチが入った姿が…!!すごいな!!
「一秒でも早くおまえのことめちゃくちゃにしてぇ」って!!!オカマの姿で!!笑
れっちゃん可愛いよー哀れだなーまさか受けだとは!!
この話かなりお気に入り!!いいなぁオカマ攻め!!

スピカの話は切なすぎて泣けます。
一度だけ強引に関係をもった相手が、死んだあと自分の部屋に現れるという話。
ある意味ホラーだけど、すごい泣けます。
これは、うんホント、ぜひ読んでほしいです。

一冊にいろんなジャンルが入ってて、やーほんとヤマシタトモコさんは天才だなー
何描いても面白い!てんこもりな一冊です!

8

ヤラれた感でいっぱい

【タッチミーアゲイン】
10年つきあってる友人同士。
7年前に交わすはずの言葉を交わさず身体を交わして
あとは、だんまり。
言えなかった言葉を言うべき言葉を百万回と百万一回繰り返すっていう話。
もっかい俺に触ってよ!っていう話。
もぉ、ゴツくてクールなイケメンが、ぐるぐると恋心を押し殺してる感じが
すげぇ萌えますvラストよかったなぁ。

【息をとめて、】
有名デザイナー×紙屋
ゲイで攻めがガツガツとノンケを口説くんだけども
この攻めが、また乙女でさー。
カラスグチで線とか引く瞬間、息止めるのが恋に落ちる瞬間に似てるとかv
もぉー、カラスグチ引っ張り出して100回くらい線引いてみようかと
マジで思いましたwww

【へヴィ・シュガーの嫌がらせ】
「サディストとゆーのは愛に積極的で優しいんだよ」←とかっ!
「いじめた後に慰めるのがいちばん楽しいんだから」←とかっ!
ちょっと目からうろこでした。

【Candied Lemon Peel】
檸檬というキュートな名前がキーワードのお話。
攻めが女装のゲイで、バリタチで、変態で、いろいろびっくり。
セックスシーンは、描き下ろしで巻末に入ってるんだけども
はじめての夜があれってどうよwww

【nuotatore nel cantero!】
ヤマシタさんて携帯の話多いですよね?
好きな人からの連絡が欲しいのに
待ってて来ないと嫌だし、そこに携帯があるのがもう耐えられないから
ぶっ壊す!という感情すごいよね。俺なんかフル充電で待ってるタイプだけど。
いや自分に自信があるというより、Mなんだと思うw

【スターズ☆スピカ☆スペクタル】
幽霊の話。
自分の部屋に4日前に死んだ友達の幽霊が立ってる。
口ぱくぱくするのに、声が聞こえないの。
ラスト声が遅れて届いて、最後追いつきます。
スピカっちゅー星が、どんだけ離れてるかってことだ!
音速<光速

【うしめし】
タイトルの意味はラストで。
はじめての朝、ベッドの中に好きな人がいる幸せとかぬくもりとか。
そしておなかも減るv

んー。どれも好きだけど【息をとめて、】かなv
乙女でエロエロな攻めが非常に良かったですv
ヤマシタさんの誕生日はゴ(5)ック(9)ンとか
もう一生忘れられないのかと思うとヤラれた感でいっぱいw

4

短編の素晴らしさよ!

どれも素晴らしい短編ばかりですが、特に好きなものの感想を…

「タッチ・ミー・アゲイン」
8ページとは思えないほど物語として美しくまとまった表題作です。
暴力男の遠田と優しい押切。
DVとかSMとかでなく、つい手が出てしまう、の延長みたいな男と慣れてるけど傷つく、という構図が友情と恋愛の境目があやふやなままきてしまった二人の関係性みたいだな、と思いました。
CDがだめ、ということではなく、漫画であるから成立するバランスみたいなものがあると思います。

「息をとめて、」
繊細で下品で可愛い天才の芥さんと、ずるい男の佐方さんの話。
応えない佐方さんずるいな〜!と思うのですが、その態度もわからなくもないといいますか。厚意を示されたからってきっぱり関係性を決められるわけ無いよな、と思います。
芥さんは一途で一途でずるいずるいと言いながらも佐方さんを思い続ける姿勢に、下品だとかいう感想も吹き飛びます…いや、でもちょっと露骨…。報われてほしい人です。
おまけで恒夫を交えてぎゃんぎゃんやってる三人が可愛いです。要約するとこんな感じの話、っていう。
この話がたまらなく好きです。

「スターズ・スピカ・スペクトル」
過去を悔いたままの木路と声のでない?幽霊の尾阪の話です。
もう戻れないからこその切なさが詰まってます。
漫画はモノクロなのですが、特にこの話はモノトーンな雰囲気で、ただ、ラストに声が通じるところはきらきらして見えました。
木路は沢山後悔して反省して、良い人に出会うなりなんなりしてほしいです。

ヤマシタ先生は何かのインタビューで決まったフレーズがあると作りやすい、という趣旨の話をなさってましたが、この本は特に印象深いフレーズがいっぱいあったな、と思います。

3

珠玉の短編集

最近は非BL作品が多いヤマシタトモコ先生。もちろん好きです。モノローグで進行する作風で、ハマる人は全作品外さないと思う。

◾︎表題作
遠田(作家)×押切(カメラマンアシスタント)
ストーリー:高校から10年来の友人の2人は、7年前に一度だけセックスをした。2人とも何食わぬ顔で友人を続けているが…
10年てあっという間ですね。この本が出たのもう10年以上前ですからね。題字からビシバシ時代を感じる。こう、ゆるゆると時間が経ってしまったのだということに説得力が増す10年。作品の中であっという間に4週間経ったりするし。
高校の時の2人の髪型が全然違うのもまたいい。

同時収録作もどれも好きです。ほんと、久々に読み返したらどれもこれも好きで感動してる。
ヤマシタトモコ先生の、自分が大好きで自分が1番で、でも何かを求めてて自信がなかったりするキャラクター達が好きです。

1

2ミリの距離

私はこの頃のヤマシタ作品がとても好きです。じゃあ今はダメなのかって、そういうわけではなく、良い意味で厨二感漂う雰囲気がたまらなく好きなんです。
彗星のごとくシュルーッと現れ、私の心にヤマシタトモコ旋風を巻き起こした感覚が今なお強く残っております。やる気のなさそうな目、だいたいのキャラが気だるそうで、どこにも恋愛が始まる要素が薄そうな…体もひょろひょろだし、ちゃんと抱けるのか!?と疑問になったり。でもそのあたりをくるっとひっくるめて、この一冊は好きなんです。

[タッチ・ミー・アゲイン]
もう一度触られればわかってしまう、もう一度触られてしまえばこの曖昧な関係は終わってしまう、もう一度触られれば変わってしまう、それでももう一度触られたい触りたい変えたい変えたくないでも変わりたい。
7年もの間、腐れ縁のように続けてきた薄い皮一枚に包まれた微妙な友人関係の終止符を打つお話です。目を見開いて、「今日まで なんのために」と戦慄いた押切がとても良い。
なにごともなかったかのように過ごしていたかったわけではなく、それぞれの心にくすぶるものがあるからこそ過ごせることができた7年間を、無にしなくて良かったと思います。こういうギリギリのラインで立つボーイズラブの話はとても好きです。

[息をとめて、]
(個人的に)ヤマシタ作品の醍醐味であるひょろっとして薄らヒゲのあるキャラのお話は美味しいですね。
これまた攻めが可愛らしい顔であるのもまた良いんです。ギャップですね。粘着質な要素が隠し切れないのも好き。
佐方さんは要はズルい部類だと思います。誰しも、魅力ある人に好かれるのは嫌な気はしません。そして嫌われるよりも好かれる方がよっぽど良い。芥が言った「好かれている安心感」はとてもよくわかります。ホッとします。誰かしらに必要とされている事実が、心を落ち着かせるひとつの要素になりますから。
だからこそ、恒夫の怒りもまた然り。なにより芥を敬愛しているからこその怒りであり、佐方を知るからこその憤怒ですもの。
初エッチが玄関口という雰囲気のない勢い任せなスタートも、芥の焦りと喜びを感じられて好きです。佐方だって、芥の素晴らしさを知っているから戸惑いもあったろうに、受け止めることを決意するのも好意ゆえでしょう。
息が止まるほどのね!

[ヘヴィー・シュガーの嫌がらせ]
佐々木のルックスがたいへん好みです。(断言)
言わせたいけど、言わせない♪ という様子がもう、きっと夜は言葉攻めなんだろうなと片鱗を感じさせます。そこを妄想するのがとても楽しい。

[Candied Lemon Peel]
レモン汁のワードを出したかったがためと伺い、もう妙な想像しかできません。
自らのコンプレックスを受け止めてもらえると、その相手のことをとても信頼できますよね。ああ、この人は笑わないんだ、この人は気にしないんだ。そう思ったときに、友情も愛情も生まれると感じます。
れっちゃんにとっては英介がそれで、英介はれっちゃんに一目ぼれで。いいふたりです。
描き下ろしの内容で、はじめてにしてはえらくハードな情事のようだとわかりましたが(笑)これから変態英介に赤玉出るまで抱いてもらえる頃にはきっと、自分の名前も悪いもんじゃないなとれっちゃんは思うんじゃないかな。

[ヌオタトーレ・ネル・カンテロ]
追いつめられて追いつめて。ほんとうは怖かったけれど、期待もしたくて。
あの電話が久世からのものでありますように。そして返事は岸本にとって幸せなものでありますように。

[スターズ スピカ スペクトル]
このお話がいっとう好きです。ヤマシタ作品の奥底に漂う侘しさともの悲しさを集約したようなこの雰囲気!
もう取り戻せない時間と、叶えられない思いが混ざり合っているのに、ただ寂しいだけでなくキラキラとした想い出に変えられそうな予感がします。きっと、尾坂が消えたときに描かれている星屑のような効果も、そう思わせるひとつの要因なのでしょう。
声が合わさらず気が付かれていないのだと、四日間うつむいてポツポツと語っていた尾坂を思うと悲しいのですが、それでも最期に伝えられたことでついに成仏してしまったのかなと考えます。木路にとって、残酷にさえ思えるほど鮮烈な記憶になるでしょう。
木路がしでかした悪ふざけはおふざけの範疇を超えたもので、同時に尾坂を傷つけたことに違いはないと思います。でも、彼はそれをも受け止めたうえで、木路のことが好きだったんだなぁ……
来世では共に在りますように。

[うしめし]
うし、飯でも食うか ってことでしょうか?
突然の好意で行為でしたのに順応性が高くて!(笑)なるほど、愛!

短編集ですので、お話の余韻を味わうほどではありませんがヤマシタ先生らしさ(時折のどろどろ感、そして虚しさ、味のあるコミカルなコマ)を感じられる一冊だと思います。

8

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