まじめ男と彼女持ち。 2人が半同棲関係になるまでの、 8ヶ月の日記。

スニップ,スネイル&ドッグテイル

スニップ,スネイル&ドッグテイル
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神31
  • 萌×228
  • 萌12
  • 中立12
  • しゅみじゃない9

--

レビュー数
26
得点
315
評価数
92
平均
3.7 / 5
神率
33.7%
著者
ヤマシタトモコ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE comics
発売日
価格
¥619(税抜)  
ISBN
9784396783396

あらすじ

翻訳家の峰とバス運転手の安城は〝目新しい友人〟同士。
峰は不器用にまじめで、
フランクな安城には彼女がいた。
異質な2人。
だけど彼らは急激に仲良くなり、どうにもおかしな距離感になっていく。

仕事、食事、友人関係など、
恋と共にある〝暮らし〟を細やかに切り取った、日記形式ストーリー。

表題作スニップ,スネイル&ドッグテイル

翻訳家 不器用でまじめ 峰大規
バスの運転手 フランクな彼女持ち 安城文栄

その他の収録作品

  • bonus track(描き下ろし)
  • the recipe(描き下ろし)

評価・レビューするAIの精度がアップいたします

レビュー投稿数26

めっちゃ新鮮だった

作家買いしてます。BLのみですが。

今回は物語が断片的に日常のひとこまを切り取られているような
面白い描き方でした。

日記をそれぞれが書いていたとしたら、それを他人がパラパラと
読ませてもらっているような

描かれているのですが
魅せられているような
しかも、盗み見させてもらっているような、とっても不思議な感覚に陥りました。

ここが、好き嫌い別れる部分かなと思った。
絵柄も含め。

私はとても好きでした。
会話がなくても、登場人物に名前がなくても、成立すらするのではないかとさえ思った。

とてもビビっとなカラーの表紙とモノクロで無機質な本編の絵柄がとても対象的でした。

12

大事件など起こらなくても。

私、今迄ヤマシタさんのBL作品、
どちらかと言うと苦手だったのですが、
この作品は物凄くツボでした…!
なんというか、読みながら、
とても、どきどきしたのです。


皆様がレビューしていらっしゃる通り、
時系列がバラバラな日記を
読んでいるような感覚の作品。
時間軸に沿っていない上、
違う視点や違う場所での同じ日の出来事が
これまた何度も挟み込まれるように出てくるので
すんなりとは読めない。
ですが、その見せ方が
激しく難解というわけでもないのです。
【分からないようで分かる】
ギリギリのライン、と言うか。


私は一読目、
そのまま本の順番通り読んだ時は
行きつ戻りつしながら
「あ、これ同じ日なのか~」とか
「これ、あの日より前のことなのね」とか
ちょいちょい確認しながら進みました。
その確認作業でどきどきが増長。

そして二読目は巻末のもくじ見て
時系列順に読んでみました。
(わざわざ付箋付けて、もくじ何度も見返さなくても
 読みやすくした上でトライ・笑。)

さらにその後三読目、
また本の順番通りに読んでみました。
こんな読み方初めてした。


何度も読んで思ったのは、
描かれている日が、意外にも飛び飛びで
読む人の想像力を静かに煽るなぁということ。
例えば、
告白めいたものを
「なかったことにしない」と言った日から、
次に描かれる日までは10日位間があって、
この間にも色々と想いは廻ったんだろうな、
とか思って。


内容自体には、大きな山と言えるほどの
事件は特にないです。
でもそれでも、恋心っていうのは
生まれちゃうもんなんだなと
思わせてくれるのが私はすごく好きでした。

同性同士の恋愛に「俺はそんなんじゃない」
と抵抗するヤマシタ作品らしい
ぐるぐるネガティブ思考は健在。
今迄私はそれが苦手だったのだけれど、
(先生はそこが萌えポイントなんかな~)
この作品では、悩んでた安城が
峰くんと付き合うことになってからは
カラッとナチュラルに、
好きという気持ちを表に出してく。
それにとってもキュンとしてしまった。
なかなか「好き」とは言葉には出来ない
ツンデレ具合にも悶えた!

それから、安城の恋人だったみちこちゃんは
ふたりの背中を押した…のかな。
描かれてないからもうそこも想像ですが。
谷川俊太郎さんの【黄金の魚】を
峰くんが検索した日の前後の
エピソードの配置に凄く心をつかまれたので。
まさに【黄金の魚】の一節を
ヒシヒシと感じてしまう流れで配置されてて…。
ヤマシタさんらしい心抉る感じが
痛々しくない程度に感じられて
この辺、とても印象に残ってます。


読みにくさがあるのは事実なので、
万人受けする感じではないと思います。
好き・嫌い、というより
すんなり来る・来ないが分かれる感じと言うか…。
言い表しづらいのですが、自分はツボでした。

今も何度もちょっとずつ読み返してます。
一冊まるまるこの話だけ、ってのもすごくよかった。
これで短編混ぜられてたら、さらに混乱しそうだし(笑)。

ちなみに、最初は装丁のインパクトで
気にし始めた作品でした。
秀良子さんの『宇田川町で待っててよ。』
と同じ方の装丁なのですね。

9

最後のピースがはまるまで

ヤマシタ先生の描く男性って、どうしてこんなに素敵なのかしら?
ほんと、すっごく色っぽいなぁ~ε- (´ー`*)

8ヶ月の間のピンポイントの数日。
その一日一日を、さらにエピソード毎に細分化して。
現在、出会った日、少し前、年末、春、などなど、時間は行ったり来たりする。
でもね、これが謎解きパズルのようでとても楽しいのです♪

はじめ、すでにカップルの二人の小さな小競り合い(までいかない)やり取り。
その後わかる、半同棲状態。
何故二人は付き合う事になったのか?
彼女のいるノンケと実はゲイだった二人が?

峰くんと職場上司の仕事外のやり取り。
安城くんとみちこちゃんカップルの会話。
二人が出会うきっかけの人、安城くんの飲み仲間で峰くんの先生の言葉。
峰くんと安城くんの、様々な時間、出来事。
みちこちゃんと峰くん。
小さなピース。
バラバラのピースたち。

徐々に見えてくる、真相心理、変化、言葉の意味。

すっごいなぁ…。
ヤマシタ先生は、やっぱり天才だ!!
最後の二人の足のアップとか、激萌えしました♪
どうしてこんなにも、楽しくて切なくて深い話が描けるのだろう?
このお話を読み終わって、心が震えました。

時間が行ったり来たりして、読みにくさに好きではない人も多いかもしれないけれど。
私はその簡単に解けない難しさが、とてつもなく大好きです♪
ヤマシタ先生ありがとう!!(>▽<)

7

「全然わけが違うから」

彼女持ち、ハーブ好きバスの運転手安城と、帰国子女で何気にロマンティックな翻訳家の峰の話。


物静かな感じですが、結構勢い任せというか正直者?素直?
帰国子女ゆえの疎外感とか、封筒の標本を飾ったりだとか繊細に見えますが開き直ると強いです。キレるシーンは一瞬ビクッとします。
だんだん安城よりフリーダムなやつに見えてきます、なんだか。自分に向いている気持ちにも、自分の気持ちにもそこそこ鈍感そう…。

安城
人付き合いがうまそうでのらりくらりとしている割に、警戒心の強い人です。
ほぼモノローグがないのでこの人の本心がわかりづらいのですが。
あと、みちこちゃんのことはちゃんと好きだったと思います。
峰がバスに乗った日の夜が好きです。

みちこ
みちこちゃんは素敵な女性だと思います。
安城の彼女なのですが、二人を邪魔することも恨むこともない、嫌な人ではありません。
すごく強烈に話に絡んでくるわけではないし華やかでもないのですが彼女の存在なしにはこの話、成立しないと思います。

個人的には最高でした。こういうのが好みだったのか!と。新しい趣味をこじ開けられました。
ただ、合わない人には合わないと思います。構成がわかりづらいですし、言うほど日記ぽくもない。
(その日一番印象的だった出来事を切り取って混ぜた感じですかね)
オレガノ美味しかったです。

5

こういうの大好物だわ!!

個人的にはこういうのすごく好みでした!!
読みずらそう…うぅ…とは思いました。時系列が…って。
でも、読み進めて行くうちに、あ、この日は確か…(ぺらぺら)
あ、そうだった、そうそう…それでそれで!?^^

ってな具合に、前にも先にも頁めくるのがどんどんワクワクしてくるんですよ。
私は多分、この作品のカラクリにまんまと引っかかれたんです。
すんなりと読まされてしまいました^^

こういう作品欲しかった!みたいな…個人的にすごく満足で、何度も読み返したい作品です!
買ってよかったな!って思います^^(私を呼んでくだすったんでしょ?みたいな)
この作品に出会えて本当に幸せです。幸せ者です…^^

1

like とlove のモザイク

この作品は、私がBLを読み始めたごくごく初期に出会った本で、私にとっての初ヤマシタでした。
BLにはまる前は、とんがったサブカルものや純文学系小説などが好きだった私。
本作の斬新な手法や、直接なエロなど無くともBLを伝えてくる力量?センス?そんなものに一発でシビれたのだった。
これがオトナのマンガか…ってね。
何もエロシーンがズバリ載ってるから大人向けなのではなく、空気感やら会話やらから漂う何かを察する、読み取ることを読者に要求してるわけよね。
表紙の鮮やかな色合いに惹かれて手に取ったこの1冊で、大げさに言ってしまえばBLの「格」を知ったわけです。
それだけこの作品の力は凄かったし、読んでる最中からもう日付を見ながら前に戻ったり同じ日付探したり、大忙しで読んでた。
今久しぶりに再読して、また同じ事しましたよ。
今読んでみると、特に中盤の切り替えが細かくてちょっとバタバタするなぁと感じるわけだけど、初読時に感じた「凄い…」っていう高揚感をまた味わえました。
そしてやはりどうしても面倒くささもある。正直。時系列で描けや、と心では思っちゃうのだ。
それに、ぼろきれ、かたつむりと犬のシッポって何よ?
はー、マザーグースかー!とこれは今回調べて知りました。
物語としてはあっさりしてると思うけど、読んでない方は是非読んでみてほしい作品のひとつ。BLのひとつの傑作だと思う。


この後BL作品は出てない、のかな?またピリっとした短編集読みたいです。

1

男の子って何でできてる?恋って何でできてる?

ストーリーは、秋に出会った二人の男の子が
急速に仲良くなり、お互いを意識し、一人は彼女と別れ
そして半同棲のような関係に至るまで。
それを日常の断片を重ねる形で描いている。

男の子……と言っても、一人はバスの運転手、
もう一人は帰国子女で翻訳の仕事をしている、
実はちゃんと大人の男の子。

特徴的なのは、時系列がバラバラなことだろう。
現在ー2012年の6月27日の一場面に始まり、11年の秋に飛び
その8ヶ月余りの期間の中を行きつ戻りつ、描かれて行く。

服装から、この場面とあの場面は繋がっているのだというのはある程度分かるが
やはり日にちは結構意識しながらに読まなくてはならず、
面倒くさかったと言えば、面倒くさかったのは事実。
そのためストーリーに感情的に没入することは難しいので
所謂「萌え〜♡」という感情に浸ることができなかったのだが、
等身大の「男の子」の行動や気持ちの動きが
二人の関係に焦点を当ててあぶり出されて行く様は魅力的。

人の記憶は綺麗に時系列で思い起こされる訳ではない。
整理された時間順の記憶ではなく
二人の関係を振り返った時に連想ゲームのように浮かび上がる記憶、
それをそのまま書き留めてみました……みたいな技法は、非常に興味深い。
そして、個人的には好き。

人の思いや生きている様って、起承転結のはっきりしたドラマティックなものではなく
こうした日常の断片の煌めきの集積なんだなぁ……

タイトルにもなっているマザーグースや、谷川俊太郎の詩も効果的。

ENDマークのあとの二人の身支度の図や、ベッドの上の足、
「bonus track」はジャンケンで受け攻めを決めたらしい二人の「もういっかい」、
そして書き下ろしの、オレガノ4題の「the recipe」。
本編の分かりにくさがそこでふんわりと可愛らしく纏まって、
キュンそしてジワッと……
靄が晴れるような心地の、カタルシスのある読後感でした。

  What are little boys made of?
  Snips and snails,
  And puppy dog tails,
  That's what little boys are made of.

  男の子って何でできてる?
  ぼろきれやカタツムリ
  子犬の尻尾
  そんなものでできてるよ

15

咲人

snowblackさま

コメントありがとうございます~!
お返事遅くなってすみません(;^_^A
snowblackさまも同じように感じていらっしゃったとのこと、嬉しいです~!!(*´∀`*)♪
そうですね、私も難しく考えず、いろんな方が楽しんでくださるといいなぁと思います!
あと、snowblackさまがレビューで触れておられる『マザーグースや、谷川俊太郎の詩』ですが、これの扱いがとても秀逸ですよね~。
何をそこに投入するかで雰囲気はがらりと変わると思うのですが、
これを持ってきたところにヤマシタさんの天才的なセンスの良さを感じます。

独特な面白さ

リアリストとお呼びしたい作家さんの一人だと密かに思っているヤマシタ先生。
今回の作品もまさにそんな感じで、男の子って何で出来てるの?と言う言葉が
作品の中に出てくるのですが、作者が挙げた男の子の凡庸な成分が沁みる作品。

8か月間の日記形式で出会いから半同棲になるまでを描いているのですが、
読みはじめは8か月たった「今」なのですが、8か月間の二人の時間を行ったり来たり、
読みはじめは読みにくいなと混乱する気がするのですが、
そこは、すんなりいかない男同士の関係の揺らぎが余計にリアルに伝わる。
好きになって抱き合って一緒に暮らし始めると言う言葉にすれば簡単な事だけど、
そこに至るまでの葛藤や二人の距離感や不安定さが描かれていて、
一筋縄ではいかない作品だなと感じてしまう。

ヤマシタさんの作品は読み手を選んでいるのではと不穏な事を思ってしまう程
解りやすいストーリー構成ではないのですが、それが意外にクセになる面白さがある。
最後のオマケのような「the recipe」で一息つきながら再び味わうのもいいかも。

12

誰かの願いが叶うころ

一冊丸ごと同じ登場人物の話のBLというのは、本当に久しぶりなのではないでしょうか。
私は今回も短編が収録されているのではと思っていたので、久々にがっつりヤマシタさんの作品を読みたいなぁと思っていた身としては嬉しい誤算でした。

…それなのに、「一冊がっつり読みました感」がないのは、
この不可思議な、時系列バラバラ形式のせいでしょうね。(涙)
普通に時系列通りに流れていけばあったであろう萌えも切り取られてしまっているようで…ちょっと残念でした。
おそらく雑誌掲載時にはあった表紙絵を取り外し、全く区切りのない一本の話にしているので、最初こそ時系列が気になってなかなか読み進まなかったですが、意外とあっさり読めてしまいました。
ヤマシタさんのこの新たな試みのお楽しみは、この漫画を一冊読むだけではなく、
一冊読み終わった後、一度読者自身の頭の中で時系列順にまとめて反芻した時、
漫画には書かれていない行間を、個人個人で妄想をして二度楽しむことができる、よ、
ということなのかなぁと深読みしてみたりしています。
あと、バラバラなのでなかなか1ページ1ページが印象に残らないから、何回かペラペラ読み返しても楽しめる…ということなのかなぁ。
私の浅慮はここまでにしますが、ともかくヤマシタさん、デビューからずっと、活動の場がBLだけでなくなっても、いつもなにか新しいことに挑戦しているのがすごいなぁと思うのです。
onBLUE掲載時より、10P分の加筆もあるそうですが、本誌を読んでる人でもこれはなかなか気付けないでしょうね。どこを加筆したのかとても気になるところです。

ノンケとゲイ(というわけでもないのか?)の話だからか、同作者さんの『恋の話がしたい』を思い出しました。
日常のどうでもいい会話を切り取って、お互いの月日を重ねていく…
当たり前で平凡な中で、ちょっと胸が痛くなるようなシーンもあり。
今回は彼女がいた彼を持った故の痛みが描かれています。
作中に引用されている谷川俊太郎さんの詩がとても沁みました。
もちろんこの詩の良さは谷川俊太郎さんのものだけど、こういう詩(時に曲、映画など)に出会わせてくれるところがヤマシタ作品の魅力でもあると思うのです。
そういえば、今回は作業曲が書かれていなかったような…
作業曲表記のないBL本は初めてでしょうか?
(単純に自分の見落としだったら恥ずかしいのですが。。)

なかなか、BL初心者、ヤマシタトモコ作品初心者にはすすめがたいですが、
エロがなくても、女の子がいい味を出していたりする、ハイセンスなこんな作品もあるんですよと、フツーのBLが飽きたお姉さんには是非オススメしたい本です。

11

オシャレなのは恥ずかしい

帯にあるとおり
『まじめ男と彼女持ち。二人が半同棲関係になるまでの、8ヶ月の日記」
であるのは、けして、間違いではない。
ただ、それが、時間軸に沿って、時系列順に並んでいないだけで。

この二人の関係が徐々に変化していく様を、出来事の断片を、行きつ戻りつしながら、表現していく作品は、
なかなか斬新で、オシャレだったり、とんがってたり、かっこよかったりと、
まあ、」おもしろかったのは確かだけど、
オシャレがすぎ過ぎて、
「わかるわ!」なんて褒めたりしちゃう自分とか、想像するのすら恥ずかしい。
二人の関係は常にグズグズで、一気に盛り上がったりしない所は、リアルでいいって事なんだろうけど、これも素直に褒めるには恥ずかしすぎる。

でも、最後のオレガノのレシピは、おいしそうです。

11

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